節約はレジャー!

必ずしも高価な物が優れているとは限らないと思った出来事

高価な物は高機能?

先日、出張先で仕事が長引いてしまい、急遽ホテルに泊まることになりました。私と同じように別の会社の方も泊まるということで、二人でホテルにチェックインをしたのですが、そこで彼が胸元から高級そうなボールペンを取り出して、カッコよくサインをしていました。

「素敵なボールペンですね!」

と私が言うと彼は自慢げに、

「やはり高級なものは書き味が全然違いますよ、使ってみてください」

と貸してくれました。そして実際に書いてみると、とても書きにくくて驚きました。太くて重たくて惰性が働いてしまうのか、明らかにヘタな文字になってしまいました。流石にその事を告げるのは申し訳ないので、

「普通のボールペンとは全然違いますね~」

と言葉を濁したのですが、高価な物が必ずしも良いわけではないのだと改めて感じる出来事になりました。ちなみにそのボールペンは2万円もしたそうです。

高価になる理由

価格が高い物ほど品質が高い傾向があるものですが、必ずしも価格に見合って比例するわけではありません。

そもそも物の価格が高価になる理由というのは、品質を高めることだけとは限りません。

いわゆるブランド物と呼ばれるものに当てはまる事が多いのですが、品質を高めていった結果、高価になるのではなく、高価で売る為に余計な事をしているケースが珍しくありません

ボールペンの品質を高める為にインクや持ち手のグリップを改良するのは品質を高めることになりますが、そうではなくそもそも高い価格で売る為に、豪華な装飾や貴重な金属などを使用するケースがあります。

機械で作った方が安価で正確に作れるのにも関わらず、職人の手作業にこだわったりすることで、価格は何倍にも跳ね上がります。他にも広告費をかけたり、パッケージにこだわることなども当てはまります。

もちろん高価な価格で売るブランドは品質にもこだわっていることが多いですが、価格を吊り上げる為の余計な装飾によって使いにくくなるケースがあるものです。

どんなに使いやすいボールペンでも見た目がチープだとイヤだという気持ちもわかりますが、見た目やブランドだけにこだわってしまうと、肝心の品質を見落としてしまうものです。

価格の相場は王者が決める

そもそも物の価格というのは、その業種の王者が中心となって相場が決まります。シェアを一番もっているメーカーが決めた価格に合わせて、その他のメーカーが価格を決定します。

あるカー用品店で車のタイヤを購入する時に、その店のタイヤの価格表を見せてもらったことがあるのですが、王者であるブリヂストンのタイヤが一番高く、続いてヨコハマやダンロップなどがあり、順位が下がる度に200円ぐらいずつ価格を安く設定していました。

ブリヂストンのタイヤより価格の安いメーカーのタイヤの方が、必ずしも品質が低いわけではありません。圧倒的にネームバリューのあるブリヂストンと同じ価格だと売れないから価格を安く設定しています。

ブリヂストンのタイヤの品質が低いと言いたいわけではありませんが、巨大なメーカーの商品ほど大量仕入れや大量生産で生産コストは低く抑えられているので、単純にタイヤの原価が高いとは限りません。むしろ膨大な広告費用によって価格が上がっています。

タイヤの王者のブリヂストンだからといって、全てのモデルのタイヤの性能がダントツで一位ということではありません。実際に車雑誌のタイヤ比較テストでは、しばしば他のメーカーのタイヤの方が性能を上回るものです。

参考タイヤを安く購入する方法を知らべてみた

これは新しい業態の商品でも同様です。例えばカツラの価格が30万円ぐらいの相場だとすると、育毛や発毛といった別のアプローチで対策をする場合の価格設定が25万ぐらいになるようなことです。

実際には2万でも利益が出たとしても、より多くの利益を得る為にそのような価格設定になります。

当たり前のことですが、企業はより多くの利益を出すことが目的なので、少しでも安く仕入れて、少しでも高く売ろうとするのが当然です。

ライバルがいない状態ではどんどん価格が上がっていきますし、シェアをライバルメーカーに奪われると、そのライバルメーカーよりも価格を下げてシェアを取り戻そうとします。

これらのように品質の向上に合わせて商品価格が決まるとは限りません。大抵はライバルとの関係によって商品価格は決まっていきます。

洋服やバッグも高価な生地を仕入れて品質が向上したから価格が上がるのではなく、広告や宣伝にお金をかけてライバルメーカーよりもイメージを良くすることでシェアを奪い、価格を吊り上げていくケースがあります。

半額以下で売られているノーブランドの洋服やバッグの方が、原価率が高くて高品質だということは珍しくありません。

高価なブランド物が低品質というわけではありませんが、必ずしも価格に見合った品質があるわけではないということです。

高価さが活きるケース

一方で高価である事が求められるケースもあります。これは分けて考える必要があります。

例えば謝罪の際に持参する菓子折りなどは、安っぽさがあると効果が弱まってしまいます。必ずしも高価でなければならないわけではないのですが、誠実さが求められるケースでは相手に分かりやすく伝えられる要素が重要になるので有名で高価な物ほど効果が高くなる傾向があります

