スキマ時間の有効な使い方とは?
しばしばスキマ時間の有効な使い方として、メールのチェックや情報収集など、短い時間で済ませられることを提案している方がいるのですが、実はこれらはあまり効率が良くありません。
そもそもスキマ時間があるということは、その先に何かしらの予定が既にあるということです。
例えばカップラーメンにお湯を入れて3分待つスキマ時間であれば、その後に完成したカップラーメンを食べるという予定があります。
ここで他の用事を済ませてしまうことを提案する方が多いのですが、メールの返信や情報収集をしてしまうと、ついつい予定時間を過ぎてしまう可能性があります。カップラーメンをベストなタイミングで食べるという本来の目的が達成できなくなるかも知れません。
他にも待ち合わせまで30分あるようなスキマ時間であれば、喫茶店に入ってパソコンで仕事をするようなパターンがありますが、これも効率が良くなるとは限りません。
集中した環境であれば20分で済むことでも、時間を気にしながら行うとなると余計な判断をしなければなりません。パソコンをセットする時間や立ち上がる時間なども発生するので、効率が落ちてしまいます。
これらのようにスキマ時間に別の事をしてしまうと、スキマの先の本来の目的に影響を与えてしまう可能性があります。
なのでスキマ時間の友好的な使い方というのは、スキマの先にフォーカスすることがポイントになります。
スキマの先にフォーカス
スキマの先にフォーカスするので分かりやすいのは、学校の授業の休み時間です。
次の授業が数学の場合、休み時間のうちに数学の教科書やノートを用意し、今日の授業で行われるであろう箇所を予習したり、前回の授業を復習するようなことで、その日の数学の授業の効率を高めることが出来ます。
授業中にトイレに行きたくなって抜けてしまうと効率が落ちるので、トイレを済ませておくようなことも当てはまります。
授業の合間の10分の休み時間に部活の準備をするとなると、部室への移動など余計な時間が掛かるので、実際には3分ぐらいしか準備に使えないかも知れません。
お昼休みのような長時間であれば別ですが、ちょっとしたスキマ時間に他の事をしてしまうと効率が悪くなってしまうことが多いものです。
何よりも部活が大事だとしても、テストで赤点を取ってしまうと部活に参加できなくなるかも知れませんし、補習を受けなければならなくなると大切な部活の時間まで奪われてしまいます。
大切な部活の時間を有効活用するためにも、授業の効率を高めることで自宅に戻ってからの勉強時間を少なくすることができます。若くして活躍しているアスリートの多くが、意外なほど成績が良いのはこういうことです。
カップラーメンを待つ3分のスキマ時間であれば、食卓テーブルを拭いたり、飲み物や調味料を用意したり、洗い物を済ませたり、カップラーメンの残り(在庫)を確認して整理したりするようなことです。
カップラーメンを食べた後にやるべき事が少なくなるので、ゆっくりとスマホやパソコンに向かって効率よく別の作業をすることが出来ます。
待ち合わせまでの30分のスキマ時間であれば、その待ち合わせで行う作業を確認するようなことです。そうすることで本来の目的の効率を上げることになり、結果的に時間を有効活用することが出来ます。
長引く可能性も減り予定よりも早く済ませられるかも知れません。しっかりと事前に準備をして効率よく済ませることで、後からまとまった時間も生まれやすくなります。
数分刻みのスキマ時間より、まとまった1時間の方が効率よく作業できるのはイメージできるのではないでしょうか。
ちょっとしたスキマ時間こそ他の事をするのではなく、スキマの先の本来の目的にフォーカスすることで効率よく時間を使えるようになります。これが上手な使い方ということです。
スキマ時間の下手な使い方
調理スピードが求められる料理人というのは、スキマ時間を有効活用しているものです。食材を煮込む時間にお皿を用意したり、洗い物を済ませたり、今後の予定を組み立てたりなど、全て料理に関係することを行います。
一方で料理が苦手な主婦はスマホでレシピを確認しながら調理したり、煮込み終えてからお皿を用意したりします。
事前にこれらを済ませておけばベストなタイミングで料理を提供することが出来ますが、事前準備を怠っているとタイミングがズレて料理の質も下がってしまいます。
