蕎麦の栄養バランスは優秀
私は節約家になる前から蕎麦が大好きであり、当ブログでも色々と紹介してきた事があるのですが、
蕎麦に関する書籍も何冊も読んでおり、それなりに知識がある方なので、蕎麦の栄養価が優れている事は当然の事だったのですが、少し前にテレビで大々的に紹介されたようで、健康の為に蕎麦を食べる人が増えているというニュースを見かけました。
蕎麦は栄養バランスが優れており、良質な食物性タンパク質やビタミンやミネラルが豊富であり、白米や小麦粉といった他の炭水化物に比べて圧倒的に栄養バランスが良いと言われています。
また蕎麦にはルチン(ポリフェノールの一種)が含まれており、強い抗酸化作用によって血液がサラサラになると言われており、高血圧や脳梗塞や動脈硬化や糖尿病などの予防にも効果があると言われています。
なかでもこのルチンが多い韃靼そばが注目を集めており、数年前から韃靼そばを使ったお茶も人気になっています。
このような蕎麦の栄養価が注目される事は素晴らしい事だとは思うのですが、スーパーなどで売られている比較的価格の安い乾麺の蕎麦だと、期待しているほどの栄養価が摂取できるとは限りません。
ものによっては蕎麦というよりも、うどんやそうめんの栄養価に近いものも珍しくないので、上手く見極める必要があります。
そこで今回は節約の観点を取り入れつつも、蕎麦の優れた栄養価を引き出す為に見極めたいポイントを紹介します。
蕎麦粉の配合割合
「十割そば」や「二八そば」という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、これは蕎麦粉の配合割合の事であり、蕎麦粉100%のものが「十割そば」、小麦粉20%、蕎麦粉80%のものを「二八そば」と言います。
蕎麦の栄養価というのは、基本的には蕎麦粉100%の「十割そば」の事であり、この割合が少なくなるほど、そうめんやうどんのような小麦粉100%のものに近くなります。
スーパーなどで安い価格で売られている乾麺の蕎麦というのは、「二八そば」どころの割合ではなく、むしろ「八二」ぐらいの割合がほとんどなので、蕎麦という名前でも栄養価的には「八二そうめん」ぐらいになってしまいます。
栄養価だけで考えると十割が理想なのですが、お蕎麦屋さんでも「二八」ぐらいにしているところも多く、味や食感という意味では繋ぎに小麦粉を使った方が美味しい蕎麦になる事も珍しくありません。
家庭で食べる乾麺の蕎麦であれば尚更です。「十割そば」は茹で方を間違えると美味しくなりませんし、むしろ価格の安い「八二」の蕎麦の方が、簡単に美味しい蕎麦を茹であげる事ができます。
節約的にも価格が安い事はありがたいですし、例え二割ぐらいしか蕎麦粉が含まれていなかったとしても、うどんやそうめんよりは栄養価が優れているので、決して悪い選択肢ではありません。
ただこの事を理解していないと、期待しているほどの栄養価を摂取する事にならず、糖質過多になってしまうような事もあるので、上手く見極める必要があります。
ちなみに蕎麦屋さんで提供される蕎麦粉の割合は、70%以上という決まりがあるので、極端に栄養価が低いという事はありません。
駅そばなどはこれに当てはまらない事もあるようですが、いわゆるお蕎麦屋で食べる蕎麦であれば、ある程度は期待している栄養を摂取する事ができます。
蕎麦粉の挽き方の違い
蕎麦の栄養価が優れているといっても、蕎麦粉は挽き方によっても栄養価が変化します。基本的には黒っぽい蕎麦ほど栄養価が優れているのですが、簡単に言うと蕎麦の実の皮が含まれているかどうかの違いです。
たまに白っぽい蕎麦は小麦粉が多いと思っている人がいるのですが、蕎麦の実の中心部の白い箇所だけ取り出して作られる更科蕎麦もあるので、一概に見た目だけで判断できるものではありません。
