離婚後の立ち直り方とは?
今回は節約の話とは違うのですが、先日、久しぶりに同級生(A)から連絡があり、飲みに行くことになりました。
たわいもない会話をして楽しかったのですが、本題は半年ぐらい前に離婚した別の同級生(B)のことでした。
Bとは学生時代は仲が良かったのですが、卒業後に一度も会っていません。
Bは離婚してから仕事も辞めてしまい、誰とも会わずに実家に閉じこもっているようで、離婚経験者である私にAがアドバイスを求めてきました。
Bがどのような経緯で離婚したのかわからなかったので、これといったアドバイスが思いつかなかったのですが、後日にAがBに私と会ったことを連絡をしたようで、私もいるなら飲みに行ってもいい、という連絡が来ました。
これは責任重大だなと思い、事前にネットで離婚後の立ち直り方について調べてみたのですが、どれも自分の離婚後の気持ちとは当てはまるようなものではなく、なんだか適当で無責任な意見が多い印象を受けました。
そもそも離婚をした理由というのは、当人同士でしかわからないことです。誰もが分かりやすい浮気や暴力や借金というものがあるとは限りません。
この離婚した理由がそれぞれなので、立ち直り方もそれぞれです。
離婚後の立ち直り方に正解などありません。あくまでもそれぞれの人の体験談でしかないということです。
私が離婚後に立ち直った方法
私が離婚後の立ち直った経緯について改めて考えて見ると、これといった具体的な方法があるわけではありませんでした。
気を紛らわせる為に色々な事をやっていた時期もあるのですが、むしろそのような事をやると後に揺り返しがやってくるので、益々落ち込んでしまいました。
よくよく考えてみると、離婚して5年以上経ちますが、今でも立ち直っていないのかも知れません。
結婚相手の事が嫌いになって自ら離婚を申し出た側というのは、立ち直るのも早いと思うのですが、そうではない側というのは簡単に立ち直れるものではありません。
むしろ私は離婚のショックから立ち直ることを諦めた時に、全てが楽になっていたことを覚えています。
他の事で気を紛らわせるのではなく、飲み込んだ瞬間にフッと身体が軽くなりました。
これは離婚後のショックから立ち直ったという感覚ではありません。
傷口が綺麗にふさがったから立ち直れたのではなく、包帯を巻いたまま生きていくことを受け入れたような感じです。
この立ち直り方が全ての人に当てはまるわけではありませんし、離婚直後にこの心境になれたわけでもありません。半年から1年ぐらいは掛かったと思います。
どのタイミングで受け入れられるのかも人それぞれなので、一概に正解があるわけではありません。
もし大切な人が亡くなってしまうようなショックな事があれば、一生掛かっても受け入れられないかも知れません。
離婚後のショックで落ち込んでいる人に対して、周囲の人がしてあげられることというのは、何か特別な方法があるのではなく、ただただ寄り添う位の事しかないように思います。
このように改めて自分が離婚後にどのような経緯をたどったのか分かったので、Bとの飲み会を快諾しました。
離婚したBとの飲み会
数十年ぶりに再会したBはやつれていました。
離婚前の顔を知らないので、どれぐらい影響があったのかはわからないのですが、学生時代の元気な姿とは別人になっていました。
とりあえず乾杯をした後、私はさっそく離婚の話をしました。
私が離婚した後、周囲の人が気をつかって離婚の話を避けてくれたのですが、その気遣いが逆に苦しかったことを経験していたので、直球勝負することにしました。
だからといって
「なんで離婚したの?」
というようなことではなく、
「お前もバツイチか!仲間が増えたわー」
といった感じで切り込みました。するとBが笑ってくれました。その後もBの事を根掘り葉掘り聞くのではなく、私自身の離婚後のエピソードを話しました。
「バツイチの女にモテるようになるぜ!」
と言うと、
「え?なんで?」
と食いついてきたので、
私「バツイチ同士ってわかると、それだけで仲間意識みたいなのが出来て、距離が近づくんだよ」
B「へー、そんなもんか~」
私「東京とかで同郷の人と会った時のような、それだけで親近感がわくような感じ」
B「あ~、なるほどなぁ」
と言葉少なくですが、笑顔で反応してくました。
私自身もそうだったのですが、離婚直後というのは過去の事ばかりを考えてしまいます。何を見ても後悔ばかりが沸き起こってきます。
だから私はBに対して未来の話だけをするように心がけました。
しばしば私がバツイチだと知ると、
「なんで離婚したの?浮気?」
と言ってくる人がいるのですが、簡単に離婚の原因を説明できるほど単純なものではありません。
よく芸能人が離婚をした時に「価値観の違い」と言って言葉を濁しますが、まさにその言葉ぐらいでしか説明できないものです。
それがわかっていたので、Bが離婚した原因を聞かなかったですし、Bからも話しませんでした。
そして、
「またどこかで飲もうな!」
と言うと、
「ああ、またな」
と返してくれ、連絡先を交換しました。
あくまでも曖昧な予定ですが、この未来の約束をとることが今回の飲み会の目的でした。
周囲の人に出来ることなど、これぐらいしかありません。
逆に「来週の日曜日に○○に行くぞ!」のような予定を決めてしまうと、気持ちの揺れが大きい時だと負担になってしまいます。
気持ちが落ち着いて自らの意思で動くまで待ってあげることこそが、周囲の人が出来ることなのではないでしょうか。
気持ちの揺れが大きい時に、安易に離婚から立ち直る方法などを試してしまうと、益々落ち込んでしまう可能性が高いので、余計な事はしない方が良いかと思います。
まとめ 落ち込みたい時は落ち込もう!
