風鈴の音を聞くと涼しくなる理由
日本の夏の風物詩でもある風鈴ですが、この風鈴の音を聞くと涼しくなる理由を知っておくと、世の中に出回っている様々な事の本質が見えてくるようになります。
風鈴の音を聞くと涼しくなる理由というのは、凄く単純で脳が涼しいと感じるからです。
物理的に気温が下がって涼しくなるのではなく、風鈴の音で風が吹いてきたことを察知した脳が涼しくなってきたと感じたことで、実際に身体の表面の温度を下げる生体反応があらわれます。
これはパブロフの犬のベルのようなことです。実際に目の前にエサが運ばれてきてからヨダレを垂らすのではなく、エサが運ばれてくる前兆であるベルの音でヨダレを垂らすようになります。
風鈴も脳が察知したことで涼しく感じれられるようになります。
日本人は文化として、
「風鈴の音=風が吹いてきた」
と解釈しているので、実際に涼しくなるほどの強い風が吹いていなくても、そよ風による風鈴の音から拡大解釈することが出来ます。
これ自体は有名な話で、実際にサーモグラフで身体の表面温度を計りながら風鈴の音を聞かせると、日本人の多くが表面温度が下がることを確認されています。
一方で日本の文化に馴染みのない外国人だと、風鈴の音を聞いても全く涼しく感じられません。
ただの音としてしか認識されないからです。
あくまでも脳が涼しく感じられたから、実際に涼しくなるということです。
これをきちんと理解できると、世の中に出回っている様々な不思議な現象にも当てはめられるようになります。
この考え方が体に影響を及ぼす現象について、いくつか例をあげてみます。
神聖な場所
神社の鳥居をくぐると、ひんやりとした空気を感じたことがある方も多いと思います。
当然神社の敷地内だけ気温が低いということはありません。もしそうなら生態系まで変わってしまいます。カラスや雀は普通に出入りしています。
文化的に神社が神聖な空間だと認識しているからこそ、鳥居をくぐった瞬間に脳が風鈴の音と同じように涼しく感じさせてくれます。
神社やお寺は鳥居のようなわかりやすい結界(境目)がありますし、歩きにくい砂利で足の裏から特別な場所に来たのだと感じさせます。水で手を清めたりすると、益々特別な空間にいるのだと感じられます。
神社やお寺に多く使われている建築木材(ヒノキなど)も共通しており、そこに生えるカビなども似てきます。さらに線香の香りやお経や雅楽などもあり、嗅覚や聴覚からも特別な空間にいる印象を抱くことになります。
これらも風鈴の音を聞くと涼しく感じられる理由で考えると、理解しやすいのではないでしょうか。
むしろ風鈴の音のような聴覚だけでなく、視覚から触覚、嗅覚と刺激が豊富です。
パワースポットによる生体反応は、おそらく外国人でもそれなりに感じることが出来ます。それぞれの文化や宗教施設に当てはめて感じることが出来ます。
もちろん日本人ほど感じられるとは言いませんが、それは神道や仏教徒の日本人が教会に入った時のようなことです。それなりに神聖な場所に来たという体感が得られるはずです。
催眠術
実際に催眠術にかけられた人は多くないかも知れませんが、テレビなどで見たことがあると思います。
催眠術は催眠術をかけられた人が自らの力で反応してしまう現象です。
普通の状態と違うのは、自らの意思ではなく、催眠術師の命令によって自らの力が発揮されてしまうということです。
- 目が開けられません
- 手が棒のように硬くなります
- 椅子から立てません
といった命令にあらがえなくなってしまうのですが、これらも当然自分の力で行っています。
上手な催眠術師だとワサビを甘く感じさせたり、水で酔っぱらわせてしまうことも出来ます。
他にも「熱湯をかける」と言って常温の水をかけると、とんでもなく熱がって水膨れが出来てしまうこともあります。
これらも風鈴の音を聞いて涼しく感じられるのと基本的に同じです。文化として事前にあった知識をベースにしていないだけで、他者からの命令を受け入れて自らの力で生体反応を引き起こしています。
催眠術は他者から仕掛けられることですが、自己催眠というものもあります。
自己催眠
自己催眠は自分で本気で思いこむことで、生体反応があらわれてしまう現象です。
かなり昔に見たテレビなのですが、ある有名お笑い芸人が後輩を連れて飲みに行く居酒屋があり、そこにボトルキープをしていました。
ある時にお金のない後輩芸人が先輩がいない時に、そのボトルのお酒を全て飲んでしまい、バレたら大変だからと水を入れて誤魔化すことにしました。
