節約の初期
多くの方が節約を実践しようとする時に考えることが、「生活の質を落とさずに節約する方法」です。
現状の生活を変えることなく、節約につなげようとします。
極端に生活の質を落としてしまうと、
- みすぼらしい
- 貧乏くさい
- 悲壮感が漂う
など、ネガティブな印象になると考えているからです。そこには我慢するという感情がセットになっています。
本当はやりたくないけど、仕方がなく節約を行うという考えが「生活の質を落とさずに節約」になるわけです。
この発想ではハッキリ言って節約は上手くいきません。金銭的な節約の効果があったとしても我慢が前提なので生活に息苦しさを感じ続けることになります。
そもそも生活の質とはなんなんでしょうか。
生活の質とは
生活の質を定義することは難しいですが、少なくともそれぞれの人の中に現在の生活基準があるわけです。
その基準値を下回ると、生活の質が落ちたと感じるわけです。
- おかずが一品少ない
- 車が小さくなった
- ブランド服からユニクロになった
など先に基準があり、そこからの比較で質を判断しています。
これが間違いだと言いたいわけではないのですが、その先にあった基準を決めたのは果たしてあなた自身でしょうか。
ここがポイントになります。
生活の質が落ちたと感じるのは、そもそも生活の質を判断する基準があるからです。その基準を疑うことが節約を成功させるポイントになります。
生活の質の見極め
多くの方が自分自身で生活の基準を決めていると思っていますが、まずはそこから疑う必要があります。
多くの方が居酒屋さんでの乾杯でビールを頼みますが、その後の注文だと自分の好きなお酒を頼む方がいるわけです。
本当はシャンパンが大好きな人でも、とりあえず一杯目は周りに合わせてビールを頼むわけです。
これが悪いと言いたいわけではありません。集団生活を営むうえで、ある程度は必要なスキルです。
ただこの一般的な基準が必要以上に生活の中に入り込んでいる方がいます。
自宅でお酒を飲むならシャンパンから飲んだっていいのに、一人でもビールから飲み始めるような方がいます。
もちろんこれはお酒に限らず、様々なことに当てはまります。
本当に欲しいモノや必要なモノを購入するのは構いませんが、
- 売れているから
- 人気だから
- みんなが持っているから
という理由で購入している方というのは、自分の基準で選んでいるのではなく、世間一般の常識(多くはテレビ)という基準で選んでしまっています。
これは音楽の好みで考えるとわかりやすくなります。音楽は基本的に一人で楽しむものですから、誰かの意見を取り入れる必要はありません。自分の好きなミュージシャンの曲を購入すればいいわけです。
もちろん「忘年会のカラオケ用に流行の曲を歌えるようになりたい」といった明確な理由があれば、好きでもない曲を購入することがあるかも知れませんが、基本的には音楽は好きな曲だけを購入するのが一般的です。
ですが、世の中には売れている曲ばかりを好きな方がいます。流行の曲ばかりを聞いている方がいます。
自分の好きな曲ではなく、売れている曲、みんなが聴いている曲が基準になってしまっています。この基準では本当に満足する音楽に出合えるわけがありません。
これは自分の好きな曲の基準がまだ定まっていない若い世代ほど多く当てはまります。大抵は様々なジャンルの流行の曲に触れることで、徐々に自分なりの好みの基準が構築されていきます。
30代、40代になって流行の曲を追いかけている方は少数派なわけです。
音楽のように好みがはっきりと分かれるモノだと、多くの方が自分の基準で選択をしていますが、様々な生活用品や習慣などの選択になると、知らず知らずのうちに流行の曲を追い続けていることが珍しくありません。
これが日常生活の質を見極める必要があるということです。必要以上に必要でもないモノを所有している可能性があります。その必要のないモノを手放しても、生活の質は全く下がらないはずです。
無意識に必要だと思わされているモノや習慣が、世の中にはたくさん溢れています。そこに気がつくと様々なモノを手放すことができます。はたから見ると生活の質を下げているように見えても、本人の生活の質は下がるどころかスッキリして上がるものです。
