パワーポーズとは?
今回紹介する本は節約とは直接関係ないのですが、とても興味深い内容の本だったので紹介させてください。
タイトルは「パワーポーズが最高の自分を創る」という本です。著者はエイミーカディさんという社会心理学が専門のアメリカ人女性です。
この本から得られる知識は一生モノになると思います。
日常のポーズ、姿勢の僅かな違いで、周りの人から見られる印象だけではなく、自分自身の身体の内側に変化があると知ることができます。
あまりネタバレになるようなことは書けませんが、私なりの解釈を交えて紹介します。形から入る重要性が学べると思います。
外見の変化
芸能人でもない限り、自分の外見を客観的にチェックする機会はそう多くありません。鏡の前の自分は反射して反転していますし、それも正面しかチェックできないものです。
周りの人はむしろ正面から向かい合うことは少ないものです。あらゆる角度からその人の状態を感じ取ります。
その時に最も印象に残るのが姿勢です。
後ろや横から見ると姿勢は一目瞭然です。鏡の前だけ姿勢を正してもあまり意味がありません。
洋服や髪型、身だしなみを整えることも重要ですが、姿勢から醸し出される雰囲気というものは、相手に対して無意識に様々な情報を与えています。
この気づきはとても大切です。仕事でも恋愛でも判断基準の一つになります。
足組みや腕組みは思考が内側に入っているので、その状態の人を説得するのは至難の技です。まずは謝罪なり会話を変えるなりして、相手をリラックスさせて腕組みをやめさせることが大切だと知ることができます。
よく髪型や洋服を整えることに意識がいくものですが、「パワーポーズが最高の自分を創る」を読むことで、それだけではないということを知ることができます。姿勢や表情なども含めて外見は判断されます。
内側の変化
そしてパワーポーズの醍醐味は、パワーポーズを取った途端に身体の内側から変化があるという点です。
自信満々のポーズで周囲の人から頼もしく見えるようなことだけではなく、実際に自分自身への効果があります。これはカラ元気のようなことではありません。
力がみなぎるようなポーズというのは、そのポーズを形作った瞬間に交感神経優位に傾き、やる気ホルモン(男性ホルモンやドーパミン)が出やすくなります。
逆のうつむいたり、落ち込んでいるポーズをすると、副交感神経が優位になり、やる気がそがれてしまいます。
やる気のある姿勢や表情というのは、周りから見てもわかりやすいですし、実際に周りからの評価が上がりやすくなりますが、パワーポーズは周りの評価の前に、まず自分自身の評価を上げる効果があるということです。
試してみるとわかりやすいのですが、落ち込んでいる時の姿勢でポジティブな思考をするのは非常に難しいです。身体が壁にもたれてうなだれていると、脳までうなだれてしまいます。
心から喜ばしいことや嬉しいことがあると、誰もうなだれることなどできません。元気溌剌になるのは当然です。
何となくこれらの事を理解している人は多いと思うのですが、それが近年の様々な研究で科学的に解明されてきました。
パワーポーズは外見の印象や気持ちの問題という意味だけではなく、生態的にも前向きになるように働きかけてくれるということです。
コロンブスの卵
人は楽しいことがあると笑いますが、笑っていると楽しくなってくるものです。
実際に無理やりにでも笑っていると身体はしっかりと反応します。筋肉が緊張状態からリラックス状態になり、横隔膜が上下して内臓の働きを活発にします。
パワーポーズにも同じような効果があります。落ち込んでいる時に、無理やりにでもパワーポーズをすると、思考をポジティブに持っていきやすくなるということです。
これだけでも覚えておいてください。悪い姿勢、崩れた姿勢、落ち込んでいる姿勢をすると、本当に内面が引っ張られてしまいます。
「気合いだ!」という精神論だけではないと言うことです。心の中でつぶやくだけでは効果がないかも知れませんが、全身を使って気合いが入ったポーズを取ることで、ホントに気合いが入ります。
その理由を詳しくは知りたい方は、是非「パワーポーズが最高の自分を創る」を読んでみてください。一生モノの知識になると思います。
まとめ 外見と内面の関係
「パワーポーズが最高の自分を創る」はかなり分厚い本なのですが、本当におすすめです。
知識として知っているだけで物凄く役にたちます。思考がネガティブになっている時に自らの姿勢を観察する習慣が身に付きます。
落ち込んでいる時に頭の中のネガティブ思考を無理やり変えるのは難しいですが、姿勢を変えるだけなら簡単です。行き詰った時に背伸びをするのは無意識の生体反応です。これを意識的に行うのがパワーポーズでもあります。
愚痴っぽくなっていたり落ち込んでいる時は、無理にポジティブに考え直すのではなく、まずは姿勢を正してみてください。嬉しいことや楽しいことがあった時の姿勢がベストです。
姿勢が悪いと周りの人から見た印象が悪くなるのは当然ですが、猫背は肩こりや腰痛の原因になることもあります。最近ではスマホやパソコンの影響でストレートネックの問題も増えています。
さらに猫背はポッコリお腹の原因にもなります。内臓の位置が下がりやすくなるので太っていなくてもお腹が出やすくなります。そして血流が悪くなり体調も悪化します。
姿勢の悪さは見た目の印象だけではなく、身体の健康や頭の中にまで影響があるということを覚えておいてください。
ちなみに人は上を向くと自然と笑顔になります。逆に下を向くと不機嫌な表情になります。
自分の意思とは関係なく顔の筋肉が勝手に変化します。逆に上を向きながらしかめっ面をするのは難しいです。顔の筋肉の収まりが悪くて維持できません。気づけば笑顔になってしまいます。
一方で笑顔のまま下を向くのも難しいものです。一時的には出来ますが、自然と不機嫌な表情に落ち着いていきます。
人は辛いことがあると猫背でうつむいてしまうものですが、嬉しいことがあると胸を張って前を向いて歩くものです。
ネガティブな感情を頭の中だけで解決できる立派な方もいるとは思いますが、姿勢が与える影響があるということを覚えておいてください。
気分転換で外出するというのは、筋肉がほぐれて血行やリンパの流れが良くなるだけではなく、脳内の感情を司るホルモンにも影響を与えるということです。
外出そのもので気分が晴れたというよりは、姿勢が良くなって交感神経優位に働き、活動的なホルモンが分泌されることで、気分が晴れるのかも知れません。もちろん血流やリンパの流れもよくなります。
「パワーポーズが最高の自分を創る」は本当に大きな気づきを与えてくれる名著です。機会があれば是非読んでみてください。
この本は節約とは直接関係ありませんが、ストレス発散で浪費や暴飲暴食をしてしまう人にも役にたつのではないでしょうか。上手に自分の思考と向き合うことができるので、様々な事を冷静に判断することができるようになります。
何となくイヤな気持ちになっている時などに、自分の姿勢の悪さに気がつけるようなことです。まずは姿勢を正して冷静さを取り戻してほしいと思います。
節約が出来ない方、衝動買いをしてしまう方は、もしかしたら姿勢が悪いのかも知れません。背中が丸まってネガティブな発想になっていると気がつくだけで、背筋を伸ばすことができます。
全ての原因が姿勢の悪さだとは言いませんが、何かしらの影響を与える可能性があるということを理解してほしいと思います。
日頃から自分自身の姿勢を観察する習慣を身につけてください。すると他人の姿勢からも感情の変化を見極められるようになります。本当に一生モノの知識が得られる名著だと思います。