お金持ちの定義
お金を英語にするとマネー(money)になりますが、「お金持ち」を英語にすると、
- rich man
- rich person
となります。
日本語のお金持ちように「お金」「マネー」という単語が入っていません、「more money」などとは言わないわけです。
一方で「rich」を日本語にすると、
- 裕福
- 潤沢
- 金持ち
- 豊富
- 豊か
などになります。
「rich」という言葉には、もちろんお金持ちという意味もありますが、様々な表現があります。日本語でのお金持ちという認識ではなく、裕福や豊かという認識でお金持ちを捉えると、違った見方ができるようになります。
お金持ちの反対
英語でお金持ちに当たる「rich man」「rich person」の反対は「poor person」になります。
「貧乏な人」「財産を持たない人」のような意味です。
日本語で「お金持ち」の反対を「お金なし」とは言いません、やはり「貧乏な人」のように表現します。
逆に「rich man」を日本語に訳すと、
- お金持ち
- 富豪
- 大尽
- 資産家
などになります。
資産や富はお金で購入することも出来ますが、中にはお金では購入出来ない資産や富もあると思います。
愛する人からプレゼントされた物や先祖から相続している土地などは、お金さえあれば誰でも購入できるとは限りません。
宝物=資産?
これは宝物という言葉の方がイメージしやすいと思います。本人にとっては宝物でも、周りの人から見ればガラクタだということもあると思います。
ですが、やはり本人にとっては宝物です。
換金する気がないのであれば、その本人が感じ取っている価値は決して間違いではありません。紙のネックレスでも愛する子供からプレゼントされたものであれば、最高の宝物になることもあります。
そのような本人にとっての宝物に囲まれている状態は、とても心が豊かな状態です。
資産としての宝物
経済的な価値で宝石や絵画を購入している方は、資産価値が下がらないように保存状態を気をつけるので、人目につくところに飾ったり、身につけることはありません。
心を豊かにする為に購入したのではなく、資産価値(投資や節税が目的)を基準に購入しているので、宝物ではなく投資商品です。
そのようなモノに囲まれている状態というのは、セキュリティーに気を配ったり、市場価値をチェックするなど心配りが必要です。
心を配っている状態です。心がどんどん目減りしていきます(資産価値は上がるかもしれませんが)。
一方で大好きな絵画を手に入れて鑑賞することは心を豊かにします。
絵画というモノは同じですが、目的次第で心を豊かにする宝物と心を配る必要がある投資商品になります。その絵画が高価であればあるほど、傍から見るとお金持ちに見えますが、心の豊かさは人それぞれです。
モノの意味
投資が上手くいけば目的が達成されるので結果として宝物になるわけですが、失敗すれば宝物とは言えません。
一方で大好きな絵画を手に入れて心を豊かにしている人は、手に入れた瞬間から目的が達成されています。
子供が書いてくれた親の絵や紙で作られたネックレスにも、同じような意味を持つことは珍しくありません。
多くの方にとってはゴミ同然かも知れませんが、親にとっては最高の宝物になる可能性があります。
そのような大切な意味が込められている宝物は、お金がなくても手に入れることが可能です。
廃品回収の業者にとってゴミが資産になるように、モノの意味は人それぞれ違います。
お菓子のおまけのシールに価値を感じる人もいれば、実態のないゲームの中の架空のカードに価値を感じる人もいます。
どれが正解ということではなく、それぞれの人が決めている価値があります。
お金の概念がない小さな子供にとっては、インターネットオークションで高値がつくレアな怪獣の人形よりも、自分の好きなアンパンマンの人形の方が価値が上になります。
宝物の基準に希少性は全く関係ありません。本人の基準でしか測れないものです。これは凄く全うなことです、本能に従って欲しいものを決めています。
高級食材
食材の価格は希少性が繁栄されます。
あまり取れないトリュフや松茸は高級になります。また傷みやすいモノも高級になります。保存が効きにくいモノも高級になります。
これらは市場経済システムでは当然のことですが、
高級=美味しい
ではないことは、多くの方が実感していると思います。
食材はさらに「身体に良い」といった曖昧な情報まで加味されます。希少性があって身体に良い食材はさらに高級品になります。
食材の質、味だけで価格は決まりません。これらは当たり前にように受け入れられています。
ですが、希少性や健康のことを意識しない子供には全く関係ありません。好きなものランキグトップ10に、ハンバーグや焼肉と並んでグミがランクインしたりします。
子供は様々な情報に左右されずに、本心から好きな食べ物を選ぶことが出来ます。
宝物の種類
紙のネックレスやグミのように経済的な価値は低いモノでも、情報に左右されないと宝物になります。
ゴールドは換金出来なければ、ただの重たい金属かも知れません。お金の価値がない原始人に金の斧と鉄の斧を使わせた場合、おそらく軽くて硬い鉄の斧を選ぶのではないでしょうか。
少し話を戻します。
日本語の「お金持ち」という定義から考えると、金の斧の方が資産価値は高いです。
英語の「rich 」の中の「豊か」や「豊富」から考えると、生活を豊かにする機能性の高い鉄の斧の方が宝物になるかも知れません。
木を切ることで生活が豊かになるのであれば、重くて柔らかい金の斧は役割を果たせません。
宝物には二種類あります。
市場経済の価値で決まる宝物と、自分の中の価値で決まる宝物です。
市場経済の宝物は心を配り続ける必要があります。
自分の価値の宝物は手に入れた瞬間から心を豊かにします。こちらを多くもっている方こそ、本当に心が豊かなリッチマンだと言えるのではないでしょうか。
まとめ
「rich」という言葉の中に含まれている「豊かさ」というのは、お金のことだけを指してはいません。
日本語でお金持ちというと、まさにお金だけのことを指してしまいやすいのですが、
「rich man」になるには、お金だけではないということです。
もちろんお金は大切です。お金が必要ないと言いたいわけではありません。
心を豊かにする宝物というのは、お金をかけずとも手に入れられる可能性があります。
ミシュランガイドの三ツ星レストランの食事は、おそらく素晴らしく美味しいのでしょうが、同じぐらいグミが好きでも構わないわけです。
この自分の中の価値を大切にしてあげてください。きっと、その中に宝物が埋まっています。
逆にそれほど興味のない対象に対しては、情報を上手に利用して判断することもありです。ランキングや比較サイトなどを参考にすることで失敗を減らすことが出来ます。
あなたが本当に好きなモノに関しては、あなたの本心で決めてください。
多くの方が無意識に出来ているのが「おふくろの味」の素晴らしさです。
主婦の料理がミシュランガイドで星を獲得することは難しいですが、そんな基準は全く関係がありません。逆にどんなにお金を出しても「おふくろの味」を再現することは出来ないでしょう。
あなたにとっての宝物を手に入れると、心が豊かになります。
それは「rich man」に近づくということです。
金の亡者になると「心ここにあらず」になります。いつも為替や株価を気にして気をもんでいる方は、お金をたくさんもっていても必ずしも「rich man」だとは限りません。
日本語のお金持ちという言葉には、この金の亡者という意味も含まれてしまいます。これが、
お金持ち=悪いことをしている人
と思う方がいる理由でもあります。
自分にとって心が豊かになる宝物を見つけられるようになると、世間の常識の中にある市場経済の商品とかけ離れるので、希少性と関係がなくなります。
結果的に高級なモノと離れることになるので、大抵はそれほどお金がかかりません。心を豊かにすると、結果的に心が豊かなリッチマンに近づくことになります。
あなたにとっての宝物を探してみてください。きっと心の中のどこかに埋もれていますよ。