節約はレジャー!

シーズン毎に洋服を買い替える自称ミニマリストへの違和感

ミニマリストはシーズン毎に洋服を買い替える?

少し前に自称ミニマリストの有名人が、「洋服はシーズン毎に全て買い替えている」と自慢げに語っていました。

その理由が、

  • その時々の自分に合う洋服を選べる
  • 流行遅れにならない
  • 衣替えの手間がない

といったものであり、いかにもミニマリストらしい意見ではあるのですが、私は少し違和感をおぼえました。

節約家とミニマリストの生活や選択の違いというのは、富士山を静岡県側から登るのか、山梨県側から登るかのような違いであり、結果的には似たような生活や選択になっている事が多く、はたから見ると同じような考え方に見られるのですが、やはりスタート地点が違うせいか、微妙な違いがあるものです。

「少ない物で豊かに暮らす」といった観点は合致しているのですがが、まだまだ着られる洋服でも季節によって捨ててしまうという点には、素直に納得はできませんでした。

当ブログでも洋服を捨てる効果について紹介した事があるのですが、

参考洋服を捨てる事で得られる効果

これはあくまでも考え方の変換の為に有効な方法であり、シーズン毎に洋服を買い替えるといった期間で決めるような事ではありません。

そもそも全ての洋服が流行に左右されるわけではありませんし、多少擦り切れていても自宅の中で着る分には問題ありませんし、衣替えの手間など日頃からしっかりと洋服のメンテナンスをしていれば、それほど大きな問題ではありません。

参考衣替え上手は節約上手

その時々の自分の体型に合わせた洋服選びが出来るというのも、なんだか微妙です。洋服のサイズをきちんと合わせる事は大事ですが、自分の体型を維持する事の方がより大事な事です。

来シーズンに着られなくなってしまうほど体型が変わる方が問題ですし、自称ミニマリストが自慢げに語っていた理由というのは、なんだか本質から逸れているように感じました。

ミニマリストとは?

ミニマリストという言葉の意味を調べてみると、

持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人。自分にとって本当に必要な物だけを持つことでかえって豊かに生きられるという考え方で、大量生産・大量消費の現代社会において、新しく生まれたライフスタイルである。「最小限の」という意味のミニマル(minimal)から派生した造語。

とありました。

シーズン毎に洋服を買い替える事は、どちらかと言えば大量生産、大量消費側ではないでしょうか。

洋服の寿命というのは扱い方によって随分と差がありますし、流行に重きを置かないのであれば、シーズン遅れの割引された洋服を選んだからといって、寿命が切れているわけではありません。

洋服の寿命は人それぞれ

私自身も下着や肌着や靴下などは三着ぐらいを着回しているので、半年ぐらいでボロボロになって買い替える事が多いのですが、いわゆる外出着のような洋服は数年間は着用しています。

冬場の部屋着として着ているフリースは、チャックが壊れて外せないのですが、トレーナーのように着ればいいだけなので6年ぐらい活躍してくれています。

洋服の寿命はデザインの流行遅れといった要素もありますが、大抵は雑な扱い方によって自ら寿命を縮めてしまいます。

洗濯の仕方によっても変わりますし、洋服によっては洗濯のし過ぎで寿命を縮めてしまう事もあります。

スーツやコートのような自宅での洗濯が難しい洋服であれば、汚れないように気をつけるといった気遣い次第で寿命は大きく変わります。

靴下のように体重を支えて擦れる機会が多い洋服だと、シーズン毎にダメになってしまうかも知れませんが、他の洋服だとそれほど擦り切れるものではありません。

肩掛けバッグが原因で洋服の生地が傷むようなケースもありますが、軽いバッグを選んで不要な物を持ち歩かないようにしたり、ストラップの形状を意識したり、肩に掛ける向きを変えたりといった事でも負担は大きく変わります。

重たい物を入れて持ち運ぶ時だけでも、手で持つようにすると随分と変わってきます。

また帰宅してからも外出着のままでいると、擦れる機会を増やしてしまいます。ソファーの上で横になってしまうと洋服の生地が捻られて擦れてしまうので、さっさと部屋着や2軍の洋服(元外出着)に着替える事で寿命を縮めずに済みます。

