純セレブスピーカーの壁?
当ブログは主に節約に関する情報を紹介しているのですが、格安で製作できる「純セレブスピーカー」というものについて色々と紹介してきており、手持ちの音源の魅力を簡単に引き上げられるので、節約という意味でもお勧めしていたのですが、
嬉しいことに実際に純セレブスピーカーを作ってみたという人から連絡をいただくことがあります。
ただ一方でアンプがよくわからないという理由で躊躇してしまうという人もいました。以前の純セレブスピーカーの記事でもアンプについて紹介はしているのですが、改めて今回は純セレブスピーカーのアンプの情報についてまとめて整理して紹介します。アンプの事で純セレブスピーカーの製作を躊躇してしまっている人の参考になれば嬉しいです。
アンプとは?
そもそもアンプとはWikipediaによると、
音響機器(オーディオ機器)におけるアンプ(英: amplifier)とは、音響を表現した電気信号を増幅する機器である。日本語では慣例的に、英語名amplifier(アンプリファイア)を短縮させ「アンプ」と呼ばれることが多い。
とありました。
私なりに簡単に説明すると、音楽を再生する機器から出力される音の大きさというのは、耳の近くで聴くイヤホンやヘッドホンぐらいの音量しかなく、そのままスピーカーに接続すると音量が小さ過ぎるので、マイクのように音を大きくするのがアンプの役割です。
ラジカセやコンポのようなオーディオには、既にアンプが組み込まれているので大きな音に増幅することが出来るのですが、スマホやiPodのような小型の再生機器にスピーカーを接続するとなると、大きな音を出す為に別にアンプが必要になります。
ダイソーの300円スピーカーのように、アンプがスピーカーケースの内部に内蔵されているものもあるので、アンプの存在が分かりにくいのかも知れません。
私のようにオーディオマニアでもない人にとっては、これぐらいの理解で十分かと思います。
純セレブスピーカー向けのアンプ
純セレブスピーカー向けのアンプといっても、必ずしも正解があるわけではありません。基本的にはオーディオ用のアンプであれば問題ありません。
ただ純セレブスピーカーの開発者である片岡祐介さんや安富歩さんによると、個性の強い高価なアンプとは相性が悪いケースがあるようです。純セレブスピーカーの販売ページで紹介されているアンプも比較的安価なものです。
高価なアンプほど色々と細かく音質を調整できるのですが、それだけに様々な部品が組み込まれることになり、純粋な音源の音から遠ざかってしまうことがあるようです。
純セレブスピーカーの初期の動画では、音楽雑誌に付属していた安価なアンプと相性が良いと紹介していたぐらいなので、初めて挑戦するという人は、それほど高価なものでなくても良いかと思います。
実際に私も初めて製作した純セレブスピーカーでは、安価なスピーカーに内蔵されていたアンプのままでしたが、驚くほど澄んだ音になって感動したものです。
純セレブスピーカーの販売ページでも紹介されていうアンプ(→)は「Nobsound NS-01G Pro パワーアンプ」です。
これは私も所有しているのですが、ブルートゥース接続もできるので使い勝手がとても良いです。
ただ一般的な家電量販店で売られているものではないので、ネット通販で用意することになるかと思います。
楽天よりもamazonの方が価格が安くなっていました。ただamazonではもう少し安い価格のものも見つかるのですが、電源ケーブルが付属していない物もあるので気をつけてください。
もう一つ公式で紹介していたアンプ(→)は「Dayton Audio DTA-120」です。
こちらは2万円オーバーで電源ケーブルも別売りです。スピーカーケーブルとの接続にもバナナプラグが必要になるので、初めて純セレブスピーカーを作るという方には向いていないかも知れませんが、既にオーディオにこだわりがある人には問題ないかと思います。音質も素晴らしいのだそうです。
そして最近は様々な人が純セレブスピーカーを試すようになり、他のアンプの情報も増えてきました。
この「Lepy LP-2024+ デジタルアンプ」は数年前からオーディオマニアの世界で安価にも関わらず音質が良いと話題になっていたものです。
