家計簿が必要な人
まず先に言っておくと、節約家である私は家計簿を全くつけていません。
個人的には節約に家計簿は、必ずしも必要ではないと考えています。
その理由はわざわざ家計簿でお金の流れを確認しなくても、頭の中でしっかりと理解できているからです。
当たり前のことですが、家計簿が必要な人というのは、お金の流れを頭の中で理解できていない人です。
家計簿を付ける事で節約につながる人は多いですし、その事を否定したいわけではないのですが、その段階で満足するのではなく、その先がある事を理解してほしいと思います。
お金の流れをシンプルにしている人は、わざわざ家計簿で管理する必要はありません。
お金の流れ
世の中の人がどれだけ自分のお金の流れを理解しているのかわかりませんが、様々なところで家計簿をつけようといったテクニックが紹介されているところをみると、おそらく少数派なのだと思います。
お金に関する知識、スキルというのは学校では教わりません。
自分で勉強した人、もしくは経理や経営に携わっている人でもない限り、そもそもお金の流れを意識する機会がないのかも知れません。
私は運よくというか簿記の知識がありました。普通科の高校に通っていたのですが、選択授業というもので簿記を学び、資格こそ取得しませんでしたが、簿記2級程度の知識は持ち合わせています。
社会人になってからも投資といったものを学んでいたので、比較的知識はある方なのだと自負しています。
元々算数が得意だった事も関係しているのかも知れません。
数字に苦手意識を持っている人もいますし、この辺にお金に関する知識量というのは、人によってかなり差があるので、家計簿といったもので客観的にお金の流れを把握することは、人によっては大きなメリットになります。
いつも気軽に購入している缶コーヒーといったものでも、年間にするとどれぐらいのコストになるかといった知識を知るだけで、選択基準といったものが変わっていくものです。
どんなに節約をしてもお金が貯まらないという人は、この自分のお金の流れを理解していないということなので、家計簿をつける価値はあります。
一方でその段階をクリアした人であれば、必ずしも家計簿で確認する必要はありません。
ミニマリストの思考
断捨離にハマっている人やミニマリストと呼ばれる人の多くは、しっかりとお金の流れが見えています。
また無駄なお金の使い道が減ると頭の中の選択肢も減るので、よりシンプルにお金の流れが見えるようになります。
たくさんの物を背負うと身体の動きが鈍くなるように、背負う物を減らすと軽快に動けるようになるものです。
鞄の中にたくさんの物を詰め込んでいると探す手間もかかりますし、同じような物が重複してしまう可能性も増えます。
一方で小さな鞄や洋服のポケットだけで済む人は、そもそも確認する必要すらないようなことです。
あくまでも家計簿で管理する事というのは、内ポケットがたくさん付いた使い勝手の良いバッグのような事であり、中の状態が見やすいだけです。
重複して購入しないような事は防げますが、必要のない物を減らさない事には身軽になる事はありません。
断捨離にハマっている人やモノを持たないミニマリストのような人というのは、この管理から解放された事によるストレス軽減に快感を得ているので、たまに使うぐらいのモノを持ち歩いたり、所有したいと思わなくなります。
家計簿をつけてお金の流れが見えたからといって、この管理する手間が無くなるわけではありません。重複している物をを発見しやすくなるメリットはありますが、そもそも無駄なモノを見極める事が出来ないと、綺麗に整理された大きなバッグを持ち続けるような事になってしまいます。
小さなバッグでも十分な人がいるように、お金の流れをシンプルにする事で、わざわざ家計簿で確認する必要性もなくなっていきます。
クレジットカードは複雑?
