節約はレジャー!

趣味の蕎麦打ちがプロの蕎麦屋を超えるのは珍しくないのかも知れない

蕎麦打ちが美味しくなる理由

先日、趣味が蕎麦打ちだという男性から手打ち蕎麦をご馳走になる機会がありました。

その蕎麦がとんでもなく美味しくて驚愕してしまい、

「今すぐお店を出せるレベルじゃないですか!」

と言うと、

「いやいや、趣味で作る蕎麦の方がお店より美味しいのは当たり前だよ」

という意外な返答がありました。私にはまるでピンとこなかったので、納得できない表情を浮かべていると、その理由を教えてくれました。

お店はコストや効率の問題で制限しなければならない要素があるだけに、なかなか理想的な蕎麦を作れないのだそうです。もっと美味しくする方法が分かっていても、様々な制約の中でバランスを取っているわけです。

一方で趣味で手打ち蕎麦を作るような人達というのは、原価率や効率を考える必要がなく、タイミングも自由なので理想的な蕎麦が出来上がりやすいとのことでした。

同じ事をプロの蕎麦屋が行おうとすると、お客さんに時間指定で予約してもらう必要があり、原価率も回転も悪くなってしまうので、価格を何倍にもしないと成り立たないのだそうです。

蕎麦つゆも含めて贅沢なものを使用しているようで、彼が作ってくれた手打ち蕎麦の材料費は軽く2000円を超えているとの事でした。さらに手間暇もかけているので、お店で提供するとなると5000円ぐらいの価格でないと成り立たないのだそうです。

私はその説明を受けて感動してしまい、とても贅沢な体験をさせてもらったのだと感謝しました。

この話を聞いて思いだしたのが、地元にある蕎麦屋でとんでもなく美味しい蕎麦を食べた時のことです。

安定した品質=良品、とは限らない

身内にちょっとした問題が発生し、親戚が8人集まって話し合いをしているとお昼を大きく過ぎてしまい、14時過ぎにみんなで蕎麦屋に行ったのですが、お昼用の蕎麦が数人分しか残っていないとのことで、今から蕎麦を打つと40分ぐらい掛かると告げられました。

まだまだ話し合う事があったので、その事に了承して一時間後ぐらいに蕎麦が出てきたのですが、それがとんでもなく美味しくて皆で驚いてしまいました。

私は蕎麦が好きなので、そのお店にも何度か行ったことがあったのですが、明らかに今まで食べた中でダントツで美味しい蕎麦でした。

参考粋な蕎麦の食べ方など気にする必要はない

その理由を私なりに考えてみると、ちょうど年末時期で新蕎麦が美味しい時期だったのだと思い、その後に一人で何度か通ってみたのですが、その時ほどの美味しい蕎麦ではありませんでした。

お昼過ぎで一時間近くも待たされたこともあり、単純にお腹が減っていたから美味しかったからなのだと結論付けていたのですが、もしかしたら打ち立ての蕎麦で他のお客さんもいない時間帯で、ベストなタイミングで仕上げられたのかも知れないと考えを改めました。

そこで今度は開店時間の11時に合わせて行ってみたのですが、やはりたくさんの蕎麦を仕込んでいるせいか、あの時ほどの美味しさは感じられませんでした。

お店側も注文が入ってから蕎麦を打つとなると効率が悪すぎるので仕方がないのですが、理想的なタイミングで蕎麦を食べられる機会というのは、意外なほど少ないのかも知れません。

技術のあるプロの料理人といっても、何から何まで理想的な食材やタイミングを選べるわけではありませんし、効率や価格の事を考えると妥協しなければならない要素があるのは致し方ありません。

