贅沢、ご馳走の基準
自分にとっての贅沢、ご馳走とは何かを迷うことなく明確な基準があり、即答できる方は幸せだと言います。
一方で贅沢やご馳走の基準を持ち合わせていない方は、メディアの情報に影響を受けやすく不幸になる傾向があります。
これらの理由については、これから詳しく解説していきますが、現代は豊かな時代だからこそ、次から次へと新しい贅沢やご馳走の情報が入ってきてしまいます。
ちなみに贅沢の意味は、
必要以上の金や物を使うこと
ご馳走の意味は、
豪華な食事
心をこめてもてなす
となっています。
そこで今回は自分にとっての贅沢やご馳走を決める方法を紹介します。何を食べても満足しないという方は、贅沢やご馳走の基準改めて設定してほしいと思います。意識するだけで満足度が高まるものですよ。
贅沢を感じ取る方法
贅沢とは金額で決まるわけではありません。高級な食材を選ぶことだけを贅沢と呼ぶわけではありません。
大好きな食べ物を大盛りにすることも、一つの贅沢と言えます。
そもそも高級な食材は美味しいから高級とは限りません。多くは希少性が高いから高級なわけです。
鯨をたくさん取っていた頃は高級食材ではありませんでしたが、現在では状況が変わって高級になっています。
うなぎも取れなくなると高級食材になります。だからといってうなぎの美味しさが必ずしも価格に比例するわけではありません。
価格に関わらず大好きなうな重を特盛、二重盛にすることは贅沢だと感じられる人は幸せな人です。
あくまでも自分の基準で決めることが重要です。水揚げ量が少なくて価格が上がった魚を食べることが贅沢なのではありません。
金額ベースで決めるのではなく、日頃抑えている欲求のレベルを上げることが贅沢と言えます。
普段は激安の棒のアイスを一日一本だけ食べているという方が、二本目のアイスを食べることは贅沢だということです。
ご馳走の決め方
ご馳走の「馳走」とは「走り回ること」を意味します。冷蔵庫などなかった時代に、人をもてなそうと必死になって食材を走り回って集めてくることを指します。
現代では簡単に食材が手に入りますが、その食材があなたの目の前に運ばれてくる前に、多くの人が関わっていたことには違いありません。そこに思いを馳せると、全ての食べ物がご馳走だと言えます。
お米の生産地を調べたり、稲作農家の作業を想像したり、管理する倉庫や運搬するトラックドライバーをイメージしたり、販売するスーパーの店員の作業を思い出したり、炊飯器の開発のドキュメンタリー番組を思い出したりすると、あなたの目の前にあるご飯は、多くの方が関わってきたことを感じられます。
日頃から何となく食べているモノでも、きちんと「見る(観る)」ことで多くの気づきがあります。
このことがわかっている方は、自然と「ご馳走さま」と食事に感謝することが出来ます。あらゆる食事が「ご馳走」だと気づいているからです。
「いただきます」という言葉も「命をいただきます」ということです。食べることは他の生命を頂くことです。
「いただきます、ごちそうさまでした」と心を込めていえると、全ての食事がご馳走になります。
逆に「○○だから美味しくない」と食事を批評するクセのある方は大変です。過去に食べた最高の食事と比べてしまうので、ほとんど食事の満足度が薄くなってしまいます。
美食家というのは、わざわざ目の前の料理を批評する習慣があるので。滅多にご馳走にありつけません。
またそのような方の多くは、命を頂くことへの感謝などありません。「○○だから不味い」と言って平気で残してしまいます。
ご馳走とは、受け取る側の認識(食事に対する考え方)で決まるということです。
たとえば小学生ぐらいになった自分の子供が初めて作ってくれた料理というのは、親にとっては最高に嬉しい料理になるわけです。
これが受け取る側の認識の違いです。
食材の価格や料理の腕など全く関係なく、最高のご馳走と感じることがあるわけです。大好きな彼女が初めてのデートで作ってきてくれたお弁当などを想像するとわかりやすいかも知れません。
幸せな考え方
ある時に知り合った50ぐらいの男性との会話で驚かされたことがあります。
その男性と知り合って間もない頃です。まだあいさつ程度の会話しかしていないような状況で、
「カツカレーって最高だよな!!」
と唐突に言ってきました。私は戸惑いながらも「そ、そうですね」と答えると、彼のカツカレー愛が溢れて出てきました。
「カレーだけでも美味しいのに、それにカツレツをのせるなんて誰が思いついたんだろう、うま過ぎて週に五回は食べている」
と言うのです。よほど好きなんだろうと思い「おすすめのお店はありますか?」と尋ねると、
「セイコーマートのカツカレーだ!」
と自信満々に答えました。セイコーマートとは北海道を中心に展開しているコンビニのことです。お弁当や揚げ物を店内で調理をしているのが特徴です。