これもamazonでは様々なショップから販売されているのですが、頻繁にモデルチェンジを繰り返しており、年代によって品質や付属品に随分と差があるようでした。
古いものだとLepaiという名義だったり、スピーカーケーブルを接続するターミナルのLRが逆になっているという情報もありました。
このLepyのアンプにはさらに格安のモデルもあり、ほとんど見た目が同じでこれらの評判も上々なのですが、価格が安いものだと一切ケーブル類が付属されていないので、あまり詳しくない人には向いていません。
少しでもアンプ代も節約したいのであれば、しっかりと付属アイテムなども確認してから選んでください。
他にもamazonでアンプを探すと、格安のアンプがたくさん見つかるのですが、基盤がむき出しのものだったり、ケーブル類が付属していないものも多いので、素人が試してみるにはハードルが高いかも知れません。
色々と調べてみると、100均で売られているようなケースと組み合わせている人がいたり、中古ショップでジャンク品のケーブルを買い集めて安価に済ませている人もいるのですが、アンプについてよく分からないという人は、やはり公式ページでもすすめているアンプを選ぶのが間違いないかと思います。
一方でとにかく安く純セレブスピーカーを試してみたいという人は、ダイソーの300円スピーカーに内蔵されているアンプを利用するのが良いかと思います。
あまり良いアンプとは言えないのですが、純セレブスピーカーにすることで、デフォルトのプラスチックカバーの状態よりは、格段に音質が向上してくれます。
この方法についても以前に紹介したことがあるのですが、
スピーカーとアンプを接続するケーブルがあまりにも短いので、純セレブスピーカーならではの楽しみであるダンボールや中に詰める紙の調整がしにくいというデメリットがあります。
ハンダを扱える人であれば、長いケーブルに替えることも出来なくはないのですが、アンプの基盤が小さくて安い作りなので、かなり慎重に行わないとハンダをつけた基盤ごと剥がれてしまうかも知れません。
実際に私も太いケーブルを付けようとして失敗して台無しにしてしまいました。
この辺は個人の技術にもよるので何とも言えませんが、ケーブルの弾力で動いてしまうほど小さくて軽い基盤なので、上手く固定するなど工夫しながら慎重に行ってください。
ダイソーのアンプを活かしたままケーブルを長くするのであれば、既にハンダで取り付けられているケーブルに、別のケーブルを接続した方が難易度が低いかと思います。
以前の私はこのように端子で延長したのですが、切り替える必要がないのであれば、ケーブルの銅線を直接ハンダで接続しても良いかと思います。
ちなみに片岡祐介さんはダイソーの300円スピーカーのカバーをアンプケースにするという画期的な方法を紹介していました。
ターミナルを付けてこういうの作りました。簡単です。 pic.twitter.com/7psj723cBX
— 純セレブ堂 (@PurecelebSound) 2019年2月2日
amazonでも格安でこのようなターミナルが売られていますし、ホームセンターなどでも見つけることが出来ます。ホームセンターならカー用品コーナーに電装品の部品が売られていることが多いですね。
ダイソーの300円スピーカーのアンプで長く楽しみたいという人は、安全の為にもアンプの基盤がむき出しのままにならないように、このような工夫をするのが良いかと思います。
どのアンプが正解と言えるものではありませんが、純セレブスピーカーを試してみたいという人は、それぞれの予算に合わせて選んでみてください。
ただダイソーの300円スピーカーのケーブルのままで純セレブスピーカーを作っても、ケーブルが短か過ぎて良さ(箱の調整)が出にくいので、それで「純セレブスピーカーは大したことがない」と判断するのは時期尚早ですよ。
箱の大きさや紙の詰め具合で劇的に変化してくれるのが純セレブスピーカーの魅力であり、楽しみでもあるので、コードの取り回しがしやすいアンプがあるとより楽しめるかと思います。
アンプの電源も重要!?
