節約はレジャー!

ブランド離れは日本人が貧乏になったからではないと思う

日本人のブランド離れ

新型肺炎の影響で来日する中国人観光客が減り、大手百貨店が大打撃を受けているというニュースを見かけました。

現在の日本で高級ブランド品を扱うお店のメイン顧客は中国人であり、所得やGDPが伸び悩む日本人にはブランド品を購入する余裕がないといった事が紹介されていたのですが、私は日本人がブランド品を買わなくなったのは、単純に貧乏になったからではなく、賢くなったからなのだと思えてしまいます。

貧乏だから買えないのではなく、お金に余裕があっても買わない層が増えているのではないでしょうか。

成功したお金持ちほど品質の高い高級ブランド品を購入して長く使うといった意見もあるのですが、このような意見をアピールしている人達というのは、大抵はブランド品を売りたい側であり、本当のお金持ちたちがこぞってブランド品を選んでいるとは思えません。

参考お金持ちは100均を利用しない!?

そもそもお金持ちであることをアピールする必要がありませんし、そんな事が知れ渡ってしまうとリスクの方が高まってしまいます

一部の成金だと金持ちアピールをして注目を集める事もありますが、それは宣伝効果といった目的があるからであり、普段からお金持ちオーラを醸し出していると何かとリスクが高まってしまうので、わざわざそんな事をしないのではないでしょうか。

高価なブランド品ほど良質な素材を用いていたり、丁寧に作られて品質が高い傾向があるのは間違いないとは思いますが、そこに価格差ほどの価値を感じる人が少なくなったからこそ、ブランド離れが起きているような気がします。

安物の品質の向上もありますが、品質の差というよりもブランドイメージに価値を左右されない賢い日本人が増えているのではないでしょうか。

ブランドイメージという名の付加価値

誰でも自分の仕事に関する分野や興味のある趣味のような事であれば、しっかりと自分の基準に当てはめて選ぶ事ができるものですが、詳しくない分野の事なるとブランドイメージといった要素に左右されてしまいます。

水道水が危険な外国に行くと、その国の知らない飲料メーカーのものより、コカ・コーラのような有名なメーカーの飲料の方が安心感があるように、自分で判断するのが難しいような時こそ、ブランドイメージによって影響を受けます。

だからこそ大手企業ほど良いブランドイメージを構築する為に、莫大な広告費を投じるわけですが、ネットの普及もあって専門家の意見や購入者の意見を簡単に調べられるようになった事もあり、ブランドイメージに左右される人が減ってきています。

家電選びといったものでも、年配の人なら松下電器に良いイメージがある人が多いので、「Panasonicを選んでおけば間違いない!」といった感じで選ぶ人がいますし、もう少し下の年代になると「ソニーは革新的で性能が高い!」のようなイメージがあるものですが、ネットに慣れている世代になると、特定のメーカーのブランドイメージだけで判断するような傾向は薄れてきています。

加湿器の国内販売で圧倒的なシェアを誇るメーカーはダイニチ工業であり、加湿器を購入した事がない人からすると、ほとんどブランドイメージがない企業ではありますが、確かな性能によって多くの人から選ばれています。

おそらく日本でもブランド品が良く売れていた時代だと、ブランドイメージの薄いダイニチ工業の加湿器より、National(松下電器)の方が売れやすかったのではないでしょうか。

日本の消費者の目が肥えてきたり、ネットの普及で詳しくない分野でも自分で調べられる環境が整った事もあり、ブランドイメージだけに左右されてしまう人が減っているからこそ、ブランド離れが起きているのだと感じます。

単純に日本経済が落ち込んでいるからとか、日本人が貧乏になったから買えなくなったという事ではありません。

もちろんお金に余裕がないからこそ、賢く選ぶ人が増えているとも考えられるのですが、おそらくお金に余裕があっても無駄に高いだけのブランド品を選ばない賢い日本人が増えているのではないでしょうか。

物より思い出の時代の到来

私自身は節約家という事もあり、昔よりも所有欲がどんどん薄れてきているのですが、最近の若者は益々その傾向が強いように思えます。

昔は好きな漫画やCDやDVDといった形ある物を大切にしていたのですが、あくまでも重要なのは中身なのであり、形にこだわる必要がないので、ある時を境にCDの音源は全てパソコンに移して処分してしまいました。

本だと全てが電子書籍化されているわけでもないですし、自分でパソコンに移すとなる大変なので、いくつか手元に残っていますが、新しく購入する本は電子書籍ばかりですし、その前に図書館や古本屋を利用する事も多いので、滅多に紙の書籍を購入する事が無くなりました。

昔からビデオやDVDを購入する事がなく、レンタルばかりだったのですが、それも最近はネット経由で格安で済ませられます。

これらが当たり前の若い世代にとっては、わざわざ形ある物で所有する意味がありません。

ブランド品といったものも最近はレンタルができますし、フリマアプリで個人売買が簡単になった事もあり、所有し続けたい人が減っています。

物よりも思い出や体感を重視する人が増えているからこそ、ブランド品を買う日本人が減っているのではないでしょうか。

このような時代だからこそ、身につけている物によって相手を判断する要素も減ってきており、ブランドイメージによる付加価値そのものの価値も減って、そこにお金を使う人も減っているのだと思います。

