ポイントカードの仕組みとは?
節約家に限らず多くの人が何かしらのポイントカードを利用しているかと思います。
ポイントカードは消費者にとっては割引になってありがたい仕組みではあるのですが、様々な企業がポイントカードを発行している本当の理由をご存知でしょうか?
あくまでも表向きは「常連のお客様へ還元サービス」のような事であり、よくあるのは購入額の1%ぐらいをポイントとして還元し、一定のポイントが貯まるとサービスを利用できるようなシステムになっています。
消費者にとっては喜ばしいことですが、これだけだと企業側にメリットはありません。
ポイントカードを発行している企業側のメリットというのは、会員登録で顧客を囲い込むことも出来ますし、メールマガジンなどで広告を流すことも出来ます。テレビのCMや新聞のチラシよりも各段に安くお知らせが出来るわけです。
同じような店舗が並んでいた場合は、消費者側は自然とポイントカードを持っているお店を選ぶようになります。
ポイントカードは基本的にはどちら側にもメリットがありますが、消費者側よりも企業側のメリットの方が大きい仕組みになっていることを理解する必要があります。
それがポイントカードを利用した節約の攻略のカギになります。企業側の思惑にハマらないように気をつけましょう!
ポイントの真の還元率
ポイントの還元率を1%と設定していたとしても、実は企業側の損益は1%もありません。
多くのポイントカードには期限が設定されており、発行から半年や1年といった縛りがあります。
これによって失効されてしまうポイントがあります。特に一定のポイントが貯まらないと使用できないポイントカードだと、企業側の損失は0.7%程度に収まるので、1%還元というシステムでも損失は少なくなります。
ポイントが貯まっていく消費者側には「得をした」という満足度があるのにも関わらず、企業側はそれほど損をしていないケースは珍しくありません。
多くの人の財布の中にも、一度もポイントが貯まったことがないカードがあるのではないでしょうか。
ポイントカードの仕組みや期限、業界によっても違うのですが、1%還元でも企業側の負担は平均すると0.6~0.8ぐらいだと言われています。
たまに「当社はポイントカードを発行しないで常に割引をしています」といったタイプのお店もあるのですが、同じ1%の割引だとポイントカードの方が企業側にとっては損が少ないにも関わらず、顧客を囲い込むメリットがあるわけです。
これが多くの企業がポイントカードを導入する理由です。あくまでも企業側に大きなメリットがある事を忘れないでください。
ポイントが貯まる快感
日頃から節約を意識している人ほど、ポイントが貯まっていくことに快感を覚える人が多いと思います。
これがまさにポイントカードを発行する企業側の一番のメリットです。消費者を自社のファンにさせることが出来るわけです。
隣のスーパーの方が10円安いことがわかっていても、ポイントが貯まる方のお店から買わせてしまう力を発揮します。
さらにポイントが倍の日のようなセールを行うと、値引きをしていない商品まで積極的に買わせることも出来ます。冷静に判断すれば他のスーパーの方が断然安いようなものでも、ポイントが貯まるからとついつい手に取ってしまう傾向があります。
これは一般的なセールの目玉商品にも当てはまるのですが、ほとんど利益が出ない割引された目玉商品でお客さんを呼び込み、ついでにその他の利益率が高い商品を購入してもらうような事です。
要するにポイントの魅力に取り込まれてしまうと、必要のない商品や割引されていない商品を購入しやすくなってしまうので、結果的に節約にならないケースが増えてしまいます。
ポイントカードの仕組みは、消費者側が思っている以上に深いものです。ポイントカードを攻略しようとすればするほど、企業側の思惑に踊らされてしまう可能性が高まるので、ほどほどの距離を保つ必要があります。
ポイントカードの攻略
だからといってポイントをみすみす見逃すのも悔しいですよね。
そこで今回はポイントカードを利用した節約方法を紹介します。
それはポイントをなるべく集約させることです。
様々なお店のポイントカードを利用するのではなく、数社に絞るというようなことです。最近はポイントを発行している企業側の提携もすすんでいるので、そのような仕組みのポイントカードであれば、様々なリスクを減らすことが出来ます。
楽天ポイントが凄いのは「1ポイント」からでも使えることです。一定数までポイントが貯まるまで使えないロスがありません。
もちろん楽天だけが優れているわけではないのですが、Tポイントやdポイントのように様々な企業と提携しているポイントの仕組みであれば、貯まりやすさだけでなく使いやすさも向上します。
それらのポイントが貯まるクレジットカードを使用すれば、どのお店から購入してもポイントが還元されますし、たくさんのポイントカードを管理する手間も省けます。
たくさんのクレジットカードやポイントカードを持つと、貯まることなく消えていくポイントが増えてしまいますが、これらを集約させることでポイントが消失するリスクや、期限に合わせて貯めようという意識を減らすことが出来ます。
また楽天ポイントだと提携している様々な実店舗(ドラッグストアやガソリンスタンド)でも、楽天ポイントが貯まったり、使用できるのも魅力です。
期間限定ポイントですら使用できるので、それらを無駄にしなくて済みます。
