テフロン加工のフライパンの寿命は1年?
先日、久しぶりに実家に顔を出すと母親が新しいフライパンを購入したばかりという事で、わざわざ自慢してきました(笑)。
テレビ通販で購入したらしく、「油をひかなくても焦げ付かない」と喜んでいました。油をひかないという事に引っかかったのですが、前のフライパンが1年ぐらいで焦げ付きやすくなったらしく、
「テフロン加工のフライパンの寿命は1年よ!」
と自信満々に言われました。
私が現在使用しているニトリで購入したテフロン加工のフライパンは、既に5年以上使用しており、特に焦げ付きやすくなったとも感じていないので不思議でした。
そこでフライパンの寿命について調べてみると、「なるほどな」と感心しました。フライパンは扱い方次第で寿命が大きく左右されるようです。
一般的な寿命は2~3年
フライパンといっても様々な種類があり、中華鍋のような鉄製のものは寿命が10年以上もつと言われているのですが、いわゆるテフロン加工(フッ素樹脂コーティング)されているフライパンだと、2~3年ぐらいが一般的なようでした。
もちろんコーティングの種類によっても寿命に差が出るのですが、扱い方が悪いと1年も持たずにコーティングが剥がれて焦げ付くようになるそうです。
逆に考えると、扱い方次第で3年以上使用しても良い状態を保てる事になります。
寿命が縮まる原因
テフロン加工されているフライパンの寿命が縮まる原因は、大きくわけて4つありました。
- 空焚き
- 物理的なダメージ
- 急激な温度変化
- 汚れの放置
①の空焚きというのは、調理をする前にフライパンを温める事です。フッ素樹脂は高温(260℃)になると溶け出してしまうので、強火で1分も温めてしまうと傷み始めてしまいます。基本的にテフロン加工されているフライパンは強火にせず、中火までで使用する事が望ましいそうです。
また焦げ付きにくいからと全く油をひかないで調理していると、食材が当たらない箇所の温度が上がってしまい、空焚きと同じような状態になってしまいます。
おそらく私の母親はこのような使い方をしていたので、1年ぐらいで寿命を迎えていたと考えられます。
②の物理的なダメージというのは、金属のヘラやタワシなどによる傷の事です。これは意識している人も多いのではないでしょうか。
ただ注意してほしいのは収納時に重ねてしまう事です。たくさんフライパンを所有している家庭ほど、収納時に重ねて傷つけてしまう傾向があります。
③の急激な温度変化というのは、調理後に直ぐに水で洗い流すような事です。フライパンが温かいうちに洗った方が汚れが落ちやすいのですが、急激な温度変化によって金属が収縮してコーティングが剥がれやすくなってしまいます。
④の汚れの放置というのは、調理後のフライパンの汚れを長時間(一晩)放置してしまうと、コーティングに油が染み込んで傷んでしまうケースがあるとのことでした。作り置きした料理をフライパンの中で一晩置いてしまうような事も当てはまります。
私のフライパンが長持ちした理由
私はこれらの事を全て理解した上で実践していたわけではないのですが、偶然にもほぼ全て当てはまっていました。
昔は鉄製のフライパンが多かった事もあり、事前に空焚きをして煙が出てきてから油を入れるといった使い方が一般的だったので、ベテラン主婦ほど空焚き状態にしてしまっているのかも知れません。
私は自宅のフライパンで肉や魚だけを焼くといった事が滅多になく、食材が焦げるのもイヤなので強火にする事もほとんどありませんでした。フライパンを温めるにしても油をひいてから中火で20秒ぐらいだったので、偶然にも空焚き状態は避けられていました。
油をひかないでフランスパンを焼く事はあったのですが、弱火なので問題なかったのだと思われます。
強火にするのはたまにチャーハンを作る時ぐらいでしょうか。ただチャーハンはフライパン全体に食材がいきわたるので、一部が空焚きになるような事がなかったのだと思います。
金属のヘラやタワシを使わないのは意識していましたが、フライパンを重ねて収納するような事もありませんでした。
フライパンや鍋を必要以上に所有していると、収納時に重ねて傷めてしまうものですが、私は節約家という事もあり、なるべく多くの物を所有したくないので、火にかける調理器具はフライパンと鍋と土鍋を一つずつしか所有していません。
一番使用頻度の低い土鍋はコンロの下に収納しているのですが、フライパンと鍋は常にコンロ(一口)と隣の鍋敷きの上に置いてあるので、重ねて傷つく事がありませんでした。
