メンタリストdaigoの意見は正しい?
少し前に当ブログのある記事に対して、問い合わせがありました。
問い合わせ内容を簡単に要約すると、
「メンタリストdaigoが、こんな風に言っているから、お前の意見は間違えだ!適当な事を書くな!」
といった感じです。
このような指摘をするのは自由ですが、その根拠となっている要素が、
「メンタリストdaigoが言っていたから!」
というところに驚きました。
おそらく問い合わせをしてきた人にとって、メンタリストdaigoさんの意見は絶対なのでしょう。
メンタリストdaigoさんに限ったことではありませんが、誰かの意見を妄信してしまうことにリスクがあります。
数年前に見たテレビでロシアの健康志向の強いお金持ちを中心に、日本食がブームになっていると紹介されていたのですが、現地の日本食のお店の一番人気のメニューが、なんと、
「天ぷらうどん」
でした。
確かに日本食ではありますが、少なくとも日本人には「天ぷらうどん」が健康に良いイメージはないと思います。
野菜たっぷりかき揚げがのった天ぷら蕎麦ならまだ良いとは思うのですが、そのロシアのお店では「エビの天ぷらうどん」でした。
「日本食=ヘルシー」
のような意見を何も疑うことなく受け入れてしまうと、このような結果になるのかも知れません。
その内に背脂たっぷりのギトギトのラーメンやかつ丼も、日本食だから健康に良いとか言われるようになるのかも知れません。
和食の多くは油を使わずに調理(煮る、蒸すなど)するので、フライパンに油をひいて調理することが多い中華や洋食よりもヘルシーな傾向があるのですが、流石に天ぷらは当てはまりません。うどんも糖質の塊です。
他にも煮物系には砂糖やみりんがたっぷりと使われる事がありますし、日本食だからといって健康に良いとは限らないものです。
こんな事は少し考えれば誰でもわかることですが、妄信していると気がつけないのかも知れません。
自分のフィルターを通そう!
私自身もメンタリストdaigoさんの本を何冊か読んでいますし、科学的な根拠やデーターを元に解説してくれるので、とてもわかりやすくて素晴らしい情報だと思っています。
実際に多くの人の参考になるとは思いますが、だからといって科学的な根拠があるものが、全ての人に当てはまるわけではありません。
一般的によくある科学的な根拠の例として、
「□□大学が行った調査によると、○○をした学生は、○○をしていない学生と比べて、△△が12%向上した」
のようなものがあるとします。
○○をした学生が△△が12%向上したといっても、全ての学生が12%向上したのではなく、あくまでも平均値です。20%向上した学生もいれば、2%しか向上しなかった学生もいたかも知れません。
他にもその実験を行った学生のうちの割合で、「6割の学生が向上した」というケースだと、逆に言えば4割の学生には効果がなかったということでもあります。
効果がない方に自分が当てはまっても不思議ではありません。
コーヒーに含まれているカフェインによる覚醒作用は有名ですが、これだって全ての人に当てはまるわけではありません。
毎日コーヒーを5杯飲まないと眠くなる人もいれば、たった1杯でも眠れなくなるという人がいます。耐性が出来て効き目が弱くなってくる人もいるでしょう。
「毎日コーヒーを3杯以上飲んでいる人は脳梗塞になりにくい」
といった調査結果があったとしても、全ての人に当てはまるわけではないとうことです。
もちろん参考にするのは良いのですが、あくまでも自分のフィルターに通してから判断しなければなりません。
カフェインはコーヒーだけに含まれているわけではないので、頻繁に緑茶や紅茶を飲む人であれば、同じような効果があるかも知れませんし、多くの栄養ドリンクにもカフェインが含まれています。
コーヒーといってもブラックで飲む人もいれば、糖分や油分たっぷりの甘い缶コーヒーを飲む人もいます。
甘い缶コーヒーを3本も飲んでしまうと、カフェイン以外の成分で問題になるかも知れません。
自分のフィルターに通すことなく鵜吞みにしてしまうと、このようなリスクがあるという事です。
メンタリストdaigoさんの意見を参考にする事が悪いとは言いませんが、自分の体感を無視して鵜吞みにしてしまうと、相性が悪いものまで取り入れる事になってしまうかも知れません。
メンタリストdaigoでも疑ってみよう
メンタリストdaigoさんに恨みがあるわけでもないですし、どちらかと言えば好きな方なのですが、あえて疑う視点を持つことも大切です。
ある動画で腹筋を鍛えるアブローラーというグッズに科学的な証明がないと紹介していたそうなのですが、実際にアブローラーでバキバキの腹筋になった人の反論動画がありました。
私も友達の家にあった腹筋ローラーを使用したことがあるのですが、強烈に腹筋が刺激されて翌日にとんでもない筋肉痛になったことがあります。
メンタリストdaigoさんが引用した研究そのものが間違っているのかも知れませんし、研究や検証の方法が間違っていたのかも知れません。
