食と健康の関係
先日、テレビを見ていると興味深い内容が紹介されていました。それは、
「カレーを食べたくなった時は風邪のひきはじめ」
といった情報です。簡単にそのテレビで紹介されていた内容を説明すると、ウィルスが体内に侵入してくると体は臨戦態勢に入り、ウィルスに対抗する為に免疫細胞が活動的になります。
カレーに含まれているターメリック(ウコン)にはクルクミンという成分が含まれており、クルクミンは肝臓の機能を活発にする効果があり、その事を体験していた脳が記憶からその時の身体の状況を引っ張りだしてきて、「カレーを食べろ!」といった気持ちに促すのだそうです。
誰でもそれほど好きでもないはずの食べ物を、無性に食べたくなった経験があると思いますが、風邪のひきはじめにカレーが食べたくなるように、何かしらの理由があると考えられます。
この自分の心の声(無性に○○を食べたい)に耳を傾けると、その時々に身体が必要な栄養素を取り入れることになるので、結果的に健康にとっても好影響が期待できます。
好きなモノを好きなだけ食べる事が健康に良いわけではなく、その時々に心から食べたいと感じるモノを食べると、身体も健康になる可能性が高いと考えられます。
食べたいモノと好きなモノの違い
「食べたいモノ」と「好きなモノ」は違います。
普段あまり肉を食べない人が、たまに「肉を食べたい」と感じた時というのは、身体がタンパク質なり鉄分なりの肉に含まれている何かしらの成分を欲している可能性があります。
甘いモノが苦手な人が、時々甘いモノ食べたくなるのも同様です。脳がその時々に必要な栄養が含まれている食品に対して、積極的に食べさせようと促した結果です。
そして実際にそのような状態で食べたモノというのは、脳が要求していた(不足していた)栄養素なので、とても美味しいと感じられます。
この美味しいと感じるかどうかが凄く重要です。どんなに好きなモノでも食べ続けていると、美味しく感じられなくなってしまうように、身体が求めている栄養素が含まれていると美味しいと感じます。
これでわかりやすいのは運動後に喉が渇いている状態で飲む水です。水分が不足している身体にとっては最適なものなので美味しいと感じます。
他にもスポーツドリンクなどに含まれているクエン酸も分かりやすいと思います。運動直後に飲むと甘く感じられるドリンクでも、普段飲むと酸味の方が強く感じる事があります。
ビールなども身体の疲れ具合によって味が変わる代表的な飲み物です。一杯目のビールと二杯目のビールでは美味しさが全然違うように、身体が求めている栄養でも満たされてしまうと美味しく感じられなくなってしまいます。
この美味しかった時の記憶だけを頼りに、好きなモノを選んでも同じような美味しさを感じられません。
「前に食べた時はもっと美味しかったのに・・・」と、誰もが感じたことがあるのではないでしょうか。食品のレベルが落ちたというケースもあるかも知れませんが、大抵は食べる側の身体の状態の違いです。
私の例でいうと、運動部に所属していた学生時代に大好きだったラーメンは、こってり味の味噌ラーメンだったのですが、それほど運動をしなくなった現在の私が同じお店の味噌ラーメンを食べると、美味しく感じないばかりか、胸やけまでしてしまいます。
当時の私にとっては最高のご馳走だったので、いつもスープまで飲み干していたのですが、現在の私の身体にとっては不味いだけです。
そのラーメン屋さんのクオリティが落ちたからではありません。今でも人気のラーメン屋さんで続々と店舗を増やし続けています。
身体の状態によって美味しいと感じる栄養素は違います。
どんなに好きなモノでも食べたいときに食べないと満足度は低くなります。水道水でも喉が渇いている時は最高に美味しいものですが、そうではない時は高級ミネラルウオーターでも美味しさを感じないような事です。
誰もが当たり前に体験している事ではありますが、意外と好きなモノと食べたいモノの区別がつかずにズレてしまっている人がいるのではないでしょうか。