調理直後に水で洗い流すような急激な温度変化もしていません。なるべく洗い物を増やしたくないので、フライパンや鍋を器替わりにして食べてしまう事が多く、食べ終わる頃には自然と冷めているので問題ありませんでした。
また私は冷蔵庫を手放している事もあり、たくさん調理して作り置きをするような事もなく、長時間フライパンの中で料理を放置するような事もありませんでした。
さらに水切りカゴをコンパクトにしているので、洗い物を貯め込まない習慣が身についており、食べた後には直ぐに洗っていました。
私はこれらをフライパンの寿命を意識して行っていたわけではないのですが、結果的に寿命を縮めるような事は避けられていました。
私は一人暮らしという事もあり、毎日のようにフライパンを使うわけでもないので、5年以上たっても良い状態を保てているのかも知れませんが、私の母親のように1年ぐらいで焦げ付きにくくなってしまうという人は、今回紹介したフライパンの寿命を縮めてしまう要因と向き合ってみてほしいと思います。
まとめ 説明書を読もう
基本的にテフロン加工のフライパンの使用説明書には、これらの事が記載されています。
ですが、フライパンのように普段から使っている物ほど確認しない人が多いのではないでしょうか。
私自身も5年ぐらい前に購入した時に確認した記憶はないのですが、昔の常識と現在の常識が変わっている事があるので、どんな物でも使用説明書には目を通した方が良いと思います。
私が所有しているニトリのフライパンをネットで調べてみると、流石に5年以上前の物なので全く同じ物は見つからなかったのですが、似たようなフライパンにも、
■長くお使いいただくために、ご使用ごとに薄く油を引いてから調理していただくとふっ素加工が長持ちします。油を引かずに調理した場合、焦げ付きの原因になります。
としっかりと注意書きがありました。ちなみに最近のテフロン加工のフライパンの中には金属のヘラがOKの物もありました。コーティングの品質の上がっているのかも知れません。
●金属ヘラも使えます。※ただし角の丸いなめらかなものをお使いください。
それでも角が丸いなめらかなものと指定されているので、なるべくなら避けた方が寿命を延ばす事になるのではないでしょうか。
100円ショップで売られているような物であれば、間違った使い方をして寿命を縮めてしまっても、それほど懐は苦しくないのかも知れませんが、せっかくの便利な機能を見逃してしまっているかも知れません。
フライパンの寿命は使用する頻度によっても変わりますが、間違った扱い方で寿命を縮めてしまうのはもったいないので気をつけてほしいと思います。
フライパンから剥がれたフッ素樹脂は身体に影響がない(排出される)と言われているのですが、だからといって身体に良いわけでもありません。なるべくなら避けたいものです。
最近は取っ手の取れる鍋やフライパンもあり、収納時にマトリョーシカのように重ねてコンパクトになりますが、そこで物理的なダメージを受けてコーティングが傷んでしまうかも知れません。
セット価格でお得だったとしても、ろくに使いもしない鍋の為に収納の手間が増えたり、コーティングが傷む原因となってしまうかも知れないので、なるべくなら不要な物は所有しない方が良いかと思います。
節約という意味では1500円ぐらいの安いテフロン加工のフライパンを購入して1年置きぐらいに買い替えるより、1万円ぐらいの鉄製のフライパンを10年ぐらい使用した方がお得かも知れませんが、それこそ鉄製のフライパンはしっかりと空焚きして熱を入れないと焦げ付きやすかったりするので、一概にコスパが良いとは限りません。
しばらく使わないと錆びてしまう事もありますし、テフロン加工のフライパンに比べて油の使用量が増えたり、熱入れの光熱費といった事まで考えると、必ずしもコスパが良いとは限らないはずです。
もちろん鉄製のフライパンだからこその保温性を活かして高熱な調理が可能なので、料理にこだわる人には向いていると思いますが、それほどこだわりが強くない人であれば、使い勝手が良いテフロン加工のフライパンの方が相性が良いと思います。
価格も手ごろで洗うのも簡単で光熱費も掛からない(薄くて熱が伝わりやすい)ので、多くの一般家庭にとってはありがたい存在です。
極端に安いテフロン加工だと寿命も短いのかも知れませんが、それなりに良い物(3000円ぐらい)を5年ぐらい使った方が、コスパだけでなく扱いやすくて便利なのではないでしょうか。
フライパンのテフロン加工の寿命を縮めてしまうような使い方を避け、なるべく長く愛用して節約につなげてほしいと思います。