その次の日に先輩芸人に連れられてそのお店に行くことになり、水を入れた後輩芸人はヒヤヒヤしていたのですが、何とその先輩は水でいつものようにベロンベロンに酔っぱらってしまったそうです。
多少はアルコール成分や香りが残っているかも知れませんが、いつもと同じように酔うことはないはずです。
その居酒屋で後輩芸人と飲むと楽しく酔えるという思い込みが、実際に生体反応としてあらわれたわけです。
他にも聖痕現象(スティグマティクス)というものがあります。
これは敬虔なキリスト教徒の手のひらに、イエスが貼り付けになった時と同じような傷が出来たり、時には血が流れてしまう現象です。
あまりにも信仰心が強いと、酔っぱらったように朦朧として自ら傷つけてしまったパターンも考えられますが、催眠術で水膨れが出来たように生体反応としてあらわれてしまうケースがあると考えらています。
トラウマ
他に生体反応が出る現象として、トラウマも分かりやすいかと思います。
過去にトラウマになるほどのイヤな経験をしてしまうと、その経験に近い出来事に対して生体反応があらわれてしまうことがあります。
分かりやすいのは蕁麻疹が出るようなことです。
これは私も経験があります。幼少の頃に蛾の大群に襲われ、あまりの気持ち悪さに全身に蕁麻疹が出たのですが、それから数十年後にテレビで蛾が大発生したニュースを見た途端、再び全身に蕁麻疹が出ました。
実際に蛾の大群に襲われたのであれば、蛾が触れた皮膚感覚の気持ち悪さや鱗粉の付着などがあり、蕁麻疹が出るのもわからなくはないのですが、
私はテレビ越しにも関わらず、同じような生体反応があらわれてしまいました。
学生時代に太っている奴にいじめられた経験があると、社会人になってからでも太っている人が苦手だったりするものです。
トラウマは過去のイヤな体験を元に、同じようなイヤな体験を避けようと過剰に生体が反応してしまう現象です。
物語
他に感動する小説を読むと涙を流したり、官能小説を読むと興奮したりすることがあります。
これらは神社の砂利の感覚や蛾の大群に襲われるような、五感で感じる物理的な刺激はありません。
視覚は使っていますが、感動する挿絵や裸体に興奮しているわけではありません。
あくまでも文字情報だけで生体反応が引き起こされています。
文章だけでも上手く情景を脳内に想像させることができると、読み手に生体反応があらわれます。
人生経験の少ない子供だと、小説で感動して涙を流すようなことは少ないですが、成長してベースとなる知識量や経験が増えていくことで、生体反応も変わっていきます。
全く同じ小説や映画でも久しぶりに見ると、感動するポイントが変わるようなことです。
まとめ 仕組みを理解して上手に付き合おう
風鈴の音が聞こえてくると涼しく感じられるのも、今回紹介した様々な例を理解することで、生体反応が変わってくる可能性があります。
現在の私のように、全く涼しく感じられなくなるかも知れません。
風鈴の音を聞くと涼しく感じられるぐらいなら、別に対した問題ではないので、わざわざ仕組みを理解する必要もないのですが、世の中には様々な仕掛けがされているものです。
あえてトラウマを刺激して恐怖感を引き出し、その解決策として高額な代金を支払わせるような輩もいます。
私の親戚のおじさんが、水子供養で何十万円だかを支払ったことがあります。
実際に奥さんが妊娠している時に亡くなったのであれば、水子供養するのもわかるのですが、奥さんと結婚する前に付き合っていた女性のお腹に子供がいて、おじさんには知らせずにおろしていたと、ある霊媒師に言われたそうです。
おじさんにも心当たりがあったそうで不安になり、言われるがままに支払って安堵したそうなのですが、それから数十年後に元恋人と再会して確認してみると、全くそのような事実がなかったそうです。
その霊媒師はとっくに行方をくらませていたそうです。
風鈴の音で涼しく感じるぐらいであれば、どっちでも良いのですが、世の中には確認しようもない水子や先祖や子孫の事まで持ち出して、いわれもない恐怖を煽ってくる輩がいるものです。
「あなたは大丈夫かも知れませんが、孫の代にでますよ」
「天国に行く為にも、お布施という善行を重ねましょう」
「お墓参りに行っていないんじゃないですか?ご先祖様が相当お怒りですよ!お墓を新しくするしかありません」
のような、文化的背景や宗教観を悪用して、恐怖を煽って脅してくる輩が珍しくありません。