これを逆に考えると、健康の為に良かれと思って食べているモノですら、身体に悪い可能性があります。
これをしっかりと理解してほしいのですが、テレビで紹介されていた現代の日本人に不足しがちな栄養素が含まれている食品といったものでも、その栄養が不足していない人にとっては、ただただ内臓を疲弊させる不要な栄養です。
病院の検査結果を元に不足している栄養を取り入れるのであれば、苦手な食べ物でも積極的に食べた方が良いのかも知れませんが、素人判断で「60代の人は○○が不足している」といった情報を真に受けて、良かれと思って必要以上に摂取してしまうと、健康に良くないばかりか、内臓に負担を掛ける事になってしまいます。
その時々の身体の状態によっては、健康に良くないと言われている食べ物でも相性が良い可能性がありますし、健康的な食品が毒になってしまう事があります。
私自身も普段は甘いモノを好まないのですが、数ヶ月に一度ぐらい無性に食べたくなる事があり、そのタイミングで食べると本当に美味しく感じられて満足するのですが、余ったものを翌日に食べると全然美味しくありません。
身体の変化と求める栄養の変化
年代(身体の衰え)によって必要な栄養は変わりますし、その日の体調や活動量によっても変わるので、一概に健康に良い食事やバランスの良い食事があるわけではありません。
人間に必要な栄養がバランス良く含まれているベースフードといった食品でも、身体の大きさや活動量が違えば不十分かも知れませんし、逆に栄養過多になってしまうかも知れません。
意外と多くの人がこの自分の体感を無視して、健康常識といったものに左右されているのではないでしょうか。
身体が変化すると求める栄養が変化する事で最も分かりやすいのは妊婦さんです。
妊娠すると食べ物の好みが大きく変わる女性は珍しくないですし、苦手だったものですら、食べたくて仕方がないという経験をした人も多いのではないでしょうか。
赤ちゃんを育てる為に膨大な栄養が必要になるので、脳は積極的に不足している栄養が含まれている食品を食べさせようと促します。
逆に不必要な栄養が含まれている食品だと、吐き気を催してまで拒否するようになる事もあるわけです。
妊娠初期と中期と後期で好みが変わる事も多いですし、その時々に相応しい栄養が含まれている食品を、脳は過去の経験を元に導き出して積極的に食べるように促してきます。
妊婦さんのように極端に必要な栄養が増えると分かりやすいのですが、普通の人でもその時々に必要な栄養が変わるという当たり前の事を、あまり軽視しない方が良いのではないでしょうか。
バランスよく三食しっかりと食べるのが良いとされていますが、運動量が少ない人にとって食べ過ぎかもしれませんし、栄養過多で成人病になってしまうかも知れません。
食べたいモノを見極める方法
身体が欲している栄養素が含まれている食べモノを見極めるには、常識に惑わされないことがポイントです。
ここでいう常識というのは、三食しっかりと食べる事や決まった時間に食事を取るといった常識です。
それほどお腹が空いていない状態なのにも関わらず、いつもの時間だからと食事を取ってしまうと脳が求めている栄養には出会えません。
そもそもこれといって食べたいモノが思い浮かばない時というのは、脳が積極的に栄養を求めていない状態なので、どんなに好きなモノでも満足感が得られません。
太っている人ほどこの傾向が強いのですが、空腹になる前から食べているので満足する事が少なく、不足している栄養もないので自分の好みばかりで選んでしまいます。
このサイクルのままだと何を食べても健康にはなりません。過剰な栄養は脂肪として蓄えられるだけでなく、内臓を疲弊させるだけなので何もメリットがありません。
普段から三食しっかりと食べている人であれば、一食抜くだけでも凄くお腹が空くかも知れませんが、その時に心から食べたくなるモノが頭に浮かべば、身体が欲している栄養素が含まれている食品の可能性が高くなります。
