物を使い切るメリット
私は節約家ということもあり、どうしたら物を使い切れるかとよく考えています。
頻繁に使う消耗品を最後まで使うのは難しいことではありませんが、「使い切る」となると意外と簡単ではありません。
例えば歯磨き粉を使い切るのはかなり難しいです。チューブをハサミでカットして残りを使うような方法もありますが、私は適度にチューブの中に空気を膨らませて蓋をし、中身が先端の方に貯まるように振っています。
歯磨き粉を手で押し出せなくなってからでも、これを行う度に出てくれるので10回以上は当たり前に使うことができます。それで出なくなってもハサミでカットすると、1回分ぐらいは使えるものです。
この使い切るまでしばらく掛かることを理解しているので、このタイミングになってから新しい歯磨き粉を買ってきます。常に買いだめして収納スペースを圧迫するようなことはありません。
歯磨き粉を保管しておくスペースなど、たかが知れていますが、このような視点を広げていくことで余計な物を所有しなくても良くなるものです。
食器用洗剤なども出なくなってから少し水を入れて振ってあげると、数回分は使えるようになります。詰め替えパックがあれば気にしなくても良いと思うかも知れませんが、その詰め替えパックに残っている洗剤に対しても同じ事が当てはまるので、そちらにも水を入れて中身を使い切るように心がけています。
これは単純に節約という意味もありますが、プラスチックごみを綺麗にすることにもなるので、環境にとっても良いことなのではないでしょうか。
使い切ったと思っているオリーブオイルなども、しばらく逆さまにしておくと小さじ一杯分ぐらいは出てくるので、ちょっとした調理に使うことができます。
最近だと貰い物のビンのジャムにスプーンですくえない量が残ってしまったので、水を入れて振ってからパン生地に練り込んで使い切りました。
プラスチック容器やビンをリサイクルに出す為に水ですすいで綺麗にする人も多いと思いますが、それを排水溝に流してしまうより、何かしらの用途に利用した方が資源を無駄にするだけでなく、排水溝や下水を汚すこともなくなります。
パンを生地から作る人は少ないと思いますが、煮物の砂糖替わりにするようなことも出来るはずです。全ての物を使い切るのは難しいですが、このようなちょっとした工夫で使い切れることがあるものです。
このような工夫に対して「ケチだ」とか「みじめだ」と言う人がいるのですが、単純にお金の問題だけしか見えていないので、様々なメリットを見過ごしてしまっています。
一方で物を使い切るメリットを理解できるようになると、どんどん節約が加速して新たな境地に到達することができます。節約家の皆さんもぜひ物を使い切れないか考えるようにしてみてください。
安く買う前に考える
節約というと安く買う方法ばかりが取り上げられるものですが、今ある物を使い切る習慣を身につけるのも立派な節約です。
ネットで最安値の蒸し器を探して安く購入するのも節約ではありますが、たまにしか蒸し料理をしないのであれば、手持ちの鍋やフライパンなどを組み合わせて蒸したり、電子レンジを活用した方が余計なお金が掛からないだけでなく、収納スペースを圧迫せずに済みます。
飲食店のように頻繁に蒸し器を使用する場合だと効率が悪いですが、蒸し料理に挑戦してみようかという段階の人であれば他の物で代用しても十分かも知れません。
蒸しが上手くいかなくて失敗する可能性がないとは言いませんが、蒸し料理にハマらなければ蒸し器は無駄になってしまいます。
当ブログでは以前に「フライパンでパンを焼く方法」や手持ちのスピーカーをダンボールに詰めて「高音質なスピーカーを作る方法」などを紹介してきたのですが、
これらも手持ちの物で代用できないかと考えた結果、新たに見つけることが出来た情報です。
日頃から物を使い切る習慣をもっていると、単純に無駄が減って節約になるものですが、メリットはそれだけではなく、様々な活用法が閃きやすくなり、新たな情報にアクセスしやすくなります。
まだまだ使えるからとリサイクルに出すのが悪いとは言いませんが、まだまだ使えるなら自分で最後まで使い切った方が、無駄にならないはずです。
この視点が加わると、使い切りやすそうな物選びといった新たな選択基準が構築されていくので、節約もどんどん加速していきます。要は頭の使い方が良くなっていくという事です。
使い切ると脳が活性化する!