ブランドのメッカであるヨーロッパの一般の人達は、そもそもブランド品など買わない人ばかりですし、高級ブランド店は一部の上流階級の人達と、新興国の成金を相手に商売しています。

20世紀後半の日本人の多くが、現在の中国人のようにその層に当てはまっていたわけですが、日本人がブランド品を買わなくなったのは貧乏になったからではなく、精神的にも成熟してきたからなのではないでしょうか。

見栄を張る為だけの役割が必要なくなったからこそ、そこにお金を使う人が少なくなっているだけだと思います。

まとめ 爆発的な選択肢の増加

ブランド離れと同じように若い世代の車離れが叫ばれていますが、私のような北海道の地方都市に住んでいる若い世代だと、車は必需品なので決して車離れは起こっていません。ただ昔よりも車にお金を掛ける人は確実に減っています

この理由も単純で昔はお金を掛ける対象が少なかっただけであり、地方の若者ほど娯楽の選択肢が少なかっただけに、車に集中していただけです。

昔は三ナンバーの大きな車に乗っていたり、スポーツカーに乗っているだけで女性にモテるような事もあったので、期待している効果が得られやすかったので、お金を掛ける価値もあったのですが、現在は選択肢が爆発的に増えて個人の趣味趣向もどんどん細分化されているので、高級ブランド品に期待する効果(品質の差や羨ましがられる事など)も昔ほど得られなくなってしまいました。

もちろん期待する効果も人それぞれ違うので、自己満足の為に購入するのであれば問題ないのですが、使い勝手の良い良質なバッグを求めている人であれば、軽くて丈夫な素材を使った無印良品のバッグの方が期待している効果が得られやすいかも知れません。

高品質なブランド品が必ずしも悪いとは言いませんが、その物に期待する機能や役割をきちんと判断できる人であれば、ブランドイメージを構築する為に投入されている莫大な広告費分の上乗せ価格は関係ないので、わざわざ選ぶ理由がありません。

半額ぐらいでも同程度の品質がある物を見つけられるかも知れませんし、逆にブランドイメージだけが欲しいなら中古やレンタルでも十分かも知れません。

100円ショップの商品に代表されるように、あらゆる安物の品質もどんどん良くなっているので、昔ほど価格差と品質の差が少なくなっています。

数世代前のiPhoneより、ただ同然で手に入る格安スマホの方が性能が高いように、最新のiPhoneを所有する事といった見栄の為にお金を掛ける人が減っています。

もちろん最新のiPhoneならではの高機能に惹かれて選ぶのは良いのですが、何となくブランドイメージだけで松下電器を選ぶ年配の人のような選び方でiPhoneを選ぶ人は、若い世代を中心にどんどん少なくなっているのだと思います。

といっても日本人のiPhone利用率は世界的にかなり高いので、まだまだブランドイメージに左右される層が多いのかも知れませんが、昔ほど影響される人が少なくなっているのではないでしょうか。

日本人のブランド離れというのは、単純に貧乏になったからのような理由ではなく、選択肢の増加が主な理由であり、自分の基準で判断できる賢い消費者が増えているからなのだと思います。

節約というものでも自分の環境に当てはめて考える事なく、プロのアドバイスだけに従ってしまうと苦しくなってしまうように、それぞれが自分の頭を使って考える事が大事なのではないでしょうか。

ブランドイメージに頼る必要がないにしても、周りの人を不快にしてしまうような不潔さだったり、いかにも偽物だと分かるような物だと、評価を下げられてしまうので気をつける必要があります。

この辺の線引きにも正しい基準などありませんが、安さだけに囚われて残念な印象になってしまっている節約家がいるように、上手くバランスを取る必要があります。それほどお金を掛けずとも出来る選択肢もありますし、逆にお金を掛けるにしても期待している役割が明確であれば、必要以上に掛けてしまう事も無くなります

選択肢が多い時代だからこそ最適な物を見つけやすい時代でもあるので、しっかりと自分の基準で選べるようになりましょう。

もちろん他人の意見や専門家の意見を参考にするのは構わないのですが、そこに自分の基準を入れて考えられないと、いつまで経っても期待している役割が満たされないので気をつけてほしいと思います。

安さだけに囚われてしまうと、求めていた役割が満たされずに安物買いの銭失いになってしまいますし、高級品を売りたい側の都合の良いアピールに惑わされてしまうと、価格ほどのメリットが得られなくなってしまいますよ。

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光司

光司

離婚を経て人生のどん底を味わってから節約に目覚めたアラフォー男子の光司(コウジ)です。 実際に役に立った節約情報やオリジナルの節約方法を紹介します。 お金のかからない健康法や節約が上手くいく人の考え方など、様々な観点から節約について紹介するブログを目指しています。 より詳しいプロフィールはこちら⇒ [詳細]

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