無駄な時間と有益な時間
そもそも無駄な時間と有益な時間に正解があるわけではありません。
犬の散歩で癒される人もいれば、家族からの命令でイヤイヤ犬の散歩をする人もいます。または仕事として犬の散歩をしている人もいます。
特定の行為に対して無駄な時間の過ごし方だとも有効な時間の使い方だとも決められるものではありません。
はたから見ると時間の無駄にしか見えないスマホゲームだとしても、当人にとっては最高にリラックスできる有意義な時間の過ごし方かも知れません。
あくまでも本人の感じ方次第ではあるのですが、その違いを自分なりに上手に見極めることが出来れば、無駄な時間を減らして有益な時間を増やすことが出来ます。
そこで今回は無駄な時間の上手な見極め方、そして有益な時間の増やし方について紹介します。
無駄な時間とは
無駄な時間の上手な見極め方は「時間の流れるスピード」を意識することです。
楽しい時間を過ごしていると時間はあっという間に過ぎ去るものです。それは時間を有益に使えている証拠です。
逆に無駄な時間というのは「時間の流れるスピードが遅い時」です。
好きでもない仕事やバイトがわかりやすいと思います。時計の針ばかりを気にして早く時間が過ぎてほしいと考えている状態は、無駄な時間、ストレスの貯まるイヤな時間という事になります。
逆に好きな事に熱中している人は時計の針を気にする理由が違います。
「あ、もうこんな時間なのか」
と時間が過ぎるスピードを早く感じます。同じ仕事、同じ行為でも人によって流れるスピードの感じ方は違います。
仕事の場合はお給料を頂けるので無駄な時間の過ごし方だとは言いませんが、昔からの習慣だけで何となくやっているような事であれば、時間が過ぎるスピードを意識する事で、本当に必要な事なのか、無駄な事をしているのか、自分なりに判断する事ができます。
私の例で言うと昔は車好きだったので、愛車に洗車をしてワックスを掛けている作業が楽しくて、気づけば何時間も過ぎている事があったのですが、現在は車への関心が薄れてしまったので、同じ事をすると辛いだけの作業になってしまいます。
なので現在の私にとっては洗車にかける時間は無駄な時間という事になるので、ほどほどに済ませたり、ガソリンスタンドの自動洗車機を使う事が増えていきました。
このように昔の自分と現在の自分で比べても時間の感じ方が違う事は珍しくないので、日々アップデートしていく事が大切です。
無駄な時間を減らす方法
仕事を選ぶのは簡単なことではありませんし、誰もがやりがいのある好きな仕事に就けるとは限りません。
仕事の内容をコントロールすることは難しいですが、日常生活であればある程度はコントロールできる余地は見つける事ができます。
家事が苦手でイヤイヤ行っているのであれば、便利な調理器具や食洗機などを用意することで、イヤな時間を減らすことが出来ます。
ハウスクリーニングや外食もそうです。お金次第で大抵のイヤな時間を減らすことができます。
お金を趣味や好きなことに使う人が多いですが、苦手なこと、嫌いなことを減らすために使うと、無駄な時間とストレスを減らすことができます。
節約といったものも同じで、イヤイヤ我慢しながら行う節約と楽しみながら行う節約では全く意味合いが違ってきます。
10円安く買う為に遠くのスーパーまで歩く事を非効率だという意見も多いのですが、当人がそれで楽しめているのであれば無駄な時間の過ごし方ではありません。
「ダイエットにもなって季節を感じられて節約もできて最高だぜ!」
と感じられるのであれば、とても有意義な時間の過ごし方という事になります。
有益な時間とは
一方で有益な時間とは、時間の流れを忘れるぐらい集中出来ている状態です。
大好きな仕事や趣味は時間が過ぎるのが惜しいと感じるものです。気の合う仲間との飲み会は時間が「あっ」という間に過ぎますが、苦手な上司との飲み会は長く感じるものです。
同じような内容(食事やお酒)でも考え方、捉え方一つで無駄な時間にも有益な時間にもなります。
仕事の内容や人付き合いをコントロールするのは簡単ではありませんが、これも日常生活であればコントロールする余地があります。
掃除が苦手な人だったとしても、たまたまテレビで掃除に関する情報に触れただけで、掃除をするモチベーションが上がることがあります。
トイレ掃除をするとお金持ちになるとか、掃除をすることで喘息が収まったとか、何かしらの有益だと感じる情報を得ることで、嫌いな掃除の認識が変わることがあります。
そしてその情報通りのメリットや達成感を感じることができると、時間は「あっ」という間に過ぎてくれます。
イヤイヤ筋トレやダイエットを行っていても辛いだけですが、大好きな人を振り向かせる為だと納得できると、全く同じ行為を行っていてもストレスを感じるどころか充実感が得られるようになり、時間の経過の感じ方も変わっていきます。
その為には積極的に知識、情報を探すことが有効です。無駄だと認識している行動の意味をしっかりと理解することで、その行動から達成感が得られるようになります。
皿洗いのバイトをしている若者でも、将来自分のお店を持ちたいのであれば皿洗いをしながらでも様々な情報を受け取る事ができます。残された食事を味見したり、盛り付けが綺麗なお皿がわかったり、洗いやすさや収納に便利なお皿といった基準も分かるかも知れません。
一方でお金の為だけに皿洗いのバイトをしていると、ただただ時間が過ぎるのを待つ辛いだけの作業になってしまいます。だったらもっと時給の良いバイトに替えた方が時間を有効に使える事になります。
これが無駄な時間を有益な時間に変える方法です。
