DIYは節約になる?
先日、知り合いの家に遊びに行くと見事なガレージがありました。
彼は車を自分で整備することが大好きなようで、様々な工具や道具を揃えており、車検も自分で通しているとのことでした。
さらに自宅の家具などもDIYで作っているようで、色々紹介してくれました。
私も昔は車好きだったので彼のようなガレージライフに憧れがあったのですが、節約家になった現在の私からすると、あまりにも無駄が多いように感じてしまいました。
彼のようにDIYが楽しい人にとっては、素晴らしいことなのは間違いありませんが、なんでもかんでも自分で行ってしまうと、節約どころか高くついてしまうものです。
専用の工具を揃えるにもお金がかかりますし、それらを収納するスペースも必要です。
それにプロではないので、必ずしもDIYで綺麗な仕上がりになるとは限りません。実際に彼がつくった家具の出来はイマイチでした。
趣味としてお金をかけるのは自由ですが、節約の為にDIYに挑戦してしまうと失敗するケースは珍しくありません。
DIYの見極め方
DIYといってもどれぐらいのレベルを目指すかにもよるのですが、これは料理で例えると分かりやすいかも知れません。
本格的な八宝菜をつくろうとすると、様々な具材を揃えなければなりません。
何人前つくるかにもよりますが、どの具材も少量しか使わないので、カットされている割高な白菜を購入したり、食材を残してしまうかも知れません。
一方で飲食店は業者からまとめて仕入れるので、材料費を安くすることが出来ます。
飲食店で800円で提供されている八宝菜より、自宅でつくった八宝菜の方が割高になるケースがあります。
もちろん残った具材は他の料理にも使えるので、それほど価格差がないケースもあるのですが、作る手間や片付ける手間の事まで考えると、意外と節約になっていないことがあるものです。
車のエンジンオイルの交換を自分で行う場合も同じです。
4ℓ缶を購入する個人よりも、ドラム缶で購入する整備工場の方が安いですし、さらに古いエンジンオイルを処分する為に専用の道具を購入するとなると、交換工賃を支払うよりも割高になるケースがあります。
料理や整備をすることが何よりも楽しい方にとっては、それは趣味なので構いませんが、節約という意味では損をしてしまうことがあるものです。
DIYでちょっとした棚をつくるとしても、その為にわざわざ工具を購入してしまうと節約になりませんし、工具の収納スペースや作業スペースも必要になってしまいます。
もちろん既に工具をもっていたり、それほど専用の道具が必要のないDIYであれば節約になるのですが、意外と多くの節約家がこの辺のバランスを間違えているように感じます。
DIYを行うことで節約できるケースというのは、新たな道具が必要なのか、ということが目安になるかと思います。節約の為にDIYを行う方は、しっかりとここを見極めてください。
節約テクニックもほどほどに
しばしば節約テクニックとして、財布や銀行口座を使い分けたり、家計簿アプリを使う方法など紹介されているのですが、節約の本質はそこではありません。
そもそも余計な物を購入しなくなれば、わざわざ使い分けたり管理する必要がありません。
いくつも財布を購入してしまうと、単純に節約になりませんし、管理する手間や損失するリスクも増えてしまいます。銀行口座もいくつもあると記帳や管理が大変になりますし、家計簿アプリに入力するのも手間です。
会社の経理のように様々なところから入出金があるのであれば、誰にでも分かりやすく管理することが大切ですが、個人のお金であれば自分だけ理解していれば問題になりません。
これはダイエットも似ています。単純に食べる量を減らせば痩せることを誰もが理解しているはずですが、わざわざお金や手間をかけてダイエットを複雑にしているものです。
DIYもシンプルに考えると色々な選択肢が見えてくるものです。
ちょっとした棚なら手持ちのダンボールやガムテープだけで作れるかも知れませんし、ネットで激安商品が見つかるかも知れません。
人目につくところでなければ、それらでも十分に目的を果たせます。
実際に私も寝室のベッドサイドに置く小さなテーブルをダンボールで作っています。作ったといっても中に折り畳んで強度を増しているだけですが。
これがホントに便利で高さもちょうどよく、中に読みかけの本なども収納できます。もう少し見た目にこだわりたいなら、包装紙でも貼れば良くなるはずです。
DIYが悪いということではなく、その為に余計なお金までかけてしまうと節約にならないので、上手に見極めてほしいということです。
ダンボールのテーブルでも目的を果たしてくれるのであれば、何も問題はありません。
料理上手な主婦ほど、有り合わせの食材で美味しい料理をつくれるものです。高級食材や専用調理器具がなくても出来ないということはありません。
DIYも専用の道具を揃えることではなく、知恵と工夫で乗り切れるようになりましょう。
まとめ DIYは目的次第!
