睡眠の常識はウソだらけ
今回紹介する本は堀大輔さんの「睡眠の常識はウソだらけ」です。久しぶりにワクワク(イライラ?)しながら読み進めることが出来る本と出合いました。
色々な意味で、とても面白かったです。
巷によくある睡眠の本とは一線を画す内容になっています。
著者である堀大輔さんは一日の平均睡眠時間が45分以下という、とんでもないショートスリーパーの方です。
しかも生まれ持ったショートスリーパーではなく、独自の理論を元にショートスリーパーになった方です。
ざっくりと本の内容をまとめると、たっぷりと寝ることが身体に良いとは限らないよ、という感じです。
私自身はぐっすりと寝た日の方が明らかに身体の調子が良く、何かしらの事情で寝不足になるとパフォーマンスが落ちることを実感しているので、ショートスリーパーに賛同するわけではないのですが、このような自分とは違うタイプの人達がいるということを学べるという意味では、とてもおすすめの本です。
自分の常識は非常識?
世の中には科学的な根拠があるものしか受け付けないタイプの人がいますが、そもそも科学はまだまだ不完全なものです。
常にアップデートされていくものなので、現在の最新の研究結果が10年後には全く反対になっていることも珍しくありません。
また多くの人が実感する結果になっていたとしても、科学的な証明が的外れだったというケースもあります。
有名なのは「ひじき」の鉄分の含有量です。
少し前までは鉄分が豊富な食べ物の代名詞として「ひじき」がありましたが、その元となったデーターを採取する時代は鉄鍋が主流だったので、その鉄分を吸着しやすいだけでした。
なので現在普及しているステンレス鍋などでは、鉄分が僅かしか含まれていません。
このように今後の科学の進歩で、現在の主流のものがどんどん覆っていく可能性があります。
カフェインは眠気覚ましになると言われていますが、私は朝にコーヒーよりもカフェインが多い紅茶を飲んでも、何だかスッキリとしません。
カフェインが多く含まれている栄養ドリンクなどでも同様です。とにかく朝はコーヒーを飲まないと、頭がモヤモヤとした一日になってしまいます。
もしかしたらコーヒーに含まれている別の成分や香りが、眠気覚ましに影響しているのかも知れません。
これはあくまでも私個人の体感ですが、どんなに科学的な根拠を元にカフェインによる覚醒効果だと説明されても、ダメなモノはダメです。
単純にコーヒーでないとダメだと思い込んでいる私自身が、頭のモヤモヤを引き起こしているのかも知れません。
もしかしたらカフェインレスのコーヒーを知らずに飲んでみると、スッキリするかも知れません。
これらのように科学的な根拠を否定するわけではありませんが、個人の体感も軽視するべきではありません。
- いくら科学的な根拠があったとしても、大抵は100%ではありません。あくまでも「67%の人に反応が出た」というようなことであり、全ての人に当てはまるとは限りません。
- 67%の内訳を見ると、
- 凄く効果があった10%
- 少し効果があった20%
- 効果があった気がする37%
のような事かも知れません。
もちろん参考にするべき意見として、科学的な根拠がある方が望ましいのですが、それらを何も考えずに鵜吞みにしてしまうと、自分には合わないものを続けてしまうことになってしまいます。
この自分の体感を大切にするためにも、他人の体感に耳を傾ける余裕が必要です。
この自分の常識や世間一般の常識とはまるで違う側の意見を知るという意味でも、「睡眠の常識はウソだらけ」はとても参考になる本だと感じました。
眠れない不安
当サイトでも睡眠の重要性について色々と紹介してきましたが、それらも全ての人と相性が良いとは限りません。
またショートスリーパーという人がいるということを知るのも大事です。自分の常識では考えられない人がいると知ると、自分の中の判断基準の物差しが伸びていきます。
自分の体感だけの基準だったり、科学的な根拠だけの基準しか持ち合わせていないと、
「そんな短い睡眠時間だと身体を壊すよ!」
と押し付けてしまいます。
一方で短い睡眠時間でも問題のないショートスリーパーというタイプの人がいることを知っていると、
「3時間でいいの?凄いねー」
と受け流すことが出来ます。
だからといって無理に真似をする必要もありませんが、毎日3時間ぐらいしかぐっすりと眠れなくて、毎朝布団の中で目をつぶりながら目覚まし時計が鳴るまで待っている人であれば、
「あ、それでもいいんだ!」
といった新たな発見になるかも知れません。
元々ショートスリーパーなのかも知れませんし、加齢に伴って身体が変化してきたのかも知れません。
眠れなくても布団の中で7時間は横になっていないと身体が休まらないと信じ込んでいると、このような気づきが得られません。
堀大輔さんの「睡眠の常識はウソだらけ」を読むと、眠れない不安を抱えている人が楽になる可能性があります。
7時間以上は布団の中にいなければならない!といった強迫観念から解放されるかも知れません。
一方で私のようなロングスリーパー(?)の人からすると、
「そんなわけあるかい!!!」
と思わず関西弁でツッコミを入れたくなる内容も多いです。
「昼寝はOKなんかい!」
「そんなにビタミンCを取ったら内臓に負担が掛かるだろ!」
といった感じで、たくさん反論したくもなるのですが、それも含めて面白い内容の本でした。
まとめ 反対側の意見も知ろう!
