「宵越しの銭は持たない」とは?
「宵越しの銭は持たない」という言葉の意味を調べると、
その日に得た収入はその日のうちに使い果たす
金銭に執着しない江戸っ子の気性をいった言葉
とありました。一方で別の解釈をする反対派の意見として、
きっぷの良さではなく、貧乏人のやせ我慢
ともありました。
どちらの意見にも一理あるように感じますが、この「宵越しの銭は持たない」を別の角度から見ると新たな発見があるものです。深い深い闇があるのかも知れません。
雇う側の都合
それは雇用主、気性の短い江戸っ子を雇う側の都合です。
江戸時代の雇用体系の多くは、現代でいう日雇い労働のようなことです。しっかりとした雇用契約があるわけではありません。
また月々の支払いというのは家賃ぐらいなものです。銀行もないので天引きされるものがありません。
基本的に多くの日雇い労働者はお金に余裕がある内は働く必要がありません。あくまでもお金に困ってから働きます。
これだと雇う側は計画的に物事をすすめることが出来ません。毎日働いてもらう為には、毎日お金が必要になってもらわないと上手く仕事が回らないわけです。
そこで雇う側が主体となって賭博が生まれたと言われています。
日雇い労働者のお金を巻き上げる為です。しかも賭博で勝った人は遊郭で散財するように仕掛けられています。どちらに転んでもお金を使い果たすことになるので、次の日も働きに来てくれるわけです。
この流れを浸透させるために「宵越しの銭は持たない」ことを粋なことなのだと浸透させたという説もあります。そしてこの考え方は、形を変えて現在でも残っています。
労働者と歓楽街の関係
たとえば北海道の開拓期には多くの人が北海道外からやってきました。現在でいう季節労働者や期間雇用といったところでしょうか。
彼らには故郷があるので正月やお盆になると帰省します。現代ほど交通機関が発達していなかったので、かなり長期的な休みになってしまいます。
また目的の金額を稼ぐと大抵は故郷に戻ってしまいます。これでは安定的な雇用は維持できません。開拓が進まないわけです。
そこで歓楽街が生まれました。いわゆる札幌の「すすきの」です。
真面目に働いて目標の金額を稼いで故郷に帰ろうとしていると、雇い主は「今までよく頑張ってくれたな」とすすきのへ誘います。そして遊郭へと流れます。
真面目に働いていた人ほど、この時にショックを受けるわけです。夢のような華やかな世界に魅せられ、この快感が忘れられずに故郷へ帰らなくなる人が一定数残ることになります。
そして彼らは足しげく遊郭に通うようになります。当然お金が底をつくのでバリバリ仕事をするようになり、雇い主にとって都合の良い安定した労働者が生まれることになります。
当初は生活をしていく為、家族を養う為に働いていたはずが、目的がすり変わってしまいました。
現代でも地方からの出稼ぎが多い都会や工業地帯ほど風俗店が多く存在しています。現在でも脈々とこの手法が取り入れられています。
そしてさらに恐ろしいのは、風俗店に勤めている風俗嬢にも当てはまります。
風俗嬢になる女性の多くは何かしらの事情があるわけです。よほどの好き者であれば別ですが、多くの女性は仕方がなく借金を返済する為に風俗嬢になるわけです。
そして多くの女性は、借金返済の目途がたてば辞めようと考えています。
これだと雇う側は安定した営業を続けることは出来ません。人気のある女性ほど短期間で稼いで辞めてしまいます。
そこで雇う側は今まで頑張ってくれたご褒美として、目標の金額が近づいてきた頃にホストクラブへ招待します(大抵は面接時に稼ぎたい金額を聞き出しています)。
借金の返済の為に頑張っていた女性ほど、日常生活でもカツカツで暮らしているので、きらびやかな世界に一気に魅了されていきます。
そして身体目当ての男性ばかりを相手にしてきたので、直接身体を求めてこないホストにときめきやすいわけです。
これは実際に風俗を経営されていた人の本に書いてあったことです。風俗嬢の雇い主が「いつものようによろしく頼むよ」とホストクラブの店主へチップを渡し、いつも以上にサービスをして虜にする関係性があります。
これらのように雇い主側が安定的な労働力を確保するために、雇い主側にとって都合の良い様々な誘惑が仕掛けられていることがあります。
だからこそ、