別にメンタリストdaigoさんの意見が間違っていると言いたいわけではないのですが、自分のフィルターや体験を軽視してしまうと、思わぬ落とし穴にハマってしまったり、返って遠回りしてしまう事があるかも知れません。
もちろんこれはメンタリストdaigoさんにだけ当てはまる事ではありません。あらゆる情報に対して当てはまります。
「酒は百薬の長」といったものが当てはまる人もいるかも知れませんが、アルコールを受け付けない体質の人には毒でしかないように、あくまでも自分でしか判断できない事があります。
私もメンタリストdaigoさんの本や動画をありがたく参考にさせてもらっていますが、あくまでも自分で判断することを忘れないでください。
まとめ 科学的な根拠も変わる
科学の進歩で根拠が変わることは珍しくありません。現在の物理学では説明できない事はたくさんありますし、前提となっている物理学に問題があるケースだって考えられます。
私はメンタリストdaigoさんが眼鏡をかけていた頃の古い本も持っていますが、当時の意見と現在の意見で違うところがあるものです。
最新の研究ほど参考にするべきなのかも知れませんが、それだって数年経つと間違いだったということになるかも知れません。
電子タバコが普及してきた頃というのは、様々な研究者が「タールが出ない分、紙のタバコよりも安全」といった事をアピールしていましたが、最近は電子タバコならではの健康リスクが問題になってきました。
少し前までは擦り傷が出来ると消毒して絆創膏などを張るのが一般的でしたが、現在は消毒液が傷を修復する免疫細胞まで弱めてしまうことがわかったので、擦り傷に挟まっているかも知れない異物を水で流すだけが良いとされています。消毒しない方が傷跡も綺麗になるのだそうです。
昔の人の「唾をつけておけば治る」も、意外と悪くなかったのかも知れません。動物だってなめるだけです。
そもそも何かしらの研究をする時というのは、理由はわからないけど効果を実感している人がいるからです。
先に何かしらの効果や成果があり、その理由を調べる為に研究するのが本来の流れのはずです。
個人の人が発見した素晴らしいことでも、科学者が研究してくれないと科学的な根拠とはなりません。
だからといって、間違っているとも限らないわけです。
逆に科学的な根拠があったとしても、自社の製品の有効性を高める為に都合の良い結果だけを公表するケースも考えられます。これも覚えておいてください。
育毛シャンプーや育毛剤などが分かりやすいのですが、それぞれの会社が科学的なデーターを持ち出してアピールしているものですが、よくよく調べてみると病院でAGAの治療を受けていたりするものです。
あるダイエット器具では中年になってお腹が出てしまった芸能人が2ヶ月でスリムな体型を手に入れた!とアピールされていたのですが、その商品のページを確認してみると、目立たない箇所に小さな文字で
「この製品の単体の効果ではありません」
という注意書きがあり、その2ヵ月で同時に行っていた運動や食事制限が公表されていました。その内容がかなりハードなものであり、「そりゃ~痩せるわい!」と思わず声に出してしまいました。
他にも保険商品なども分かりやすいかも知れません。そもそも保険というのは困った時にしか役に立たないので、なかなかメリットを実感する事ができません。
それだけだと契約する理由として弱いので、いかに不安を煽るかが勝負の分かれ目になります。
その不安を煽る材料として都合の良いデーターばかりを並べてくるわけです。滅多にないケースの不安まで過剰にアピールし、「そのままでは危ないですよ!」と恐怖を植え付けてきます。
それらのデーターが必ずしも間違いだとは言いませんが、少なくとも都合の良いデーターだけを取り上げているので、必ずしも消費者にとって当てはまるとは限らないわけです。
専門家が言っているからと何も考えずに鵜吞みにしてしまうと、思わぬ落とし穴にハマってしまうかも知れないので気をつけてほしいと思います。
メンタリストdaigoさんの意見は最新の研究を元に紹介している事が多いので、参考にする対象としては素晴らしいと思いますが、それらの意見だって必ずしも正しいとは限らないということです。
あくまでも自分の体感を大切にしてください。
科学的な証明がされているものでも、合わないものは合いません。
汁物が多い日本食を食べている日本人とハンバーガーばかり食べているアメリカ人では、身体が必要とする栄養や水分量が違っても不思議ではないはずです。
アメリカの大学の研究結果が、気温も湿度も人種も食文化も違う日本人に当てはまるとは限りませんし、全く逆の結果になるかも知れません。
中性のヨーロッパではビタミンC不足による壊血病が蔓延していたのですが、同じころの日本では全く問題になっていませんでした。この理由はお茶を飲む文化だったり、野菜や果物が取れない冬場でも漬物を食べていたからとも言われているのですが、地域が違えば条件が違うのも当たり前の事です。
ミネラル成分が豊富な硬水が多い国の研究結果と、軟水が多い日本では不足する成分も変わってきますし、○○を取ったからといって他の国の人に当てはまるとも限りません。
