ポカリスエットとは?
ポカリスエットとは大塚製薬が1980年から販売している清涼飲料水です。
ポカリスエットはテレビコマーシャルなどの影響で、スポーツドリンクのようなイメージがあるかも知れませんが、実は「飲む点滴」とも言われています。
そもそも販売元の大塚製薬が点滴の成分を元にポカリスエット開発しているので、実際に点滴と非常によく似た成分になっています。
要するにポカリスエットを飲むということは、身体の調子が悪い時に病院で点滴を打ってもらう事と同じような効果が期待できます。
もちろん点滴の方が血管から直接吸収されるので効果が早いのですが、ポカリスエットでも近い効果が得られるようなことです。
一方で「飲む点滴」だからと安全と決めつけて、安易に飲み過ぎることにはリスクがあります。毎日飲むのと健康になるといった物ではありません。
そこで今回はポカリスエットのメリットとデメリットについて紹介します。状況に合わせて上手く取り入れられるようになってほしいと思います。
ポカリのメリット
何かしらの原因(風邪やウイルスなど)で身体の調子が悪くなると、免疫力を高める為に体温が上がり、それに伴って汗が出て身体の水分が失われてしまうので、その状態を速やかに回復させるのに点滴は適しています。
普通に水分を取ることも大切なのですが、体液の成分に近い点滴やポカリスエットというのは、水よりも速やかに吸収されやすいという特徴があります。
また真夏の炎天下の影響や激しい運動をして汗をかいたり、体力が落ちている時にも相性が良い飲み物です。
熱中症予防にポカリスエットが効果的なのは、水分だけでなく汗と同時に失われるミネラルも摂取することができます。
固形物(一般的な食べ物)は消化の為にエネルギーが必要になるのですが、点滴だと直接血管に入れるだけにロスがありません。
流石にポカリスエットでも点滴ほどの吸収スピードがあるわけではありませんが、固形物を消化吸収する為の負担が軽くなるので効果的だと言われています。
ポカリスエットは水分補給やエネルギー補給だけでなく、消化の為に余計なエネルギーを使わないという意味でも、身体の調子が良くない時と相性が良いというメリットがあります。
人間は食べたものをエネルギーに変える為(消化吸収)だけにも、大きくロスをしてしまう燃費の悪い生き物です。食べ過ぎると眠たくなるのは消化の為に膨大なエネルギーが使われるからですし、食後は体温が上がってしまう事も多いです。
だからこそ身体の調子が良くない時ほど、消化の負担がない点滴やポカリスエットが有効だと言われています。
ポカリのデメリット
一方でポカリスエットのデメリットというのは、単純に高カロリーで糖分が多いということです。
身体の水分が失われていない状態や栄養が不足していないタイミングで飲んでも、メリットはほとんどありません。
これを間違えないでほしいのですが、点滴やポカリスエットが健康に良いのではなく、あくまでも身体が弱っている時に適しているだけです。
毎日飲んだからといって健康になるというものではないので、そこは間違えないでください。
単純にポカリスエットの味が好きで飲むのであれば、ジュースとしての目的(満足感)が得られるのかも知れませんが、多くの清涼飲料水と同様に糖分がたっぷりと含まれています。
ポカリスエットが飲む点滴だからと過信してガブ飲みしても意味はありません。健康的な人に点滴が必要ないのと同じです。
野菜ジュースでも極端に飲み過ぎると内臓の負担になったり、尿管結石になってしまうようなデメリットがあるように、ポカリスエットにも過剰摂取のリスクがあります。
ここを気をつけてください。
ジュース代わりに飲んだとしても健康になるものではありませんし、水やお茶替わりにしてしまうと糖分過多ややカロリーの取り過ぎになってしまいます。
あくまでも身体の調子が悪い時に消化吸収が速やかに行われやすいメリットがあるのであり、汗をかいたり、食欲がないような時には相性が良いですが、毎日のように飲んでしまうとデメリットの方が上回ってしまう可能性があります。