魚の煮付けを作ると煮汁が余ってしまうものですが、使い切る習慣をもっていると小さな鍋の方が無駄にならないと気づくので、予め食べない顔を切り落としたり、身を適度な大きさに切ってから煮込むというアイデアが思いつくかも知れません。
お店のように見た目にもこだわるのであれば別ですが、家庭で食べるだけなら細かく切り分けられていても、それほど問題ないはずです。すると煮汁の調味料が大幅に節約できるようになります。
ボールの中で混ぜ合わせた料理といったものでも、ゴムベラを利用すると綺麗に取り切れるものですが、この視点を広げて鍋やフライパンで調理した料理を盛り付ける際にもゴムベラですくい取る事で無駄なく食べきる事ができますし、鍋を洗う際の手間も軽減できます。
鍋に残ったカレーでカレーうどんを作って使い切る方法は有名ですが、似たようなアイデアが次々と閃いていくるかも知れません。
健康の為にトマトジュースや栄養ドリンクを飲んでいるのであれば、飲み干しても容器に少し残っているので、水を入れてゆすいだものを飲んだ方が、無駄なく栄養を摂取する事ができます。
美味しくジュースを楽しみたい人にとっては無駄な事かも知れませんが、栄養を摂取する為であればより目的を果たす事につながります。もちろん容器も綺麗になってリサイクルにとってもメリットがあります。
ボールペンを使い切ることができると、替え芯の存在が目に入ってくるようになります。書きにくい安いボールペンを買うより、一度それなりのボールペンを買って替え芯を使用した方が、コストだけでなくパフォーマンス(書きやすさや満足感)も上がるかも知れません。
安いボールペンを何本も所有していている家庭が多いですが、書きやすい上質なボールペンを一本だけ所有していた方が、余計な物がなくてスッキリするだけでなく、使いやすさも向上しますし、放置されてインクが乾燥して無駄にしてしまうような事もなくなります。
安く買える物だからと使い切ることなく気軽に買い替えていると、なかなかこのような気づきが得られないので、結局は「安物買いの銭失い」になってしまいます。
しばしば大型スーパーでまとめ買いをする節約テクニックが紹介されていますが、安いだけに使い過ぎてしまうリスクがあります。タバコやお酒もストックあると家庭ほど量のコントロールが難しくなりますし、アル中の人の家には大きな焼酎のボトルがあるものです。
ティッシュやトイレットペーパーをまとめ買いしていると、遠慮せずにどんどん使ってしまうものですが、使い切ってから買う習慣があると無駄に使うようなこともなくなります。
冷蔵庫に大好きなアイスをいつも用意していると、ついつい手が伸びてしまうものですが、それほど食べたくもないタイミングでも食べてしまうことが増えてしまいます。
それよりも本当にアイスが食べたい時だけ購入してきた方が、その都度食べたいアイスの銘柄を選ぶことが出来ますし、ずっと満足感が得られるのではないでしょうか。
物を安く購入することが悪いわけではありませんが、そればかりに囚われていると物を使い切る習慣が失われてしまいます。
一方で物を使い切ることを考えるようになると、どんどん新しいアイデアが浮かんでくきます。「アイスは本当に食べたい時だけ美味しい物を選ぶのがベストだ!」と考えられるようになると、冷凍庫がなくても問題ないといった新たな視点が見えてくるかも知れません。
すると次の買い替えのタイミングで、省エネタイプのコンパクトな冷蔵庫を無理なく選べるようになるかも知れませんし、人によってはホテルにあるような冷凍庫がない小さな冷蔵庫で十分かも知れません。
小さな冷蔵庫ほど上のスペースも有効活用できるので、部屋の空間にだって余裕が出てくるものです。
物を使い切るようになると、自然と最適な量というものが分かるようになるので、余計な物を所有しなくなって掃除の効率や管理も格段に楽になり、ますます節約が加速していきます。
ゆとりある洋服のサイズも無駄
物を使い切るようになると余計な物やスペースといった事に意識が向くようになるので、洋服のサイズといった事でも様々な気づきが得られます。
大きめのサイズの洋服を選んでおけば、少しぐらい体型が変わっても無駄にならないと考えている人がいますが、余計な生地は重たくなるだけでなく、身体にまとわりつく生地が増えて身体の負担になってしまいます。
スポーツ選手のウエアで考えてみると分かりやすいのですが、昔のスポーツ選手と比べてフィットしている洋服に進化しているものです。
大き過ぎる洋服はシワが増えて見た目の印象が悪くなるだけでなく、洗濯物の容量も無駄に増やしてしまうので、水道代や洗剤も無駄に使う事になりますし、クローゼットやタンスのスペースも圧迫してしまいます。
逆にフィットしている洋服を着ている人というのは、体型の変化に敏感になるので自然と節制するようになります。
