時間への投資
お金を使って時間を生み出す方法というのは、実はほとんどの買い物に当てはまります。
獲物を狩るのが得意だけど細かな作業（裁縫など）が苦手な人は、効率の悪い苦手な作業を練習するよりも、得意分野を伸ばしてたくさんの獲物を狩って衣服を交換する方が効率的です。
言ってみれば物々交換です。これが現代ではお金になっているので、全ての買い物は自分の得意な作業（仕事）の成果（お金）で、自分の不得意な作業を補っています。
この自分が不得意な作業をしっかりと認識した上で意識的にお金を使えるようになると、苦手な作業、不得意な作業によるストレスを軽減することになり、さらに時間を生み出すことになります。
逆に料理をするのが好きな人が外食をして料理の時間を節約してしまうと、お金を掛けた上でストレスが溜まってしまうかも知れません。
何でもかんでもお金で解決するのが良いのではなく、自分にとってストレスの貯まる辛い時間に対してお金を上手く使う事こそが、上手な時間の節約になります。単純に時短になる事にお金を使うのが良いのではありません。
自己投資も大切
不得意な作業にお金を使ってストレスを減らす前に、まずは「得意な作業」への投資について簡単に説明します。
獲物を狩るのが得意な人の自己投資だと、質の高い槍や弓矢を手に入れるようなことです。得意な作業をより効率的に行うための道具の購入やメンテナンスも含まれます。
自分で槍や弓矢を作るより、上手な人に作ってもらった方が質が良いのであれば、自分で作れたとしてもあえて購入した方が結果に繋がります。
また健康管理も投資に含まれます。良質な食べ物や睡眠環境を整えることで、より得意なことが上手くいくようになります。
これらのように得意分野の効率を上げる為にお金を使うことが自己投資です。お金を稼ぎやすくするためにお金を使うと考えると分かりやすいでしょうか。
現代社会では仕事の効率を上げるための勉強や資格などが当てはまります。もちろん健康管理も自己投資です。
飲み会などで人脈を広げることも一つの投資と考えられますが、単純にお酒を楽しむためだけだと消費になります。
まずはこの事をしっかりと覚えておいてください。
不得意な作業
基本的に全ての買い物は「不得意な作業」への対価を支払う事と考えられます。
自分でやった方がより良い物が出来て楽しいのであれば、わざわざお金を支払うような事はありません。
掃除のように誰がやっても似たような結果になるものでも、掃除に対して強いストレスを感じるのであれば、ストレスの掛からない得意な作業でお金を稼ぎ、お金を支払って誰かに頼んだ方が時間を有効活用できます。
一方で料理をするのが好きな人だと、自分よりも下手な料理人のお店では食べたくありません。自分で作った方が美味しくできますし、その事自体がストレス解消にもつながるので、全く無駄な時間にはなりません。
逆に料理が苦手な人は、それほど美味しくないお店でも自分で作るよりも効率が良いので価値を感じてお金を支払います。
得意、不得意は人それぞれですが、この自分が不得意な作業に対して意識してお金を使うと、時間を生み出すだけではなくストレスの軽減につながります。
自己投資も自分で一から調べるより、知りたい情報や必要な道具をお金を出して購入した方が、手っ取り早く済むので時間を生み出す事になります。
日常の苦手な作業
現代社会では細かな作業が苦手な人が、わざわざ裁縫をして洋服を作ることは多くありません。よほど裁縫が好きな人でもない限り、時間の無駄になってしまいます。
洋服が出来るまでに5時間掛かるのであれば、その5時間を自分の得意な仕事で稼いで、工場で効率良く生産された安い洋服を購入した方が得だからです。
もちろん裁縫が大好きな人にとっては、ストレス解消になる楽しい時間なので、単純に損得だけで考える必要はないのですが、そうではない人にとっては効率よく大量生産された物を購入した方が時間の無駄になりません。
裁縫ぐらい特殊な技術だとわかりやすいのですが、日常的な作業にも苦手な作業は色々とあります。
トイレ掃除やお風呂掃除、食器洗いが苦手な人も多いと思います。アイロンがけや洗車が嫌いな人もいると思います。
歯を磨くことや身体を洗うのが億劫な人もいるかも知れません。
苦手な作業は人それぞれですが、そこにお金を投資すると時間を生み出すだけではなく、ストレスを軽減させることにつながります。