この時に炭水化物がメインの料理が思い浮かぶと、それほど栄養は不足していないのかもしれません。炭水化物は主にエネルギー源となるカロリーを摂取することが目的です。
カロリーは身体に蓄えられた脂肪でも十分に代用できるので、本当に身体が欲している栄養素ではなく、空腹感を満たす為に欲している可能性が高いです。
一方で肉や魚や野菜やキノコや貝類など、特定の食材を食べたくなった時は、まさにその食材に含まれている栄養素を欲している可能性が高くなります。
普段甘いモノが苦手な人でも、疲れている時に甘い物を欲したりするような事です。まさに脳が無意識に促している状態です。
脂質を求めると揚げ物が食べたくなるかも知れませんし、塩分を求めると味付けの濃い料理が食べたくなるかも知れません。
寒ければ体温が上がるモノを食べたくなりますし、逆に暑ければ体温を下げるモノが食べたくなります。
夏場にカレーを食べたくなるのも、発汗作用で体温が下がるからとも言われていますし、夏バテして疲れている時にサッパリとしたそうめんが食べたくなるのも、内臓に負担が少ない消化に優しい食事だからです。
時々無性に食べたくなるモノというのは、その時の身体が必要としている栄養素が含まれている可能性が高いので、一般的には身体にあまり良くないと言われている食材でも、不足している栄養素を効率よく摂取できる健康的な食材の可能性があります。
栄養バランスの取れた食事が悪いわけではないのですが、人によってはそれだけでは不足してしまう栄養があるかも知れないので、無性に食べたくなるモノが思い浮かんだ時は、無理して我慢をしない方が良いのではないでしょうか。
妊婦さんがやたらと同じ食べ物を食べたくなるのは、過去に食べてきた様々な食べ物の中から、脳がベストだと判断したわけであり、効率よく必要な栄養を摂取できる可能性が高い食べ物です。
塩分の取り過ぎは良くありませんが、塩分だって汗をかいて身体の中の塩分濃度が下がっている時には、バランスを整えるのに最適な栄養になってくれるように、塩分控えめの健康食が必ずしも身体に良いとは限りません。
そのような時に塩っ辛いモノを食べると、実際に美味しく感じられて満足度が高い食事になります。あまり身体に良いイメージがないカップラーメンのようなものでも、その時の身体に不足している栄養が含まれているのであれば、身体に良い可能性があります。
健康の為に良かれと思って、厚生労働省などが勧めている栄養バランスが優れた食事を徹底していると、この心の声(脳からの指令)を見逃してしまうかも知れません。
人それぞれ身長も体重も違えば筋肉量も違うので基礎代謝量が違いますし、内臓の機能にも差があります。職種や生活習慣が違えば運動量も大きく違いますし、そもそも身体が必要な栄養が皆同じなわけがありません。
凄く当たり前の事なのですが、健康を気にするばかりに見落としてしまっている人が多いように感じます。摂取量などの参考にするのが悪いとは言いませんが、世の中に何から何まで平均的な人などいないように、人それぞれ違って当たり前です。
成人病と呼ばれるものの多くは食べ過ぎが原因ですし、そこにさらに健康に良さげな食品を追加してしまうと、ますます負担になってしまうかも知れません。
そもそも人間の身体には飢餓に耐えられるように脂肪がついています。よほどガリガリの人でもない限り、直ぐに栄養失調になってしまうものではありませんし、「しっかり三食とるのが健康に良い!」と信じ込んでいると、さらに脂肪を増やす為だけに内蔵が疲弊していきます。
栄養バランスの良い健康食品が悪いわけではありませんが、どんなモノでも食べ過ぎは身体に良くありませんし、身体が求めてもいないので美味しくも感じられません。
心の声に耳を傾ける事こそ、健康に良い食事になる可能性が高く、美味しく頂くコツでもあります。お腹が減っていないタイミングで三ツ星レストランの食事をしても満足など出来るものではありません。