アメリカの研究だと、指定の制服がある学校と私服の学校の生徒の体型の変化を比べると、圧倒的に制服を着ている学生の方が太りにくい事が判明しています。
私服のようなカジュアルな洋服ほどサイズによとりがあるものですが、制服のように頻繁に買い替えない洋服ほど、体型の変化を敏感に察知する事になります。
毎日のように体重計に乗って体重の変化をチェックしていない人というのは、なかなか体型の変化に気が付けないものですが、フィットしている洋服を身につけている人というのは、チャックやボタンを留めた時に自然と体型の変化に気がつくようになるので、「今日のお昼は軽いモノにしようかな」といった感じで調節しやすくなります。
これらのように物を使い切る習慣をもつと、必要十分な量やサイズといった要素に意識が向くようになり、生活習慣の乱れを防ぎやすくなっていきます。
ドラマや映画で貧乏な家庭を演出する際に、部屋を散らからせて物だらけにするように、使い切れもしない余計な物が多いほど印象も悪くなってしまうものです。
まとめ 使い切るからこそ気づくこと
物を安く買うことばかりにこだわってしまうと、使い切れもしない物を保管しておく為に部屋や倉庫が必要になって余計な家賃を支払っている事になっているかも知れません。
無駄なストックがなくなれば、無理なく家賃を下げられて大幅な節約ができるかも知れません。
最近は貸し物置のようなサービスが普及してきましたが、滅多に使わない物を所有していなければならない人など、そう多くないはずです。
部屋中に物が溢れている家庭ほど、物を使い切る習慣がありません。どうせ安いからと気軽に買い足してしまうので、どんどん物が増えてしまいます。そしていよいよ収納場所に困ってくると、まだまだ使える物まで捨てることになってしまいます。これほど無駄な事はありません。
大掃除で物を捨てる人が多いですが、日頃から物を使い切っている人は年末だからと捨てる物など出てこないものです。
職場のように作業効率や利益効率が求められる場所では、物を使い切る為に時間をかけていると効率が悪くなってしまいますが、自分の自由な時間で行うのであれば多少効率が悪くても、あまり関係ないのではないでしょうか。
もちろん自宅でも忙しい人なら、ハウスクリーニングをお願いするようなことが悪いわけではないのですが、そこで安いハウスクリーニング業者を探すことばかりにこだわってしまうと、部屋が汚れる原因と向き合う機会がなくなってしまうので、いつまで経ってもハウスクリーニングに頼り続けることになってしまいます。
部屋にホコリが貯まる原因が毛足の長い絨毯だったり、厚みのある豪華なカーテンや布製のソファーかも知れません。それらが本当に必要なのであればいいのですが、安易に選んでしまったものであれば、それらを替えることでホコリも劇的に減るかも知れません。
部屋の掃除を効率よく行う為に使いやすいコードレスの掃除機を購入する前に、これらのような事を考えることで手持ちに掃除機でも十分だなと判断できるかも知れません。
お金さえかければ大抵の問題は簡単に解決できる方法が見つかるものですが、その問題の本質と向き合うことで、より良い解決策が見えてくることは珍しくありません。
物を使い切る習慣をもつと、この本質と向き合う機会が増えていくので、自然と物選びの基準が変わっていきます。
換気扇の油汚れが酷いのであれば、揚げ物を調理する機会を改めるきっかけになるかも知れません。同じ食材を調理するのであれば、揚げるよりも炒める、炒めるよりも煮る、似るよりも蒸す、のように調理法を改める事で、無理なく余計な油分をカットできて掃除も楽になるものです。
物を使い切る習慣をもつと、これらのような本質と向き合う良い機会になるので、どんどん新たな選択肢が見えてきやすくなってきます。これが物を使い切る最も大きなメリットです。
この本質を理解できていない人ほど、適当に「ケチだ」とか「みずぼらしい」といった発言をするのですが、物を使い切ることは単純に節約になるだけではなく、様々なメリットがあるということを理解してほしいと思います。
ボックスティッシュ一つとっても、よく見かける大手メーカーのティッシュの箱のフィルムは、綺麗にはがせないといったことに気づくようになります。一方でそれほど有名ではないメーカーのボックスティッシュの方が、分別がしやすいように綺麗にフィルムをはがせたり、フィルム自体がないタイプも見つかります。
同じような品質や価格のティッシュなのであれば、後者を選んだ方がずっと日々の管理が楽になります。
さらにポケットティッシュのようなソフトパックのボックスティッシュの存在まで気づくことが出来るかも知れません。
私自身もこれを使っているのですが、五個パックの大きさでも箱入りとは全然違うので助かっています。
価格はそれほど安いわけでもないのですが、私がティッシュに求める役割としては十分なので、ここ数年はこればっかりです。