ポカリスエットとアクエリアスの違い
ポカリスエットは飲む点滴として開発されていますが、一方でライバル商品の「アクエリアス」はスポーツドリンクとして開発されています。
結果的にどちらも似たような成分になってはいるのですが、アクエリアスは疲労回復物質のクエン酸やアミノ酸を多く含むという特徴があります。
だからといってアクエリアスも日常的に飲むことで健康になるというわけではありません。ろくに運動もせずに過剰に栄養を補給しても脂肪になるだけです。筋トレしないでプロテインを飲んでも太るだけのようなことです。
ちなみにポカリスエットとアクエリアスの成分表を比較してみると、カロリーはアクエリアスの方が若干少なくなっていました。
どちらもカロリーを抑えたタイプが売られているのですが、それらは人工甘味料が含まれているので個人的には普通のタイプの方がおすすめです。
特保やローカロリーをうたっている商品の多くには、人工的な成分が含まれています。ダイエットという点だけで考えると有効なような気がしますが、健康面では必ずしも良いわけではありません。
実際にそのようなものに頼って良いスタイルになったり、健康になったという人は多くありません。健康的なスタイルを維持している人の多くは、そのようなものに頼らずとも良い食生活や生活習慣を実践しているのであり、それらを改める事なくカロリーを抑える健康そうなものを取っても、期待しているほどの効果は得られないものです。
スーパーでゼロカリーのコーラー買っている人の体型をチェックしてみてください。スリムな体型の人は選んでいないはずです。
おすすめの飲むタイミング
ポカリスエットを飲むのにおすすめのタイミングは、身体の調子が良くなくて食欲が落ちている時です。
夏場に食欲が落ちるのは、自然と身体から汗がたくさん出て疲れているからです。これはお風呂やサウナで汗をかくのも同様です。汗を出すと気分はスッキリするかも知れませんが、身体にとっては軽い運動をしたような負担になっています。
ここで食欲がないからと水分補給だけで済ませていると、塩分やミネラルが不足して熱中症になってしまうこともあります。
普通の水を飲むだけでは栄養は補給されません。暑くて食欲が落ちて食事から十分に栄養補給できない時こそ、ポカリスエットのようなドリンクはおすすめです。
ちなみにポカリスエットは常温で飲む方がより吸収されやすくなります。これはポカリスエットに限った話ではありませんが、胃の中に冷たいものが入ってくると体温を使って温められることになります。この時に余計なエネルギーが奪われます。
実はアイスよりも冷たい飲み物の方が内臓には負担になると言われています。アイスのように少しずつ口の中に入れるのであれば、胃の中に落ちるまでに温められますが、冷たい飲み物をゴクゴクと飲んでしまうと胃の中から一気に冷えてしまいます。
夏場のように身体が熱い時に冷たいものを飲むと気持ちがいいものですが、身体の具合が良くない時にポカリスエットを飲むのであれば、キンキンに冷えている物は避けた方が良いかと思います。理想を言えば体温に近い温度の方が余計なエネルギーを使わずに済むのですが、せめて常温ぐらいにすると負担を軽減できます。
しばしば水をたくさん飲む健康法がもてはやされますが、極端におしっこの回数が増えてしまうと、その度に体温が奪われてしまうデメリットがあります。
コーヒーに含まれているカフェインの効果で血液がサラサラになるといったものも同じで、極端に摂取してしまうと利尿作用で身体の水分や体温が失われて調子を崩すケースがあります。
運動で身体が火照っているような状態であれば、多少は冷たくても良いとは思いますが、身体の調子が悪い時に飲むポカリスエットはキンキンに冷やさない方が良いと覚えておいてください。
消化の為のエネルギー量は膨大
一説によると三食きちんと食べている人が消化吸収の為に使われるカロリーは1600キロカロリーとも言われており、これはフルマラソンに必要なカロリーに相当すると言われています。