私自身はショートスリーパーではありませんし、ぐっすりと7時間ぐらい寝た方が明らかに身体の調子が良いのですが、「睡眠の常識はウソだらけ」はとても面白く読むことが出来ました。
多くの人が自分の考えに近い情報ばかりを集めてしまうものですが、あえて反対側の意見に耳を傾けることも大切です。
私は節約関連の情報が気になるのですが、一方で投資やマーケティング関連の本もよく読みます。
そこから新たな発見があったり、相手側の思惑が見えてくるようになるので、自分の中の基準が広がっていくことが面白いと感じています。
堀大輔さんの「睡眠の常識はウソだらけ」は、まさにこの面白さが詰まっています。
個人的な感想を言うと、ほとんど受け入れられないのですが、私が受け入れられないからと言って、それが間違いだとも思いません。
当サイトではダンボールに安価なスピーカーユニットを取り付けた、純セレブスピーカーなるものを紹介してきたのですが、これも一般的な常識で考えていると、とても受け入れられるものではありません。
ですが、たまたま試してみると、びっくりするぐらい澄んだ音が響いて虜になってしまいました。
この純セレブスピーカーの凄さを科学的な分析で証明されているマニアの方もいるのですが、私はそのようなデーターを見ても何もわからないので、自分の体感を大切にしています。
「睡眠の常識はウソだらけ」も人によっては抜群に相性が良いかも知れませんし、私のように全く合わないという人もいると思います。
どちらが正しいかというよりも、自分のフィルターを通して決めることが大切です。鼻から否定してしまうと、自分の物差しを狭めてしまうことになります。
久々に読書をしながらワクワクとさせられました。面白過ぎです。
睡眠に悩んでいない方でも、一読する価値があると思いますよ。
強者や権威の逆鱗に触れないように、やんわりと指摘する本が多い中、「睡眠の常識はウソだらけ」は振り切っています。
むしろ私のようにぐっすりと眠りたい方に読んでもらいたい本です。
よく年を取るとは眠りが浅くなって朝早くに目が覚めてしまうと言いますが、人によっては何もそれで問題がないのかも知れません。昼寝でもOKだと知るだけで価値があります。
若い頃のように身体を動かさなくなり、身体の代謝も落ちてくれば、睡眠による回復に必要な時間が変わってもおかしくありません。
尿意で目が覚めるからと就寝前に水分を控えたり、睡眠薬を飲むようになると、余計なリスクを背負ってしまいます。
しっかりと自分の体感と向き合う為にも、様々なタイプがあると知ることは有益だと思います。
節約家の中にも周りに意見を押し付けて迷惑をかけている人がいるので、自分の中の基準を広げる為にも「睡眠の常識はウソだらけ」はおすすめですよ。
追記
あくまでも私個人の感想としては、「睡眠の常識はウソだらけ」の内容には疑問をもっています。この本の内容を推奨する為におすすめしたわけではありません。
振り切っている面白い読み物として、おすすめしています。
自分の可能性を広げてくれる良書という感じです。
本や新聞に書かれているからと鵜吞みにするのではなく、しっかりと自分の体感を大切にしてほしいと思います。