まとめ 自分なりの基準
古くからある精神修行の本質は、自分の中に答えを見つけることです。解釈を変える、認識を変える、もしくは気づくということです。
生活の質を落とさずに節約する方法には、大きくわけて二つあります。
一つ目は言葉通り、節約テクニック(安く購入など)でお金を残す節約方法です。生活をいっさい変えることなく、モノの購入代金だけを安くする方法です。
もう一つが、本当に必要なモノ(本質)を見極める方法です。
現在の生活に必要だと思っている(思わされている)モノを、しっかりと自分で判断して認識を変える方法です。
もちろん本当に必要なモノであれば大切にしてください。
そうではなく誰かに押し付けられた基準であれば、手放したり、質を落としても全く生活には影響が出ないものです。
そして押し付けられた基準の多くは「恐怖」がベースになっています。これも覚えておいてください。
様々なメディアは自社製品を売るために、わざわざ今までにない恐怖を新たに掲示し、その解決策として商品を売り込んできます。
人は恐怖を感じるとIQが下がります。判断力が鈍ります。心が不安定になります。早くその状態から逃れられたい脳は、解決策に飛びつきやすくなります。
今まで誰も疑問に思っていなかった恐怖をわざわざ創出します。テーブルを拭くふきんに雑菌がいるという新たな恐怖を押し付けてきます。わざわざCGで加工してまで恐怖を煽ってきます。
これは極端なことをいえば、頭に拳銃を押し付けるようなことです。この状態で冷静に判断などできません。有り金を出せと言われれば誰でも従ってしまいます。
老後を安心して暮らすには1億円も必要だから投資しなさいと訴えてきます。その安心の基準があなたの生活と本当に当てはまるのか、よく観察してください。
東京の一等地で一軒家を所有しているのであれば、高額な固定資産税などが必要なのかも知れませんが、それが全ての人に当てはまるわけがありません。
何かモノを購入する時に恐怖から逃れる為に選択をしていないかよく見極めてください。いわれもない創出された恐怖や過剰に演出された恐怖が世の中には溢れています。
それらの恐怖による不安だと気づくと冷静に判断出来るようになります。冷製に判断して必要なモノであれば、それは素晴らしいモノなのだと思います。
生活の質は人それぞれです。
その質に正解はありません。
どこを選択するかです。
自分の基準で選択した「生活の質」が、落ちるという発想がそもそも間違っています。
ユニクロの服を購入した時に「私の体型にピタリと合う質のいい洋服を手に入れた」と思う人がいる一方で、「ブランド服が買えなくて生活の質が落ちた」と感じる人がいます。
全く同じ洋服でも満足度が高いのは、間違いなく前者の自分の基準(自分に似合う洋服)で選択をした方です。
他にも「ユニクロを着ていれば無難」「流行っているから」などの理由で選ぶ方もいますが、それらは自分の基準ではないので満足度は当然低くなります。
音楽の好みのように自分なりの基準がないと、流行や宣伝や周囲の人の影響を受けてしまいますが、それらを一つずつ意識に上げて自分なりの判断することで、自分なりの基準が出来上がっていきます。
その自分なりの基準を構築することが、生活の質を正しく見極めることになります。世間一般の基準は全く関係がありません。
誰かと比べて生活の質が落ちるのではありません。生活の質を落とさずにできる節約など実際にはありません。生活の質を見直す(気づく)ことが、結果的に質を向上(適正値になる)させ、無駄が減り節約につながるのだと思います。
あまり難しく考えなくていいのですが、モノを購入するときに恐怖にあおられていないかだけでも、よく見極めてほしいと思います。
不安な気持ちにさせられていないか、よく自分の気持ちを観て判断してください。「今だけの特別価格!」に煽られて必要のないモノを購入してしまうと、生活の質が上がるどころかお金がなくなるだけです。
コメント
安く買うだけが節約ではないですよね。
私も必要のない物をいかに買わないで済ませるのかが一番の節約だと思います。
by 匿名