時間が流れるスピードを意識する事で無駄な時間が見つかり、その対処法としてお金を掛けてその作業そのものを減らすか、考え方や捉え方を変えて意味合いを変える二つの方法があります。
私の洗車で例えると、お金を掛けてプロにお願いするなり、ほどほどの洗車で良しと考えるようにするか、再び車への情熱を取り戻して洗車を楽しい作業にするか、という事です。
まとめ 考え方次第の意味
全てのイヤな行動、苦手な作業を有益な時間に変えることは難しいですが、中にはメリットに気づいていないだけで、簡単に有益な時間に変えることができる行動があるかも知れません。
ある工場で何の為に使われるのかわからないパーツを製造していたとしても、そのパーツがたくさんの人の役に立っているとわかった途端に、やりがいが感じられるようになるかも知れません。
そもそもお金の為だけの仕事やバイトであれば、誰でも割り切って考えられるので無駄な時間とは捉えません。目的であるお金が稼げるので、有意義な時間の過ごし方でもあります。
一方で家事のような日常の中にある行為というのは、お金を掛ける事で大抵の事は負担を減らす事ができますし、考え方を変える事で楽しい時間に替える事も可能です。
私自身も昔は掃除が苦手だったのですが、様々な掃除本を読んでいると考え方が変わっていき、現在ではむしろ掃除を怠る事の方がストレスを感じるようになりました。
具体的な掃除を楽にする方法(高性能掃除機など)が悪いわけではないのですが、それは無駄な時間が少なくなっただけで、有益な時間に変化したわけではありません。
一方で考え方や捉え方を変える事ができると、ストレスが溜まっていた作業が、むしろストレスを発散できる行為に変化していきます。
無駄な時間だと思ってしまう行為があれば、改めてその行為に意味合いを調べる事で、捉え方が変わる事は珍しくないので、節約家の皆さんほど意識してみてください。
もちろん調べた上でイヤな行為のままであれば、それは自分にとって本当に無駄な時間の過ごし方だという事でもあるので、積極的にお金をかけて解決してしまうのも良いと思います。
節約をして貯めたお金の使い道は自由ではありますが、いわゆるレジャーのようなストレス発散に使うより、ストレスそのものを減らす方法に使った方が、日々の無駄な時間が減って有益な時間が増えやすくなってくれますよ。
ちなみに外国の話ですが、武器などを製造する工場では、あえてどこに使われているパーツかわからないように徹底するそうです。
作業員が具体的にイメージできてしまうと、そこに罪悪感を感じるからです。あえて臨場感を下げるような工夫をする事で罪悪感をもたらさないようにしています。
これも考え方次第の意味です。むしろやりがいを少なくした方が良いケースもあるわけです。
武器の話は気にしなくてもいいですが、人は同じ作業、同じ時間の過ごし方でも、考え方次第で楽しくも苦しくもなります。もちろん全ての苦しい時間を変えることは難しいのですが、難しい対象ほど、積極的にお金をかけて減らすことをおすすめします。
料理をするのが大好きな人が、外食や出前にお金をかけてもストレスになりますが、料理が苦手な人であれば、外食や出前やお弁当の購入はストレスの軽減になり、準備や片付けの無駄な時間が有益な時間に変化します。
当ブログは節約をすすめているわけですが、何から何まで節約をすることが良いと言いたいわけでもありません。
徒歩30分の通勤をしている人であれば、自転車を購入することで20分もの有益な時間を増やすことが出きます。
もちろん歩くことに楽しみを見出しているのであれば、通勤時間は有益な時間なので全く問題はありません。
満員電車によるストレスだって、お金さえかければいくらでも解決する方法があるはずです。マイカーでもタクシーでも簡単に対処法が見つかります。
もちろん予算の都合もあるので誰もが変えられるものではありませんが、満員電車で揺られながらもイヤホンで勉強している人もいれば、スマホで情報収集をしている人も多いわけです。
席が空いてもあえて座らないで体幹を鍛えるという考え方もありますし、車窓を眺めて動体視力を鍛えるという人もいます。
ファッションが好きな人や仕事にしている人であれば、周りの人のファッションや髪型をチェックする事で勉強になりますし、自分に役立つ事なのだと考えられるようになると、ストレスが溜まっていはずの通勤電車の中でも、有益な時間と捉えられるようになります。
時間が過ぎるのが長く感じられる無駄な時間というのは、ちょっとした工夫で減らす事が出来るものなので、ぜひ自分なりに考えてみてください。
この事を考えないという事こそが、ある意味では最も無駄な時間になるのかも知れません。自分の変化に合わせて日々考えてアップデートしていかないと、どうでも良い人間関係を継続して時間が奪われてしまったり、何となく行っている習慣を見直すきっかけがありません。
通勤によるストレスだって、ちょっと時間をズラすだけで有効に使えるようになるかもしれませんし、履き心地の良い靴に替えたり、軽いバッグに替えるような事でも負担が減るものです。
これらと向き合う事がないと、疲れた身体を癒す為にマッサージや温泉に行くような事になり、益々余計な時間とお金が奪われてしまいます。
一時的な効果しかない癒しやストレス発散では、根本的な問題は何も変わりません。
時間の経過が長く感じられる無駄な時間を見極められると、必ず何かしらの対処法が見つかるものなので、日々の状況に変化に合わせて考えるようにしてほしいと思います。この考える行為こそが、最も有益な時間の使い方なのかも知れませんよ。