時短家電のせいで手間が倍増!?
少し前に読んだ生活雑誌に「最新人気時短家電特集!」というものがあり、「日々忙しい奥さんの強い味方ですよ!」といった観点で紹介されていたのですが、それらをよくよく見ると、ほとんどが時短になっていないどころか、余計な手間が増えるものばかりで笑えてしまいました。
ある炊飯器は「少量時短早炊き機能」で15分でお米が炊けるとあったのですが、これはお米を水につけて置く時間や蒸らしの時間がないだけで、普通の炊飯器の早炊きコースと大差がありません。
私は炊飯器を手放しているので鍋でお米を炊くのですが、鍋なら火にかける時間など10分もあれば十分です。当ブログでは以前に手入れのしやすさも意識しようと紹介した事があるのですが、
最新の人気時短家電といったものには、この視点が欠けているように感じました。
王道の家電製品や普及しているアイテムというのは、たくさんの人に使用されてきて進化してきたものであり、様々な問題点が改善されているものですが、新しい発想の家電や道具ほど新たな問題点が生まれてしまうので、一件便利そうで時短になりそうでも、実際にはそうでもない事が多いのではないでしょうか。
時短のポイントはトータル時間
その雑誌で紹介されていた時短家電の中でも最も気になったのは、目玉焼きも一緒に焼けるトースターです。一般的なトースターの上に小型のフライパンのようなものが付いているのですが、焼きあがるまでに7分必要とのことでした。
一般的なトースターでパンを焼くなら2~3分もあれば十分ですし、目玉焼きを焼くのもそれぐらいです。私はトースターも所有していませんが、普通のフライパンで食パンを焼くのも両面合わせて3分も掛かりませんし、その後に目玉焼きを焼くのであれば既にフライパンに熱が入っているので、1~2分ぐらいで済みます。
全く料理をしないという人であれば便利なアイテムなのかも知れませんが、そのような人が卵を常備しているかというと微妙ですし、天板のむき出しのフライパンも不衛生になりますし、普通に食パンを焼くだけならむしろ時間が遅くなってしまいます。
ちなみに私は結婚していた時に元嫁の趣向もあり、当時話題になっていた高機能なオーブンレンジを所有していたのですが、大きいだけに温まるまでの時間が掛かるので、食パンを焼くだけでも結構な時間が掛かってしまって不便に感じました。
他にもその雑誌で紹介されていた簡単にみじん切りが出来るグッズも微妙だと感じました。そのグッズに入れる為に予め食材を一口大ぐらいにカットする必要があるので、結局はその時に包丁やまな板を使う事になってしまいます。
これも結婚していた当時にフードプロセッサーを所有しており、それでみじん切りにするような事があったのですが、片付ける手間が増えてしまうので結局は使わなくなりました。
洗う手間を考えたら普通にみじん切りをした方が早いかも知れませんし、飲食店のように大量のみじん切りが必要な場合でないと時短になるとは思えません。
まな板でみじん切りをするのであれば、綺麗に食材を使い切る事が出来ますが、フードプロセッサーやみじん切りグッズを使用すると容器や蓋や刃に食材が付着してしまうので、無駄になる食材の量も増えてしまいます。
ニンニクの匂いが苦手な人であれば凄く便利なアイテムなのかも知れませんが、洗いにくいみじん切りグッズを使用すると匂い残りが気になるかも知れませんし、玉ねぎで涙が出る人でも少し水に晒しておくなり、眼鏡を掛けるなどで対応できるので、安易にこのようなグッズに頼ってしまうと、余計な手間が増えるだけで時短にならないかも知れません。
特定の作業そのものが時短になる家電やグッズでも、トータルの時間で考えると時短にならないケースは珍しくありません。
多くの人が使用している王道の家電製品や普及しているグッズというのは、この辺の事も改善されているので便利なものですが、新しい発想のものというのは便利そうでそうでもない事があるものです。
家電製品が大好きな人というのは、そういう手間も含めて楽しめるのかも知れませんが、本当に忙しい主婦の味方になっているかというと微妙な事が多いので、安易に最新時短家電のようなものには、飛びつかない方が良いのではないでしょうか。
