靴の中敷きで歩き方が改善!?
少し前に読んだ雑誌で、歩き方や姿勢を改善できる中敷きを開発している企業が紹介されていました。
最新の計測器でそれぞれの人の足に最適な中敷きを作れるらしく、「日本人の健康を足元から取り戻したい!」という内容でした。
当ブログでも靴の重要性や歩き方や姿勢について紹介しているので、凄く気になって詳しくその企業の製品ついて調べてみると、妙な違和感を覚えました。
それは靴紐を結ぶ事や正しい歩き方について一切触れていなかった事です。
そこの製品の中敷きさえ手に入れれば、誰もが姿勢良く綺麗に歩けるようになるといった感じの内容であり、それ自体は悪いわけでもないのですが、本気で日本人の健康を足元から取り戻したいのであれば、中敷きを替える前にしっかりと靴を履く事だったり、歩き方を指導した方が手っ取り早いのではないでしょうか。
スリッパのようなブカブカのフィット感の靴では、まともに歩けるないように、そもそもの靴選びや靴紐を結ぶようなことを軽視していると、根本的な問題解決になりません。
ブカブカの靴でも中敷きを替える事でフィットしやすくなるかも知れませんが、靴紐を結ぶ習慣がない人がそのような靴を履いたところで、大した効果などありません。
売りたい側の都合
商品を売りたい側の企業が自社製品の良さをアピールする事は当然の事ですが、その良さを改善する為の選択肢というのは、他にも色々とあるものです。
崩れた歩き方をしていて靴底のすり減りが偏っていると、中敷きを替えたところで良くなりませんし、ホームセンターや靴の量販店で売られている1000円ぐらいの靴に買い替えた上で、しっかりと靴紐を結んで正しい歩き方を意識した方が、よっぽど近道になるはずです。
匂い残りが気になるニンニクのみじん切りを簡単に出来てしまう便利グッズを購入するより、チューブのニンニクを選んだ方が片付けの手間がいらなく、相性が良い家庭も多いわけです。
チューブだと香りが弱くて満足できない人であれば、そのような便利グッズを購入する価値もありますが、ちょっとした香りづけ程度でニンニクを使うのであればチューブで十分ですし、ガーリックパウダーのような物の方が相性が良いケースも考えられます。
便利グッズが悪いというわけでもありませんが、それらを収納する為のスペースが必要になったり、複雑な造形だけに洗う手間が増えてしまうかも知れません。
普通の包丁とまな板の方が洗いやすいかも知れませんし、手にうつったニンニクの匂いを消すテクニック(シンクにこすりつける等)を調べた方が、よりベターかも知れません。
もちろん飲食店のように頻繁にニンニクのみじん切りが必要なところであれば、最適なグッズになる可能性も高いですが、安易に便利そうだからと取り入れてしまうと、デメリットの方が上回ってしまう事は珍しくありません。
自分の足の形に合わせて作れる靴の中敷きが悪いわけではありませんが、そもそもきちんと靴を履いていない人が取り入れてしまうと、期待しているほどの効果が得られないかも知れません。
しっかりと踵に合わせて靴紐を結ぶだけで随分とフィット感が上がって歩きやすくなりますし、靴紐を結ぶのが面倒な人であれば、マジックテープやチャック付きの靴を選ぶのが最適かも知れません。
介護者向けの靴の多くがマジックテープで出来ているように、きちんとフィットした靴を履かない事にはまともに歩く事など出来ません。
どんな商品にでも当てはまる事ですが、売りたい側というのは都合の良いデーターばかりをアピールしてくるので、そのまま鵜吞みにしてしまうと本末転倒になってしまう事があるものです。
データーを参考にするのが悪いとは言いませんが、その上で自分に当てはまっている問題と向き合う事で、意外と簡単な解決策が見つかるかも知れません。
偏平足の人であれば足の指を動かすトレーニングをする事だったり、足の指が動かしやすくなる五本指ソックスと相性が良いかも知れません。
自宅の中だけでも裸足で生活する事で、足の裏の筋肉の使い方が上手になるような事もありますし、何となく履いているスリッパのせいで歩き方が崩れているケースも考えられます。
それらの要因と向き合うことなく、何となく良さげな中敷きに交換して満足してしまうと、期待していたほどの効果が得られずに無駄になってしまうのではないでしょうか。
まとめ 本質と向き合おう!