太っている人のように常に必要以上の栄養を摂取していると、美味しくいただける事もなくなり、健康食品ですら良い結果につながらないので、食べ過ぎにならないように気をつける必要があります。
それほど食欲がわかない時は、食事の時間だからと無理やり食べる必要などありません。脳が食欲を落とす理由が必ずあるので、食事を抜くなり減らすなりすればいいだけです。
動物は正直
ペットを飼っている人なら実感していると思うのですが、動物は身体の調子が悪くなるとペットフードを食べなくなります。身体を動かさないでジッとしている事が一番良い事を本能で理解しています。
高熱を出すと食欲が沸かないのは、食べたモノを消化する為に余計なエネルギーを奪われたくないからです。
身体の節々が傷むのも同じです。身体を動かさないように脳から指令が出ているからであり、それらの症状を無理やり薬で抑えていつものように行動をしてしまうと、優先的に免疫力を働かせる事ができません。
もちろん高熱が出過ぎると別のリスクがあるので、お医者さんの管理を元にコントロールするのが悪いわけではありません。ここは勘違いしないでください。
微熱が出た時に素人判断で市販の風邪薬を頼るような事をしていると、半日で治るような軽い風邪でも長引いてしまうような事です。
食欲が沸かない時というのは、必ず何かしらの理由があるからであり、「しっかりとご飯を食べないと元気にならないよ」といった常識は少し疑う必要があります。
食糧事情が悪かった昔であれば、栄養失調のような事で身体の調子が悪くなるケースも多かったので、しっかりと食べるだけで回復する事も多かったのですが、現代人でこのケースが当てはまる事は稀です。
胃がもたれて食欲が沸かない時に胃薬を飲んでまで無理に食べてしまうと、胃を休める事が出来なくなってしまいます。
身体から発せられる痛みや疲労というのは、その状態を改めなさいというサインであり、それを無視してしまうと益々状態が悪化してしまいます。
耐えられないほどの痛みを薬で抑えるのは仕方がありませんが、それで安心して生活スタイルを改めてないままだと、薬が手放せなくなるばかりか他の箇所に副作用が出てしまうかも知れません。
血圧で考えてみても分かりやすいと思います。血圧が上がるのはそうしないと身体の隅々まで血液が届かなくなるからであり、あくまでも身体が適応した結果です。
危険なほどの高血圧であれば、お医者さんの管理の元に適度に抑えてもらう必要がありますが、食事なり運動なりの生活スタイルを改めない事には状況は変わりません。
儲けたいだけの病院だと、そのような指導もせずにずっと通院してくれる固定客にされてしまうかも知れません。そしてその薬の副作用を抑える為に別の薬を飲むようになり、そのループが続くと薬漬けにされてしまいます。
これらのように身体から発せられるサインを無視して対応してしまうと、根本的な問題にアプローチする事なく、余計なリスクまで背負う事になってしまいます。
そして無性に食べたくなるモノもこのサインの一つです。
このサインが埋もれてしまうほど日常的に好き勝手に食べ続けていると、どんどんズレが生じてしまいます。
人間の身体は食べた物を消化する為だけで膨大なエネルギーが必要な燃費の悪い生き物なので、身体の調子が悪い時には脂肪の蓄えられているエネルギーを使うだけの方が、身体の負担にならない事が医学的にも指摘されるようになってきました。
動物は本能的にそれを選択できるのですが、人間は知恵があるだけに「しっかりと食べないと健康になれない」と思いこんでしまうのですが、そのせいで身体に負担が増えてしまっているケースがあるので気をつけてください。
もちろんお医者さんの指導を元に、不足している栄養が含まれている食品を多くとるような事は良いと思いますが、自分の体感もあまり軽視しないでください。
