体質改善の方法
一般的に体質改善の方法というと、食生活の見直しだったり、生活習慣を改めることで健康的な身体を目指す方法になるかと思います。
私自身も腋臭体質で悩んでいたので、様々な方法を試してきたことがあるのですが、現在ではコスパが圧倒的に良いミョウバン水に落ち着きました。
ただ少し前に旅行にミョウバンを持っていくのを忘れてしまい、三日間ほど使わなかったのですが、それほど腋臭が気にならず自分でも驚きました。
旅行から帰ってきてからもあえてミョウバンを使用せずにいると、流石に五日目ぐらいから腋臭が気になってきたのですが、私の体質も少しずつ改善してきたのかも知れません。
私は節約家ということもあり、あまりお金を掛けずにできる生活習慣改善を心がけているので、そちらのおかげで好影響があったのかも知れませんが、ここ最近読んでいた様々な本で、考え方が体質に与える影響力について考えるようになりました。
様々な体質改善の方法がありますが、考え方も軽視するべきではありません。
考え方による体質の変化
考え方を変えるだけで体質が改善するのであれば、誰も悩まないようなものですが、いくつか例をあげてみます。
ある役者が時代劇に出演することになり、カツラをかぶってメイクをして出番を待っている間に顔に汗をかいてしまい、カツラの境界線を隠すメイクが崩れて撮影が出来なくなり迷惑をかけてしまいました。
この事をベテラン俳優に相談してみると、「気合いと根性だよ」とだけアドバイスされて腑に落ちなかったのですが、他の役者に聞いてみても同じようなアドバイスばかりで驚いたそうです。
実際に時代劇によく参加している役者の多くが、首から上はいっさい汗をかかない体質になっているそうです。
これと似たようなことを、あるモデルが自伝の中で語っていました。モデルが着用する服というのは、これから先に発売される雑誌の季節に合わせるので、気温の高い夏場に秋物の服を着るようなことが多くなります。
汗をかいたり火照った表情では仕事にならないので、気合いで乗り越えられるようになったとありました。さらにモデルはドライヤ―の風を顔に受けながら髪をなびかせて撮影することがあります。
これも初めの頃は目をつぶってしまったり、涙が出てしまったそうなのですが、現在ではバシッと目を見開いても涙を流すことなく耐えられるようになったそうです。
長年モデルとして活躍している人の多くが、同じような体質を身につけているのだそうです。
別の古い本では、ぜんそく持ちの青年が戦争で徴兵されて訓練校の大部屋で寝泊まりすることになり、夜中にぜんそくで咳き込んでいると、リーダーがやってきて「静かにしろ!」とビンタされてしまいました。
そのぜんそく持ちの青年は、その日を境に咳き込むことがなくなりました。
ある催眠術の本の説明では全ての催眠術は自己催眠であり、催眠術師は言葉巧みに誘導することで、掛けられている人が自らの力で催眠術師の言葉に従うようになり、普段よりも凄いパフォーマンスを発揮したり、ワサビが甘く感じられるようになるとありました。
催眠術は解けると元に戻りますが、これらは全ての自分の力(考え方)で、体質まで変化させた結果ということです。
ここまでは極端な例をあげたので少し分かりにくいかも知れませんが、ちょっとした考え方で身体に影響が出るのは珍しいことではありません。
身近な身体への影響
例えば目をつぶって大好きな人や子供の事を思い浮かべると、誰もが心地よい気持ちになり自然と笑顔になるものです。
この時の脳内には幸福を感じる様々なホルモンが分泌されています。
逆に大嫌いな人を思い浮かべると苦々しい表情になってしまい、血圧や心拍数も上がってしまいます。
いつもは夕食の後に何も食べない人が夜中にグルメ番組を見てしまうと、お腹がグーっとなって食欲が出て眠れなくなるかも知れません。
もっと分かりやすいのは、性的な事を思い浮かべると実際に身体に反応が出るようなことです。
これらは自らの意思である程度コントロールできるので、考え方を切り替えるのはそれほど難しくありませんが、これがコントロールの難しい夢の中となると身体への反応も大きくなります。