むしろ妥協しながらも80点ぐらいの完成度を出せるのがプロの凄さであり、制約がなければ90点を超えることなど難しくないのかも知れません。

獺祭という名の人気の日本酒があるのですが、獺祭は昔ながらの酒蔵で杜氏が作る伝統的な製法ではなく、大量生産が可能な工場で最新の技術で作られています。

名の知れた多くの酒蔵では杜氏による伝統的な製法でつくられるので、季節が限られて天候の影響を受けやすく、品質も安定しないので年によって当たり外れがあるのですが、獺祭は徹底的なIT技術によって支えられているので、通年を通して安定した高品質な酒を提供し続けています。

あまりの人気でプレミアム価格がついてしまっているのですが、定価は有名な酒蔵のものよりも安く設定されているのに、凄く美味しいと話題になっています。

日本酒の品評会に出す酒は昔ながらの酒蔵だと市販品(80点)とは違う丁寧な製法(95点)で作られることが多いので、市販品のまま出しているの獺祭(88点)の方が低評価になることがあるのですが、お酒の違いが判る人はこぞって獺祭を選ぶわけです(点数は私の主観)。

お酒は趣味で作るわけにはいきませんが、様々な制約があるプロの料理人の点数を、手間暇やコストを考えなくて良い素人が超えることは、あり得ない話ではないのかも知れません。

蕎麦打ちも気温や湿度の影響を受けやすく当たりはずれが多い世界なので、多くの蕎麦屋では品質を安定させる為に手打ち蕎麦ではなく、機械打ちで80点ぐらいに妥協して調節しているのかも知れません。

一方で趣味で行うものだと、ネックになる人件費という制約がなくなるので、技術と手間暇さえかけられるのであれば、90点を超えることが珍しくないのかも知れません。

例えば車のワックスがけです。同じ時間内であれば、プロが専用の道具を使って効率よくワックスをかけた方が綺麗な仕上がりになりますが、趣味で休日を丸一日使って丁寧にワックスをかけた方が、細かなところまで綺麗に仕上げられるかも知れません。

もちろん初めてワックスをかけるような知識も技術がない初心者だと難しいかも知れませんが、少し勉強して時間をかけることが出来れば、プロのレベルを超えることがあっても不思議ではありません。

プロに車を磨いてもらう費用が1万円だとしても、ワックスの原価は1000円にも満たないかも知れません。もちろん業者から大量に仕入れられるので、一般の人が同じワックスを手に入れるとなると2000円ぐらいするかも知れませんが、より高品質な3000円のワックスを購入して時間を掛けて自分で行った方が、より良い出来になる可能性があります。

趣味の蕎麦打ちも同じなのだと思います。コスト度外視で一般的な蕎麦屋よりも高価で良質な蕎麦粉を選べたり、出汁にこだわる事もできます。知識や手間暇や技術次第でプロを超える事は珍しくないのかも知れません。

まとめ 趣味や節約は贅沢

効率や利益を考えなければならないプロの世界というのは、様々な制約の中でベストなものを提供してくれますが、趣味であればその制約の壁を超えることは珍しくないのかも知れません。

数年前に成田空港にある蕎麦屋に入ると、味はいたって普通のざる蕎麦なのに価格(1400円)が高くて驚いたことがあります。

プロは人件費だけでなく立地や家賃なども加味しなければなりませんし、国際空港となると英語を話せるスタッフも雇う必要があるのかも知れないので、価格も随分と変わってしまいます。

価格が高ければ高いほど品質が良いとは限りませんし、田舎の方で趣味で居酒屋をやっているようなおじさんのお店の方が、地元の新鮮な食材を安く仕入れて手間暇かけられるだけに、東京の一等地の飲食店の半値でも美味しい料理を提供できるかも知れません。

誰もが簡単に趣味でプロを超えられるとは言いませんが、技術や知識や経験次第では可能な事もあるはずです。時間をかけることが惜しくなく楽しめるものであれば、結構な確率で90点台に到達できるのではないでしょうか。

