テレビショッピングはお得?
久しぶりに実家に帰省すると布団専用の掃除機がありました。母親に「どうしたの?」と聞くと、父親がテレビショッピングを見て購入したとのこと。
半年ほど前に購入して届いた日に使用したのと、一か月後ぐらいにもう一度だけ使ったそうです。
現在は全く使っておらず、帰宅した父親に「これいらんか?」と言われました。
当然いらないので断ったのですが、改めて高齢者ほどテレビショッピングに弱いなと感じました。
ある雑誌で一日のテレビの視聴時間を調べていたのですが、20代が2時間未満に対し、定年した層は5時間以上とありました。
それだけテレビショッピングを見る可能性が高くなるので、仕方がないのかも知れません。政治家もテレビに出演している人ほど、圧倒的な票数で受かるものです。
ただはっきり言ってテレビショッピングは安くありません。
「今なら一万円引き!」
「さらにもう一つプレゼント!」
といった感じの煽りでお得感はありますが、電化製品だと家電量販店と大差がないばかりか、割高なことが多いです。
たとえ家電量販店のチラシの商品と比べて安かったとしても、大抵は型遅れの商品です。
それをさも最新の商品かのようにアピールしてくるのが、テレビショッピングのからくりです。
「ジャ〇ネッ〇オリジナルの商品なので、ここでしか手に入りません!」
のような特別感を演出することもありますが、本当に売れ筋の人気商品がオリジナルになることはありません。
大抵はメーカーから売れ残った在庫を大量に仕入れる条件として、ちょっとした加工をしてオリジナルと言っているだけです。
メーカー側は旧モデルの在庫を一気にさばけますし、家電量販店の中で新モデルとの競合しなくなるので割引せずに済みます。
これは食品のプライベートブランドで考えるとわかりやすいかも知れません。オリジナルモデルとして分けることで、正規の商品の値崩れを避ける効果があります。
オリジナルにする加工で抜群に機能が良くなれば、確かにお得かも知れませんが、大したコストを掛けない加工なので、そんなケースは滅多にありません。
テレビショッピングの仕組み
そもそもテレビショッピングは高齢者をターゲットにしています。
少し言葉が悪いですが、情報弱者へ売り込むための仕組みです。
ネットを活用できる若い世代は購入前に評判を調べたり、価格を比較しますが、そのような事をしない高齢者ほど、テレビショッピングの巧みな煽りの影響を受けてしまいます。
まさに私の父親がそうでした。
そもそも布団のダニに困ってたかというと、決してそんなことはありません。母親はかなりのキレイ好きなので、頻繁に部屋の掃除やシーツの洗濯をしています。
テレビショッピングで布団のダニが悪さするシーンを、わざわざCGまで使って恐怖を煽ってくるので、テレビをよく見る人ほど影響を受けてしまいます。
これは布団の掃除機に限ったことではないですが、テレビショッピングというのはよく出来ているものです。
ちなみに深夜のテレビショッピングは、もう少し若い世代向けの内容になっています。
現在は身体のコンプレックスを解消するためのモノ(ダイエット関連)が多いのですが、昔はファッションアイテムが中心でした。
そのテレビ局で放送しているドラマで役者が着ている洋服を売っていました。カタログ通販にもドラマで着ていた洋服が売られているのですが、これも仕組みは単純でカタログ通販会社がテレビ局の関連会社だったりします。
ドラマの衣装用に製作した洋服を、そこでしか買えないようにして売り上げをあげていました。
あるテレビ局の収益の三割以上が、この仕組みで成り立っていたこともあるほどです。
ただ現在はネットが普及してきたこともあり、この手法が成り立たなくなってきました。
テレビ離れが叫ばれていますが、テレビ局の収益が悪化しているのは単純に視聴率が低下しただけではありません。このようなテレビショッピングの裏側で儲ける仕組みが、通用しなくなってきたことも関係しています。
だからこそ、テレビショッピングは高齢者にターゲットを絞っています。
自分で調べたり、価格を比較しない層なので、上手く煽ることが出来れば高収益につなげられます。
節約家は自分で調べよう!
節約家のみなさんは、決してテレビショッピングに惑わされないでください。
全く同じ商品でもネットで探せば大抵は安く見つかりますし、似たような商品でさらに安いものが見つかるかも知れません。
昔読んだ本で様々な商品の原価率が紹介されていたのですが、膨大な広告費が掛かるテレビで紹介されている商品ほど、とんでもなく安い原価のものばかりでした。
定価120円の大手メーカーの缶ジュースの原価は数円の世界です。9円ですらありません。2~3円のレベルです。
一方で地方の小さなメーカーが作っている缶ジュースだと、原価が20円ぐらいのものがあります。
無名なものだからといって、決して品質が低いとは限りません。
大手は大量生産でコストが下げられるわけですが、そこに膨大な広告費を乗せても利益が上がるので、原価はとんでもなく安いものです。
この辺はスーパーで売られている大きなペットボトルと缶ジュースの価格が、それほど大差がないことでイメージできると思います。原価など大差がなく、運搬コストぐらいの差です。
ちなみに私の住んでいる街にある製菓メーカーの名物は、20年ぐらい前は400円で売られていました。
消費税増税や原価高騰などのタイミングで値上げしてきたのですが、それでも50円刻みで少しずつの値上げでした。
それが数年前からテレビでCMを流すようになって一気に100円値上げし、さらに翌年にはテレビ番組にもよく取り上げられるようになり、現在は730円になってしまいました。
また地元ではないのですが、北海道の小樽発祥のあるチーズケーキがあり、これも数年前からテレビでCMをガンガンに流すようになりました。
昔は1000円で売られていたのが、現在はかなり小さくなったのにも関わらず1700円もします。
値上げする理由として円安や最低賃金の上昇なども考えられますが、いくら何でも倍近くになるというのは、どうかと思います。
それだけ膨大な広告費が掛けても十分に元が取れる価格設定ということなので、賢い節約家は避けた方が良いかと思います。
もちろん食品は味の好みがあるので、そこでしか味わえないのであれば価値があるのかも知れませんが、ブランドイメージだけで選択してしまうと、損してしまう可能性が高いので気をつけてください。
家電量販店がない田舎の方だと、町の小さな電気屋さんで購入するより、テレビショッピングの方がお得なケースもあるかも知れませんが、少なくてもここまで読んでくれた方はネット環境があるということなので、しっかりと自分で調べられると思います。
テレビショッピングで恐怖を煽られてしまったとしても、そこから自分で調べることで恐怖そのものがウソだったと見抜けるかも知れまんし、その恐怖を和らげる別の方法が見つかるかも知れません。
恐怖を利用して売る方法というのは、「ミサイルを撃つぞ!」と脅しながら金を巻き上げているのと同じです。そんな卑怯な手に惑わされないでください!