通勤電車の中で今日の仕事の確認をする人と、全く仕事と関係のない作業をする人では、同じ就業時間でも仕事に差が出るのは当然のことです。
あえて残業をしたい方は別かも知れませんが、同じ仕事内容でも時間内に達成できる人と残業代を支払わなければならない人では、どちらが会社から評価されるかわかると思います。
お昼休みにスマホゲームで遊ぶのは自由ですが、午後の仕事の為の準備をしたり、軽く横になって身体を休めている人の方が、ずっと効率よく働くことが出来ます。
効率よく仕事を終えた人ほど早く帰宅できるので、自宅でゆっくりとゲームを楽しむことが出来ますが、仕事中のスキマ時間にゲームをしている人ほど帰宅が遅くなり、自由な時間が少なくなってしまいます。
これがスキマ時間の使い方が下手の人の特徴です。スキマの先にある本来の目的に集中していないので、どれも中途半端になって効率が落ちてしまいます。結果的に大好きなゲームをする時間も少なくなっているかも知れません。
まとめ スキマ時間など本来はない
何かしらの目的を達成することにフォーカスしている人には、スキマ時間など本来はありません。やるべき事が見えているので、しっかりと事前準備を整えます。
スキマ時間の先の準備を全て整えた上で時間が余ると、さらにその先の予定の準備に取り掛かります。
これは仕事の事だけではなく様々な事にも当てはまります。大切な家族を楽しませる為に週末に買い物に行く予定があれば、事前にルートや天気を調べておくことようなことです。
仕事が長引いて休日出勤にでもなってしまうと、この予定にも影響が出るので日々の仕事もしっかりとこなすようになります。体調管理なども含めて事前にしっかりと整えるものです。
少し厳しい言い方になりますが、スキマ時間を持て余してしまうということは、要するに未来の事を考えていないということです。
これといった将来の目的がない学生ほど、勉強の意味や必要性を感じないので休み時間に遊ぶ事ぐらいしか思いつきません。
小学生ぐらいなら仕方がありませんが、高校生ぐらいになってもこれといった目標がないと暇つぶしの遊びしかしません。一方で明確な目標がある学生ほど休み時間を有効活用しています。
部活を頑張ってスポーツ推薦を狙っている学生であれば、部活でしっかりと成績を残す必要があるので、お昼休みに体力を使うような遊びはしません。授業中に居眠りして落第してしまう可能性があるようなことも選択しません。
スキマ時間を有効に使う方法というのは、未来の目的を明確にすることです。
明確になればなるほど、その為にやるべきことがどんどん見えてくるので、スキマ時間と感じること自体がなくなっていきます。
週末に大好きな人との初デートが控えているとスキマ時間などなくなります。頭の中であれこれとデートのシミュレーションをするので、事前に用意するモノや調べておくべきことがどんどん見つかるものです。
一方で倦怠期のカップルにデートの予定があっても何も調べようとはしません。行き当たりばったりでいいやとなるので、スキマ時間にやるべきことが見つからずに、ダラダラとスマホゲームをしてしまいます。
このような状態の人がスキマ時間を有効活用しようとしても、何が必要で重要なのかという基準がないので、何をやっても効率よく行うことなど出来ません。
「できるサラリーマンはスキマ時間に投資の勉強をしている!」
のような情報を見かけたとしても、全てのサラリーマンに必要な知識だとは限りません。
給料を上げたいという目的があるのであれば、今の職場に役立つ資格の勉強をすることの方が有効ですし、もっと単純に今の仕事の質を高めた方が効率が良いかも知れません。その為にはスキマ時間に身体を休めることが一番かも知れません。
投資の勉強が悪いということではなく、「目的と合致している行動なのか?」が重要です。
未来の目的が曖昧な人ほど、自分で判断できずに他人の言動を参考にしてしまうので気をつけてほしいと思います。全く役に立たないジャンルの勉強の為に、お金や時間を掛ける必要はありません。
節約も本来の目的を失ってしまうと、安く買う事ばかりにとらわれて必要もないものを買ってしまったり、人間関係に支障が出るような極端な節約をやってしまうものです。
最も上手なスキマ時間の使い方というのは、今後の事についてしっかりと考えることです。曖昧だった未来の目標がクリアになればなるほど、スキマ時間にやるべきこともクリアになりますよ。