ガッテンで紹介された歯の磨き方が話題に!
少し前にNHKのガッテンで放送された歯の磨き方が、とても斬新で衝撃的だと話題になっていました。その方法というのは、
「歯を磨いた後に口の中をゆすがない」
というものです。その理由は歯磨き粉に含まれているフッ素の成分を落とさない為です。フッ素は歯の表面をコーティングして虫歯予防に役立つそうで、水でゆすぐ度にその効果が薄れてしまうのだそうです。
なので口の中に貯まった歯磨き粉の泡を吐き出す程度で済ませ、口の中をゆすがない方法が虫歯予防に効果的だと紹介されていました。スウェーデンではこの方法(イエテボリ法)が一般的なようで、実際に虫歯になる人が日本人よりも圧倒的に少ないのだそうです。
ただ歯磨き粉には身体に良くない成分も含まれており、フッ素の摂取量にもリスクがあるので、スウェーデンでは12歳以上から推奨とのことでした。
私は歯を磨いた後に3回以上はゆすぐので、この方法を試してみようとは思えないのですが、別の意味でも疑問をもってしまいました。それはラウリル硫酸ナトリウムの存在です。
ラウリル硫酸塩は危険?
多くの歯磨き粉には発泡剤として合成界面活性剤が含まれており、中でもラウリル硫酸塩(ナトリウム)が多いのですが、この危険性を訴えている専門家が多く、私も十年以上前から石鹸ベースの歯磨き粉を選んでいました。
一般的な歯磨き粉で磨いた直後というのは、食べ物の味が変化するものですが、この理由は合成界面活性剤が味覚を感知する味蕾を損傷するからです。
一方で私が使用しているしゃぼん玉せっけんの歯磨き粉には、この合成界面活性剤が含まれていないので、歯磨き直後でも味の変化が一切ありません。
一般的な歯磨き粉ほど泡立たず爽快感もないのですが、体内に余計な成分を吸収せずに済むので、何となく健康に良いと思っていました。ただフッ素も含まれていないので、ガッテン方式を取り入れるメリットはありません。
一方でガッテン方式の歯の磨き方だと、多くの歯磨き粉に含まれている味覚に影響が出るラウリル硫酸塩を、体内に大量に吸収する事になってしまいます。
もちろん健康には問題ないレベルなのだと専門家が解説していたのですが、それはあくまでもフッ素の量の事であり、ラウリル硫酸塩については取り上げられていませんでした。
日本では1970代に厚生労働省がラウリル硫酸ナトリウムに発がん性がないと報告されているのですが、ドイツでは有害だと禁止されていたり、アメリカでも6歳以下の子供用品への使用が禁止されています。
最近ではシャンプーに含まれているラウリル硫酸塩のリスクについても話題になっており、高価な自然派のシャンプーほど別の成分を使用する傾向があります。
人種や文化も違う欧米の方が正しいとは言いませんが、2015年にひじきに含まれている鉄分量が、大幅に少なかったと見直されたように、昔のデーター(ひじきは1982年)が正しいとは限りません。
日本では欧米で禁止されている食品添加物を、大手パンメーカーが堂々と使用しているような事もあります。裏で政治家に働きかけて、儲けが出やすいように認めさせるような事があっても不思議ではありません。
1970代にラウリル硫酸塩に発がん性が認められなかったといっても、安心しきるのはどうかと思います。あらゆる洗剤に利用されているので、今更認めたら大変な訴訟問題につながるかも知れないので、黙認されているのかも知れません。
ヨーロッパのトップ、医療大国、技術大国でもあるドイツで禁止されている成分を、口の中から直接取り入れてしまうガッテン方式には心底ビックリしました。
スウェーデンの一般的な歯磨き粉にも、ラウリル硫酸塩が含まれているのか分からず、私なりに調べてみたのですが、上手く見つける事ができませんでした。
ただNHKで紹介されたという事もあり、国会議員でも物議を醸している方がいました。
⇒フッ素入りハミガキ粉をうがいせず口腔内に留め最終的に飲み込むことを推奨することに関する質問主意書 提出者 大河原雅子
フッ素そのもののリスクについても様々な意見が見つかり、私が心配したラウリル硫酸塩だけの問題ではないようでした。なんだかとても面白いなと感じる出来事となりました。
まとめ 裏側を想像してみよう
正しい歯の磨き方というのは時代によっても変わりますし、必ずしも正解があるわけではないのですが、高性能な電動歯ブラシにたっぷりの歯磨き粉をつけて磨いた後、歯間ブラシで隙間の汚れを丁寧に落とし、洗口剤(マウスウォッシュ)で口の中を綺麗にし、定期的に歯医者で歯垢を落としてもらわないと健康的な歯を保てないというのは、とても不自然な状態ではないでしょうか。
そこまでしないと健康的な口内環境を保てないのであれば、自然界の動物の歯は無茶苦茶になっているはずです。
自然界の動物は砂糖のような特定の甘みだけを抽出した物を食べないので、それほど歯の負担にならないのかも知れませんが、それだったら人間も歯の負担になる食べ物を避けた方が、健康的な歯を保てるはずです。
おそらくアフリカの奥地に住んでいる人達は歯ブラシを使用していません。部族によっては木の枝で歯を磨くような事はするのかも知れませんが、それだけでも綺麗な歯を保てる人達がいるわけです。
