お買い得な商品とは?
節約家に限らずお買い得な商品に惹かれる方が多いと思います。
私もちょうど欲しかったモノがお買い得な価格で売られていると嬉しくなりますが、世の中にはお買い得な商品ばかりを狙う人がいるものです。
当たり前のことですが、お買い得な価格の商品だからといって、必要もない物を購入してしまうことは、全くもってお得ではありません。
例えば私は冷蔵庫を手放しているので、どんなにお買い得な冷蔵庫が売られていても購入しません。
何度も周囲の人が冷蔵庫を買い替える時に「譲ってあげるよ」と言われましたが、全て断ってきました。
お金がなくて冷蔵庫を我慢しているわけではなく、むしろ冷蔵庫がない生活に快適さを感じているので、ブレることがありません。
これが転売がしやすそうな高級腕時計であれば、もしかしたら購入する事を考えるかも知れませんが、そんな上手い話があるわけがありません。
誰もが簡単に思いつく儲け話など、裏(偽物、盗難、不良品など)がない方がおかしいです。
誰にとってもお買い得な商品というものはありません。あくまでも欲しかったモノの価格が安かった場合だけ、お買い得な商品ということになります。
意外とこの辺があやふやになっている人が多いように感じます。
もっとシンプルに考える必要があります。
お買い得な商品の見極め方
よく雑誌などでコスパ抜群の商品やお買い得な商品の特集が組まれていますが、それらの商品はお買い得でも何でもありません。
順番が間違っています。
先に欲しいモノ、必要なモノありきで、お買い得な価格のモノを探すのが本来の流れのはずです。
「お買い得な価格だから購入してみようかな」
というのは間違っています。
スーパーで試食して美味しかったから「購入してみようかな~」はまだいいのですが、お買い得価格だったからと欲しくもないものまで購入してしまうと、何も得ではありません。
安価な食品だとそれほど大きな失敗になりませんが、高額なモノほどダメージが大きくなります。
肩こりに悩んでいた方が、テレビ通販でマッサージチェアがお買い得な価格だったからと購入してしまうと、大損してしまう可能性があります。
既にマッサージチェアの購入を考えていて、家電量販店などで試して相性の良いマッサージチェアを特定しており、それがたまたまテレビ通販でセールになっていたのであれば、お買い得な商品ということになりますが、安易にお買い得な価格だけで購入してしまうと、大抵は失敗になります。
そもそもマッサージチェアと肩こり解消の相性が良いとは限りません。
例え相性が良かったとしても、肩こりになる原因は何も解決していません。
肩こりの症状を和らげるマッサージチェアではなく、普段よく座る椅子やソファーを良いものにした方が、肩こりそのものを軽減できたかも知れません。
悩みの原因と向き合うことがないと、安易に解消できそうな方法に飛びついてしまいます。
そこにお買い得な商品がスルスルと滑り込んできます。
「今だけの特別価格!」
などと言って決断を迫ってきます。
要はよく考えないでお買い得な価格だったからと、安易に購入してしまったということです。
自宅に使わないモノが多い人ほど、お買い得な商品に弱い傾向があります。
お買い得な商品の見極め方というのは、しっかりと原因と向き合うことでしか導き出せません。
シンプルに必要なものだけを選ぶことこそが、お買い得な商品の見極め方になります。
お買い得ではない商品
あるサプリメントのテレビ広告で驚かされたのですが、子育てに忙しい主婦が毎朝4時に起きて弁当をつくり、日中に寝不足でうつらうつらとしていると、ママ友に、
「そんなんじゃ家庭は守れないわよ!私の元気の源はコレ!」
といった感じでサプリメントをすすめていました。そしてそのサプリを飲むようになった主婦は、毎日元気に早起きして弁当をつくりながら、ママ友との食事会も楽しめるようになったという内容でした。
忙しくて寝不足で元気がなかった主婦が、サプリのおかげで元気になってしまうと、ますます身体に負担をかけてしまいます。
元気がなくなった原因が忙しさによる寝不足なのであれば、忙しさを軽減して睡眠時間を確保しなければなりません。
子供のお弁当を簡単なものにしたり、家事を旦那さんに手伝ってもらった方が、睡眠時間が確保できます。
お金に余裕があるのであれば、家事代行サービスを頼んだり、食洗機を導入したり、お弁当に出来合いのモノを入れたりなど、様々な方法が考えられます。
これらが難しいのであれば、ママ友との食事会に行かないで昼寝をするのが一番です。
悩みの原因と向き合うことなく、安易に解消出来そうな方法を選んでしまうと、解決しないどころか益々悪い状態になってしまいます。
どんなにお買い得な価格で売られていた商品でも、このズレがあっては意味がありません。無料のモノですらリスクになってしまいます。
まとめ 価格は重要ではない
お買い得な商品の見極め方というのは、価格だけで決まるわけではありません。
あくまでも本当に必要なモノ、求めている機能が満たされているモノを、しっかりと選ぶことが何よりも重要です。
これは洋服選びで考えると分かりやすいのですが、セールでお買い得だったからと、サイズがイマイチな洋服を購入したり、それほど好きでもないカラーを選んでしまうと、結局はタンスの肥やしになってしまいます。
出番のない洋服ほど無駄な物はありません。食品であれば劣化が早いので処分もしやすいのですが、不要な洋服は収納スペースを長年圧迫し続けてしまいます。
仕事に着ていく洋服選びであれば、その仕事に適した機能が満たされている洋服を選ぶものですが、そこにお買い得な価格という基準を入れてしまうと、本来求めていた機能からズレてしまいます。
数千円ケチったせいで動きやさや快適性が失われてしまうと、仕事のパフォーマンスも下がって収入が減るかも知れません。
だからといって、求めている機能以上の洋服を選ぶ必要もありません。
高機能な2000円の肌着がセールで1580円でお買い得だったとしても、定価が1000円の肌着の機能で十分なら、580円の無駄になってしまいます。
求めている機能が満たされている1000円の肌着がセールになっているのであれば、お買い得な商品ということになりますが、必要以上の機能には意味がありません。
むしろ天然素材などにこだわって耐久性がないかも知れません。高価な洋服ほど天然素材の生地が使われることが多く、実用性に乏しいということは珍しくありません。
もちろん肌が弱くて天然素材の肌着しか合わないという方であれば、1580円の肌着の方がベストな選択になるかも知れません。
これらのように求めている機能が人それぞれなので、万人にとってのお買い得な商品というものは存在しません。
肩こりに悩んでいてマッサージチェアが欲しくなった人でも同様です。50万円の高機能なマッサージチェアが半額でお買い得価格だったとしても、肩こりだけなら足や腰のマッサージ機能は必要ありません。
それなら定価でも数万円で購入できる肩専用のマッサージ機で十分なはずです。お金だけでなく場所も取りません。
何から何まで平均的な人がいないように、雑誌で紹介されているお買い得な商品が全ての人に当てはまる事はありえません。
節約家の多くが価格に引っ張られてしまうものですが、しっかりと目的を明確にしてから選ぶようになってください。
お買い得な商品を見極められるのは自分だけです。雑誌などを参考にするのは構いませんが、きちんと自分のフィルターを通して判断してください。
とてもシンプルなことなのですが、意外と多くの方が自ら複雑にしてしまっているように感じます。
自分のフィルター(判断基準)を通さないと、家中に不要なモノが溢れてしまいますよ。