セイコーマートのお弁当(ホットシェフ)は、他のコンビニと違って「揚げたて、つくりたて」なので、確かに美味しいお弁当だとは思うのですが、カツカレー愛に溢れている彼の一位がコンビニで驚きました。
「確かにセイコーマートのお弁当は出来立てで美味しいですよね~」と答えると、
「カツカレーがうまいんだよ!!」
と興奮していました。他にもあるのかと聞くと、
「知らん、セイコーマートでしか食べない」
と言われて心底驚きました。
彼の基準は、とても幸せな基準だと思います。完全に自分だけの基準で判断しています。彼にとっては間違いなく「最高のご馳走」です。
テレビで話題のお店でもなく、有名なカレー屋さんでもなく、他のカツカレーと全く比較することもなく、自分にとっての最高のご馳走の基準が明確になっています。
最高のご馳走を週に5回も食べられるなんて、最高に幸せな人生ではないでしょうか。
グルメの方が週に5回も満足がいく食事に出会うことは難しいと思います。また誰かが決めた基準、☆の付いたレストランでしか満足できない人も難しいと思います。
どちらが幸せなのか、わかると思います。
まとめ 自分の基準
カツカレーの彼の話と少し似ているのですが、タレントの伊集院光さんのエッセイの中で、大先輩にあたる落語家時代の師匠(円楽)が、
「ステーキとか食っても贅沢してるって思わないけど、吉野家の牛丼の大盛りに玉子乗せて、その上に牛皿の大盛り乗せると、『罰当たりなくらい贅沢してる』って思うんだよね。1000円くらいのもんなのに」
という話を紹介していました。
お金持ちになってもこの感覚を持ち合わせている方は、きっと幸せな人なんだと思います。
決して高級な食材が悪いという意味ではありません。本当にそれが好きならいいのですが、有名だから、貴重性が高いから、価格が高いから「美味しい」という基準にならないように気をつけてください。あくまでも自分で決めることです。
幼い子供はメディアの影響が少ないので、好きな食べ物を聞くと自分の経験を元に迷うことなく答えられます。
「えーとね、グミ」とか平気で答えます。これはすごく全うな意見です。
あなたが子供の頃に好きだった食べ物は何ですか?
あの時の気持ちを思い出してみてください。価格やメディアの情報に左右されない基準を思い出してください。
ちなみに私は「さけるチーズ」が大好きでした。無くなるのが惜しくて細かく細かく裂いていたものです。今でも時々食べています。
ある時に、全く裂かず食べたら、ものすごく贅沢なのではないだろうかと考え、全く裂かずにかぶりついてみると・・・
!!!
中々の不味さでした(苦笑)。味が濃くなりすぎて食感も台無しでした。少し厚めに裂いて食べるぐらいが、私にとってのご馳走なのだと感じます。
他にもラーメンの「メンマ」が大好きでした。ラーメン屋さんではメンマを大盛りに出来ないので、自宅で母親がつくる大盛りメンマのラーメンが、私にとっての世界一大好きなラーメンでした。
きっとあなたにも自分だけの基準のご馳走があったと思います。子供の頃を思い出してみてください。
贅沢とは「必要以上の金やモノを使うこと」でした。
「さけるチーズ」は厚めに裂いて食べると贅沢ですが、度が過ぎると台無しになってしまいます。
「イクラ丼」にも同じようなことを感じます。たっぷりとイクラが乗っていると見た目は贅沢なのですが、味が濃過ぎて飽きてしまいます。
この辺の感じ方は人それぞれですが、メディアの情報にのせられている人は「イクラがこぼれるほど多い方が美味しい」という基準を受け入れてしまいます。これは本心ではないはずです。
テレビや雑誌で紹介されたから、☆が付いているから、食べログの評価が高いから、それらは決してあなたの基準ではありません。そしてわざわざそちらに寄せる必要もありません。
あなたが心から感じる気持ちを大切にしてください。情報が少なかった子供の頃を思い出してください。
本当の贅沢やご馳走を取り戻してください。誰かの基準に合わせる必要などありません。
あなたにとっての「カツカレー」「さけるチーズ」「メンマ」は何だったでしょうか?それを決められるのはあなただけです!
自分だけの基準を取り戻すと、食事だけではなく様々な物を選ぶ基準も書き変わっていくと思いますよ。
コメント
カツカレーのはなし、素敵ですね。私にとってのカツカレーはフルーツグラノーラですw
by シリアル
うちの子は某回転寿司のガリです、他のお店のガリでは納得してくれませんw
私はチーカマが大好きです、旦那の弁当の為に買っていますが、ほとんど私が食べていますw
by めいこ
セイコーマートのホットシェフは「カツ丼」が最高に美味しいですよ~
by P66
感化されて駄菓子屋で大人買いしてきました!わりと昔からある駄菓子も多くて夢のような気分になりましたよ、600円ぐらいでしたが(笑)
by コーンポタージュ味最高!
おふくろの味はどうなんでしょうか?
味というよりもシチュエーションかも知れませんが・・・
by 橙式部