人間の身体は食べた物を分解して栄養に変換する為だけに多くのエネルギーを費やす燃費の悪い生き物なので、お腹一杯になるまで食べてしまうと内臓が大忙しになってしまい、余計な行動をさせない為に眠たくなってしまいます。
風邪をひいた時に食欲が落ちるのも同じです。体温を上げて免疫力を高めてウイルスと戦う為に膨大なエネルギーが必要になるので、無理して食べてしまうと消化吸収の為にエネルギーが奪われて非効率になってしまうので、脳が「今は食べるなよ!」と指令を出して食欲を落としています。
断食が身体に良い理由というと、一般的には体内に溜まっている不純物を出すデトックスと言われていますが、消化の為に働いている内臓を休めることも大いに関係しています。
同じカロリーを吸収するのであれば、消化が大変な固形物よりも点滴のような液体のポカリスエットの方が内蔵の負担が少ないので、余計な疲労を貯め込まずに済むというメリットがあるわけです。
ポカリスエットのメリットだけを上手く取り入れる為には、これらをしっかりと理解する事がポイントです。毎日のように飲む事が良いわけではないので、そこは間違えないでください。
食欲が落ちているからと胃薬を飲んでまで無理やり食事を取るような人もいますが、身体(脳)がこれ以上食べるなと指令を出しているのにも関わらず、無理やり食べるような行為が身体に良いわけがありません。
痛み止めの副作用として胃が荒れてしまったような原因があれば、胃薬に頼るのも仕方がないと思いますが、自らの食事によって胃が荒れてしまった場合は、ただひたすら休めるのが重要なはずです。
そもそも身体に脂肪が蓄えられているのは、このような時の為にエネルギーを蓄えているのであり、よほどガリガリの人でもない限り、栄養不足で困るような事はありません。
ただ汗で失われてしまう水分やミネラルは補給しなければならないので、その為にポカリスエットのようなものは相性が良いという事なので、上手く状況を見極めながら取り入れてみてください。
まとめ コスパ的には粉末ポカリが優秀
飲み物としてポカリスエットの味が大好きな人もいるかも知れませんが、清涼飲料水の多くには糖分がたっぷりと含まれています。
原材料名に砂糖と書いていなくても「果糖ぶとう糖液糖」とあると、たっぷりの糖分が含まれていることになります。
毎日コーラを1リットル飲んでいた人がポカリスエット1リットルに変えても、おそらく健康にはなりません。お茶1リットルからポカリスエット1リットルに変えてしまうと、デメリットばかりで糖尿病になってしまうかも知れません。
また最近はカロリーの少ない人工甘味料の飲料が増えていますが、そのようなものも身体に良いとは言えません。ダイエットコーラで痩せた人などいないものです。
ポカリスエットの成分は点滴に近いのは間違いありませんが、だからといって過度な期待は禁物です。たくさん飲んだからと言って身体の調子が良くなるものではなく、食欲がなく身体の調子が悪い時に内蔵に負担をかけずに、水分とカロリーを吸収しやすい飲み物と覚えておいてください。
疲労回復する魔法の飲み物なのではなく、消化の為の余計な疲労を貯め込まずに済む飲み物です。これさえしっかりと理解していれば、ポカリスエットのメリットだけを上手く取り入れられると思います。
まさに点滴のような扱い方で、ポカリスエットと付き合うのが良いのではないでしょうか。
健康な人に点滴が必要ないように、「飲む点滴」といわれるポカリスエットも健康な人に必要なわけではないので、よかれと思って飲み過ぎにはならないように気をつけてください。日常的に飲むものではありません。
ちなみにポカリスエットには、水で希釈する粉末タイプも販売されています。
これは節約という意味でもおすすめなのですが、粉末タイプは水で希釈する割合を自分で調節できるので個人的におすすめです。私は倍ぐらいに希釈して飲むことが多いです。
粉末タイプは場所も取りません。常に冷蔵庫の中にペットボトルのポカリスエットをストックしておくとスペースを取りますが、粉末タイプであれば問題ありません(そもそも私は冷蔵庫を手放していますが)。
