掃除本の本質
数年前から掃除に関連する本が数多く出版されるようになりました。そのおかげで断捨離やミニマリストという言葉も普及してきました。
私は十数年前にある掃除本に出会い、それからの人生が大きく変わりました。
その後も様々な掃除本を読みましたが、現在はどの掃除本も本質は似通っていると感じます。
掃除本の本質とは「モノを捨てる方法論」です。
モノを捨てるには、かなりのエネルギーが必要です。これは神秘的な意味ではなく、何となくではモノを中々捨てられないということです。
何となくだと多くの方がモノを捨てずに「とりあえず取っておこう」という選択をします。そして長い時間をかけて放置して劣化し、風化させてから、いよいよ捨てることになります。
この放置する期間を短縮させるテクニックこそが、掃除本の本質です。
様々な掃除本がありますが、いかに読み手がモノを納得させて捨てさせられるかの違いと考えて良いと思います。逆に言えば読み手との相性の良い掃除本、今のあなたの考え方が受け入れやすい掃除本を見つけられるかがポイントになります。
そこで今回は様々なタイプの掃除本を紹介します。どの掃除本が正解というわけではなく、あなたが気持ちよく感じられる掃除本を見つけてほしいと思います。
心から納得してモノを捨てられるようになると、自然と無駄な買い物が減るので節約効果は抜群です。納得のいく一冊を見つけてほしいと思います。
1 近藤麻理恵
まずは近藤麻理恵さんの「人生がときめく片付けの魔法」を紹介します。
彼女は掃除本の世界ではダントツの人気があります。
数々のテレビ番組で特集が組まれ、なんと海外にまでその名を轟かせています。
日本人の小説が海外で販売されることは珍しくありませんが、精神論や自己啓発本的な本が売れることは滅多にありません。
彼女の特徴は収納テクニックなどもあるのですが、一番はモノを捨てる際の判断基準に「ときめき」という新しい言葉(新しい基準)を用いたことです。
そのモノが必要かどうかではなく、心がときめくかどうかで判断させる方法(魔法)に、多くの方(主に女性)が共感を得ています。
掃除本の入門編としては間違いありません。掃除初心者というとおかしな表現になりますが、最も初心者向けの掃除本だと思います。特に女性におすすめです。
2 舛田光洋
舛田光洋さんは「夢を叶えるそうじ力」という本がヒットして有名になられた方です。
自己啓発系の本が好きな方に向いている内容になっています。
「夢を叶えるそうじ力」は主に男性をターゲットにしているのですが、舛田光洋さんはこの本とは別に女性向けの掃除本も数多く出版しています。
舛田光洋さんの掃除本の特徴は「感謝」です。
掃除をすることで得られる気づきや気持ちの変化を、積極的に感じさせてくれる内容になっています。イメージとしては修行に近いでしょうか。
掃除をすることによる内面の変化が、外見にもあらわれて好循環を巻き起こすことが、上手に説明されています。
また掃除によって変化していった数多くの事例を紹介しており、魔法や神秘的な内容が信じられない方に向いています。
論理的な思考をする男性向けの掃除本です。
3 鍵山秀三郎
鍵山秀三郎さんの「掃除道」は、伝記や物語が好きな方に向いている内容になっています。
鍵山秀三郎さんはカー用品店のイエローハットの創業者です。
掃除によって赤字企業や荒れた学校が改善していった例など、魅力的な話が充実しています。
経営者や人の上に立つ方に向いている掃除本と思います。
また部屋の掃除するためのテクニックなどではなく、地域社会へ貢献するための掃除であり、愛が溢れている素晴らしい内容の本です。
既に他の掃除本を読んで納得している方にも、読んで頂きたい本です。どちらかと言えば掃除上級者向けの内容です。何かしらの掃除本で成長を実感したことがある方には、さらなるレベルアップが期待できると思います。
4 やましたひでこ
やましたひでこさんの「新・片づけ術 断捨離」は断捨離という言葉を流行らせた掃除本です。
やましたひでこさんがヨガをしていたということもあり、精神的な面からモノを手放す方法論を教えてくれます。
近藤麻理恵さんよりも抽象度が高い内容なので、年齢層の高い女性の支持を集めました。
掃除やモノを手放すことが、自分磨きになると感じさせてくれる素晴らしい本です。
物が溢れて疲れている方や生活スタイルに疑問を感じている方に向いているのではないでしょうか。もちろんヨガを実践されている方にもおすすめです。
5 斎藤一人