怖い夢を見ると全身に汗をかいてしまいますし、性的な夢でオーガズムに達することもあります。
トイレで用を済ませる夢を見ていると、実際に身体も反応してもらしてしまうこともあります。恥ずかしながら私も経験したことがあります。それも大人になってからです。
料理などでも美味しく食べている最中に、「実はこれ蛇の肉なんですよ」と言われた瞬間に、身体が反応して吐き出してしまう人もいます。
いつも何気なく食べていたお菓子が、雑誌やテレビの特集で誕生した経緯や歴史や開発者の想いなどを知ると、ありがたみが増して美味しくなる(感じる)ものです。
納得するレベルの違い
これらのように、ちょっとした考え方の変化が身体に影響を与えることは、それほど珍しいことではありません。
「へぇ~、そうなんだ」
ぐらいの軽い考え方の変化であれば、身体への影響も少ないですが、
「うわ!マジか!ヤバい!」
ぐらいの大きな考え方の変化があると、大好きな物を嫌いになったり、苦手な食べ物が美味しく感じられるようになったりするものです。
役者やモデルがその仕事にかけている想いが強いほど、
「汗をかいてる場合じゃない!!!!」
と強く考えるので、実際に体質を変えてしまうほどの変化がある可能性があります。
おそらく優しいスタッフに囲まれていると、このような体質の変化はしません。マネージャーにうちわで仰いでもらったり、笑顔でメイクさんが汗を拭き取ってくれたりすると、そこまで強い決心にはなりません。
芸人やミュージシャンのように別のジャンルでそれなりに地位を築いている人だと、初めての役者の仕事でもそれなりの扱いを受けることができますが、役者を目指している新人だと、このような扱いは一切受けられません。
代わりの役者はいくらでもいるので、「使えないな」という評価をされてしまうとおしまいです。だからこそ下積みの長い役者ほど、役者に適している体質を自然と身につけているのだそうです。
ちょっとした考え方の変化でも身体に影響が出るものですが、体質を変化させるには、よほどの理由で心から納得できないと難しいということです。
ぜんそく持ちで家族に優しく扱われていた青年が、急に手を上げられるほどの厳しい環境に行くと、「このままではヤバい!」と大きな考え方の変化が起こります。
催眠術は誰もが当たり前にする生体反応を利用して、少しずつ納得を高めていきます。
「この指をジッと見つめてください」
といった感じで目の高さよりも少し上に視線を固定させると、ずっと上目遣いになるので疲れてきます。そこで、
「だんだん瞼が重たくなってきますよ」
といった感じで、当たり前の生体反応を催眠術による効果だと思い込ませていきます。
両手を握って人差し指だけを伸ばし、
「だんだん指が近づいていきますよ」
というのも同じです。人は日頃から指に力を入れてピンと伸ばしている状態ではありません。力を入れていないとグーとパーの間ぐらいです。これが普通です。
なので、人差し指をピンと伸ばしていると徐々に疲れて力が抜けてくるので、勝手に伸ばしている人差し指が近づいていきます。
このような当たり前の生体反応を、さも催眠術による効果だと納得させて深く信頼関係を構築していくのが、催眠術の基本的なメカニズムです。
もちろん空を飛べのような物理的に無理なものは出来ませんが、手が硬直して動かなくなるようなことであれば、自らの筋肉を使って硬く動けなくしてしまいます。
これらのように考え方による体質の変化というのは、疑いがあるレベルでは発揮されません。一方で本心から求めるほどの強い変化があると、実際に体質を変えてしまう可能性があるということです。
まとめ 考え方も大切
もちろん食生活や生活習慣を改めて、体質改善を目指す方法が悪いわけではありませんが、
「どうせ何やっても変わらないし・・・」
という考え方のままだと、せっかく効果のある食生活の改善でも、効果が出なくなるかも知れません。
考え方を180℃変わるほどのパラダイムシフトなど、そうそうあるものではありませんが、考え方も体質に影響する可能性があるということを覚えておいてほしいと思います。