ちなみに点滴が優れているのは、この食べた物を消化の為のエネルギーを奪われないからでもあります。ポカリを飲んでも同じような栄養が摂取できるのですが、内臓の負担という意味では点滴の方が優れています。
健康の為には毎日三食しっかりと食べないといけないといった常識を鵜吞みにしていると、身体が受け付けたくない状態にも関わらず、余計な負担を増やす事になってしまうかも知れません。
身体の状態によって食欲が変わるという当たり前の事を見落とさないでください。必要な栄養素が含まれている食品も、その都度変わるのは当然の事です。
昔のように重労働な畑仕事をしていた時代の人にとっては、しっかりと三食とって栄養を補給する事も大切だったのかも知れませんが、現代人の全てに当てはまるわけではないはずです。
血液不足で食べたくなったモノ
ちなみに私は少し前に献血をしてきました。
三ヶ月に一度ぐらいの頻度で400mlの献血をしているので、私にとっては珍しいことではないのですが、その日の夜に無性に肉を食べたくなりました。おそらく私の身体が失われた血液を作る為に必要な栄養素を求めたのだと思われます。
普段の私は肉が大好きというわけでもなく、肉中心のメニューを選ぶような事は滅多になく、自宅で肉を調理するのは年に数回程度です。
さっそく近所のスーパーに買い出しに行くと、いつもは全く目にも入らない「味付けのホルモンミックス」が目に入りました。
「これこれー!」といった感じで即購入し、自宅で調理して食べてみると、ホントに美味しくて感動しました。
スーパーに行く前はステーキのようなガッツリとした肉を購入する気でいたのですが、献血で血が少なくなった私の身体が求めていたのは、鉄分などが多い内蔵系の肉だったのかも知れません。
私が頻繁に通っている近所のスーパーにも関わらず、それまではホルモンミックスが売られていた事に全く気がついていなかったのですが、心の声に耳を傾けていると、無意識のセンサーが働いて最適な食べ物を見つけてくれるものです。
あまりにもそのホルモンミックスが美味しかった事もあり、それから数日後にも同じモノを購入して食べたのですが、その時はたいして美味しく感じられませんでした。
まさに好きなモノと食べたいモノの違いを実感しました。
健康に良い食事や栄養バランスが優れている食品といったモノを選ぶのが悪いわけではありませんが、その時々の身体が求めている栄養素が含まれている食品とは限らないので、何か無性に食べたくなった場合は無視しない方が良いかと思います。
塩っ辛い不健康そうなラーメンだって、たくさん汗をかいて塩分が失われている人にとっては、スープを飲み干す事が健康に良いかも知れません。
ラーメンが好きだからと頻繁に通っている人より、たまに無性にラーメンが食べたくなった時だけ食べるぐらいの方が、健康に良いだけでなく美味しいラーメンにありつけるものです。
粗食のすすめ
食べたいモノを見極める為に簡単な方法は食事を抜くことですが、これは全ての人が出来ることではありません。
絶対に三食しっかりと食べないと気が済まないという人も多いと思うので、普段の食事を少し質素にするのもおすすめです。
少し量を減らしたり粗食を中心に組み立てることで、必要以上に栄養を取らなくて済むようになります。
そしてたまに「○○を食べたいな~」と感じた時だけしっかりと食べれば、とても満足度の高い健康的な食事になります。美味しく感じるのはもちろん、身体が欲している栄養素なので消化吸収も適格に行われます。
スポーツ選手のようによほどハードな運動でもしない限り、栄養は多少不足しはじめてから摂取しても十分に間に合います。
昔の日本人の食生活がまさにそうだったのではないでしょうか。粗食が中心で特別な日にだけ「ご馳走」がふるまわれていました。
現在のように日常的にご馳走に恵まれていると、不必要な栄養素までどんどん蓄積されていきます。要するに過剰摂取です。