「斎藤一人流すべてうまくいくそうじ力」は斎藤一人さんのお弟子さんである舛岡はなゑさんの本ですが、ほぼ斎藤一人さんの本です(笑)。
斎藤一人さんという日本で一番税金を納めている実業家による不思議な掃除指南本です。
冷たく「さっさとモノを捨てろ!」というのではなく、なぜモノを捨てないと貧乏になるのか教えてくれます。モノの捨て方ではなく、モノを溜め込むことのデメリットを理解できる掃除本です。
斎藤一人さんが超一流の実業家ということもあり、合理的な判断をするべき理由を、様々な面白いたとえ話で説明してくれます。
モノを誰かにあげたり整理整頓することでは一時的な解決にしかならず、捨てることの重要性を感じさせてくれます。
掃除のプロにお願いしてもモノを捨てることは出来ません。掃除や整理よりもモノを捨てる判断がもっとも大切だと教えてくれます。
合理的な判断をする一方で神社が綺麗な理由など、神的な話も展開してワクワクさせられます。
他の掃除本とは一味違った角度で展開していくので、他の方の掃除本を既に読んだことがある人におすすめです。またおまけのCDも魅力的な話が満載なのでおすすめです。中古の場合はCDの有無を確認してください。
私は斎藤一人さんの本が大好きで色々読みましたが、斎藤一人さんの本は読書が苦手な方にも向いています。とてもわかりやすい表現が多いので、「掃除の為に本を読むなんて無理!」という方には、CDだけでも聞かせてあげてください。
まとめ 相性次第
私が最初に出会った掃除本は舛田光洋さんの「夢を叶えるそうじ力」でした。この本を読んだ時の衝撃は忘れません。
そしていざ実践してみると、人生が次々と好転していったことを覚えています。
他の方の掃除本も大変素晴らしい内容になっています。あなたと相性の良さそうな掃除本を手にとってみてください。
どれが正しいのではなく、今現在のあなたが気持ちよく受け入れられそうな掃除本を読むことがポイントです。
今回紹介した本を私なりにまとめると、
近藤麻理恵さんは20代~30代の女性向け
舛田光洋さんは20代~40代の男性向け
やましたひでこさんは30代~50代の女性向け
鍵山秀三郎さんは40代~の男性向け
斎藤一人さんは・・・他の掃除本に飽きた方向け(笑)
と言ったところでしょうか。あくまでも私の主観です。
またそれぞれの方が様々な年齢層に向けて別の本も出版しているので、今回紹介した掃除本でなくても、ピンとくるタイトルがあればそちらを選んでもらっても構いません。
もちろん他の方の掃除本でも良いと思います。あなたの性別や年齢が近い方の掃除本がおすすめです。
人気のある掃除本でもいいのですが、あなたがピンとくるタイトルがあれば、そちらをおすすめします。今のあなたが求めている情報が含まれている可能性が高いからです。
また具体的な掃除や収納テクニックを紹介している本もありますが、それらはモノを捨てることとは違います。そこを勘違いしないでください!
収納スペースを増やすだけだと、益々モノが増える結果になります。
また収納スペースに余裕があると、人はそのスペースを埋めたくなるものです。ガラガラの本棚をそのまま保つのは難しいものなので、初めに収納スペースを増やしてしまうことはおすすめしません。まずは今の収納スペースに収まるようにモノを整理してください。
家の中がモノで溢れている方が、納得して気持ちよくモノを手放すことができれば、人生は必ず好転します。
モノを捨てることで様々な気づきがあります。先のことを考えて買い物できるようになります。すると無駄な買い物をしなくなるので、節約効果は抜群です。
また単純に家の中のモノが少なくなれば掃除をしやすくなります。ダニやホコリが減って健康にも好影響を与えてくれます。
そして現状(手持ちのモノ)をしっかりと認識することで、新たなモノとの出会いが待っています。
先のことまで考えて選べるようになるので適当に選ぶことはありません。掃除のしやすさや耐久性なども含めてモノを選べるようになります。一円でも安いモノという基準ではなく、トータルバランスの良いモノを選べるので、結果的にコストパフォーマンスが上がり節約になります。
本当に良いモノと出会えると、運命を感じるはずです。一瞬で「私が欲しかったのはこれだ!」とひらめく瞬間が訪れるはずです。
どの掃除本が正解などはありませんが、魔法でも精神論でも自己啓発でも合理的でも神的でもヨガでも構いません。あなたとの相性が良さそうな掃除本を選んでみてください。
そして実際に掃除を実践しながら何度も読み返してください。掃除を実践することで新たな気づきが得られると思います。