恐怖を煽られると生体反応が出てしまいます。蕁麻疹が出るかも知れませんし、不安で夜も眠れなくなるかも知れません。
その恐怖を和らげる為に、安い御守りを購入したり、ちょっとしたお賽銭を投げてお祈りするだけで解決出来ればいいのですが、そうではない場合は高額な代金を奪われるかも知れません。
恐怖と向き合うのは簡単ではないかも知れませんが、冷静に考えると大抵はおかしなことばかりです。
子供の頃に太っていた人にいじめられた事がトラウマになったとしても、目の前にいる太っている人は別人です。
トラウマから直ぐに目を背けて、
「あーーーもう、太っている人は無理!!!!」
と退けていると、太っている人と出会う度に辛い生体反応が引き起こされてしまいます。
人は恐怖に煽られていると冷静な判断が出来なくなるものですが、深呼吸でもして風鈴の音を聞くと涼しくなる理由を思い出してみてください。
「ああー、これも自分で恐怖を増幅しているだけなんだな」
と思えると、膨らんでいた恐怖感が一気にしぼんでいってくれます。目の前の太っている人は関係ないと判断できるようになります。
「カレーを食べている時にウンコの話をされると食べられなくなる」
という人がいるそうですが、カレーとウンコという全く別のものを、わざわざ小説のように頭の中でリアルに想像してしまっているのだと思われます。ちなみに私は気にせずに食べられます。
これだって少し冷静になれば、カレーとウンコは全くの無関係なものだと理解できるはずです。この話をされたからといって、大好物だったカレーが一生食べられなくなったという人はいないと思います。
大抵の恐怖はこのような事です。何かしらの仕掛けで恐怖を煽られているだけであり、少し冷静さを取り戻すことが出来れば、何てことないものです。
私だって目の前のカレーを美味しく食べている時に、
「そのカレーの肉、ウシガエルだって」
と言われると、食べるのをためらうかも知れませんが、少し冷静に考えることが出来れば、
「イヤイヤこの肉は豚でしょ。カエルの肉は食べたことがないけど、確か鶏肉っぽいはずだし、明らかに嘘でしょ。せめて猪とか言えばいいのに~」
と冷静に判断できるかも知れません。
文化や伝統や宗教を否定したいわけではありませんが、中にはあくどいものもあるので気をつけてほしいと思います。
風鈴の音を聞くと涼しくなる理由に納得できると、今回紹介した様々な例のように、あらゆる現象に当てはめて考えられるようになります。
子供が受験の年に初詣に行きたいというのであれば、破魔矢や絵馬やお守りを購入して不安を和らげてあげることが出来ます。
それらのご利益だけで受験に受かるわけがありませんが、受験で緊張している時にポケットにお守りがあれば、
「今までしっかりと勉強してきたんだから、大丈夫だ!」
と冷静さを取り戻すきっかけとして機能してくれるかも知れません。風鈴の音を聞いて涼しく感じられるように、上手く使えば上手に子供の力を引き出す(冷静になる)ことも出来ます。
ただこれらを本気で鵜吞みにしてしまうと、ろくに受験勉強もせずに受験の神様のいる神社巡りばかりをしてしまうかも知れません。
習慣、文化、歴史、宗教観といったものを否定したいわけではありませんが、それらが機能する仕組みを理解していると、適度に距離を保ちながら上手に付き合うことが出来るようになります。
極楽浄土に行くための、毎日仏壇に手を合わせて必死にお経を読んでいるおばあちゃんを否定する必要もないですし、安心させてあげる為に、おばあちゃんの前だけ真似事をしたっていいわけです。
相手が信じている対象を否定するのではなく、仕組みを理解した上でほどよく付き合っていけばいいのではないでしょうか。
もちろん悪用されて苦しんでいる場合は、きちんと説明して助けてあげることも出来ます。
風鈴の音を聞くと涼しくなるような、大したことがない現象に対しては相手に合わせてあげればいいですし、明らかに騙されて苦しんでいるような時は、風鈴の音を聞くと涼しくなるメカニズムの説明のように、詳しく仕組みを説明して助けてあげましょう。
その為にも、日頃からあらゆる不思議な現象の仕組みと向き合ってみてください。大抵の現象は文化的な背景(思い込み)があったり、他者から仕掛けられた催眠(洗脳)だったり、自ら深めてしまった自己催眠(信じ込む)によるものです。
ちなみに、この様々な仕組みを考察する習慣が身につくと、あらゆる商品の売り文句や広告に仕掛けられている罠も見えてくるようになるので、無駄な買い物も減って節約になりますよ。