老い支度とは?
老い支度を簡単に説明すると、「死ぬ前の整理、準備」といったところでしょうか。
一般的には年齢を重ねて現役を過ぎた方が、「老い支度」を意識するようになります。
当たり前のことですが、年齢を重ねるほど周囲の人が亡くなっていきますし、自分の衰えや年齢を考えて、老い支度を始める方が多いのだと思います。
ですが、老い支度はいつ初めても良いものです。
「定年退職をしてから行うもの」
ではなく、日頃から死後の世界(霊界とかではなく、自分のいない世界)を意識している人は、自然と老い支度をしているものです。
改まって老い支度をする必要すらありません。
生前整理
老い支度と似たような言葉に生前整理がありますが、こちらの言葉で考えた方が納得がしやすいかも知れません。
生前整理は生きている内に身の回り品を整理することですが、死ぬ前というのは今現在も含まれます。
平均寿命に近づいてきたり、お医者さんに余命を告げられた瞬間から生前整理を行うのではなく、20歳だろうが40歳だらうが、身の回りの品を整理しておくことは生前整理といえるわけです。
不幸な事故や病気で若くして亡くなる方がいるように、死ぬ日を知る人は誰もいません。
常に生きている人は生前です。
老い支度も○○歳になったから行うというものではありません。
今を生きる
「人はいつか死ぬ」
この事は誰もが理解していると思いますが、「自分が明日死ぬかもしれない」と考えている方は少ないのではないでしょうか。
もし仮にお医者さんに余命が三か月と告げられると、生活が一変する方が多いと思います。
この場合は老いていなくても生前整理をするものです。
今まで大切にしていたモノでも、意外なほど「どうでもよかったモノ」に分類されるかも知れません。
他にも「やりたかったけど、やっていなかったこと」をやるかも知れません。
残された人生を、精いっぱい生きることになります。
一方で、余命を告げられても生活を全く変える必要がない方というのは、常に今を精いっぱい生きているともいえます。
わざわざ老い支度をする必要がありません。生前整理するモノもありません。
既に今を精いっぱい生きるのに必要なものだけに囲まれているからです。この状態こそが理想なのではないでしょうか。
節約の先
実は節約も似ています。
節約そのものが目的になってしまっている方は、死ぬ食前でも節約を続けるのかも知れませんが、何かしらの目的の為に節約を行っている方は、その目的達成の為の行動が重要なので、残された期間とお金で出来る範囲で行動をすると思います。
常に死を意識して生きていると、余計なモノにお金を使わなくなります。
逆にいえば死を意識していない人ほど、余計なモノばかり買ってしまうのかも知れません。
本当にやりたいことが曖昧なので、ちょっと良い噂を聞くと飛びついてしまいます。
節約が上手くいっている人は、世間の常識に合わせて最新家電を揃えることもありませんし、嫌われない為だけの人間関係に時間やお金を使うこともありません。
生活に必要な家電だけを所有したり、大切な人間関係の為に時間やお金を使います。
本当に自分がやりたいことの為に時間やお金を投資している方は、そうではないモノは勝手に節約されていきます。
いやいや節約を行っている方だと、余命を告げられた瞬間に節約なんてバカバカしいと思うかも知れませんが、何かしらの目的の為に節約をしている方であれば、余命を告げられても生活の方向性はそれほど変わらないはずです。
まとめ 今すぐ開始!
節約することが老い支度というわけではありませんが、今を精いっぱい生きている人は、余計なモノに時間やお金を使うことはありません。
死を意識する年齢になってから老い支度を始めるのではなく、常に今を精いっぱい生きることにフォーカスすることで、勝手に老い支度や生前整理がなされていくものです。
過去の栄光にすがっていると思い出の品を手放すことが出来ませんが、より良い未来の為に今を精いっぱい生きている人には、今現在必要のないモノはすんなりと手放すことが出来るものです。
老い支度を始めるのに年齢は関係ありません。
早ければ早いほど、その後の人生を精いっぱい生きることにつながります。常に生前整理が出来ている状態こそ、今を精いっぱい生きている人と言えるのではないでしょうか。
「遺族に見られて困るようなモノを処分しておく」
のようなことだけではなく、
「遺族が気軽に処分できるモノだけを残しておく」
と考えるとわかりやすいかも知れません。生活に必要なモノ(食料品や衣料など)なら気軽に処分できますが、おじいちゃんが大切にしていた骨董品がたくさん残ってしまうと、遺族は処分に困ってしまいます。
ちょっとした小物であれば、形見としてあってもいいのかも知れませんが、それだって世代が移り変わって孫、ひ孫世代になれば困ったモノになってしまいます。
本当に自分がやりたいことを知る為にも、今を生きることに必要では無くなったモノを日々手放していってください。いかに世間体を気にして購入していたモノが溢れていたのかに気づくと思います。
死ぬ間際に老い支度をして気がつくのではなく、一刻も早く気付いて今を精いっぱい生きてほしいと思います。
余計なモノが減れば減るほど、肩の荷が下りて行動力が上がるものです。もちろん今現在の生活に必要なモノは別です。
「わざわざ老い支度や生前整理をする必要がない」
という状態を目指してほしいと思います。結果的に無駄なモノ、必要のないモノが減り節約にもなります。その節約できたお金で、本当にやりたいことをやりましょう!