このソフトパックのティッシュに対して「貧乏くさい」と軽蔑するような人がいるのですが、普通に使う分には問題ありませんし、ティッシュケースを使用している家庭であれば見た目の問題もクリアできます。
省スペースなので工場から店頭に並ぶまでの運搬効率も良くなりますし、ゴミを減らすという意味でも素晴らしい選択肢なのではないでしょうか。
他にも私は現在シャンプーや石鹸を使っていないのですが、これも本質と向き合うことで導きだされた結果です。
元々私は乾燥肌で空気が乾燥している冬場は保湿クリームが手放せなかったのですが、洗浄力の弱いシャンプーや石鹸を選ぶようになると徐々に改善していきました。
さらに本質と向き合っていくと、ノーシャンプーや脱石鹸をしている人達の情報が目に入ってくるようになり、そのような書籍を読んで納得できるようになったので、無理なく手放すことができました。
すると見事に肌の乾燥で悩まなくなりました。当然シャンプーや石鹸を買う必要もないので節約になりますし、シャンプーボトルを置くスペースや石鹸置きもいらなくなったので、お風呂掃除も格段に楽になりました。
お風呂場が汚れる原因は人間の皮脂汚れだけでなく、石鹸カスや飛び散ったシャンプーの泡なども関係しているので、普通に掃除をするだけでも楽になり、現在は食器用洗剤で代用するようになりました。
おそらく昔の私ならシャンプーや石鹸を使用していないという人に対して「不潔だ!ありえない!」と決めつけてお終いだったので、このような本質的な改善策にはたどり着くことは出来なかったのですが、節約家になって物を使い切るようになると、どんどん新たな選択肢が目に入ってくるようになりました。
この方法が全ての人にとってベストだと言いたいわけではないのですが、自分で判断することがないと、いつまで経っても相性の良い方法を見つけることが出来ないということです。
シャンプーや石鹸を使い切ることでも、意外と少ない量でも身体を洗えるといった新たな気づきが得られるようになるかも知れません。
洗濯機の排水ホースの内側の汚れといったものも、洗剤や柔軟剤の使い過ぎが原因という事もあります。
まとめ買いで安く洗剤を購入できたからと、安易に必要以上の洗剤を使用していると、すすぎが悪くなったり、洗濯機が汚れる事になってしまいます。
洗剤の使用量を抑えられるようになると、衣類に残る洗剤の成分も減って肌の状態も良くなるかも知れません。
きちんと物を使い切ることで様々な気づきが得られ、新たなアイデアが浮かぶ(目に入る)ことがあるので、まずは手持ちの物を綺麗に使い切るようにしてみてください。
スマホの保存容量が足りなくなってきたからと、安易に容量の大きなスマホやSDカードを買ってしまうと新たな気づきが得られませんが、不要な情報やアプリを削除するだけで足りるかも知れませんし、クラウド上の保存サービスを利用するといった新たな気づきが得られるかも知れません。
いつでもダウンロードできるデーターまで所有している必要はありませんし、なくても困らない物がたくさん見つかると思います。
余計なアプリが無くなると動作も軽くなりますし、管理もしやすくなります。工夫次第で解決できてしまう事は珍しくありません。
それらと向き合った上で容量が足りないのであれば、ほどほどの容量のSDカードで買い足すだけで十分だと判断できるので、必要以上に無駄なお金を掛けずに済むようになります。
「大は小を兼ねる」とは言いますが、大き過ぎることによって無意味な物を手放す機会が失われるリスクもあるので、しっかりと本質と向き合うようになってほしいと思います。
ケーキやアイスの蓋のフィルムを舐めるのだって、人前で行わなければ良いだけです。子供の教育の為に行わないといった選択肢もありますが、言い聞かせられる年齢の子供であれば、その意味を教えてあげた上で、自ら選択させれば良いのではないでしょうか。
中国ではあえて提供された食べ物を残す事で「食べきれないほどのもてなしに感謝します」といった事を表すマナーがあったり、飲食店で高価なボトルのお酒を注文した時にあえて4分の1ぐらい残して、給料が安くて自分では注文できないであろう若い従業員に「これで勉強しなさいよ」といったメッセージがあったりしますが、それらは使い分けられれば良いだけであり、常にそうしなければならないわけでもありません。
使い分けられない小さな子供の前では、相手やその場に失礼になるような事は見せない方が良いとは思いますが、そうでなければ自分でコントロールしても問題ないはずです。
物を使い切る為に頭を働かせる事は、単純に節約やケチといった事ではなく、より本質にアプローチする良い機会になるので、ぜひ皆さんも手持ちの物を使いきれないか考えるようにしてみてください。きっと新たな境地に到達できますよ♪