そば殻の枕というものがありますが、あれはまさに蕎麦の実の外皮の事であり、外皮の下の甘皮がついたまま挽いた蕎麦を「やぶそば」、甘皮の一部を引き込んで挽いた蕎麦を「田舎そば」と言います。
より正確に言うと中心部だけの一番粉や、もう少し外側も含む二番粉といった分け方があるのですが、あまり難しく考えずに黒っぽい蕎麦の方が栄養価が高いと覚えておいてください。
お米や小麦粉だと胚芽部分を取り除いてしまうので、玄米や全粒粉と比べる栄養価が大きく損なわれてしまうのですが、蕎麦は栄養豊富な胚芽部が中心部にある事もあり、真っ白な更科蕎麦でもそれなりに栄養価が優れているという特徴があります。
といっても外皮に近い甘皮も含まれている「田舎そば」や「やぶそば」の方が、ルチンや食物繊維も豊富になるので、健康の為に蕎麦を食べるのであれば黒っぽい蕎麦の方が適しています。
蕎麦の味を楽しみたいのであれば、単純に好みに合わせて選べば良いのですが、節約家のようにあまりお金を掛けずに蕎麦の優れた栄養価を摂取したいのであれば、蕎麦粉の配合割合が多い黒っぽい蕎麦が良いを選ぶようにしてください。
コスパ抜群のスナオシの蕎麦
価格の事を考えないで良いのであれば、「十割そば」や蕎麦粉の含有率が高い「二八そば」を選べば良いのですが、節約という意味では高価になってしまうので、ここでは私がお勧めする蕎麦を紹介します。
それが麺のスナオシの「美味しい田舎そば」です。
近所のスーパーで売られている乾麺の蕎麦を色々と購入して比較してみると、圧倒的にコスパが優れていました。
amazonで価格を確認すると、20個入りで1989円だったので1個当たり約100円という事になるのですが、
スナシオのホームページで確認すると20個入りの価格が1200円となっており、実売価格は1個当たり60円程度になります(ただし送料が1200円掛かるので大量注文しないと損します)。
私が近所の税込み価格のスーパーで購入した時49円だったので、コスパという意味では最強の乾麺の蕎麦です。
さらに素晴らしいのが蕎麦粉の配合割合が25%もある事です。これは価格の安い乾麺の蕎麦の中ではかなり高い割合です。
価格の安い乾麺の蕎麦の平均は100円前後であり、それらをいくつか購入して確認してみたのですが、15~20%ぐらいのものが大半でした。
この辺の基準について調べてみるとJAS法によって定められているようで、30%未満の乾麺は表示が義務付けられており、5%しか含まれていないようなものは10%未満と表示しなければならないとの事でした。
なので蕎麦粉の配合割合が表示されていない乾麺の蕎麦だと、30%以上になるのですが、それらは比較的価格が安い蕎麦だと見当たらず、少し高価なものになってしまいます。
それでも原材料名を確認すると、「小麦粉、そば粉」の順番になっているので、少なくとも半分以上は小麦粉だという事が分かります。
スナオシの「おいしい田舎そば」は200gなので、約一人前の100gで考えると25gの蕎麦粉が含まれており、その価格も25円になり、蕎麦粉1gを摂取する為に1円という計算になるのですが、100円で売られていた他のメーカーの乾麺の蕎麦だと280gで20%だったので、一人前の100gあたり37円の計算になり、蕎麦粉1gを摂取する為に約1.8円の計算になりました。
同じスーパーで279円で購入した「二八そば」は250gであり、一人前の100gあたりの価格が約111円となり、蕎麦粉1gあたり約13.8円になります。「十割そば」の乾麺は200gで299円だったので、蕎麦粉1gあたり約1.5円の計算になります。
