一日に必要な栄養素量とは?
しばしば健康に気をつかっている方が、一日に必要な栄養素量を気にして食事をコントロールしているものですが、あまり気を使い過ぎるのにも問題があるように思います。
一日に必要な栄養素量は厚生労働省が発表しているのですが、
2015年度版とあるように、時代によって必要な栄養素の量は変化していきます。
肉体労働が多かった昔とデスクワークが多い現代では、身体が求める栄養素量は変化しますし、科学の進歩によっても数値が変化することもあります。
これらの数値を参考にすることが悪いわけではありませんが、必ずしも自分の身体に適しているとは限りません。
20代の女性と一括りにいっても体型は人それぞれ違いますし、同じ身長体重でも筋肉量が違うとスタイルは全然違うものです。
これはメタボリックシンドロームの基準で考えるとわかりやすいのですが、ウエストが男性で85センチ以上、女性は90センチ以上がメタボの疑いがあるという目安になっていますが、これがおかしい基準だというのは誰もが理解できると思います。
当たり前のことですが、身長が高い人と低い人では健康的なウエストの大きさは全然違います。
平均身長に近い人であれば、それなりに目安にはなるかも知れませんが、全ての人に当てはまる目安ではありません。
このような事は血圧でも同じです。現在の基準で高血圧に分類される方でも健康的な人はいくらでもいますし、そのような人が降圧剤を飲んでしまうと様々な弊害が起きてしまいます。
仕掛けられている目安
少し前にアメリカで高血圧の基準が従来の140/90mmHgから、130/80mmHgに引下げられたのですが、この瞬間に高血圧に分類される人達が何千万人も増えることになりました。同じ基準を日本に当てはめると、約2000万人も増える計算になるそうです。
これらのような目安の数値の変化の裏側には、様々な陰謀が隠れているものです。
降圧剤の売れ行きが伸びるのは誰にでも想像できますし、生命保険会社にとっても値上げの対象者が増えることになるかも知れません。他にも血圧を下げるのに効果的な食品や食材を扱っているメーカーにとっても朗報でしょう。
これらの会社が政治家や研究施設に多額のお金を流し、自分達が有利になる方向にもっていくのは世の常です。日本でも様々な業界で当たり前のように行われています。仮に不都合なデーターが出たとしても、多額の寄付金を受け取っている研究機関が発表するとは限りません。私も同じ立場なら忖度すると思います。
自社の製品よりもライバル会社の製品の方が明らかに優れていたとしても、正直にそれを伝える営業マンがいないようなことです。そんなことをしていると仕事になりません。
恋愛で好きな異性にアピールする時に、わざわざ隣のライバルの容姿やスタイルや内面を褒めて、自分の価値を下げるようなことはしません。自分の良さをアピールするだけです。
このような事は当たり前ですが、公的機関や有名な大学病院の発表となると多くの人が何も疑うことなく信じてしまいます。
少し前のテレビ番組でキウイフルーツのビタミンの豊富さをアピールしていたのですが、その番組のCMでキウイが紹介されているのを見かけて、私は冷めてしまいました。
またキウイの栄養素の素晴らしさの根拠として、ニュージーランドの研究機関のデーターが用いられていたのですが、ニュージーランドはキウイが名産で外貨を獲得する為の国家事業です。その国の研究機関がキウイの良いところだけをアピールするのは当然のことではないでしょうか。
日本米を輸出する時に「糖質が多くて食べ過ぎると危険ですよ!」などわざわざ言わないようなことです。
別にキウイの栄養がウソだと言いたいわけではないのですが、鵜吞みにして大量の摂取してしまうと、別の問題が起こるかも知れないということです。
普段の食事から十分にビタミンを摂取できている人であれば、わざわざキウイで追加する必要はありません。日本人の多くがビタミンが不足していると紹介されていても、それが自分に当てはまるとも限りません。
普段から野菜や果物を食べている人なら必要ないかも知れませんし、甘いキウイに代えたことで糖分の取りすぎになってしまうかも知れません。
これらのように裏に隠されている情報というのは、様々なケースで存在しています。
あるネットニュースで「日本で一番住みやすい都市」が発表されており、一位の都市が私のイメージとはかけ離れている街が選ばれていました。
私はその街に住んだことがないので、間違いだと言いたいわけではないのですが、どちらかと言うと犯罪が多いイメージのある街だったので不思議に思っていると、最後に「○○新聞(その都市の地名)」とありました。
地元の人にアンケートを取ればこうなるのは目に見えていますし、その証拠に上位にランクインしている都市が近隣ばかりでした。