当ブログでは純セレブスピーカーなるものについて何度も紹介してきたのですが、

参考純セレブスピーカー

手作りしやすいダンボールのスピーカーボックスだからこそ、自分好みの音に簡単に近づけることが出来るので、何十倍もの価格のプロのスピーカーを超えることがあるのだと感じています。

時間をかけて楽しめる趣味というのは、とても贅沢な体験なのかも知れません。

これは節約にも当てはまることです。家計を管理する為の手段として節約を取り入れるのであれば、時間をかけて効率が落ちてしまうと失敗になりますが、節約そのものを楽しむことが出来ると、時間効率が悪くても無駄ではありません。むしろ贅沢なことです。

電車代を節約する為に一駅歩くとなると時間が失われてしまいますが、ウォーキングや街歩きが楽しい人にとっては贅沢な楽しい時間になるようなことです。

生活が苦しくてイヤイヤ行う節約というのは悲壮感が漂うものですが、節約そのものを趣味に昇華することができると、お金に余裕があっても日々の節約を無理なく楽しむことができます。

何かしらの目的を達成する為に節約をしてお金を貯めている人というのは、缶ジュースを1本我慢する度に目的達成に近づいている実感が得られるので、我慢した苦しさよりも喜びが上回っているものです

効率を考えずに時間も手間も掛けられる趣味が贅沢で質も高くなるように、節約も効率を考えずに行うことが必ずしも悪いわけではありません。

しばしば節約に時間をかけて効率が悪くなることをバカにする人がいるのですが、バカにする人にとっては苦痛に感じる節約だとしても、当人が苦痛を感じているとは限りません。むしろ快感を得ている可能性も高いです。

料理が苦手な人が自炊で節約するとなると苦痛が伴いますが、料理が好きな人にとっては快感の方が上回ります。全く同じ自炊という行為でも、ストレスが貯まる人もいればストレスが発散される人もいます。

世の中には様々な節約方法がありますが、苦痛が伴う節約だと長続きせずにリバウンド(浪費、ヤケ買い)してしまうので気をつけてほしいのですが、時間や手間を掛けるのが惜しくないような事であれば、お金を節約しながらも楽しめるものです。

あくまでも相性の問題であり、はたから見るとバカバカしいように見える節約でも、当人がそれで満足しているのであれば、全く間違った節約ではありません。

筋トレやダイエットが成功する人というのは、はたから見ると凄く大変な努力をしているように見えるものですが、当人は筋肉痛の痛みを感じる度に筋肉が成長していく姿を想像できるので、むしろ快感になっています。ダイエットをしている人ならお腹がグ―っとなる度に、痩せてお洒落な洋服をカッコ良く着こなしている姿を想像して快感を得ているかも知れません。

節約でも蕎麦打ちのようにプロのレベルを超えられることがあるかも知れません。ファイナンシャルプランナーが提案する節約方法が全ての人に当てはまるわけではありませんし、中途半端に相性の悪い節約術を取り入れてしまうと、ダイエットのリバウンドのように散財してしまうかも知れません。

プロの意見が必ずしも優れているとは限りません。参考にするのは構いませんが、自分との相性を見極めずに鵜吞みにしてしまうと火傷してしまうので気をつけてほしいと思います。

節約も趣味のように自分と相性の良い方法を見つけることがポイントなので、しっかりと自分の生活と向き合ってほしいと思います。

プロの蕎麦を超えた趣味の手打ち蕎麦と出合えたおかげで、改めて趣味の贅沢さと素晴らしさを感じる出来事となりました。価格やブランド名だけでしか判断できないと、色々と本質を見誤ってしまうので気をつけましょう。

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節約はレジャーを書いている人

光司

光司

離婚を経て人生のどん底を味わってから節約に目覚めたアラフォー男子の光司(コウジ)です。 実際に役に立った節約情報やオリジナルの節約方法を紹介します。 お金のかからない健康法や節約が上手くいく人の考え方など、様々な観点から節約について紹介するブログを目指しています。 より詳しいプロフィールはこちら⇒ [詳細]

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