そもそも私は楽天市場で物を購入する機会があまりなく、よほど読みたい新刊本が販売された時ぐらいしか利用しません。
金額が大きな買い物だと楽天だけでなくamazonやヤフーショッピングなどと価格比較してお得なところを選ぶのですが、いわゆる日用品や消耗品のような物だと、ネット通販は送料の問題があるので、大抵は近所のスーパーやドラッグストアの方が安く購入できます。
amazonのプライム会員だと送料の問題は軽減できるのですが、ちょっとした物の為に大きなダンボールを処理する手間が増えたり、受け取る時間を合わせるような手間が増えてしまいます。
私は節約家という事もあり、滅多に金額の大きな買い物をしないので、意外なほどネット通販の出番が少ないです。
それでも楽天ポイントだと様々な支払いをクレジットカードを経由する事で勝手に溜まっていきますし、ドラッグストアやガソリンスタンドで期間限定ポイントも消費できるので、滅多にポイントを消失させる事がありません。
ただ楽天ポイントが使える(貯まる)という理由だけで、そのお店を選ぶと節約から遠ざかってしまうので気をつけてください。
この辺を間違いない事が、ポイントカードを攻略する上で凄く重要なポイントになります。
あくまでもポイント還元はついでぐらいに考え、本体価格の安いところを意識しないと、企業側のメリットばかりになってしまいます。
Tポイントで考えてみても分かりやすいのですが、Tポイントは元々はCDやDVDのレンタルをしているTSUTAYAの仕組みだったわけですが、それらはネットの普及によってレンタルするよりも安く楽しめる方法がいくらでもあるわけです。
Tポイントも様々な業種の企業と提携しているので貯めやすいのですが、それをTSUTAYAで使用するとなると、それほどお得な選択肢ではないような事です。
個人的にはTポイントは還元率が0.5%というケースが多いので、私は楽天ポイントに集約しているのですが、よく利用するお店でTポイントが貯まるのであれば、決して悪い選択肢ではありません。
最近はdポイントやauポイントなども人気が出てきたので、楽天ポイントだけが優れているわけではないのですが、それらを全て使い分けるとなると手間ばかりが増えてしまい、消失するポイントやお店選びの基準が狂わされてしまうので、結果的に節約にならない(割高なお店を選んでしまう)ケースが増えてしまいます。
ポイントカードの攻略のコツというのは、あくまでもついでぐらいに考え、積極的に貯めるのではなく、お店選びの基準を狂わされないように注意する事です。
まとめ あくまでもポイントはおまけ
ポイントカードを持っているからという理由でお店を選ぶと、大抵は節約につながりません。本当はイタリアンが食べたいけど、となりの中華屋さんのポイントカードがあるから・・・といったことになると、せっかくの料理の満足感が下がってしまいます。
ポイント還元があるからと食べたくもない料理を選んでしまうと、身体にだって良くないかも知れません。
これはクーポン券なども同様なので気をつけてください。節約を意識し過ぎるがあまりに、選択基準が狂ってしまうと元も子もありません。
たとえ数十円分の節約できたとしても、その物に期待していた役割や機能がズレてしまうと、安物買いの銭失いになってしまいます。
あくまでもポイントカードはおまけだということを忘れないでください。これがポイントカードの攻略で一番大事なポイントです。
全く同じ商品を同じ値段で売っているのであれば、ポイント還元のある方がお得になりますが、ついついポイント10倍などに心動かされてしまうと、それほど安くない物まで購入してしまうものです。
近所のお店や頻繁に利用するお店のポイントカードであればいいのですが、たまにしか利用しないお店のポイントカードはさっさと処分し、クレジットカードの利用だけで貯められるような大手のポイントカードに集約しましょう。
またポイントは貯めない事も重要です。一定のポイントが貯まらなくても使えるような仕組みであれば、買い物の度にありったけ使った方がリスクを減らせます。
期間限定ポイントのようなものだけでなく、ポイントカードの仕組みが変更したり、その企業がつぶれてしまうような事もあります。他にもスタンプを押すような物理的なポイントカードだと、財布の落とした時のダメージも大きくなってしまいます。
ある家電好きの芸人が、ある大手家電屋のポイントを100万円分ぐらい貯めていると自慢していたのですが、そんな物を持ち歩くなんてリスクが高過ぎますし、ポイントだからとそれほど欲しくもない家電まで手を出してしまうかも知れません。
一方で普段からポイントを使い切っていると、ポイントだけで購入できるような機会も無くなるので、しっかりと普段の基準だけで選ぶ事ができます。
現金なら買うかどうか悩むような物でも、ポイントだとついつい購入してしまうような事が増えてしまうので、企業側にとってもメリットが大きい分けです。
これは大きく値引きされたような商品にも当てはまるのですが、安さやお得さにつられて、それほど欲しくないような物にまで手を出しやすくなるのがポイントの凄さでもあるので、節約したい人はポイントはさっさと消費して冷静な判断を心掛けるようにしましょう!
ポイントはあくまでもおまけという事さえ間違えなければ、大きく失敗する事はなくなるのですが、ポイントを攻略しようと躍起になるほど、相手側の思うツボになってしまうので気をつけてほしいと思います。