過去に飢餓を経験している人類は、必要以上の栄養分を脂肪として蓄えてしまいます。不必要な栄養分が尿や便として排出されることもありますが、その排出される為だけの不必要な栄養素の為に内臓はエネルギーを使って消化吸収をしなければなりません。これほど無駄な事はありません。
必要な分だけの栄養を分解するだけなら2時間で済んでいた内臓の活動が、たくさん食べて排出する為の栄養の為に消化吸収の時間が4時間に伸びてしまうと、内臓が疲れてしまうのは当然です。
食べ疲れなどはまさにそのような状態です。消化だけで精いっぱいなので何もやる気が起こらずに動けなくなってしまいます。
食べ過ぎて良いことなどありません。
成人病のほとんどが食べ過ぎが原因ですし、健康に良いと言われている食品ですら食べ過ぎるとリスクになってしまいます。
食後に眠たくなる理由も、身体を動かしてしまうと消化吸収に効率よくエネルギーが使えなくなるからです。食事をした後のライオンは目の前に獲物がいても襲いません。
肉体労働で激しく身体を動かしている人や成長期の子供であれば、それなりに栄養を摂取する必要がありますが、それほど運動量がない人であれば、日頃から食べる量を抑えるなり、粗食にすることで身体の負担が減り、健康にとっても効果があるはずです。
習慣や常識を疑おう!
食品に限った事ではないのですが、どんなに健康に良いとされている事にもリスクがあります。
筋トレだってやり過ぎると負担になりますし、運動のし過ぎてで身体がボロボロになってしまう事もあります。
朝昼晩と三食しっかりと食べることが正しいという習慣がありますが、これだって全ての人に当てはまるとは限りません。
また太っていなくても日頃からご馳走ばかりを食べている人も同じです。食事の満足度が低い可能性が高いです。脳は常に必要十分な栄養素を得ている状態なので、美味しく感じさせてくれません。
外国人旅行者が日本に訪れると、コンビニのお弁当やスイーツがあまりにも美味しいと感動するらしいのですが、それが当たり前になっている日本人だと、それほど感動しないような事です。
一方で日頃から粗食を心がけている人は、たまに食べるご馳走で非常に高い満足度が得られます。
星のついたレストランでしか満足できない一部の美食家と、極貧生活をおくっている人が半年ぶりに食べる吉野屋の牛丼では、圧倒的に後者の方が脳内に幸せホルモンが満たされるのはイメージできるのではないでしょうか。
少し前にある美食家の生活を追ったドキュメント番組が放送されていたのですが、彼は食事を美味しく食べる為にカリウムという錠剤を飲み、身体の塩分の排出を促していました。
そうまでしないと美味しく感じられない身体の状態の方が不自然ですし、三食美味しいモノを食べる為にスポーツジムに通ってエネルギーを消費するような、おかしな事になってしまいます。
美食家のようにそれが仕事なら仕方がないのかも知れませんが、一般の人なら食べ過ぎを抑えるだけで良い事です。
質素な食事とは少し意味合いが違うのですが、日頃から食事制限をしている芸人でボディービルダーの「なかやまきんに君」が、面白い動画を紹介していました。
(7:30秒頃に注目)
日頃から炭水化物を控えているからなのか、白いご飯とちょっとしたおかずだけで物凄く美味しそうに食べているのが伝わってくると思います。
ボディービルダーの食事はかなり特殊なので、あまり一般の人が参考にするべきではありませんが、身体が求めている食事の満足度の高さがよく伝わってくるのではないでしょうか。
日頃から自由に食べたいだけ食べている人というのは、意外と食事による満足感が得られていないのかも知れません。
むしろ質素な食事を心がけている節約家のような人の方が、年間を通して考えると食事で大満足する機会が多いのかも知れません。
モテモテの人や大奥がある殿様(お金持ち)のような人が、頻繁に異性と結ばれるより、モテない人が頑張って頑張って好きな人と結ばれた時のほうが、ずっと幸せな気持ちになるような事です。
私のようなモテない人からするとモテる人は羨ましいものですが、周りが思っているほど本人は幸せを感じていないのかも知れません。