私が指摘された記事の内容も、私個人の体験を元に紹介しているものなので、科学的な証明があるわけではないのですが、中には私と同じように効果がある人がいるかも知れません。
科学的な根拠が乏しい磁気ネックレスやパワーストーンのようなものでも、手放せなくなるほど抜群に効く人がいるものです。
「そんなものはプラシーボ効果だ!」と片付けてしまう人もいるのですが、プラシーボ効果でも本人が効果を感じているなら立派に目的を果たしています。
お守りのご利益などにも科学的根拠はありませんが、信じている人にとっては心のよりどころとして機能するので、実際に気持ちが落ち着いてリラックスし、ベストパフォーマンスを発揮しやすくなる事があります。
科学的な根拠を求める事が悪いわけではないのですが、そこだけに執着してしまうと企業や研究機関にとって都合の良い根拠に振り回されてしまうかも知れません。
そのような情報ばかりに囚われて意外と遠回りしている人が意外と多いかも知れないので、自分の体験や体感も大切にしてほしいと思います。
もちろん参考にするべき情報源としては、エビデンスや一次情報に触れる事は大切なので、そこを否定しているわけではありません。
追記
ある事を思い出したので追記します。
20年ぐらい前に図書館で借りた本の中に、とても気になる情報がありました。誰が書いたかもタイトルも覚えていないのですが、外国の科学者の本を翻訳したものです。
うる覚えで申し訳ないのですが、その中に
「癌は血液を浄化するシステムだ!」
というものがありました。血液が癌細胞の中を通ると綺麗になるという説です。
癌が出来るのは綺麗な血液が必要な箇所であり、手術で癌を取り除いてしまうと近くに同じような癌ができ、これが転移するメカニズムだという内容でした。
この仮説は現在でも主流にはなっていないので、科学的な証明はされていないのですが、もしかしたら今後に証明される事なのかも知れません。
血圧が高くなる人というのは、血圧を上げないと身体の隅々まで血液が届けられなくなったからです。
運動不足による筋肉量の低下で血流が悪くなったのか、食事のバランスや水分が不足して血液がドロドロになっているのか、ストレスに対抗するためなのか、何かしらの理由があって血圧を上げる必要があります。
それらを無理やり薬で下げてしまうと、血圧が上がってしまった何かしらの理由を改善することが出来ません。
もちろん血圧が危険水域に達しているのであれば、お医者さんの管理を元に無理やりにでも薬で下げた方が良いのですが、それだけでは問題は解決しません。一生薬をのみ続けることになってしまいます。
風邪による発熱も同じです。身体の免疫システムを活性化する為にあえて体温を上げているのであり、それを無理やり薬で下げてしまうと、免疫システムが有効に働かなくなり、回復が遅くなってしまいます。
風邪の症状を抑える咳止め薬なども同様です。病原菌やウイルスを効率よく排出するための生体反応を薬で抑えてしまうと、むしろ回復が遅くなってしまいます。
こちらも脳の損傷を与えるリスクのある高熱になっていたり、生活に支障が出るレベルの咳や鼻水が出ているのであれば、適切に薬でコントロールする必要がありますが、ちょっとした微熱で薬を飲んでしまうと風邪が長引いてしまうものです。
稀に手術でも取れない癌が奇跡的に消えて治るケースがありますが、もしかしたら生活習慣を改めることで血液が綺麗になり、癌の必要性がなくなって消滅したのかも知れません。
科学的な根拠が悪いわけでもありませんし、軽視しろと言いたいわけではありませんが、科学的に証明されていないからといって、必ずしも効果がないということではありません。
アメリカの軍隊でも東洋医学の鍼灸(ツボ)が取り入れられています。現在の科学では証明できないことでも、多くの人が効果を実感するものは珍しくありません。
参考にするべき対象として最新の研究結果は素晴らしい選択肢ではありますが、だからといって自分の体感を無視するような事はしない方が良いのではないでしょうか。
亡くなった私の祖父も長年腰痛に悩まされており、名医がいることで有名な病院で外科手術を受けたのですが、腰痛は改善しませんでした。
背骨の軟骨がつぶれて飛び出た神経を刺激していることが腰痛の原因だということで、軟骨を取り除く手術を受けたのですが、その後何年経っても痛みは消えませんでした。
その祖父が近所の鍼灸院で針をうってもらうと、二週間ぐらい痛みが消えるとのことで亡くなるまで通っていました。
もしかしたら腰痛の原因が、軟骨が飛び出たこととは関係なかったのかも知れません。
科学的な検査や証明が悪いわけではありませんが、多くの人に有効な方法だとしても自分にも効果があるとは限りません。
もちろん針を打つ事も誰にでも効果があるわけでもありません。そちら側だけを勧めたいわけでもありません。
この辺の事は自分で判断するしかないので、自分の体感を大切にしてほしいと思います。
もちろんメンタリストdaigoさんの意見を参考にするのが悪いのではありません。ただ鵜吞みにするのではなく、しっかりと自分のフィルターを通してから判断するようになってほしいと思います。