ネット通販の意外な落とし穴とは?
スマホの普及に伴い、今までネット通販を利用していなかった年配の方の利用が増え、問題になるケースが増えているのだそうです。
ネット通販だと簡単に最安値が調べられるので、節約に役立つことが多いものですが、ネット通販には落とし穴もあります。
気をつけているつもりでも、意外と多くの人がこのネット通販の落とし穴にハマっているように感じます。そこで今回はネット通販で失敗しないポイントについて紹介します。
落とし穴の種類
ネット通販の落とし穴といっても、大きく分けて二つに分類されます。
それは販売する側に悪意のあるパターン(詐欺的な販売方法)と、買い手側に問題があるケースです。
一般的なネット通販の注意点というと、この販売する側に悪意があるパターンばかりが言われるのですが、意外と買い手側の問題(ミス)はあまり取り上げられません。
販売する側に悪意のあるパターンで代表的なものをあげると、
- 初回お試し価格が定期購入の契約になる
- 支払いを済ませたのに商品が送られずに連絡が取れない
- キャンセルや返品を受け付けない
- 販売ページの商品の写真と現物が違う
のようなことでしょうか。
大手のネットショッピングサイトであれば、これらは対応してもらえる可能性が高いのですが、ネットオークションのような個人とのやり取りや個別のサイトからの購入だと、問題になるケースがあります。
また保険の約款のように分かりにくい小さな文字で説明書きがあったりすると、こちらの落ち度という事になり、大抵は泣き寝入りするしかありません。
最近はネットに慣れていない高齢者もスマホを持つようになり、これらのようなことが問題になるケースが増えてきました。
ネット通販に慣れている人だと、しっかりと注意書きをチェックしたり、購入者のレビューなどに目を通すのですが、これを怠ってしまうと後からトラブルになってしまいます。
これらのような悪意のあるネット通販の落とし穴というのは、基本的に注意するしかないのですが、簡単な対策だと信用できる大手サイトだけを利用する事です。ネット通販に不慣れな人や自分で調べる自信がない人ほど、大手ネットショッピングサイトだけにしておきましょう。
買い手側の問題
ネット通販の意外な落とし穴として、自分側に問題があるケースというのは、単純に高い買い物になっているケースです。
これは本人が自覚していないだけに、なかなか気づくことが出来ません。特にネット通販が大好きな節約家は要注意です。
基本的に送料無料となっていても、販売側が送料をサービスしてくれているわけではなく、商品価格に送料が含まれているだけです。わざわざ赤字になる物は売りません。
缶コーヒー1本をネット通販で購入する人は滅多にいないと思いますが、ダンボールで24缶セットとなると送料込みで1980円で売られるようなケースがあります。
定価が130円の缶コーヒーが24缶なら3120円になるので、1140円も節約できる計算になるのですが、それでも販売する側にはしっかりと利益があります。
そもそも缶コーヒーの仕入れ価格は定価の半額以下です。余裕で利益が出る計算になります。だからこそ多くのスーパーでは缶コーヒーが80円ぐらいで売られています。
80円×24缶=1920円
なので、普通にスーパーで購入した方が節約になるケースが多いものです。しかもこちらの方がその時々に飲みたい銘柄を選ぶことも出来ます。
大量の仕入れを行う大型のスーパーほど仕入れ価格も安く抑えられ、輸送費も安くなるので70円、60円といった価格になることも珍しくありません。
ホームセンターのような大型てだとダンボールに入った缶コーヒーが、定価の半額以下で売られていることもあります。
ネット通販だけで価格比較をして節約できているつもりでも、近所のスーパーやドラッグストアの方が価格が安いケースは珍しくありません。
特に食料品や日用品のような比較的価格の安い商品の多くが、こちらケースに当てはまります。
もちろん競合するスーパーが少ない田舎や人件費や地価が高い地域のスーパーだと、これが当てはまらないこともあるのですが、多くの地域では日用品や消耗品のような比較的価格が安くて嵩張る物(大きな物、送料が高い物)は、ネット通販よりも実店舗の方が価格が安い傾向があります。
本やCDのような割引できない商品は、ネット通販の方がポイントによるバックが得られて節約になるものですが、そもそも定価で売られることが少ない食料品や日用品は、実店舗を利用した方が節約になるケースが圧倒的に多いという事を改めて認識してください。
ネット通販のセールやポイントバックにハマっている人ほど、この現実を見逃してしまいます。
昔の私もそうだったのですが、ポイント倍増セールにつられて近所のお店よりも割高な物を、ネット通販でよく購入していました。
高額商品はネット通販が有利?
比較的価格が安い日用品や消耗品ではなく、高額な商品ほどネット通販の方が安いと思っている人も多いと思うのですが、必ずしもそうではありません。
大型の家電量販店の店員さんに、スマホでネット通販の最安値の価格を見せ、
「これよりも安くなりますか?」
と言うと、結構な確率で割引に成功します。これは実際に家電量販店に勤めている知人から聞いたテクニックです。下手に交渉するよりもこちらの方が早く済むので、店員にとっても分かりやすいと教えてくれました。
最近はネット通販の普及もあって家電量販店は大変なので、最安値を示してきたお客さん用の対策マニュアルのようなものがあり、そのような人は価格だけでしか判断しないので、言葉巧みに値下げを渋るような交渉は行われないのだそうです。
そこに時間をかける(人件費を割く)より、さっさと終わらせる為にも、パッと割引するようなマニュアルがあるのだそうです。
ネット通販の最安値価格よりも価格を下げられないにしても、ポイントバックを増やしてくれたり、購入する電化製品に必要な乾電池をつけてくれたり、有料の保証延長サービスをつけてくれることもあります。
要するにネット通販の最安値が、本当の最安値だとは限らないということです。
意外と多くの人がこの落とし穴にハマっています。「4000円以上は送料無料」になるからと。それほどお得な価格ではない商品を組み込んでしまったり、必要以上にまとめ買いして無駄にしてしまうケースもあるので気をつけてほしいと思います。
まとめ ネット通販の上手な活かし方とは?
