節約なんて意味がない!?
しばしばネットニュースで「節約なんて意味がない!」「節約など必要ない!」といった意見を目にすることがあります。
どんな意見を言うのも自由ですが、わざわざこのような意見を言う人には、大きく分けて二つに分類できます。
一つ目は実体験をもとに発言している人です。その人なり節約を実践した上でデメリットを紹介しています。その人と同じような環境の人にとっては、確かに役立つ情報になると思います。
もう一つは目的があって発言している人です。こちらの意見には注意しなければなりません。「節約なんて意味がない」とアピールするには理由があります。
実体験を発言している人の意見
実体験をもとに発言している人の意見は、とても参考になります。
- 節約する時間があるなら勉強したほうが効率が良い
- 節約するのではなく稼ぐ方法を意識しよう
- コストパフォーマンス、効率が悪い
など、ご自身の過去の実体験をもとに、間違った節約、失敗した節約を指摘してくれています。
節約しているすべての人の参考になるとは限りませんが、なんでもかんでも自分で行い、無駄な時間を増やしてしまっている人には、大いに参考になるケースがあります。
目的があって発言する人の意見
気をつけてほしいのは、別に目的があって節約に否定的な意見を言う人です。彼らが節約を否定する理由は、あくまでも彼らの目的を達成するためです。
たとえば、投資商品を販売している会社などがあげられます。
- 節約するよりも投資で増やしたほうが効率が良い
- 老後資金は節約だけではまかなえない
など、節約を否定することで目的(投資商品を購入させる)を達成させようとしてきます。
本来ならその投資商品の素晴らしさを説明すればいいはずなのですが、それだと簡単に売れない魅力がない商品なので、ライバルの多い投資商品を探している人をターゲットにするのではなく、別の箇所(情報弱者、投資商品に弱い層)を攻めているということです。
節約をする方の多くはお金に不安を抱えているので、その不安をより煽るために現在の状況(節約をしている)を否定し、新たな解決策を掲示してきます。
本人が納得して投資するのは構いませんが、その場合は数ある投資商品の中から適したものを選ぶべきです。不安を煽ってきた投資会社の商品が優れているとは限りません。むしろ王道の投資商品としては勝負できないダメな商品の可能性があります。
発言する人の背景
私が当サイトで好き勝手に発言するように、誰もが自由に発言をする権利がありますが、その発言をしている人の背景を意識してよく見てみると、今まで見えてこなかったものが見えてくるものです。
実体験をもとに節約を否定している人の意見というのは、節約家からするとイヤな気分にさせられることもありますが、少なくとも彼らは良かれと思って発言しているわけです。
正しいかどうかは人それぞれ環境が違うので簡単に決めることはできませんが、少なくとも私は彼らの考える節約よりも、より良い方法がある信じて情報を発信しています。
そもそも彼らの節約のレベルが低いケースもあるのですが、それも人それぞれなので読み手であるこちら側が判断すればいいだけです。
一方で目的があって発言する人には気を付けなければなりません。
投資会社の例を出しましたが、これは個人レベルでもあることです。何かしらの方法であなたの懐を狙ってくるかもしれません。
書籍の場合は著者のプロフィールをよく見てください。経済学者と言っても特定の企業のお抱え学者ということもありますし、堂々と○○証券会社勤務と書いてあることもあります。
彼らの意見は初めに目的(投資商品を売る)ありきです。正攻法で攻めても売れないほど魅力のない商品だからこそ、目の肥えていない層(節約をしている層)をターゲットにしてきます。
「節約なんて意味がない」
「節約する必要などない」
「節約すると経済が回らない」
など発言している人がいたら、その人の背景をよくみてから判断するようにしてください。裏の顔が見えると、その人が善意でそのような情報を発信しているのか、悪意で発信しているかわかると思います。
まとめ 否定する理由を知ろう
私は薄毛に悩んでいたことがあり、十年ぐらい前に薄毛関連の本を読み漁っていたことがあります。
そこで感じたのは「薄毛対策に正解はない」ということです。これはダイエット方法なども同じだと思います。
どの方法でも説得力がそれなりにあるものです。健康によさそうな意見であれば、大抵はこじつけられます。
- 運動して血液の流れが良くなれば髪の毛に良い(痩せる)
- 栄養のある物を食べれば髪の毛に良い(健康的に痩せる)
- ストレスのない生活をおくると髪の毛によい(ドカ食いを防げる)
- 十分な睡眠をとると髪の毛が成長する(痩せる)
など、大抵の意見はこじつけられます。どれも説得力がありますが、因果関係は結構曖昧なものです。
たまに個性的な意見を目にすることもありますが、その方法が特定の商品を購入させるための誘導になっているケースが珍しくありません。
薄毛関連の本を読みあさり、新しい意見に出会って関心して本を読み終え、最後に著者のプロフィールを確認すると、その特定の商品を販売している会社の関係者だったということが、とても多かったです。
お抱え学者や関係者の意見が全て嘘だとは言いませんが、そのまま鵜呑みにしてしまうことにはリスクがあります。
「節約なんて意味がない」「節約する必要がない」といった発言に限ったことではありませんが、わざわざ声を大きくして否定的な意見を言う方の背景には、それなりの理由があるものです。
その背景を観察するようにしてみてください。これだけで多くの誘導に気がつくことができます。
もちろん善意の誘導もあります。その善意に賛同できたのであれば、あえてそれに乗っかるのも良いかと思います。
こちらと相手側にとって共にメリットがある情報であれば、それは素晴らしい出会いになると思います。
「節約なんて必要ない!意味がない!」といった過激な意見に惑わされることなく、否定的な意見を発信している人の背景を理解してほしいと思います。
権威のある(と感じている)テレビや新聞の意見を、そのまま鵜呑みにしないでください。自分のフィルターを通して冷静に判断してください。
日本経済を活性化させるためには節約などせず、どんどん消費するべきなのかもしれませんが、日本経済の為にあなたの懐がさみしくなる必要などありません。
ましてやクレジットカードのリボ払いや借金を抱える必要などありません。苦労など買ってまでする必要はありません。
借金(投資も)をすすめている人の背景をよくみると、お金を貸す側(投資商品を売る側)が驚くほど多いものです。
必ずしも節約をすることが正しいというわけではありませんが、安易な儲け話には気を付けてほしいと思います。人の意見を参考にするのは大切なことですが、判断まで任せてしまうと大やけどするかもしれませんよ。