もちろん小麦粉にもコストが発生しまうし、蕎麦粉そのものの価格や品質も違うので、蕎麦粉1gあたりのコスパで考えるのはおかしな話なのですが、スナオシの「美味しい田舎蕎麦」は蕎麦の優れた栄養価を安く摂取するという意味では、コストもパフォーマンス(蕎麦粉の配合割合)も含めて圧倒的だったので、健康面だけでなく節約の事も考える人にとっては最適な選択肢になるので、個人的にはお勧めの乾麺の蕎麦です。
まとめ 蕎麦という名のそうめん
価格の安い乾麺の蕎麦というのは、蕎麦というよりはそうめんに近い栄養価のものが多いので、あまり過信しないでほしいのですが、同じような価格帯のものでも蕎麦粉の配合割合が違うものなので、健康の為に蕎麦を食べる場合は購入する前にチェックするようにしてみてください。
もちろん蕎麦の味にも好みがあるので、その場合は自由に選んでもらっても良いのですが、あまりお金を掛けずに蕎麦の優れた栄養価を摂取したい場合は、黒っぽい蕎麦の中から蕎麦粉の割合いが多いものを選びましょう。
ちなみに味に関していうと、安い乾麺の中なら小麦粉が多いものほど食感やのど越しが良く、美味しい傾向があります。例え10%ぐらいしか含まれていないとしても、その分そうめんよりは栄養価が優れているので、必ずしも悪い選択肢ではありません。
温かい蕎麦にするなら卵でも落として月見そばにすれば、栄養バランスが一気に良くなりますし、トッピングによっても栄養価は変化します。
暑い夏場に栄養価の低いそうめんばかりを食べていると夏バテしてしまうかも知れませんが、例え10%ぐらいでも蕎麦粉が含まれているものであれば、価格が安くてもそれなりに美味しくさっぱりと頂けるので、不足しがちなビタミンやミネラルを摂取できるものです。
健康の為には蕎麦粉の割合が多い十割そばや二八そばが理想ではありますが、この辺はお財布とも相談しなければならないですし、蕎麦の味も色濃く出てしまうだけに好みが分かれてしまいますし、上手く茹であげるのも意外と難しいので、家庭によっては相性が良くありません。
そういう意味では蕎麦粉の割合が少ない価格の安い乾麺の蕎麦というのは、茹でるのも簡単なので悪い選択肢ではありません。過度に健康効果を期待してしまうと、期待外れになってしまうかも知れませんが、小麦粉100%のうどんやそうめんよりはずっと栄養価が優れているものです。
ただ同じような価格帯の安い蕎麦の中でも割合は結構違うので、今回紹介した方法で上手く見極めてみてください。
ちなみに蕎麦を茹でた茹で汁にも栄養がにじみ出ているので、蕎麦湯として楽しむ事で無駄なく栄養を摂取する事ができます。ただこの場合も割合い低いものほど意味がないので意識してみてください。
また乾麺ではなく生麺の蕎麦だと、JAS法で蕎麦粉の割合が30%以上でないと蕎麦と名乗れない事になっているので、スーパーで安価に売られている生麺の蕎麦も決して悪い選択肢ではないですよ。
私はざる蕎麦で食べるのが好きなので、食感の良い乾麺の蕎麦が好きなのですが、温かい蕎麦が好きな人であれば生麺の柔らかい食感とも相性が良いですし、蕎麦粉の割合も多くて栄養価が優れているかも知れません。
私は冷蔵庫を手放している事もあり、生麺を購入する機会が滅多にないのですが、軽くゆがくだけで調理できるので洗い物が少なくなったり、僅かに光熱費の節約にもなるかも知れません。
それぞれの環境や考え方に合わせて、最適な蕎麦を選んでみてください。コスパ抜群と紹介したスナオシの「美味しい田舎蕎麦」でも、送料を負担してまで購入するとコスパが悪くなってしまうので、馴染みのスーパーで売られている蕎麦の中から上手く見極めて節約しながらも、蕎麦の優れた栄養価を味方にしてましょう!