「ただのプラシーボ効果だろ」
と言う人も多いのですが、プラシーボ効果だろうと求めている効果が得られるのであれば、それは立派に目的を果たしているのではないでしょうか。
プラシーボ効果について簡単に説明すると、「病気の特効薬だよ」と砂糖を丸めただけの薬を飲ませると、実際に効果が出てしまう現象のことです。
いかにも怪しい人物にそのような薬を飲まされても信用できませんが、大学病院の偉そうな医者から自信満々に「これさえ飲めば大丈夫だよ」と笑顔で言われて患者が心から納得して安心すると、プラシーボ効果も発揮されやすくなります。
科学的な根拠が全くない民間療法や昔ながらの方法でも、当人が納得していると効果が出てしまうことがあります。
文化がまるで違うアフリカの呪術師に日本人が呪いを掛けられても、「そんなもの効くかよ」と簡単に否定できますが、同じ文化を共有して信じている人達には、実際に呪いの効果が出てしまうことがあります。日本人だってわら人形を見かけるとゾッとするものです。
道路の電柱に花束が置かれていると、多くの人は交通事故で亡くなった人がいると考え、言葉少なく通り過ぎるものですが、この習慣を知らない子供や外国人だと
「わぁ~綺麗なお花」
とウキウキした気持ちになるかも知れません。
全く同じものでも考え方次第で沸き起こる気持ちが違うように、それらが体質に影響を与える要素も変わってきます。
今まで近所のドラッグストアで安く売られていた化粧水だけで綺麗な肌を保つことが出来た人が、雑誌やテレビで化粧水に含まれている防腐剤の悪影響を知ると、急に肌荒れするようになってしまうかも知れません。そこで正しい知識を身につけて、
「肌には余計なことをしない方がいいんだ、乾燥した時はちょっとのワセリンだけでいいんだ」
と納得できるといいのですが、そこで防腐剤に含まれていない高級化粧水などに流れてしまう人は珍しくありません。
偉そうな医者ほどプラシーボ効果を引き出しやすいように、豪華でオシャレなパッケージの高価な化粧水ほど、プラシーボ効果の要素が多くなります。
実際には安い化粧水と似たような成分なのに、プラシーボで効果が高まっているだけということが世の中には珍しくありません。
これでも目的を果たしているので、必ずしも悪いことではないのですが、
「肌には余計なことをしないのが一番!」
という正しい知識を取り入れた方が、実際の効果と合わせてプラシーボ効果も発揮されやすくなります。こちらの方が効率的でお金も掛かりません。
そもそもプラシーボ効果が高いからこそ、新薬の開発では必ずプラシーボ効果が発揮されない状態で検査しています。
考え方が身体に影響を与える要素は少なくないので、食生活や生活習慣を見直して体質の改善を目指す方は、心から納得できる方法を選ぶようにしてください。
この納得するレベルが高まるほどに、実際の効果にプラシーボ効果が上乗せされて、より目的を達成しやすくなります。
キウイにはレモンの何倍ものビタミンCが含まれているから肌に良いという情報を見つけたとしても、甘いキウイには糖質もたくさん含まれているので、糖尿病に人には向いていないかも知れません。
単純にビタミンCだけならキウイよりもゆずやアセロラの方が豊富です。酸っぱいアセロラもジュースとなると砂糖が加えらるので、また別の問題が出てきてしまいます。単純にビタミンCだけならサプリメントの方が効率的かも知れません。
発酵食品の甘酒が肌に良いというのも同じです。酒粕や米の甘み成分だけのものもあれば、たっぷりと砂糖が加えられているものもあります。
これらのような体質改善に効果的だという食品を安易に取り入れてしまうと、思わぬ落とし穴にハマって改善どころか悪化してしまう可能性もあるので、しっかりと自分の基準に当てはめて納得できるものを選んでほしいと思います。
様々な体質改善の方法を試しているけど効果を感じられないという方は、本心では納得していない方法を取り入れている可能性が高いので気をつけてください。
納得すればするほど、プラシーボも相まって体質改善の効果が高まりますよ。