まとめ 王道のすごさ
たくさんの人に受け入れられた本当に優れている物というのは、ライバルメーカーが同じような物を作り、難点を改善しながら進化していき価格も下がっていきます。
この段階になってから取り入れるのであれば無駄に高くつく事もありませんし、様々な問題も改善されているので実際に役立つ事が多いものです。
新しい物好きの人がいるからこそ、それらの進化が促される事になるので、それはそれで素晴らしい事ではありますが、最新の物を選んでいなくても勝手に王道の商品は進化していくので、誰でもいずれはそのメリットを甘受する事ができるものです。
進化のスピードが速いスマホなどで考えると分かりやすいのですが、数年前までは高機能モデルにしか搭載されていなかった機能が、いずれ普通のモデルにも搭載されるような事です。
100円ショップで売られているような便利グッズも同じです。数年前に新しい発想で生まれて1000円ぐらいしていたものが、たった100円で手に入るようになります。
結局は早いか遅いかの違いであり、わざわざ自分が実験台になる必要もありません。
もちろん相性が良いものであれば、1000円出してでも手に入れる価値があるとは思いますが、相性がそれほど良くないと、最新ならではの問題で余計な手間だけが増えてしまうかも知れません。
新しい発想の時短家電の全てが悪いとは言いませんが、意外とトータルの時間で考えると時短になっていない事も多いので気をつけてほしいと思います。
それこそニンニクのみじん切りならチューブを選んだ方が良いかも知れませんし、ガーリックペッパーなどで代用した方が時短になるかも知れません。
特定の作業時間を短縮する物を手に入れる事よりも、その作業そのものが本当に必要なのかと考えると、また違った選択肢が見えてくるのではないでしょうか。
洗い物が多くて大変な家庭であれば、時短になる食洗機の導入を検討するのも良いと思いますが、安易に取りれてしまうとキッチン周りのスペースが奪われて料理がしにくくなってしまうかも知れません。炊事のトータルの時間で考えると微妙です。
だったら食器を洗いやすいものに変えたり、ワンプレートで盛り付けるような事が時短になるかも知れませんし、油汚れが大変な調理を少なくしたり、そのような料理を作った時だけ使い捨ての紙のお皿を使うような選択肢だって考えられます。
洗い物の手間を軽減してくれる食洗機がダメという事ではなく、それ以外にも解決策があるかも知れません。料理が苦手な人であれば宅配のお弁当と契約した方が、時短になるだけでなくストレスが大幅に減るかも知れません。
私の例で言うと、掃除機の音に凄くストレスを感じるタイプだったので、ホコリが出やすいマット類を手放す事でお掃除ワイパーだけで掃除が済むようになり、日頃の掃除のストレスから解放されました。
使い勝手の良いコードレス掃除機を選ぶ事で時短になったり、消音タイプの掃除機を選ぶという選択肢もありますが、より根本的な問題と向き合う事で新たな選択肢が見えてくるものです。
最新の時短家電と相性が良い人もいるとは思いますが、安易にそれらに頼る前に根本的な問題と向き合う事ができると、時短どころか必要性そのものがなくなるかも知れません。
もちろん私も様々な家電製品を所有していますし、何から何まで必要がないと言いたいわけでもありませんが、ただ本当に必要なものだけに絞っていくと、余計なスペースやメンテナンスの手間といった問題が無くなるので、結果的に時短になっていると感じています。
必要以上に大きな本棚を購入してしまうと二度と読む事がないつまらない本まで収納してしまうように、便利な故に余計なリスクを背負う事になってしまうかも知れません。
一見便利そうな家電や時短グッズのせいで余計な時間が増えてしまっているケースがあるので、本当に時短をしたいと考えている人は、まずは根本的な問題と向き合ってみてほしいと思います。意外と簡単な解決策が見つかるかも知れませんよ。