自己啓発のテクニックなどで、無理やり上げたやる気やテンションは長続きしないものです。
風邪をひいて熱を出している時に、無理やり解熱剤で体温を下げてしまうと、免疫力が弱まって治るのが遅くなってしまいます。
もちろん高熱の場合は医者の管理の元に制御するべきですが、ちょっとした揺れ動きであれば、自らの力だけで元に戻そうとするものです。
これは気持ちの落ち込みにも当てはまります。
重度の鬱病であれば精神科の薬で落ち着かせる必要がありますが、ちょっとした揺れ動きに対してまで安易に薬に頼ってしまうと、薬が切れた時に勢いがついて一気に落ち込んでしまいます。
離婚後のショックを紛らわせる方法も同じです。
無理やり気を紛らわせてしまうと、必ず揺れ返しがきます。
離婚後のショックで何もしたくない時は、何もしなくて良いのだと思います。
黙ってうずくまっていても、お腹が空いたり喉が渇きますし、トイレにも行きたくなります。眠れない日が続くと、その内に眠たくもなります。
人間は生きているだけで様々な欲求が働くので、何もしたくなくても何かしたくなるものです。
ずっと家の中にいると、たまに散歩をしたくなるタイミングがやってきます。
そのような事を繰り返しながら、徐々の揺れが収まっていき、身体も心も健康を取り戻していきます。
この時に曖昧な予定があると、自らの意思で足を踏み出してみようかと思えるわけです。
周囲の人が出来る事というのは、このタイミングで反応してあげることなのではないでしょうか。
私自身が離婚した直後にも、よく飲みに誘ってくれる先輩がいたのですが、その誘いがイヤでイヤで仕方がありませんでした。
善意で誘ってくれている事もわかっていたので、イヤイヤ飲みに行ったのですが、とんでもなく身体が疲れてしまい、気持ちもドンと落ち込んでしまいました。
一方で一度だけ連絡をくれた友人が、「落ち着いたらまた飲みに行こうぜ!」と言ってくれ、それがとても嬉しかったことを覚えています。
実際に離婚して半年後ぐらいに私の方から連絡をして、その友人と楽しく飲むことが出来ました。
人間の身体はとても良く出来ているのだと思います。
やりたくない事に対しては全身で拒否反応を示します。その反応を無視してしまうと、とんでもない疲労になってしまいます。
一方でやりたい事に対しては、それほど疲労も感じません。
これは当たり前のことですが、離婚から立ち直ろうとする方法の多くが、前述の拒否反応を示してしまう行為に当てはまるので、気をつけてほしいと思います。
落ち込みたい時は、全力で落ち込んでください。
むしろ早く立ち直ろうと頑張ってしまうと、長引いてしまいます。
落ち込んでいる事に罪悪感を感じるのではなく、心から落ち込んでいることを受け入れて休んだほうが、結果的に心も身体も早く回復してくれます。
離婚をした本人も周囲の人も含めて、そこまで焦らずに待つことこそが、離婚から立ち直る方法なのだと私は感じています。
おまけ 上手な落ち込み方
ちなみに私が離婚直後で何もやりたくない時に、よく見ていたのが「水曜どうでしょう」という番組です。
これについては別のところで詳しく紹介したことがあるのですが、水曜どうでしょうを見ている時だけが、離婚の後悔から解放されていました。
全ての人に「水曜どうでしょう」という番組と相性が良いとは言いませんが、ただただ没頭できる対象が見つかると、落ち込んでいる期間の心の支えになってくれると思います。
映画やドラマだと恋人や夫婦関係の話が多く、ついつい気持ちが揺れ動かされてしまうので、ゲームのような世界も相性が良いかも知れません。
そのような対象に没頭している時も、
「このままじゃダメだ・・・」
と焦るのではなく、
「今は充電中だからゆっくりと身体を休めよう」
といった感じで過ごしていると、その内にフッと身体が軽くなる瞬間が訪れ、何か行動をしたくなると思いますよ。