DIYが何よりも楽しみな趣味だという方は別ですが、節約する目的で行う場合は気をつけてください。
高くついた上に見た目もよくなく、さらに工具の収納スペース(維持費)まで必要になるかも知れません。
もちろんDIYで行った方が安くつくケースもあるのですが、道具や収納スペースの事も忘れずに考慮してください。
節約する為にお金をかけてしまうのは本末転倒なので、しっかりと目的に合わせて選んでほしいと思います。
必要もない物を収納する為のスペースや物など、とんでもない無駄です。
またDIYに挑戦する前に、そもそもその作りたい物が本当に必要なのか、よくよく考えてみてください。
スカスカの本棚をキープできる人は少ないです。どうしても隙間を埋めたくなるのが人間の性なので、二度と読むことがないであろうつまらない本でも収納してしまうものです。
逆に収納スペースが限られていると、本当に必要な物だけを取っておくことになります。
つまらない本でもさっさと手放すことで売値が付きますが、数年間本棚の中で寝かされて劣化すると、売値が付かなくなるかも知れません。
倉庫や収納スペースが充実している家ほど、二度と使わない物で溢れているものです。
頻繁につきたてのオモチを食べる家庭であれば、自動餅つき機は便利な道具ですし、もち米も10キロ単位でお得に買えますが、お正月の為だけだと餅つき機のスペースが年がら年中奪われ、もち米も割高な2キロで購入することになってしまいます。
それだったらお正月だけオモチを購入してきた方が、ずっと節約になるはずです。
このような滅多に使わない物を処分できると、家賃が少し安くて狭い家に無理なく引っ越せるかも知れません。
なんでもかんでもDIYに挑戦するのではなく、あくまでもDIYも選択肢の一つぐらいで考えられると、バランスが良くなるのではないでしょうか。
DIYで節約したいと考えている方こそ、しっかりと他の選択肢も考慮してください。
ちなみに冒頭に紹介した彼の奥さんにそれとなくDIYについて聞いてみると、本当はオシャレな家具が欲しいのに、自分でつくるといって買ってもらえないと愚痴っていました。
DIYで楽しむのは個人の自由ですが、必ずしも周りの人から喜ばれているとも限りません。
私のように一人暮らしであれば自己満足でも構わないのですが、どうもDIYは家族のお父さんが頑張っているわりには、良い結果になっていないようなイメージがあります。
DIYが趣味のお父さんは、奥さんが最新の調理器具や調理家電を次から次への購入している様子をイメージしてみると、家族のDIYに対する印象が分かると思います。
三回ぐらいしか使わなかったパン焼き機の最新モデルが発売されてせがまれても、
「いやいやいや、どうせ使わないでしょ、というか今あるパン焼き機はどうするの?どこにしまうの?」
となるのではないでしょうか。
おそらくDIYにこだわっているお父さんへのイメージも似たようなものです。
「餅は餅屋」ということわざがあるように、パンが食べたい時はパン屋さんで購入すればいいだけです。
もちろん毎朝必ずパンを食べる家庭であれば意味はあると思いますが、たましか用がないモノにお金をかけてしまうと、誰からも喜ばれずにお金も失ってしまいます。
家族がいる方こそ、自己満足なDIYにならないように気をつけてください。家族に喜ばれないどころか、貴重な休日に疲れを貯め込んだり、ケガをして本業に支障が出るかも知れません。
偉そうな事を言って申し訳ないのですが、私自身も純セレブスピーカーという自作スピーカーの制作にはまり、ハンダゴテなどの道具を購入してしまいました。
おそらく今後の人生でハンダゴテを使う機会など、スピーカーのケーブルを断線しない限り訪れません。
ハンダゴテのような小物であれば、それほど収納スペースを圧迫するわけではないのですが、このような小物でも数が増えるとやっかいになるので、私自身も気をつけようと思います。
DIYが好きな人ほど、つい手元に残るものを欲しくなりますが、その後の事も考えて完成品や代用品やレンタルなども選択肢に入れて考えられるようになりましょう。