お金が貯まるダイエット
今回紹介する本は「お金が貯まるダイエット」です。この本は伊達友美さんと丸山晴美さんの共著になります。
本のカバーからもわかるように、主に女性向けの節約とダイエット指南本です。
物凄く簡単にまとめると、「ダイエットにお金をかける必要はありませんよ、健康的な食生活を心がけましょう」といった内容です。
今までダイエットや節約について全く意識してこなかった人には参考になるとは思いますが、日頃からダイエットや節約する意識が高い人には、特別新しい情報があるわけではありません。
ただ一つ、面白い視点があったのでおすすめしたくなりました。
記憶に残る食事
掃除、お片付けで一世を風靡したこんまりこと近藤麻理恵さんは、モノを処分するときの基準を「ときめくかどうか」という新しい視点を生み出しました。
この言葉がしっくりとくる女性が多く、最近では海外でも評価されているそうです。
合理的な判断をしがちな男性は、「必要かどうか」や「コストパフォーマンス」などで判断しますが、抽象的な感情が豊らな女性は「何となく」といった曖昧な理由が多いので、その何となくを判断する基準として「ときめき」がピタリとハマったのだと思います。
そして今回紹介する「お金が貯まるダイエット」という本の中にも素敵な表現がありました。
それは「記憶に残らないものは買わない、食べない」という視点です。
何となく食べてしまったものは記憶に残りません。
小腹が空いたからと食べたカップラーメンの記憶は残りません。何となくつまんだお菓子の記憶は残りません。
何となく済ませた晩御飯では美味しさも感じられず、満足度が低いので脳は必要な栄養素を吸収できたと判断せずに、満腹感も得られにくくなります。
テレビを見ながら何となく済ませた晩御飯の後には、何となく口さみしくなり、甘いものをつまみたくなるということです。
一方で真剣にその時に食べたい食材は選ぶと記憶に残りやすくなります。特に愛情をこめてつくった料理は記憶に残ります。食事への感謝も生まれるとの自然と「いただきます」と言いたくなるものです。
適当に食べ物を選ぶのではなく、その時に本当に食べたいもの、脳が必要としている栄養素が含まれている食事をすると、脳は適量で満足します。食事で物足りなさを感じません。
お腹を満たす為だけに記憶に残らない適当な食事をすると、食べ過ぎになりやすいということです。
よくあるダイエット関連の情報だと、血糖値をゆるやかに上げる食べ方や野菜を中心とした食生活など、いわゆる健康的な食事の中身について紹介されているのですが、この「お金が貯まるダイエット」では、「記憶に残らないものは食べない」という新しい視点がありました。
もちろんダイエットや節約に有効な様々な情報も紹介されているのですが、「記憶に残らないものは買わない、食べない」という視点は学ぶべきことが多いと感じます。
ただ大好きなものだけを購入するというと、むしろお金がかかって節約にならないように感じるかも知れませんが、決してそういうことではありません。
特売だからとまとめ買いをしてしまうと、この「何となく食べる」になりやすく、食事の満足度も下がってしまいます。
常にお酒をストックしている家庭だと惰性で飲むことになり、ほとんど記憶に残りません。
一方でお酒が飲みたくなった時だけにコンビニに買いに行けば、本当にその時に飲みたいお酒を選べるので「記憶に残る」ということです。結果的に脳も満足しやすくなります。
最後の一本だと思うとしっかりと味わうようになります。ストックがあると安心ですが、それが満足度をさげる原因にもなり、飲みすぎの原因にもなってしまいます。
どうしてもまとめ買いをした方が節約になると考えがちですが、何となくだと一本辺りの満足度が下がり、結果的に本数が増えて節約にならないということです。
この視点は多くのものに当てはまるのではないでしょうか。
セールだからと何となく購入した洋服は満足度が低いものです。そこからお気に入りの洋服になる可能性は低いです。また扱いも雑になります。すると洋服の寿命も短くなります。
一方で自分の体型と向き合い、他の洋服との組み合わせを考え、きちんと試着をして選んだ洋服は、お気に入りになります。大切にも扱うので長く愛用できます。
これが「記憶に残る買い物」です。別の言い方をすれば「きちんと考えて選んだ買い物」ということです。