謝罪時によく利用されるお菓子として虎屋の羊羹が有名ですが、まさに高価で有名であることに意味があります。

もし虎屋の羊羹が価格を極端に下げてしまうと、おそらく売れなくなってしまいます。

ちなみに私は十年ぐらい前に一度だけ虎屋の羊羹を購入したことがあるのですが、入れ物の箱だけで三段階もあることに驚きました。

紙の箱、木の箱、桐の箱といった感じで随分と価格差がありました。恋人の両親に結婚の申し込みの為に持参するものだったので、一番安いのは失礼に当たるかと思い、真ん中の木の箱を選んだと記憶しています。

単純に虎屋の羊羹の味が好きで自分で食べるのであれば紙の箱で十分ですが、謝罪という意味では高価な桐の箱の方が効果が高まるようなことです。

他にも高級な商品を扱っている職種であれば、有名ブランドの洋服が求められます。いかにも安い洋服では偽物を扱っていると疑われてしまうかも知れません。

高価なボールペンも仕事で相手に契約書を記入してもらう時に効果を発揮するかも知れません。重要な契約のサインをする時に、チープなボールペンを出されると相手は不安になるかも知れません。

これらのように高価である事が求められるケースというものがあります。

あくまでも相手の基準に合わせる必要があるケースでは、自分の基準だけで判断しないでください。このようなケースにまで節約を意識してしまわぬよう気をつけてください。これらを混同しないことが大切です。

まとめ 自分が求めている機能と向き合おう

ブランドイメージに価値を感じるという人は好きに選べばいいのですが、機能性を求めている人は価格だけで判断しないようにしてください。

書き味の良いボールペンを求めているのであれば、1000円未満でも良い物はたくさん見つかりますし、たまに自宅で名前や住所を書くぐらいの役割しかないのであれば、100円ショップのボールペンでも十分です。

もちろん人前でボールペンを使うことが多いのであれば、そこに見た目の豪華さなどを加味するのは構いませんが、自宅で小説を書く為に書きやすいボールペンが欲しいという人にとっては、無駄な装飾や重たい金属には意味がないどころか、肝心の書き味にまで悪影響が出てしまいます。

これはあらゆる物の選び方に当てはまることです。

40型のシンプルなテレビを購入しようと家電量販に行った時に、当初の予定だったテレビが52800円で売られていたとしても、隣に59800円の多機能なテレビが売られていると、ついそちらの方がお得に感じて選んでしまう方が珍しくありません。

そもそもテレビの録画機能やBS・CS・ネット対応などを求めていなかったのに、お得だからと余計な機能があるテレビを選んでも、意味がないどころかリスクが増えてしまいます。

単純に7000円多く支払っただけではなく消費電力が増えてしまったり、リモコンが大きくなったり、メニューが増えて扱いにくくなってしまいます。さらにそれらの使わない機能が故障して修理に出すようなことになってしまうかも知れません。

予算の範囲内だからといって、求めていない機能にまで余計なお金をかける必要は全くありません。

私に高価なボールペンを貸してくれた彼も、おそらく本音では書き味ではなく人目を気にして選んでいたのだと思います。

ビジネス書には「ホテルマンは高価なボールペンや良質な革靴で上客か判断している」のような事が紹介されているので、それが重要なのだと感じているのであれば、彼の高価なボールペンも十分に役割を果たしています。

ただ本当に書き味を求めて選んでいたのであれば、全く目的は達成できていないということです。

料理が好きな主婦がプロ用の高価な包丁を購入してしまうと、メンテナンスが大変で使わなくなるかも知れません。むしろ小ぶりで軽くて研ぐのも簡単なテレビ通販の格安包丁の方が、ずっと相性が良いかも知れません。

うなぎの価格が上がっているのも品質が上がった(美味しくなった)からではなく、希少性が増しただけです。20年前に2000円で食べられたうな重より、最近の4000円のうな重の方が品質が高いということではありません。

高価な物=高品質な物

とは限らないので、しっかりと自分が求めている機能と向き合って上手に選んでほしいと思います。結果的に節約にもなりますし、余計な物(機能)が減ってフットワークも軽くなると思います。

追記

少し前にネットニュースで面白い記事を見かけました。それはJリーグのヴィッセル神戸のスペイン人監督がインタビューで、

「日本のボールペンは、なんでこんなに性能がいいんだ? スペインでも高級な店で手に入れたら、それなりのものはある。でも、日本はどのボールペンを使っても、インクが出ないなんてことはないし、滑らかで使い心地がいい。いったい、どうやったらこんなことが可能なんだ?」

と語っていました。日本の物の品質が高いのは有名ですが、ネームバリューや価格の基準がない外国の人ほど、物事の本質を良く見極められるのだと思います。

サッカー選手も有名で報酬の高い選手ばかりを集めても上手くいくとは限りませんし、選手の機能(技術や特性や体調など)を見極める必要があるので、しっかりと本質を見極められる有能な監督なのだと感じました。

高価な物ほど高品質な可能性が高いですが、自分で品質を見極める目がないと無駄に高い買い物になってしまうので、節約家の方ほど気をつけてほしいと思います。

もちろん高価(有名)である事が求められるケースでは上手く使い分けてください。全く同じお菓子でも有名デパートの紙袋に入っているだけで、効果が高まるケースがあるものです。

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節約はレジャーを書いている人

光司

光司

離婚を経て人生のどん底を味わってから節約に目覚めたアラフォー男子の光司(コウジ)です。 実際に役に立った節約情報やオリジナルの節約方法を紹介します。 お金のかからない健康法や節約が上手くいく人の考え方など、様々な観点から節約について紹介するブログを目指しています。 より詳しいプロフィールはこちら⇒ [詳細]

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