使いやすさで失われるもの
少し前に長年(8年ぐらい?)利用していたプラスチックの調理用ザルの持ち手が折れてしまいました。ザルとしての機能は維持しているので、だましだまし使っていたのですが、流石に使いにくいので買い替えを検討していたところ、様々な気づきが得られました。
一般的なステンレスのメッシュのザルだと、使い勝手は良いものの洗いにくいといった欠点があったり、持ち手がないものだと火傷のリスクがあったり、プラスチックだと溝に食材が挟まりやすいといった違いがありました。
私はあまり本格的な料理をするわけではなく、ザルを利用する時はパスタや蕎麦の湯切りに使用する程度なので、プラスチックのザルで特に問題がなかったのですが、ザルの使いやすさはあくまでも用途次第であり、誰にでも正解があるわけではないようでした。
あくまでも相性の問題
ネットで調べてみると「コスパ最高の調理用のザル」といった情報も見つかるのですが、私がよく使う方法で考えると、これといってコストもパフォーマンスも優れているように思えません。
あるサイトで紹介していたステンレスのザルは、柄がないタイプなのにも関わらず「大きな穴でパスタの湯切りに最適!」と紹介しており、わざわざ鍋つかみを装着しないといけないような形状で、どこが最適なのか分かりませんでした。
強度もしっかりとしている高機能なザルを利用していれば、柄が折れるような事もなかったのかも知れませんが、洗いにくかったり乾燥に時間がかかったり、置き場所に困るような別の問題(手間)が増えていたのかも知れません。
調理器具を吊るして保管している家庭であれば、柄の形状やフックが重要なポイントになりますし、お米を研ぐのにザルを利用している家庭であれば、お米がこぼれないような目の細かいメッシュのザルが適しているように、あくまでも相性の問題です。
私の料理習慣にとっては、100均で売られているようなプラスチックの洗いやすいザルが、最も適しているのだと改めて感じる出来事となりました。
安物だからといって相性が悪いとも限りませんし、高機能な物だからといって使い勝手が良かったり、メンテナンスがしやすいとも限りません。
調理器具にオシャレさを求める人もいるので、それはそれで悪い選択肢だとは思いませんが、本質とは違う要素で余計な手間が増えてしまうと、大抵は使わなくなってしまうので気をつけたいポイントです。
まとめ 購入後の事も考えよう
安易に便利そうだからと必要以上の機能を取り入れてしまうと、そのメリットよりもデメリットが上回ってしまう事は珍しくありません。
例え僅かな手間だとしても、それが毎日のように積み重なってしまうと、膨大な時間が奪われる結果となってしまいます。
お米を研ぐのにザルを利用するのが悪いとは言いませんが、無洗米を選ぶ事で手間が大幅に減らす事ができますし、手荒れといった問題も軽減できるかも知れません。
節約という意味では価格が高い無洗米を選ぶのは間違いなのかも知れませんが、家事の負担が減ったり、手荒れのダメージが減ると考えると相性の良い家庭もあると思います。
私自身にも当てはまる事ですが、どうしても節約家は価格で選びがちなので気をつけたいところです。あくまでも相性の問題であり、購入後の事も考えて相性が良い物を選べるようになりましょう。
相性の良い物を安く購入する事は上手な節約ですが、余計な手間が増えてしまう相性の悪い物を安く買うのは上手な節約ではありません。たまにしか使わない物であれば、使いやすさよりもメンテナンスのしやすさを意識した方が楽になる事も多いです。
飲食店のように頻繁に使うような環境であれば、メンテナンスに時間をかけてでも調理時間を短縮できるのは素晴らしい事ですが、たまにしか使わない一般家庭だと僅かな時短の為に、片付けの時間や置き場所を奪われる結果になるものです。
という事で私は再び100均で同じようなザルを購入してきました。あくまでも私の料理環境にとって相性が良いだけなので、どの家庭にもお勧めできる物ではありませんが、皆さんも改めて自分の環境と照らし合わせて考えてみてください。
価格の安さや見た目の可愛さなど、本質とは違うポイントを優先して選んでしまうと、かなりの確率で購入後に後悔してしまいますよ。