長寿が原因で口内環境が悪くなっている人が増えているとも考えられますが、正しい歯の磨き方といったものよりも、歯が悪くなる原因(砂糖漬けのお菓子など)を避けた方が、ずっと虫歯予防になるのではないでしょうか。
ただそのような事を大手を振ってアピールするわけにはいきません。食品業界の猛反発が予想されます。身体に良い食品は様々な形でアピ―ルされますが、身体に悪い食品がアピールされる事はありません。そんなことをしたらその業界がつぶれてしまいます。
もしかしたらガッテンの情報の裏側にも、様々な陰謀が隠されているのかも知れません。
私がそう感じたのはガッテンで推奨していた歯磨き粉の量が「2cm」だったからです。歯磨き粉に含まれているフッ素の量はメーカーによって様々であり、チューブから出てくる歯磨き粉の太さだって違います。とても曖昧な目安です。
歯磨き粉の消費を促したい業界が、ガッテンに何かしらの働きかけがあったのではないかと感じてしまいました(もちろん私のただの憶測です)。
歯に良い磨き方を意識するのが悪いとは言いませんが、それよりも歯に悪い事を減らした方が、結果的に歯にとって良い事につながるので、そこを自分なりに見極めていくのが正しい道筋なのではないでしょうか。
今回ラウリル硫酸塩のリスクについて調べていると、
「それは石鹸業界の陰謀だ!」
というものも見つかりました。「石鹸だって界面活性剤であり(合成ではない)、合成と比べて洗浄機能が低い(水で薄まりやすい)事を、逆手にとって安全なのだと石鹸業界がアピールしているだけだ」という事のようでした。
この陰謀説も合成界面活性剤側の陰謀かも知れませんし、何が本当に正解かなど素人には分かりません。当ブログでは以前に科学的根拠があっても疑おうと紹介した事があるのですが、
研究者側にとって都合の良い根拠だけをアピールするような事は、決して珍しい事ではありません。化粧品メーカーの研究所が「肌に一番良いのは自分の皮脂だ」という研究結果が見つかったとしても、それを正直に公表してしまうと自社製品が一切売れなくなってしまいます。
科学的根拠を参考にするのは構いませんが、そこに自分の体験を加える事なく鵜吞みにしてしまうと、本当に自分にあった方法を見つける事が出来なくなってしまいます。
歯の磨き方といったものも同じです。頻繁に甘いお菓子を食べるような人と、食材を自然に近い状態で調理して食べる人では正解も違います。
唾液の量や質だって人それぞれ違います。世の中には一切歯を磨かなくても虫歯にならない強力な唾液の持ち主もいます。
人によっては甘いガムでも唾液の分泌が促されて虫歯予防につながるかも知れませんし、逆に甘いガムが原因で虫歯になってしまう可能性もあります。
私自身も電動歯ブラシや歯間ブラシや洗口剤を使用していませんし、フッ素入りの歯磨き粉を使用していませんが、成人してから一度も虫歯になっていません。
あえて意識しているのは、食後にキシリトール入りのガムを噛んで唾液の分泌を促す事ぐらいです。歯を磨くのは朝一と就寝前だけです。
食後に直ぐに歯を磨いた方が良いという意見がある一方で、食後は歯が酸性で表面が溶けているので、食後30分以上は開けないと歯ブラシで歯が削れてしまうという意見もあります。これも食べた物や唾液の量や質によって正解は違います。
他にも睡眠時に口呼吸になってしまうと、唾液が乾いて虫歯になりやすいといった情報もあります。人によっては歯の磨き方を改めるより、口呼吸防止グッズの方が虫歯予防として相性が良いかも知れません。
歯の磨き方や虫歯予防に正解があるわけではありません。あるのは相性の問題だという事です。
これを見極められないと、様々な情報に振り回されてしまうので気をつけてください。フッ素の安全な量だって数年後には改められるかも知れませんし、人よっては少量でも悪影響があるかも知れません。
コーヒーに含まれているカフェインによる覚醒効果は科学的に認められているものですが、たった一杯のコーヒーを飲むだけで眠れなくなってしまう人がいる一方で、五杯飲まないと眠たくなってしまう人がいるように、人それぞれ効果が違って当たり前です。
ガッテンで紹介されていたスウェーデンのイエテボリ法が悪いとは言いませんが、人によっては相性が悪いケースがあると思うので、しっかりと自分の体験と向き合いながら判断してほしいと思います。
ちなみに国によっては水道水にフッ素を入れている事があります。ただスウェーデンやドイツではフッ素のリスクの問題で中止されるようになりました。まだまだ分からない事だらけの成分でもあります。
国によっては禁止や年齢制限されているラウリル硫酸塩のような成分が、日本では問題ないとされていても、自分にだけは悪影響があるかも知れません。
お酒だって毎晩少しぐらいとった方が血流が良くなって健康に良いといった情報がありますが、アルコールが苦手な人にとっては毒物でしかありません。喫煙者でも長寿の人がいたり、毎日たくさん肉を食べて長生きの人もいれば、ベジタリアンやヴィーガンで長生きの人もいます。
あくまでも全ての人に当てはまる健康法などないと理解した上で、自分の身体と向き合ってほしいと思います。これが理解できると、正しい歯の磨き方といったものの方向性も見えてくるのではないでしょうか。