靴の中敷きを開発している企業を悪く言ってしまいましたが、別に否定したいわけでもありません。
その中敷きのおかげで歩き方や姿勢が良くなる人もいるでしょうし、アピールしているデーターが間違っているとも言いません。
ただ根本的なところでズレてしまっていると、本当に素晴らしいものでも効果が出なくなってしまうので気をつけてほしいと思います。
そもそも歩く機会がない人が素晴らしい靴を履いたところで、たいして意味がないような事です。その人にとって重要なのは歩く機会を設ける事です。
普段は靴紐を結ばないような人でも、子供の運動会に参加する事にでもなれば、しっかりと靴紐を結び直すように、フィットしていない靴ではまともに動く事など出来ません。
日頃からしっかりと靴紐を結んでいる人であれば、転倒するリスクが下がったり、緊急回避といった行動にも差が出るものです。
少し前にワークマンで売られている職人向けの滑らない靴が、小さな子供を抱えるお母さんに最適だという事で話題になっていたのですが、これこそしっかりと目的に合わせて選んだ素晴らしい結果だと思います。
オシャレを楽しみたいお母さんにとっては、物足りないデザインかも知れませんが、子供を優先した結果、現在の自分にとって最適な靴を見つけられたのではないでしょうか。
子供を抱えながらしっかりと靴紐を結ぶのは難しいですし、滑らない靴底という事だけでなく、簡単に履けるという点でも最適だったのだと思います。
小さな子供を公園で遊ばせる親だとしても、ヒールの高い歩きにくい靴を履いていると、助ける時の一歩が遅れてしまいますし、暴走した車が歩道に突っ込んできた時の回避行動にも差が出てしまいます。
オシャレを楽しむ事が悪いとは言いませんが、時と場所を選ばないとデメリットの方が上回ってしまうものです。
これらのように本質と向き合うようになると、意外と身近なところに解決策が見つかるものです。お金を掛けずとも出来る事があったり、手持ちの物でも何とかなるかも知れません。
100均で売られている中敷きでも様々なタイプのものがありますし、ブカブカの状態を改めるだけなら、厚みのある中敷きを重ねるだけで解決するかも知れません。
もちろん本当に必要な物にお金を掛ける事は良いと思いますが、そこにしっかりと予算を当てる為にも、安易にお金で解決できそうな簡単な方法ばかりを選択しない方が良いのではないでしょうか。
歩き方や姿勢を改善できる高機能なシューズや中敷きを購入する前に、見直すべきポイントが色々とあるものです。
どうしても日本は靴を脱ぐ機会が多いので、靴紐を緩めたまま固定している人が多いのですが、それを改めるだけでも姿勢や歩き方が良くなったり、全身の代謝も良くなるかも知れません。
するとわざわざスポーツジムに通わずとも良いスタイルをキープできるようになるかも知れませんし、良い姿勢で内臓の機能が向上して便秘だって改善するかも知れません。
フィットした靴を履いて姿勢が良くなると、一度の呼吸で取り込める酸素が増えて疲労回復といったものも良くなります。
誰もが深呼吸をする時は胸を張るものですが、普段から背中が丸まっていると肋骨がロックされて肺が大きく膨らむ事ができません。
フィット感がまるでないスリッパやサンダルを履いていると、誰もがトボトボとしか歩けないように、フィットしていない靴というのは綺麗に歩けるものではありません。
背中を丸めてトボトボと歩いているとお腹周りの筋肉が緩んでしまうので、内臓に押し出されるようにお腹も出てしまいます。
太ももだけが太い人というのも、大抵は歩き方に問題があるからだと言われています。全身の筋肉を使ってバランスよく歩いている人とは違い、太ももの筋肉だけを使って足を持ち上げてしまうので、筋肉の発達に偏りが出てしまいます。
スタイルが良い人ほど颯爽と歩いているものですが、スタイルが良いから颯爽と歩けるのではなく、颯爽と歩いているからスタイルが良くなるのかも知れません。
しっかりと靴紐を結ぶだけで全て解決するとは言いませんが、意外と些細な事が原因で大きな問題になっているケースもあるので、しっかりと本質と向き合うように意識してほしいと思います。
しっかりと向き合った上でオーダーメードの中敷きといったものに頼るのであれば、期待している効果も得られやすくなるのではないでしょうか。