洋服の寿命というのは自ら縮めている事がほとんどであり、ワンシーズンぐらいで寿命を迎えてしまう生活を改める事の方が、少ない物で豊かに暮らす事につながるのではないでしょうか。

シーズン毎に洋服を買い替える自称ミニマリストの人のような考え方だと、せっかくの1軍の洋服を自宅の中で傷めてしまう事になってしまいますし、洗濯が必要な皮脂汚れが付着する時間も長くなってしまいます。

これは靴の寿命で考えてみると、より分かりやくなるかも知れません。

靴の寿命を全うできる人

日本は室内で靴を脱ぐ文化なので、どうしても脱ぎ履きしやすい緩めのサイズを選ぶ人が多いのですが、それだけに靴の寿命を縮めやすくなってしまいます。

靴紐を緩めた状態で固定していたり、履く時には強引に押し込んだり、脱ぐ時に手を使わずに靴同士を擦り合わせて脱いでいると、どんどん靴は傷んでヨレヨレになっていきます。

多くの人は靴底がすり減って寿命を迎えたから買い替えるのではなく、自らの雑な扱い方のせいでボロボロにした結果、寿命だと判断する事になります。

それこそ靴もシーズン毎に買い替えるような人が多いですが、一方で靴底を補修しながら何年も履く人がいます。

本格的な革靴だと靴底を張り替える事も出来ますが、安価な靴でも補修材ですり減った箇所を補う事ができますし、見た目が汚れてヨレていなければ、まだまだ活躍してもらえます。

1000円ぐらいの安い靴だと構造も弱いので、大切に扱っても直ぐに傷んでしまう事が多いのですが、そのような靴を半年毎に買い替えるとなると、5年で10足、1万円の出費になりますが、見た目も構造も良い1万円の靴を丁寧に扱い、靴底を補修しながら履いていると、5年ぐらい良い状態で履き続ける事ができるものです。

靴底の補修材の費用や靴紐や中敷きの交換費用を考えると、5年間のトータルで12000円ぐらいになるかも知れませんが、直ぐに汚れてヨレヨレになってしまっている靴を常に履いている人と、見た目も綺麗で足の形に馴染んでいる履き心地の良い靴を履いている人では、どちらが良いか分かると思います。

長年履き続けた靴というのは、靴の中底が足の裏の形に合わせて沈んでいくので、新品の靴にはないフィット感があります。

これは普段の歩き方や姿勢といった要素にも影響してくるので、健康という意味でもメリットがあります。姿勢や歩き方が悪い人というのは、かなりの確率でブカブカの靴を履いています。

適当に靴紐を緩めてブカブカな状態で履いている靴だと、まともに走る事ができないように、フィットしていない靴というのは歩き方や姿勢を崩す原因となってしまいます。

節約家の中にも安価な靴を頻繁に買い替えるような人が多いのですが、そのような靴だって日頃から靴ベラを使って丁寧に履いたり、靴紐をしっかりと結び直すようにすると、ヨレヨレになりにくくなるので寿命が延びますし、フィット感も向上して健康面でのメリットを得る事ができます。

何をもって豊かな生活なのかと判断するかにもよりますが、洋服や靴のメンテナンスや扱い方といった要素を含めて判断できないと、「シーズン毎に買い替えるのが効率が良い」という判断になってしまうのではないでしょうか。

ミニマリストの「少ない物で豊かに暮らす」という点では間違っていないのかも知れませんが、その根底にある物を無駄にしない点ではズレているように感じます

ミニマリストの快適さだけを求めてしまうと、本質とズレてしまうのかも知れません。

まとめ 本質を見極めよう

私自身も節約家なので、ミニマリストの考え方には共感する事が多いのですが、中には物を手放す快感だけに捉われていて本質を見失ってしまっている人がいるのかも知れません。

洋服に求める役割というのも人それぞれなので、常に流行を意識したいオシャレな人にとっては「シーズン毎に洋服を買い替える」といった基準が快適なのかも知れませんが、私はまだまだ着られる洋服を捨てる気にはなりません。