「宵越しの銭は持たない」
という言葉の意味を、粋な解釈なのだとして仕向けられました。
まずは、この事をしっかりと頭に入れておいてください。
この「宵越しの銭は持たない」の闇は特別な人にだけ当てはまることではありません。多くの現代人にも取り組まれてしまっています。
形を変えた現代の誘惑
ここまではわかりやすい極端な例を紹介してきましたが、「宵越しの銭は持たない」の闇は現代の消費活動にも形を変えて同じように存在しています。
住宅ローンなどは典型的です。払い終えた頃には資産としての価値はなくなっているのにも関わらず(土地は別)、30年、35年といった長期ローンで安定した労働に縛り付けることができます。
安定した労働は安定した税収を生み出します。これが政府が持ち家を所有させたがる理由です。他にもあらゆるものに当てはまります。
時間を知る為には携帯電話だけで十分ですし、スーパーで売られている1000円の腕時計でも機能的には全く問題ありません。100円ショップにすら売られています。
それにも関わらず、精密なゼンマイ式の高級機械式腕時計が売られています。
時間を知るという機能としては、全くもって無駄な買い物ですが、それらがカッコいい事、成功者の証といった粋な印象を付ける事で、ローンを組んでまで購入してしまう人が現れるわけです。
現代でも賭博への誘導、遊郭、ホストへの誘導と同じように、様々な誘惑が仕掛けられています。
持ち家を持つことが正しい、資産価値がある、老後が安心、税金が安くなる、など様々な誘惑(営業)が行われています。
そして主に政府御用達の経済雑誌や新聞、テレビがこれらを煽ってきます。
これが腕時計だと有名人や成功者に身につけさせます。高級腕時計を身につけたから成功したわけでもないのに、さも高級腕時計を身につけたから成功したかのようにアピールしてきます。
「出来る男は○○を持っている」ようなことです。「違いの分かる男」「今時女子は○○」などのキャッチコピーが溢れています。
これらは本質的に雇う側、買わせる側の都合です。現状に満足している人に対して様々なアピール(流行など)をし、そのままでは不満足なのだと洗脳してきます。
本来、流行とは不特定多数の人が高評価をした事で、あとから振り返って流行だったと認定されるはずです。あくまでも流行とは結果論です。
なのに現在では「今年の流行はコレ!」という状況が当たり前になっています。実際に流行する前に認定してしまっています。これこそがまさに仕掛けられた誘導、洗脳ということです。
特に女性向けのファッション業界などは酷いものです。「この春、流行するのは○○カラー」と決めつけて、実際にそのカラーの商品ばかりが溢れることになります。
その○○カラーが良く似合う似合う女性であればいいですが、そうではない女性まで流行のカラーだからと取り入れてしまいます。しかも次の年には流行後れのカラーになってしまい、また新しい洋服を購入しなければなりません。
完全に売る側の手のひらで踊らされてしまっています。
現代はその流行に乗っかっていないと不安を感じてしまう女性が、とても多いように感じます。
自分の基準で判断する事が出来ていません。
自分の好きな洋服や似合う洋服や着心地の良い洋服を着て満足するのではなく、不安感を和らげる為だけの洋服選びになってしまいます。
これらように現在でも形を変えながら「宵越しの銭は持たない」は脈々と受け継がれています。知らず知らずのうちに多くの人が巻き込まれています。
このサイクルから抜け出さない事には、いつまで経っても本心から望むものを手に入れられないので、植え付けられた不安を解消するためにお金を支払い続ける事になってしまいます。
動物は正直
これが動物だと本能に忠実なので簡単に洗脳されません。
お腹がいっぱいのライオンは目の前に獲物が通っても襲いません。生きる為に必要な食欲が満たされているので、次に必要な睡眠欲を選択します。
本来人間も同じはずです。生活に必要なお金さえ稼げれば満足のはずです。それ以上やりたくもない仕事をする理由などありません。
それだと雇う側の都合が悪いので、あらゆる誘惑をして必死に働かせようとします。
これをライオンに仕掛けるとなると、
- さっきの獲物だけでは栄養が足りませんよ!
- あの獲物を食べないと血液がドロドロになりますよ!