ネット通販はとても便利なので私も利用しますが、節約になっているつもりでも、実際にはそうでもないという事があるので気をつけてほしいと思います。
ネット通販だと自宅まで運んでくれるので、重たい商品などはあえて割高でも購入する価値があるかも知れませんが、これだって実店舗で購入した物でも配達してくれるスーパーがあるものです。
もちろんネット通販の方が安くて節約になるケースもあるので、上手に見極められるようになってください。
目安としては食料品や日用品のような比較的価格が安い消耗品は実店舗の方が安い傾向があり、専門店にしか売られていないような物はネット通販の方が安い傾向があります。
他にも釣具屋が一件しかない街であれば、ネット通販の方が安い可能性が高いですが、競合する釣具屋が多い街であれば、実店舗の方が安い可能性が高くなります。
また現物を確認する必要がある物もネット通販は向いていません。洋服などは写真と違うということが多いですし、細かなサイズや生地の質感もわかりません。
私も過去に失敗しているのですが、半額セールで1500円ぐらいになっていたセーターを購入すると、背中側のデザインが無くて驚きました。
悔しくて販売ページをチェックしてみると、後ろ側のデザインについてはいっさい触れておらず、モデルさんが着用している写真も全て前側しか見えませんでした。
そしてしばらくしてGU(ユニクロの弟分)に行くと、同じようなデザインのセーターが売られており、セールでもないのに1280円で売られており、しかも背中側にもしっかりとデザインがありました。生地の素材はどちらもアクリル100%なのですが、GUの方が厚みがあって良さげでした。
現物を確認できないネット通販にはこのようなリスクがあります。どんなに割引されてお得そうでも、そもそも安く作られている物の定価を高く設定し、半額でお得感をアピールしているケースも珍しくありません。
一方で既に所有していて評価が分かっている商品の再購入であれば、このリスクはありません。
ただし、既に所有している物を再び購入するということは、単純に消耗品という事が多いので実店舗の方が価格が安い傾向があります。
全く同じ洋服や靴を購入するようなケースでもない限り、意外と当てはまるケースが多くありません。
肌着や下着や靴下のような衣類であれば、全く同じ物を購入する人もいると思いますが、アウターのような衣類は、やはり試着できる店舗で購入した方が失敗が少なくなります。
試着をしてフィット感を確かめた上で、ネット通販で格安で購入するという方法もありますが、これは少しお店に失礼な方法でもあるので、あまり極端な事はしない方が良いのではないでしょうか。
家電製品を実店舗で確認してから、ネット通販で購入するという人も多いと思うのですが、その時に店員さんに「これよりも安くなりますか?」と確認してみてください。意外とあっさりと成功するものですよ。
私自身も節約家になる前はよくネット通販を利用していたのですが、最近は本(電子書籍が多い)ぐらしか購入することがなくなってしまいました。
昨年の楽天やamazonの購入履歴を確認してみたのですが、本以外で購入したのはパソコンと小型アンプ(オーディオ製品)だけでした。あとは個人店舗のサイトでスタッドレスタイヤを購入したぐらいです。
タイヤはカー用品店やホームセンターなどを事前にチェックし、交換工賃も含めて考えるとネット通販の方がお得な価格になりました。
パソコンの価格も家電量販店をチェックしたのですが、最近は私が求めているデスクトップパソコンがほとんど売られておらず、本体とモニターが一体になっているものばかりで割高だったので、BTOと呼ばれる好みのスペックを指定できるネット通販業者から購入しました。
小型アンプはそもそも家電量販店に売られておらず、地元にオーディオ専門店がないのでネット通販を利用しました。
これらのような専門性の高い物はネット通販と相性が良いのですが、日用品のような消耗品は実店舗の方が安いことが多いので、そもそもネット通販を利用する機会が減っていきました。
昔は服や靴もネット通販で購入していましたが、微妙にサイズが合わなかったり、思っていた色と違ったりすることが多かったので、きちんと試着が出来る実店舗で購入するようになりました。
洋服や靴にも個体差がありますし、前に試着した人のせいで型崩れしていたり、汚れている事もあるので、やはり現物を確認してから購入した方が満足いく結果になるものです。
最近のネット通販だと交換費用が無料というケースもあるのですが、それらの費用も商品価格に組み込まれているので、結局は実店舗の方が安くなる可能性が高いです。
また数年前から運送業界の人手不足や人件費高騰で送料が上がってきているので、益々ネット通販の優位性がなくなってきました。
もちろん実店舗に足を運ぶ手間や交通費や探す手間の事も考えると、ネット通販の方が有利なケースも多々ありますが、節約家こそしっかりと見極めるようにしましょう。
そもそも無駄な物を購入しない節約家には、意外なほどネット通販の出番は少ないものです。悪質なネット通販業者を見極めるのはもちろんですが、節約したつもりになるだけのネット通販の落とし穴にハマらないように、十分に気をつけてほしいと思います。
追記
「¥マネ得」というサイトで、こちらの記事の内容を元に出稿させていただきました。よければそちらの記事も参考にしてみてください。