節約家の中には、現金主義という人も珍しくありません。
クレジットカードは引き落とし日までお金が減らないので、お金の流れが少し複雑になります。
分割払いやリボ払いにすると、さらに複雑性が上がります。
お金の流れを理解していない人にとっては、確かにクレジットカードを使用することにはリスクがあります。ギャンブルにハマっているような人だと、当たり前のようにクレジットカードのキャッシング機能で借金してしまいます。
ですが、お金の流れをしっかりと理解できていれば、必ずしもクレジットカードを使用することが無駄遣いにつながるわけでもありません。
そもそも無駄な物や必要のない物を購入しないので、クレジットカードだからといって判断基準が変わる事がないからです。
むしろポイント還元を上手く取り入れると、節約にとっての大きな武器にもなります。
さらに現金を持ち歩くリスク(落とす、盗まれる)を減らしたり、固定費の支払いの簡素化もできます。
たまにコンビニのレジなどで公共料金の支払いをしている人がいるものですが、お金の管理が上手な人であれば、そのような手間を増やすようなことはしません。
またクレジットカードは支払い明細のおかげで、ちょっとした家計簿代わりにもなります。
クレジットカードはお金の流れを理解できるレベルによって、複雑にもシンプルにもなります。クレジットカードそのものに良いも悪いもありません。扱う人のレベルによって好影響も悪影響もあります。
家計簿によるメリットも似ています。レベルによってはお金の流れを把握する事に役立ちますが、そもそも無駄な買い物をしない人にとっては確認作業にしかならないので、わざわざ手間と時間を掛けて家計簿を付けるほどのメリットはありません。
家計簿をつけなくともお金の流れが分かるレベルを目指す事こそが、本当に節約につながるのだと感じています。
まとめ 家計簿からの卒業
たくさんの銀行口座を持ったり、たくさんのクレジットカードを使用していると、お金の流れの複雑性は増していきます。
ミニマリストが物を減らすことでフットワークが軽くなるように、お金の流れもシンプルにすることで頭の中で理解しやすくなります。
知らず知らずのうちに財布の中のお金が少なくなっていると感じるような人には、しっかりとレシートを貰って家計簿を付けることで様々な学びがあると思いますが、そうではない人にとっては必ずしも家計簿が役立つとは限らないという事です。
法人税を納める企業はしっかりとお金の流れをしっかりと管理する必要がありますが、会社が年末調整を行ってくれる会社員は、必ずしも家計簿で管理する必要はありません。
家計簿をつけることが悪いわけではありませんが、お金の流れそのものをシンプルに整理すると、そもそもの必要性を感じなくなるものです。
そもそも無駄なお金の使い道というのは、あとから顧みて感じることであり、少なくてもお金を使う時には必要だと感じて支払っています。
この必要だと感じる理由がポイントです。
あとから無駄なお金の使い道だったと感じる理由は、シンプルに頭の中を整理できていないからです。
本当に必要な物なのか、同じような物を持っていないか、そもそもなぜそれを購入したくなったのかと冷静に考えられると、無駄な買い物は劇的に減っていきます。
- 今お腹が空いているから
- 売れ筋商品と書いてあるから
- 期間限定アイテムだから
- 好きな芸能人が紹介しているから
など、現在の自分の気持ちが揺れている(欲しくなっている)理由と、しっかりと向き合ってみてください。
その理由に納得して購入したものであれば、それは無駄な買い物にはなりません。満足できる素晴らしい買い物になってくれます。
必要もないのに「なんだか便利そう」という曖昧な理由で購入してしまうと、あとから後悔することになります。
本当に必要なモノ、例えばトイレットペーパーを購入してから後悔する人などいません。それを後から家計簿でチェックしたところで、何も意味がないような事です。
何となく曖昧な理由で買ってしまう物が多い人ほど、家計簿を付けるメリットがありますが、そうではない人には必要が無いという事です。
また日頃から頭の中で冷静に考えられるようになると、より良い物まで見えてきます。必要な理由により当てはまっている選択肢に気がつきます。
トイレットペーパーというものでも、数十円アップで香り付きの物を選べば、芳香剤が要らなくなるかも知れませんし、芯なしタイプを選ぶ事で節約になるかも知れません。
お金の流れをシンプルにして判断基準が明確になっていくと、日用品のようなモノでも、どんどん最適な物が見つけられるようになっていきます。
「複雑怪奇」という言葉があるように、お金の流れが曖昧だと複雑性が増して無駄な買い物が増えてしまいます。
一方でお金の流れをシンプルに整理すると「一目瞭然」になります。本当に必要な物、求めている機能(以上でも以下でもなく)がはっきりと見えるので悩みません。
お金の流れを理解できていない人には家計簿はおすすめですが、家計簿をつけてお金の流れがそれなりに理解できるようなってきた人は、お金の流れをよりシンプルに整理してみてください。
すると日々の管理が大変な家計簿から卒業することになり、お金だけではなく時間も節約できると思います。
家計簿を付けることが悪いのではなく、家計簿が必要ないぐらいお金の流れをシンプルな状態を目指してください。無駄な買い物をしなくなると、無理なく家計簿から卒業できますよ。