- このあとに獲物がいなくなるかもしれませんよ!
と言った不安を与え、お腹いっぱいにも関わらず狩りをさせるようなことです。
幸い動物にはそのような不安を与える存在(メディア)がいないので、お腹いっぱいの幸せを感じながら幸せに休んでいます。
自然界のライオンと同じように、人間も満たされていることに気づくことが大切です。本当に必要なモノの為に仕事を頑張ることは素晴らしいですが、本当は必要でもないモノの為に頑張らされていないか、よくよく考えてみてください。
誘惑と選択の違い
日本で仕事をしていれば、基本的に生活に必要な金額は既に稼げているはずです。
度々最低賃金が問題になりますが、贅沢をしなければ、その金額でも暮らしていけます。
この生活をする上で必要な金額と、贅沢をする金額を分けて考えることが重要です。
生活をする上で必要な金額(家賃や光熱費や食費など)の中に、贅沢を混ぜてしまうと生活に不満が溢れてしまいます。
生活費が10万円、自由に使えるお金が10万円の場合、自由に10万円使うのは構いませんが、ここで生活費を15万円を上げてしまうと不満要素が増えてしまいます。
家賃を上げたり、ローンを組んだり、毎月支払いが発生する契約をたくさん結ぶと、自由に使えるお金が減ってしまいます。
自由に10万円使えていた頃よりも生活の水準(良い家、車など)は上がっているのかも知れませんが、一方で選択する自由(10万→5万)が目減りするので不満は増えてしまいます。
誘惑する側は安定した収入を得たいので、ローンや長期契約を望んできますが、それに振り回されると自分で選択する範囲が狭まります。
生活が満たされており、残ったお金で何を買おうと自由なはずなのに、どんどん選択できなくなって不自由になっていきます。
自由に使えるお金が少ないと、何か提案があった時に「買えない」という選択に支配されます。当然不満が増えていきます。
一方で自由に使えるお金が十分にあると、何か提案があった時に冷静に判断できます。「買えない」のではなく「必要ないから買わない」という選択が出来ます。ここには不満は発生しません。
同じ「買わない」という選択にも関わらす、不満の量は明らかに違います。
不満を抱えたままの人は、ローンやセールが提案されると必要かどうかも判断せずに飛びついてしまうかも知れません。
不満が発生すると脳のIQが下がります。冷静に判断がつかなくなるので誘惑されやすくなります。
だから誘惑する側はIQが下がるように仕掛けてきます。典型的なのが色仕掛けや脅し(恐怖を与える)です。
現代の戦略
美人が誘惑して後から怖い人が出てくる美人局のような分かりやすい例だけではありません。現在では形を変えて様々な分野で脅しが用いられています。
わざわざCGを使って過剰に「ばい菌」をアピールしてくる除菌グッズだったり、身体的なコンプレックス(仮性包茎や胸の小ささ等)のせいでモテないと脅してきます。
悪徳な宗教や占い師だと、来世や前世の事まで持ちだして脅してきます。
「あなたの人生が上手くいかないのは前世の行いが悪かったからです」
と言われて信じてしまうと、その不安を和らげる方法など無くなってしまいます。その人にすがる道しか残されていません。
ちょっとした参拝やお守りを購入するぐらいで、その不安が和らぐなら安いものですが、それをしない不安を解消できなくなってしまうと、どんどん高額になっていってしまいます。
逆に誘惑を利用してくるパターンも多いです。有名なセレブに無償で高級腕時計やブランド服を提供し、さもそれらを手に入れる事が彼らに近づく道だとすり替えてくる事も多いです。
ある日本人メジャーリーガーが語っていたのですが、プライベートで同じチームの有名選手とあるブランド店に訪れると、店員総出で迎えられてピップルームに通され、その選手は好きな洋服を全て無償で提供されたそうです。
本当のセレブは購入すらしていません。彼らが成功するまでの努力とは全くの無関係です。
綺麗な肌や髪の女優さんが新発売の化粧品やシャンプーの広告に起用されるものですが、彼女らはそれを使用したから綺麗になれたわけではありません。あくまでも綺麗だったから起用されただけであり、順番がすり替えられています。
車のCMなどでも美男美女のカップルがカッコ良く運転しているものですが、その車を手に入れる事と全く関係がありません。不細工な男性が高級車に乗る事で金目当ての美女が乗ってくれる可能性はあるかも知れませんが、そのような演出をする事などありません。