これはダイエット食品にも当てはまります。何となく「痩せるらしい」と思って購入したダイエット食品では、きちんと取り組むことにはなりません。食事や運動の管理もせずに、食事にサプリメントをプラスしたところで効果は期待出来ません。
明らかに食べ過ぎが原因で太っているのも関わらず、お通じがよくなるサプリメントを取ったところで、適正体重になるわけがありません。
食事の量を全く減らすこともなく、ダイエットスムージーなどを飲んだら明らかにカロリーオーバーです。わざわざお金をかけて太ってしまいます。
筋トレもしないでプロテインを飲むようなことです。ただの余計な脂肪として蓄積されます。
これらのように何となく選ぶのではなく、きちんと自分が太っている原因と向き合うことで、やるべきことが見えてくるはずです。お通じをよくする為にはサプリメント以外にもたくさんの選択肢があります。
ストレッチや体操や運動、食生活の改善には、それほどお金は必要ありません。このような本質と向き合うことが「お金が貯まるダイエット」で紹介している視点です。
この「お金が貯まるダイエット」という本に、画期的な新しいダイエット方法が紹介されているわけではありませんが、「記憶に残らないものを購入しない、食べない」という視点を意識してほしいと思います。
まずは昨日や一昨日の食事を思い出してみてください。全く思い出せない方は記憶力が衰えているのではなく、何も考えずに選んでいたということです。
まとめ お金をかけて太る人達
この「お金が貯まるダイエット」にも具体的なダイエット方法が紹介されていますが、はっきり言ってそれらの情報はありきたりのものばかりです。真新しい情報があるわけではありません(失礼)。
単純に食事の量を減らせばダイエットになるのは当然ですし、食費が抑えられてお金が貯まるのも当然です。
逆に言えば、お金を貯めようとするとダイエットになるとも考えられます。
極端に腹持ちの良い安い食材ばかりを選んでしまうとダイエットにはなりませんが、それだと身体の調子が悪くなり、余計な医療費が必要になるかも知れません。
健康的な食生活を心がけることは、身体が健康になり仕事のパフォーマンスも上がります。そして余計な医療費を削減することにもなるので、結果的にお金が貯まるということです。
「お金が貯まるダイエット」では、何から何まで節約しろとは言っていません。質の良いお肉は食事の満足度を上げて、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。
極端な例を言えば、歯ブラシや歯磨き粉を節約して虫歯になったら本末転倒です。むしろ良質な歯ブラシや歯磨き粉を購入することは将来の節約につながります。
何となく安いからと選んだ歯ブラシや試供品の歯磨き粉では、ほとんど記憶には残りません。
一方で歯ブラシの使い心地や相性を見極め、衰えてきた歯茎を改善する歯磨き粉を選んでいる人は、しっかりとそれらの記憶が残ります。
要するに「先の事までよく考えて選びましょう」ということです。
物凄く当たり前のことですが、思い出せないモノの多くは先の事まで考えずに何となく選んだモノです。
それらを日頃から意識に上げて、きちんと吟味して選ぶことで、必要十分な機能(栄養)が得られます。そして無駄な機能(栄養や量)が減り、結果的に節約になってお金が貯まります。これが「お金が貯まるダイエット」の本質です。
普段テレビで天気予報ぐらいしか見ない人に、最新技術の大型テレビは必要ありません。購入金額だけではなく、日々の電気代も余計にかかってしまいます。
こんな当たり前のことが、ダイエットの事となると盲目になってしまいます。
高額な医療保険に入りながら、不健康な食生活を続けてしまいます。
本当に将来の不安に備えるのであれば、安い掛け捨ての医療保険にして差額分を小食でも満足できる質の良い食事に変えたほうが、よっぽど将来の健康のためになるはずです。
もしくは差額分の残業を減らして体を休めたり、運動を取り入れることも有効です。
どうしてそれを購入したのかわからにモノに囲まれている方は、ぜひ「お金が貯まるダイエット」を読んでみてください。新しい視点がよくわかると思います。
未来の事まで考えて選ぶ習慣を身につけてください。しっかりと考えて選んでいたかどうか、その答え合わせが「記憶に残るかどうか」ということです。この視点を覚えておいてください。
数日前に食べたものが思い出せない方、どうして購入したのかわからにモノが多い方は、しっかりと選ぶ習慣を身に付けてほしいと思います。結果的に無駄遣いが減って健康的に節約することができますよ。