まとめ 本能と向き合う方法
「良薬は口に苦し」という言葉がありますが、本当に身体が欲している食材は苦味があっても美味しく感じられるものです。
おそらく苦いと感じている時点で、それほど必要のない栄養素の可能性があります。
これはカカオが多く含まれているチョコレート(80%ぐらい)で試すとわかりやすいのですが、その時々の体調によって美味しさの感じ方が大きく違うものです。
苦く感じるときは身体がカカオのポリフェノールを求めていないのかも知れません。逆にほのかな甘みを美味しく感じられる時というは、身体が欲している状態なのかも知れません。
のどが渇いている時に飲む水は最高に美味しいですが、高級なミネラルウォーターでものどが潤えば美味しさは感じません。普段からご馳走にありついている人というのは、常に水をたらふく飲み続けているようなことです。
利尿剤を飲んで無理やり排出するのようなバカげた事をする必要はありませんし、水を控えれば良いだけです。水は多少飲み過ぎてもおしっことして排出されますが、漢方には水毒という考え方もあります。
水だって極端に飲み過ぎてしまうと、血液中の塩分濃度を薄めてしまいます。また冷たい水を体温と同じぐらいの温度にまで温めることになるので、余計なエネルギーが必要となります。
毎日2リットル以上の水を飲むのが良いという健康法がありますが、これだって汗をかきやすい南国の人と、あまり汗をかかない北国の人で違うはずです。味噌汁のような食事から水分をとっている人と、そうではない人でも求められる水分量は違います。
誰にでも当てはまる健康法はありませんし、外国の研究結果が日本人にそのまま当てはまるとも限りません。
日本の水は軟水が多いのですが、ヨーロッパだとミネラル成分が豊富な硬水が多く、同じような食事内容でも得られる栄養素に違いがあるので、不足しがちな栄養素も変わってきます。
アメリカのカリフォルニア大学の最新研究で分かった事が、気候も人種も食文化も違う日本人に当てはまるとは限りません。さも最先端の研究結果といった感じでアピールされている人もいますが、人種も食生活も気候も違う国で効果があった方法が、日本人に当てはまるとも限りません。
よほどガリガリの人でもなければ、大抵の栄養素は脂肪の中に蓄積されています。スポーツ選手のような激しい運動をしている人でもない限り、極端に不足することはありません。
もちろん仕事で身体を激しく動かす必要がある人であれば、しっかりと三食とって栄養を補給する必要がありますが、農機具や重機がある現代人にとっては、それほど当てはまらないのではないでしょうか。
特定の栄養が不足してくると脳がその栄養素が含まれている食材や料理を食べたくなるよう促してくるので、そのタイミングで取れば過剰摂取になるようなこともなく美味しく感じられるものです。
これが食べたいモノを食べると健康になる理由です。好きなモノを好きなだけ食べる事とは全く意味合いが違います。
だからこそ、自分の内側から発せられるサインを見逃さないでください。
その心の声をしっかりと感じる為にも、日頃からあまり食べ過ぎにならないように気をつけてください。食事の量を減らすなり、質素にしてみるのもおすすめです。
これは食費の節約にもつながりますし、ここぞとばかりに食べたいモノが浮かんだ時に予算をかけやすくもなるので、最高の食事に出合いやすくなります。
ラーメンが好きだからと毎日食べているような人ほど、最高に美味しいラーメン(技術的な)を知っているだけに、「麺の太さが・・・」「スープの雑味が・・・」「メンマが余計だ・・・」など、判断基準が増えてしまい、減点法で判断してしまいます。
これは多くの美食家と呼ばれる人にも当てはまる事ですが、知識や経験が豊富なだけに滅多に完璧なものに出合えません。