私はガソリンスタンドでアルバイトをしていた経験があるのですが、ガソリンを満タンにしてもらうようりも水抜き剤(当時は800円)を一本売った方が利益になるので、販売マニュアルとして、
「半年に一度は水抜き剤を入れないとガソリンタンクの中が錆びてエンジンが壊れてしまいますよ」
といった脅しを利用していました。これが本当なら車検や定期整備で利用されなければならないのですが、そんな事は一切ありません。そもそも現在の車のガソリンタンクは金属製ではありません。
しかも車に詳しい人が多い若い男性はターゲットにされず、女性と高齢者ばかりを狙うように指示されていました。月替わりでバッテリーやオイル交換などを勧めていたのですが、それらにも同じな売り文句(脅し文句)を使用するように指示されていました。
これらのように形を変えながら現代にも脈々と「宵越しの銭は持たない」は受け継がれています。マーケティング戦略の多くは脅しと誘惑です。
「粋だね~」と思わせて相手を気持ち良くさせたり、ありもしない恐怖を与えて不安にさせ、冷静な判断をさせないような仕掛けがなされています。
高級腕時計を購入したからといって時間が増えるわけでもないですし、大きな車に乗ったからと言って目的地に早く着くわけではありません。
それらが本心から欲しい物であれば、所有欲が満たされるので意味があるとは思いますが、欲しいと思わされた物、必要だと思わされた物だと、後から後悔する事になってしまいます。
本心では求めていなかった虚構の優越感や不安感を植え付けられた事で、余計なお金を支払う事になり、維持費まで増えてしまいます。
生活を豊かにするどころか、益々生活を圧迫して苦しさだけが増してしまいます。
「粋だね~」という言葉に騙されないでください。本当に粋な人は粋である事をアピールしませんし、周りの人に「粋ではないよ」と無粋な事を言ったりしません。
まとめ 選択させられるな!
現在に受け継がれている「宵越しの銭は持たない」の話は少しわかりにくいかも知れませんが、要は「本当に心から欲しいモノをしっかりと見極めてください」ということです。
また生活に必要な金額というのは各家庭で違うものですが、そこに見得や世間の常識や誘惑が混じっていないかをよく見極めてください。
この見極めが上手くいくと、無駄な出費がなくなるだけでなく不満も大きく減ります。
特に毎月支払っているモノを改めて見極めてください。家賃や水道光熱費の他にも、
- 保険
- 新聞
- 牛乳配達
- 防犯契約
- 通信費
など家庭によって様々な固定費があると思います。これらの中には必要のないモノがあるかも知れません。高額療養費制度がある日本で、限度額以上の生命保険に入る必要がどこにあるのでしょうか。
もちろん本当に好きなモノを購入することが悪いわけではありません。心から欲しいモノであれば積極的に手に入れた方が幸せになります。
誰でも何かしらのモノを購入してから後悔をしたことがあると思いますが、まさにそれが洗脳されていた結果です。心から自分で欲したモノであれば決して後悔などしません。
何かモノを購入する時は一度冷静になってください。何かしらの誘惑や脅しで感情が変化していないかチェックしてください。考えるという行為が、冷静さを取り戻すきっかけとなります。
- 本当に必要なモノなのか
- 代替え出来るモノはないか
- 収納スペースはあるか
- 妥当な金額なのか
- 生活費を圧迫しないか
- 余計な維持費は掛からないか
これらを考える事で、自然と感情の高ぶりが収まっていくので、売りたい側に仕掛けられた戦略を回避する事ができるようになります。
そして、この習慣が当たり前になると、
無意識に一瞬でモノを判断出来るようになります。
悩むことがなくなります。本当に必要なモノだと一瞬で「これだ!」と判断出来ます。
この状態で購入したモノは非常に満足度が高いモノになります。愛用品になります。
購入してから後悔するようなこともありません。誰かに選ばされると不満が増えますが、自分で選ぶと満足できます。結果的に節約にもつながっていくものです。
洗剤のCMで綺麗な女優さんが「いい香り♪」と言っていても、あなたが「いい香り」と感じるとは限りません。それよりも実際にドラッグストアで香りを比較して判断してください。