流行遅れになった洋服やときめかなくなった洋服を、リサイクルショップに持ち込めば誰かの役に立つかも知れませんが、それもあまり好きではありません。

子供服のようにサイズが合わなくなって着られなくなった洋服であれば、リサイクルショップの役割は素晴らしいと思いますが、大人の洋服は着られなくなった洋服ではなく、着たくなくなった洋服ばかりです。

この着たくなくなった自分側に、一番の問題があるのではないでしょうか。

まだまだ着られる洋服なら自分で着ればいいですし、そもそも流行に左右されるような洋服を選ばなければ良いだけです。太って着られなくなったのも自分の問題ですし、ダイエットに成功してブカブカになってしまったのも、過去に太っていた自分の問題です。洋服のせいではありません。

ときめかなくなった洋服を捨てるといった基準も同じです。洋服の役割を無視してときめきだけで選んでしまった過去の自分の問題であり、しっかりと役割を考えて選んだ洋服であれば、ときめきで必要性は左右されません。

こういった事と向き合う事こそが、ミニマリストの本質ではないでしょうか。不要なものを手放す事よりも、不要になるものを手にしない基準をしっかりと構築するこそが、ミニマリストへの道なのだと感じます。

「シーズン毎に洋服を買い替える」といった基準は、本質から随分とズレているように感じます。現在所有しているものを大切に扱い、きちんと寿命を全うさせてあげる事こそ、本当に豊かな生活になるのではないでしょうか。

参考物を使い切る習慣が節約を加速させる

靴下などは靴の中よりも自宅の中を歩き回っている時の方が擦れやすいので、帰宅したらさっさと2軍の靴下に履き替える事で、随分と寿命が延びるものです。

Tシャツを脱ぐ時にも襟を引っ張ってしまうと、直ぐに襟元がダルダルになってしまいますが、腕をクロスさせて袖をもってスルスルと持ち上げて脱ぐと、必要以上に襟元を広げる事になりません。

滑らないハンガーにかけるような事でも寿命を左右しますし、ジャケットやコートのような張りのある生地の洋服だと、針金ハンガーのようなフィットしないものにかけていると、型崩れの原因となってしまいます。

これらのように洋服は扱い方次第で寿命は大きく変わります。そこと向き合う事なく効率だけを求めてシーズン毎に洋服を買い替えているようでは、ミニマリストの本質に近づく事がないのではないでしょうか。

洗車をして水分を拭き取っている男性私にも傷んで人前では着たくない洋服がありますが、部屋着として活用したり、洗車や掃除をする時のような汚れやすい時に着て活用しています。

参考洗車代を節約するポイント!

それらの洋服もいずれは限界を迎えますが、その時にはリサイクルショップに持ち込めるような状態ではないので、ハンカチぐらいの大きさにカットして雑巾にして使い切ります。

しっかりと物を使い切ることこそが、本当のミニマリストなのではないでしょうか。

これは節約家にも言える事ですが、価格の安さだけに囚われてしまうと本質を見失ってしまうので気をつけてほしいと思います。

ボールペン選びのような事だって、価格の安さだけに囚われると100均で10本入りのものを選び、インクが出にくくなったらさっさと新品に替えるのが良いかも知れませんが、1本200円ぐらいの書きやすいボールペンを選んだ方が、日頃の使い勝手が格段にあがります。

たまにしかボールペンを使わない人であれば、書きやすさなど求めないかも知れませんが、頻繁に使う人であれば少し高価でも書きやすいボールペンを選び、替え芯だけを交換した方が、書きやすくて満足するのではないでしょうか。

目的から逆算して考えると、本質を見誤らずにベストな選択肢を見つけやすくなるので、ミニマリストでも節約家でも本質と向き合うようになってください。

物を捨てる事がミニマリストの本質ではなく、必要十分な物をしっかりと見極めて不要な物を手にしないのが本当のミニマリストだと思うので、冒頭で紹介した自称ミニマリストのような有名人の意見に惑わされないでほしいと思います。

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節約はレジャーを書いている人

光司

光司

離婚を経て人生のどん底を味わってから節約に目覚めたアラフォー男子の光司(コウジ)です。 実際に役に立った節約情報やオリジナルの節約方法を紹介します。 お金のかからない健康法や節約が上手くいく人の考え方など、様々な観点から節約について紹介するブログを目指しています。 より詳しいプロフィールはこちら⇒ [詳細]

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