成分表を確認してみてもペットボトルと粉末タイプでは僅かな差しかありませんでした。
身体の調子が悪くなったときの保険(常備薬)として、自宅に粉末のポカリスエットを用意しておくのも良いのではないでしょうか。
節約という意味では、ドラッグストアなどに売られているノーブランドのスポーツドリンクを選んでも良いとは思いますが、そうそう出番があるものでもないので、私はより点滴の成分に近いであろうポカリスエットの粉末タイプを常備しています。
私はよほどの事がない限り薬を飲まないので、自宅に常備薬など一つもないのですが、粉末のポカリスエットだけは用意してあります。それでも出番がそうそうあるものではないので、賞味期限が切れてしまった事があるほどです。
それぞれの生活スタイルに合わせてポカリスエットを上手く取り入れてほしいと思います。職場近くの自動販売機のポカリスエットの有無をチェックしておくと、調子が悪くなった時や食欲がない時の強い味方になってくれると思います。
身体の調子が悪そうな同僚などに差し入れしてあげることもできますし、食事が取れないほど忙しい時にも有効なので、職場近くのポカリスエットの購入ポイントを頭に入れておきましょう。
「ポカリ=飲む点滴」
は覚えておいて損はないかと思いますが、健康な人に点滴が必要ないという当たり前の事実も頭に入れておき、上手く付き合っていってほしいと思います。
追記 本物の点滴を初体験!
少し前に仕事中に身体の具合が悪くなってしまい、急遽内科を受診することになりました。
私はちょっとした事では病院に行かないのですが、職場の人の目もあって数年ぶりに内科を受診し、診断結果はただの風邪ということだったのですが、お医者さんに、
「この後、時間ありますか?」
と言われ、私が時計を確認していると、
「時間があれば点滴打っておきますか、もし無理ならポカリでも飲んでおいてください」
と言われました。
まさに「ポカリ=点滴」なのだと実感する出来事になったのですが、せっかくなので人生で初めての点滴を打ってもらいました。
ちょうど点滴を打ってもらう前に、私は喉の渇きを感じていたのですが、いざ点滴を打ってもらっていると徐々に喉の渇きが癒えていくのを感じました。
直接喉に水分が届いているわけではないので不思議な感じがしたのですが、血液から水分を補給できたおかげなのか、見事に喉の渇きが収まった事に驚きました。
やはり「餅は餅屋」というように、点滴の吸収力、即効性は凄いのだと思います。
お医者さんが「ポカリでもいいよ」と言ったぐらいなので、ポカリスエットの成分も優れているとは思いますが、本当に身体が辛いときは、やはりプロのお医者さんに診てもらった方が良いのだと思いました。
ちなみにその病院の中の自動販売機にもしっかりとポカリスエットが売られていました。
それからお見舞いなどで訪れた病院の自動販売機をチェックしてみると、見事なぐらいどの病院にもポカリスエットが売られていたので、病院側にとっても信頼されているの飲料なのかも知れません。
アクエリアスや他のスポーツドリンクでも悪くはないとは思いますが、やはりポカリスエットならではの魅力や信頼があるのだと感じる出来事となりました。
コメント
熱中症予防について調べてたどり着きました。ポカリのカロリーが気になっていたので、粉のポカリを薄めにつくって飲むようにしてみます。
by じゅん
粉末ポカリって味がイマイチなんだよねー
by 匿名
ポカリを常温で飲むと甘さが増しますね
水で薄めて丁度良いぐらい
by 匿名
ポカリを水代わりに飲むのはカロリーの点から感心しませんが、エナジードリンクで亡くなったのはカフェインの過剰摂取が原因であって、それをポカリと同列に扱うのはかなり違うのではないかと思います。
by 匿名
甘酒も飲む点滴って言われているし,糖分も必要なのではないでしょうか.もちろんポカリも毎日のように飲む事が良いとは思いませんが.
by 匿名