掃除の業者や銭湯の利用、食洗機の導入、クリーニング屋、ガソリンスタンドの洗車、電動歯ブラシ、どれもお金で苦手な作業のストレスと時間を軽減をすることが可能です。
これらのような「自分の得意分野を伸ばす投資」と「苦手な作業を軽減する消費」をしっかりと分けて考えられる人ほど、上手にお金を使えるようになります。
楽しむためだけの消費（娯楽など）が悪いとは言いませんが、それらばかりにお金が集中してしまうと、現状（非効率、ストレスの発生源）は何も変わりません。
ストレス解消にお金を使っても一時的な効果しかありませんが、ストレスそのものを減らす事ができると、身体に蓄積していくダメージを減らす事になり、自分の得意な作業の効率も上がっていきます。
苦手を失くすのも投資
自分が苦手な分野の作業をお金で解決する他にも、苦手な分野そのものを失くしてしまうという方法もあります。
極端な事を言うと、坊主頭にしてしまえば髪型をセットする手間も時間も無くなってしまいます。オシャレや髪型のセットが楽しい人であれば、それらの手間や時間は苦痛ではありませんが、そうではない人にとっては寝ぐせの付きにくい髪型にすることで簡単に解決できてしまいます。
女性でも長い髪にこだわりがないのであれば、ショートカットにすることで髪を洗う手間や乾かす手間が無くなります。
美容室でお金を支払ってセットしてもらうのもお金で解決する一つの手段ですが、そもそもその必要性を失くしてしまうのも選択肢の一つです。
これまた極端な事をいうと、毎日コンタクトレンズをしている人であれば、レーシック手術を受けるようなことです。コンタクトレンズをつける作業だけでなく、メンテナンスの手間も無くなってしまいます。
他にも整形手術も当てはまるかも知れません。毎日アイプチで二重にしている女性であれば、その手間が無くなりますし、全身脱毛してしまえばムダ毛処理をする手間や時間そのものが無くなります。
男性なら髭を永久脱毛してしまえば、毎朝の髭剃りの時間を失くすことができます。
全ての歯をインプラントにしてしまえば虫歯に悩まされることも無くなりますし、歯を磨かなくても良くなるかも知れません。
洗車が煩わしいなら高価なコーティングを施すのも良いですし、車を手放すのも選択肢の一つです。車がなくても生活していくのに困らない場所に引っ越せば解決してしまいます。
あくまでも極端な例ですが、苦手な作業を得意な人にお金を支払ってお願いする方法の他にも、苦手な作業そのものを失くすという選択肢があるという事も頭に入れておいてください。
掃除が苦手な人がお掃除ロボットを購入するのも、掃除によるストレスを減らして時間を生み出す事につながりますが、そもそも掃除が必要のない部屋作りを目指すのも選択肢の一つです。ホコリが出やすい布製品を減らしたり、カーテンをロールカーテンやブラインドに変えるような事も当てはまります。
完全にホコリを出さない工夫は難しいですが、必要以上に大きな部屋から適切な大きさの部屋に引っ越す事も掃除を手間を減らす事につながります。
まとめ お金の意味
投資と言うと得意分野を伸ばす自己投資ばかりに目がいくのですが、苦手な作業を軽減させることも立派な投資の一つといえます。
これは時間を生み出すだけではなく、ストレスの軽減になるので有益な投資になってくれます。
そもそも家事が得意な人ならストレスにならないので、そこにお金を投資する必要はありません。むしろ掃除や料理をすることでストレス解消になるケースもあると思います。
あくまでも自分の苦手な作業にお金を使う事を意識するのがポイントです。歩くのが苦手な人ならバスやタクシーを利用するのも一つの投資です。
逆に趣味というのは楽しいものなので、どんなにお金や時間がかかったとしても無駄とは言えません。それはそれで有益なお金の使い方だと思います。
ただし、そこで得られるのは一時的な高揚感だけです。
苦手な作業を減らす投資のような継続的なリターン（ストレス軽減や時間短縮）はありません。趣味にお金を掛ける事が悪いとは言いませんが、バランスよくお金の使い道を振り分けてほしいと思います。
トイレ掃除が苦手な人であれば、最新のトイレにリフォームをすると掃除の手間だけではなくストレスも大幅に減らすことになります。そこまで大がかりではなくても便利な掃除道具にするだけで、トイレ掃除の手間やストレスを減らすことが出来るかも知れません。
