60歳からの手ぶら人生
今回紹介する本は弘兼憲史さんの「弘兼流60歳からの手ぶら人生」です。
著者である弘兼憲史さんは、あの「課長島耕作」を描かれていた漫画家さんでもあります。
私は現在30代ではありますが、「弘兼流60歳からの手ぶら人生」にとても感銘を受けました。
また節約思考の方にも通ずる内容が多いのでおすすめします。
よく自分の好きなジャンルの本ばかりを読んでいる方がいますが、たまには違ったジャンルの本を読むと意外な学びがあるものです。60前の方でも読む価値がありますよ。
孤独と孤立と孤高
「弘兼流60歳からの手ぶら人生」を読んで感じたことは、「孤独と孤立をはき違えないコツ」のような印象でした。
以前、当サイトでもおすすめしたことがある「孤独のグルメ」についても触れられており、
いかに孤独を楽しむかについて書かれています。
孤独という言葉に対して、ネガティブな印象をもたれている方もいると思うのですが、「60歳からの手ぶら人生」を読むと孤独をポジティブに受け入れられるようになります。
あくまでも私なりの解釈ですが、著者である弘兼憲史さんは孤高の存在です。
決して孤立しているわけではなく、自ら孤独を選択することで、孤高の存在として輝いているように感じました。
孤独=辛い
と現在感じられている方にこそ、読んでもらいたい本です。もちろん定年を迎えている方にもおすすめですが、若い方にも学びがとても多いと思います。
友達の断捨離
「弘兼流60歳からの手ぶら人生」の第2章には「友人を減らす」ことについて詳しく書かれています。
モノの断捨離については多くの書籍に書かれていることですし、当サイトでも色々紹介してきました。
一方で人間関係の断捨離については、あまり情報は多くないと思います。
「友人を減らす」というと孤立してしまいそうですが、本質はそこではありません。付き合いだけの人間関係を継続させることにエネルギーを使わないようにするようなことです。
「手ぶら人生」という言葉の通り、モノを少なくするのはもちろん、人間関係のしがらみを上手に手放す方法がよくわかります。
これは定年後の方にだけ参考になるのではなく、全ての人の参考になると思います。
現在ではSNSの普及もあり、希薄な人間関係が増えやすい環境です。だからこそ必要なテクニックを学ぶことができます。
さらに家族との関係にまで踏み込んでいます。
第4章の「家族から自立する」も必見です。特に衝撃を受けたのは、親族による殺人事件の増加のデーターでした。
戦後から殺人事件そのものは減少傾向にあるのですが、親、兄弟、親戚などの近しい人による殺人事件の割合が激増しているそうです。
家族との適度な距離の保ち方についても詳しく書かれており、どの年代の方にも参考になるのではないでしょうか。
孤独力の身につけ方
望んでいた形ではなく孤立してしまうと、孤独感にさいなまれてしまうものですが、自らの望んで孤独を選択した場合だと、むしろ爽快感になります。
最近は一人カラオケや一人焼肉などが市民権を得てきました。それらを心から楽しんでいる方というのは、孤独力が身についているのだと思います。
結果的に現在孤立してしまっている方だとしても、考え方を変えるだけで孤独感を爽快感に変えることは可能です。
それこそが孤独力であり「弘兼流60歳からの手ぶら人生」で学べることです。
孤独力がないと常に不安が付きまといます。うすっぺらい人間関係を継続させることばかりにエネルギーを注ぎ、自分にエネルギーを注ぐことができません。
これでは心も体も疲れてしまいます。自分自身を大切にしてあげてください。
孤独力とは、自分を褒める技術でもあります。
さみしい、孤独だと感じている方こそ、「60歳からの手ぶら人生」から学べることが多いと思います。
節約も仕方がなく行うという考え方では悲壮感が漂いますが、節約そのものを楽しんでいる方はキラキラと輝いているものです。
ある物事に対する印象は、受け手の考え方次第で見事に変わることがあります。
普段何気なく食べていたお菓子が、テレビ番組などで開発の歴史や製造方法の工夫などを知ると、ありがたみが増してより美味しく感じられるようになります。
お菓子の味そのものは全く変化していませんが、受け手の捉え方ひとつで印象が変わるのはよくあることです。
孤独に対するネガティブなイメージをもっている方は、ぜひ「60歳からの手ぶら人生」を読んでみてください。ポジティブな孤独力を身につけてしまいましょう!