一方で私のように一年に一度ぐらいしかラーメン屋に行かない人は、その度に最高に美味しいラーメンを味わうことができます。ラーメン通の人が数年に一度しか出会えないような感動するラーメンに、わりと簡単に出会うことが出来てしまいます。
「好きなモノ」と「食べたいモノ」を混同しないでください。
大好物ほど心から食べたくなるまで待つ勇気をもってください。そうすることで最高に美味しく食べられながらも健康に良い食事になってくれます。
心から甘いものを欲した時はどうぞ食べてください。ただし食後のデザートや三時のおやつだからと習慣で食べる必要はないということです。
私自身も四年に一度ぐらい無性にコーラを飲みたくなります。その時に飲むとゴクゴクと一気に飲み干したくなるほど美味しいのですが、調子にのって二本目に手を出すと持て余してしまいます。
風邪のひき初めにカレーが食べたくなるように、妊婦さんが特定のモノばかりを食べたくなるように、脳は過去の経験を元に現在の身体に相応しい最適な食べ物を、無意識に「美味しそう」だと選んでくれます。
健康診断の数値をもとにサプリメントを取るのが悪いとはいいませんが、数値だけではなく、自分の身体の声にも耳を傾けてみてください。
もちろんお医者さんのアドバイスとは分けて考えてください。明らかに不足している栄養素を薬やサプリで補うなと言いたいわけではありません。
ただ現代の多くの日本人は食べ過ぎで健康を害しています。日ごろから少し食べる量を減らすだけで、脳からのサインを感じ取るセンサーが鋭くなってくるので意識してみてください。
空腹感が食事の満足度を上げ、健康にも好影響を与えてくれるはずです。
そして、これらは節約とも相性が抜群です。
食費が減るのにも関わらず食事の満足度が高まり、しかも健康になります。最高の節約健康法ではないでしょうか。
食事の量や回数は仕事や年齢や体調によっても違うので、一概に正解があるわけではありませんが、余分な脂肪がある人は少し量を減らしたり、休日に一食我慢したからといって栄養が不足する事はありません。
ダイエットと考えると苦しく感じてしまうかも知れませんが、美味しく健康に食事を食べる為と考えると、それほど苦にならないのではないでしょうか。
一食抜いた後の食事の美味しさを知ってほしいと思います。なかやまきんに君のように、白いご飯だけでも感動するかも知れません。
私自身もよく休日は一日一食にするのですが、ご飯にワカメと入れて炊いて塩を振りかけただけのワカメご飯が最高に美味しいと感じてしまいます。
このように考えると粗食ばかりでたまにしかご馳走にありつけなかった昔の日本人の方が、飽食の現代人よりもずっと豊かで健康的だったのかも知れません。
日本のコンビニのスイーツやお弁当に感動できる外国人がいるように、飽食過ぎるがゆえにサインを見逃しやすくなっているのかも知れません。
日頃からしっかりと自分の心の声に耳を傾けながら、無性に食べたくなるモノがないか考えてみてください。好きなモノとは分けて考える事で、最高に美味しいと感じられる健康的な食事になってくれます。
大変長い文章となってしまいました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
コメント
イッテQでみやぞんが何日間か自転車で移動しながらご当地の名物を食べていたんだけど、最終的に一番美味しかったのがファミチキって言っていた。筋肉を酷使した身体が高カロリーの揚げ物の肉を求めていたんだと思う。
by 匿名
この感覚わかるわー
オレは食べるのが面倒でよく食事を抜くけど
その後に無性に何かを食べたくなる
この間なんかドクターペッパーが飲みたくてしかたがなくなってタクシーつかってドンキにいった
めちゃくちゃ上手かったよ
でも次の日に飲んでも大したことないんだよね
by 匿名
うーん、お菓子しか食べたがらない子供はそれでもいいの?
by 匿名
スポーツしてる時に飲むアクエリアスは美味しいけど、してない時に飲むとまずい
by 匿名
完璧なコメントでした!!
by 匿名