これまた極端な例ですが、自宅のトイレを一切利用しないという選択肢もあります。常に外出先で用を済ませるようにすることで、掃除の必要性そのものを失くすことも可能です。
お金を使って時間を生み出す方法というのは、この苦手な作業をお金を支払って誰かにお願いする方法と、苦手な作業そのものを失くす方法があるので、安易に便利そうなグッズを選ぶのではなく、苦手な作業そのものを失くせないか考えてみてください。
ストレスが掛かる原因を薄めるのも大事ですが、原因そのものが無くしてしまえば、そこにお金も掛からなくなるかも知れません。
日々の苦手な作業によるストレスを解消するために、趣味でお金を使って散在していると、いつまで経ってもこのサイクルから抜け出すことができません。
よく節約をしている目的が「海外旅行に行くため」という人がいるのですが、このサイクルからだと一時的な高揚感しか得られないので、根本的な問題は変わってくれません。
どんなに収入が上がってもお金が貯まらない人ほど、このサイクルに巻き込まれているものです。
仕事を頑張ったご褒美に豪華な旅行にお金を使うのが悪いわけではありませんが、効率よく仕事を行える物や情報に投資すると、それほど頑張らなくても良くなり、日々の時間が充実してストレスも貯まらなくなるものです。
ストレス発散の為に旅行に行く事もありませんし、「せっかく高いお金を支払って来たんだから楽しまなくちゃ損！」とばかりに、無理やり堪能するような事にもなりません。
同じ旅行に行くにしても選択基準が変わりますし、より満足いく結果につながるのではないでしょうか。
一方で節約を意識し過ぎて苦手な作業まで頑張ってしまうと、イヤな時間が長引いてストレスが貯まってしまいます。するとダイエットのリバウンドのように、お金を使いたくなるかも知れません。
節約をすすめているブログではありますが、あまり極端な事をしてしまうとストレスが貯まってしまうので、気をつけてほしいと思います。
むしろ節約して貯めたお金を日々のストレスを軽減できるものに投資することで、少しずつ時間の余裕生まれてくるので検討してみる価値があると思います。
そもそもお金は物々交換を効率よく行うために生まれました。
自分が得意なことを積極的に伸ばし、苦手なことは積極的に得意な人（物）にまかせてください。これこそがお金を使って時間を生み出す方法ということです。
掃除が苦手な人がお金を払ってプロの掃除業者に頼るのも良いですし、最新の使いやすい掃除機に買い替えることが有効かも知れませんし、強力な空気清浄機を導入するのが良いかも知れませんし、ホコリが出にくい家具にするのが良いかも知れませんし、必要十分な大きさの部屋に引っ越すことで掃除も楽になるかも知れません。
フローリングならお掃除ロボットと相性が良いかも知れませんし、そのお掃除ロボットが効率よく掃除できるように部屋の配置を変えるのも効果的です。
さらに極端な例をあげると、自宅を持たずにホテルを転々とするのだって選択肢の一つです。これは大金持ちしかできませんが、掃除をする必要性そのものを無くせないかと考えると、様々な選択肢が見えてくるものです。
私の例でいうと、掃除は嫌いじゃないのですが、掃除機の音が凄く苦手でストレスだったので、お掃除ワイパーで済ませるようになりました。昔は絨毯を使用していたのですが、そのメリットよりも掃除機によるストレスが無くなった方が上回ったので、現在は掃除機の吸引力がないと掃除できないようなものは所有していません。
ちょっとした布製品であれば、騒音が出ないコロコロクリーナーで対処できるので問題ありません。
この私の選択が正しいのではなく、それぞれの状況に合わせてストレスが溜まらない方法を上手く選択してほしいと思います。
人それぞれ使えるお金の額も違うので、必ずしも理想的な方法を選べるわけではありませんが、根本的な問題と向き合う事で意外な解決策（問題そのものを失くす）が見つかる事があるので、安易にお金を掛けて解決しようとするのではなく、本質と向き合いながら本当により良い時間を生み出せる方法がないか考えてみてください。
自分の得意な作業やストレスになる作業をしっかりと見極められると、日常の些細な事でもストレス解消になったり、逆にストレスが溜まるイヤな時間が浮いてくれるので、心身ともにどんどん楽になっていくものですよ。ストレス解消になる楽しい時間まで減らす必要はないので、そこも間違えないでくださいね。
