備え過ぎのリスク
先日、新居を構えた友人の家のお邪魔しました。
とても立派な家で素晴らしかったのですが、ちょうど私がいるタイミングで震度4の地震がきました。
新しい家なので耐震構造もしっかりとしているせいか、私には震度3ぐらいにしか感じなかったのですが、友人は新居ということで心配し、家中をチェックし始めました。
そして「うわー!」と大きな声を上げたので行ってみると、階段下の倉庫の中のモノが散らかっていました。
震度4ぐらいだとモノはそれほど倒れないものですが、よほど高く積み上げていたのか、悲惨な状況になっていました。
そして片付けを手伝っていて気になったのが、買い置きしているモノの多さでした。五つパックのボックスティッシュだけで10個はあったでしょうか。それらのような生活用品が散らばっていました。
彼は昔から心配性だったので、様々なモノを備えているのもわかる気がしまたが、やはり備え過ぎるのにもリスクがあるなと感じました。
備えあれば憂いなし?
よく「備えあれば憂い(患い)なし」と言いますが、必ずしも備えることが有利に働くとは限りません。
ボックスティッシュが倒れるぐらいなら、それほど被害はありませんが、これが重たいモノだと危険です。
これまた別の友人の話なのですが、彼女は30代にもかかわらず、常に様々なサプリメントを持ち歩いて飲んでいます。
これといった病気になったことがあるわけでもなく、健康診断で問題があったこともないそうなのですが、いつも食後に何種類ものサプリメントを飲んでいました。
それとなく理由を聴いてみると、
「何か不安なんだよねー、別に身体に悪いものじゃないし・・・」
といった回答でした。
お医者さんの管理を元に、不足している栄養分を補う為にサプリメントを摂取しているのであれば良いのですが、そうではないようでした。
必要以上の栄養素を摂取しても健康にはなりませんし、むしろ内蔵に負担をかけることになってしまいます。
何となく健康の良い食材を食べている方でも同じです。どんな食材でも食べ過ぎれば毒になってしまいます。
必要以上に備えることは、思わぬリスクを背負うことになってしまいます。
いつでもどこでも簡単に手に入れられるようなモノを、必要以上に所有することはありません。
何事もバランス
節約家で断捨離好きの私は、様々なモノを手放しているので極端かも知れませんが、やはり必要のないモノは素早く手放すべきだと思います。
しばしば日本では大きな地震が起こりますが、その度に家中がめちゃくちゃになっている映像が流れます。
中には家財道具の下敷きになってしまうという事故まで、残念ながら起こってしまいます。
ですが、これらの多くは防げる事故です。
大きな地震の後には防災グッズが話題になるものですが、
「防災グッズを購入したから安心!」
と安易に考えてしまうのは、まさに「備えあれば憂いなし」のリスクだと感じます。
防災グッズが悪いわけではありませんが、そもそも転倒しやすい家財道具が本当に必要だったのかと考える方が重要なのではないでしょうか。
転倒防止用の突っ張り棒を設置することもいいのですが、その前に家具の位置やベットの位置など考えなおす方が先決です。
それらを見直さないでいると、突っ張り棒では抑えきれない大きな地震が起こってしまうと、避けられなくなります。
また日ごろから無駄なモノを整理していれば、それほど大きな家財道具は必要なくなるかも知れません。
子供が巣立って夫婦二人だけの家庭なら、大きなタンスや大きな冷蔵庫は必要ないかも知れません。
そもそものモノの数が少なくなれば被害も少なくなりますし、日頃の掃除や管理も楽になります。倒壊のリスクも下げられます。
生活環境の変化に合わせてバランスを取ることで、余計なリスクは回避することができるものです。
備えることだけが、憂いを回避できるわけではありません。
それほど備える必要のない生活に整えることで、回避できる憂いもあるはずです。
何事もバランスが大事ですが、たくさん備えているからと安心しきってしまうと、思わぬ事故にあうかも知れません。
まとめ 備えながら出来ること
多くの方は、
「自動車保険に入っているから安心だ」
と、車をぶっ飛ばすようなことはしないと思います。
備えること(自動車保険に加入)は大事ですが、それだけで安心するものではありません。
自分の年齢や生活の変化に合わせて車を選びなおしたり、健康を意識することも安全運転の為には大切なことです。
これまた知り合いの男性の話なのですが、車の事故を何度も起こしてしまう娘の為に、頑丈な外車(ボルボ)を買い与えていました。
確かに車は頑丈な方が安心ですが、頑丈ゆえに大きくて重たいので、エンジンの排気量も大きくなり、決して運転しやすい車とは思えませんでした。
事故が起こってしまった時の安全性は高いかも知れませんが、事故を起こす確率はむしろ上がってしまっているのかも知れません。
この辺のバランスに正解があるわけではありませんが、娘さんに運転を諦めさせるのも一つの選択肢ですし、安全運転の為に再び教習所で講習を受けさせるのもありだと思います。
頑丈な車を選ぶ(事故に備える)ことが悪いのではなく、様々な角度からできることがあると思います。
他にも運転のしやすい国産のコンパクトカーの中から安全性の高いモデルを選ぶことや、安全装備を充実させることもできます。
事故に備えているからと安心しきってしまうと、思わぬリスクを背負うことになってしまうかも知れません。
これは車だけに当てはまることではありません。震災などに備えながらも、他に出来ることがないか、考えてみてほしいと思います。
そもそも備える必要すらない生活に変えることが出来るかも知れません。
栄養分を備えている脂肪も備え過ぎるとリスクになるものです。無駄な脂肪の為に余計なエネルギーを使わないでください。
脂肪に限らず背負うモノが少なくなると、フットワークが軽くなるものです。
身軽になって健康になれば、安全運転や防災にも役立つのではないでしょうか。
「備えあれば患いなし」が間違っていると言いたいわけではありませんが、備えているからと目を逸らせてしまわぬよう、意識してほしいと思います。
コメント
バランスが大事なのはわかっちゃいるけど難しいですね(-_-;)
なんでも捨てられるようになりたい・・・
by こう
震災の備えは防災グッズのような物も大切ですが、それらよりも心構えを備えておくことが大切です。知識があれば対処できることがたくさんありました。
by 匿名