私が住んでいる北海道で同じことをすると、札幌が一位に輝くのは目に見えています。おそらく下位に続くのも小樽や函館や旭川や帯広となるでしょう。地元の新聞でそのような情報を紹介するのは構いませんが、全国的にみると雪の多い札幌が一位なるとは考えられません。
これらのように情報の裏には何かしらの目的が隠されているものです。都合の良い情報だけを取り上げますし、不都合な情報が隠されていることも珍しくありません。
特に健康に関する情報は人によって効果が違うので、都合の良い情報ばかりをアピールしていることが多いです。1000人に10人(1%)しか効果が確認されなかったようなことでも、その10人へのインタビューだけを紹介すると大勢の人に効果があったかのように演出できます。
高齢化で健康に関心を持つ人が増えているだけに、被害に合う方が増えているように感じます。
一日に必要な栄養素量の目安を参考にするのは構いませんが、極端に頼り過ぎてわざわざ別のリスクを抱えてしまわぬように気をつけてほしいと思います。
まとめ 自分の体感も大切にしよう
病院の検査結果を元に不足している栄養素を積極的に摂取するのは大切ですが、素人判断で不足していない栄養素まで積極的に摂取してしまうと、害の方が大きくなってしまいます。
野菜ジュースを飲み過ぎて尿管結石や糖尿病になってしまう方もいますし、糖質制限で低血糖を起こしてしまう方もいます。あなたの周りにも健康オタクなのに、病気がちな人がいるのではないでしょうか。
一方でそれほど食事に気をつかっていなくても、健康診断の結果が良好な人は珍しくありません。
生活習慣や体型だけでなく内臓の機能も人それぞれ違うので、毎晩お酒を飲んでいても肝機能が正常な人がいるものです。
要するに自分で判断するしかありません。
もちろんお医者さんの意見を参考にすることは大切ですが、身体に良いからと気分が悪くなってしまうようなものまで無理して食べることが、必ずしも健康に良いとは限りません。
当サイトでは以前に「好きなモノと食べたいモノの違い」を紹介したことがあるのですが、
脳は不足している栄養素が含まれている食品を取るように促すので、その時々に食べたくなるモノを選ぶことで、自然と栄養バランスが取れると紹介しました。
ラーメンやお肉が大好きな人でも毎日続くと他のものを食べたくなるように、脳が必要としている栄養素を自然と判断して「久しぶりに○○を食べたいなぁ~」と促してくれます。
この体感を無視して健康に良いと言われている食べ物だけを取っていると、思わぬ栄養素が不足してしまうかも知れません。
「三食しっかりと食べないと力が出ないから」といってバランスの良い食事を心がけている人も多いですが、激しく身体を動かす仕事でなければ、それほど力を発揮する必要はありません。
オリンピックで金メダルを取ったアスリートでも一日一食という人がいる一方、シンクロナイズドスイミングの選手はとんでもない運動量でカロリーが求められるので、力士並みの食事量でもスリムな体型を維持しています。
一日に必要な栄養素量は人それぞれ違うのは当たり前のなので、自分の身体の調子やパフォーマンスが良い食事や量を見極める必要があります。
運動量が少ない人が無理して一日に必要な栄養素量を取ってしまうと、リスクの方が大きくなるかも知れません。不必要な栄養素を分解する為に内臓にも負担が掛かりますし、人によっては一食抜いた方がバランスが取れて健康になるかも知れません。
一食抜くのが正しいと言いたいわけではなく、自分で身体の調子を判断するのが大切だということです。
もちろんお医者さんの管理を元に制限されている方は別ですが、過度な健康オタクは自らの体感を無視して、「○○は身体に良い、△△は悪い」と勝手に判断して栄養バランスが偏ってしまうものです。
人それぞれ身長も体型も運動量も違います。一日に必要な栄養素や量も違うという当たり前のことを、見逃さないようにしてください。
身体の調子が悪い時に食欲が落ちるのは、食べ物の消化や分解の為にエネルギーを使いたくないからです。三食しっかりと食べないと力が出ないからと無理して食べてしまうと、エネルギーが分散して回復が遅くなってしまいます。
調子が悪い犬は何も食べずにおとなしくしているものです。それが最も回復力を高めることを本能で理解しているのではないでしょうか。
激しい運動をした後にお腹が空いて食べる量が増えるように、その時々に身体が求める栄養素や量は変化するので、自分の体感を無視しないでください。
この辺のバランスは節約にも凄く当てはまります。安く買うことばかりに囚われてしまうと必要のないものまで購入してしまいますし、逆に本当に必要なものを価格だけで選んで質を下げてしまいます。
当サイトでも様々な節約情報を紹介していますが、それらを自分の基準に当てはめることなく取り入れてしまうと、お金は得しても大切な人に嫌われてしまうかも知れません。
一日に必要な栄養素量の目安も同じです。参考にするのは構いませんが、そのまま鵜吞みにするのではなく、自分の環境や体感にしっかりと当てはめて判断するようにしましょう。