日本人は周りの意見を取り入れすぎる傾向があります。自分では「いい香り」だと思わなくても周りの人が「いい香り」と言えば、それが「いい香り」なんだと思いこむ傾向があります。
周りの人から「いい香り」と思われたいのであれば、そのような基準で選択することが間違いではないのですが、自分の本音に蓋をして選んでいると、不快な匂いに包まれる事になってしまいます。
柔軟剤のダウニーが流行していた頃は、洋服の香りが強い人が街中に溢れていましたが、現在は洗脳が解けたのか大分減りました。
ダウニーも体臭のきつい欧米人には合うのかも知れませんが、満員電車のように他人と近づくことが多い日本人に合っているようには思えません。
冷静に自分で判断する習慣を身につけてください。もちろんダウニーの香りが心から好きなら構いません(入れ過ぎは注意ですが)。
「買えない」と「買わない」は中身が全く違います。外からは同じような行動に見えても満足度に大きな差が出ます。
「宵越しの銭は持たない」が粋な事だといった洗脳から逃れる為にも、しっかりと自分の基準で判断するようにしてください。
山登りを終えてお腹を空かせている時であれば、ミシュランの星がついたレストランのコース料理よりも、サッと提供してくれる吉野家の牛丼の方が美味しいかも知れません。
マラソン大会を終えた直後であれば、○○産の無農薬フルーツジュースより、水道水の方が美味しく感じられます。
その時々の自分の状況によってもベストな選択は変わるので、日頃からしっかりと自分の基準で選べるようになってください。
科学的な根拠があるといったものでも、人によっては相性が悪い事もありますし、自分の体感は無視するべきではありません。
その科学的な根拠ですら「宵越しの銭は持たない」と同じように仕掛けられている事は珍しくありません。
数年前からやたらとコーヒーによる健康効果が取り沙汰されていますが、そのような研究結果を発表している大学や研究機関の多くが、大手コーヒーメーカーから支援を受けていたりするものです。
カフェインによって睡眠不足になってしまうと健康に悪いですし、一杯のコーヒーで眠れなくなる人もいれば、五杯飲んでも問題ない人もいます。必ずしも全ての人に当てはまるものなどありません。
結局は自分の体感と向き合うしかありません。参考にするのは構いませんが、自分と相性が良くないものなのに、科学的な根拠があるから、政府が推進している事だから、世間一般の常識だから、流行しているから、といった観点で選択してしまうと、いつまで経っても本当の満足感は得られないので気をつけてほしいと思います。
ある程度の宵越しの銭を持っていれば、生活の為に不正を働いたり、イヤな仕事をしなくても良くなりますし、高額療養費制度の額以上の保証の生命保険に加入する必要などなくなります。
毎年のように保険対象ではない高額な治療法が必要な人であれば、保証が充実した保険でも意味があるかも知れませんが、そのような人ほど生命保険に加入できない制限が掛けられてしまうので、本当に困っている人の役に立っているとも限りません。
保険会社の本社ビルや高給取りの従業員を眺めてみてください。全て支払われなかった保険金で成り立っています。
最低限の保証や自動車保険や火災保険のようなものは別ですが、過度な生命保険は見直した方が良いはずです。
「2人に1人はガンで無くなる時代」だとしても、医療が発達して寿命が延びているので何の不思議もありません。最後は何かしらの病気の影響で亡くなるわけで、昔のようにちょっとした風邪や肺炎で亡くなる人が減っているので、相対的にガンで亡くなる人が増えるのは当たり前の事です。
モノを売る側は極端な不安を煽ってきたり、「宵越しの銭は持たない」のような粋な事だといった価値観を押し付けてくるので、それらに惑わされないでください。
それらに惑わされているうちは、どんなにお金を稼いでも節約してお金を貯めても不安は減りません。
逆に言えば、それらの恐怖や誘惑から解放された途端に不安が無くなってくれますよ。
コメント
宵越しの銭を持たない事が粋な事なのではなく、
自分の考えをしっかりと持っている人が粋なんですね。
流行の服に振り回されている人は粋な感じがしませんし、
シンプルな服でも素敵な人がいますよね。
大変勉強になりました。
by もちづき