少し前から純セレブスピーカー愛好家の中で、アンプの電源についても議論されるようになりました。
この辺はオーディオマニアの世界では常識らしく、こだわりが強い人は自宅の敷地にオーディオ用の電柱を設置したり、アースの為の杭を打ったりするそうです。
ここまでお金を掛けられるのは一部の人だけですが、車用のバッテリーから電気をもってくることで電圧が安定するなど、様々な工夫がされているようでした。
この辺の事が詳しく解説されている方のブログ記事があったので紹介しておきます。
高価なアンプにはこの不安定な電圧を安定させる為にコンデンサーなどが組み込まれているのですが、それ自体が音に影響(ノイズ)を与えてしまうことがあるそうです。
素直な音が出る純セレブスピーカーだからこそ、そのような余計な機能がない安価なアンプと相性が良いと考えられているのですが、それでも電圧の変化によるノイズが全くないわけではないので、電池で駆動すると音質がよりクリアになるのだそうです。
電池駆動やってみました。最初の「Bluetooth Mode」の声がクリアで爆笑! pic.twitter.com/ijGDqTBYdz
— 純セレブ堂 (@PurecelebSound) 2019年2月12日
音楽を聴く度に新しい乾電池を用意するとなると経済的に大変ですが、既に充電池などがある場合は12V出力が可能な電池ボックスなどで試してみる価値があると思います。
電源をUSBでとれるアンプであれば、スマホなどのモバイルバッテリーを試してみるのも良いかも知れません。
某所で記念品として貰ったスマホ用のモバイルバッテリーをダイソーアンプにつないで鳴らしてみました。音質は、ACアダプター使用よりも綺麗ですが、ちょっと線が細い感じ。電圧がちょっと低いのかも。 pic.twitter.com/u5h51V073V
— 純セレブ堂 (@PurecelebSound) 2019年2月2日
ちなみに私は充電池をもっていないのでモバイルバッテリーで試してみたのですが、違いはよくわかりませんでした(苦笑)。
あと車にUSBポートがあれば同じようにアンプを接続することができます。シガーソケットからでもこのようなグッズを利用すれば可能ですが、高速充電と低速のものがあるので、それらの違いによって影響があるかも知れません。
私も自家用車のUSBポートで試してみたのですが、かなり良い音がしてくれました。ただ車内という閉ざされた空間で音が響くので、電源の影響なのかどうかはイマイチ判断できませんでした。
あと車内は左右のスピーカーを自分の耳を中心にバランスよく設置できないので、音の方向が気になりました。純セレブスピーカーは定位が良いだけに、ちょっとした向きで聴こえ方が随分と変わるものです。
純セレブスピーカーの面白いところは、設置する位置や距離感によっても随分と印象が変わる点にあります。一般的なオーディオのスピーカーとなると、そう頻繁に位置を変える事はありませんが、軽くて持ち運びしやすい純セレブスピーカーだからこそ、気軽に変えられる楽しみがあります。
ちょっとコードに引っかかって向きが変わってしまうと、「あれ?なんか違うな?」といった感じで気づく事も多く、スピーカーにとって設置位置や向きというのは凄く重要なのだと思います。
この辺の相性を見極める為にも、なるべくなら長いコードを用意した方が良いので、別にアンプとコードを用意した方が純セレブスピーカーを楽しめると思います。
取りあえず純セレブスピーカーを試してみたい人は、いきなり高価なアンプや電源にまでこだわる必要はないかと思いますが、少し良いアンプと長いコードだけでも用意すると一気に楽しめるようになるので参考にしてみてください。
まとめ アンプは何でもいい!?
オーディオマニアの人からすると、鼻で笑われるような情報だったかも知れませんが、純セレブスピーカーを試してみたいと考えている人の参考になれば嬉しいです。
私は高価なアンプを持っているわけでもないですし、様々なアンプを比較をしたわけでもないので、アンプの質によってどれぐらい音質が変わるかとは言えないのですが、全く同じアンプでもスピーカーの構造を純セレブ化(ダンボール)することで、劇的に音質が向上することは体感しています。
アンプは何でもいいとは言いませんが、アンプによる音質の変化よりも、純セレブスピーカーにすることによる変化の方がずっと大きいと思うので、ぜひ体感してみてほしいと思います。
オーディオの世界はお金を掛けようと思えば天井知らずの世界ですが、純セレブスピーカーであれば、それほどお金を掛けずとも工夫次第で楽しめるので、音楽好きの節約家にとっては最高の選択肢になってくれますよ。
追記・アンプの新情報
少し前に純セレブスピーカーの音質を追求し続けた方が、素晴らしい情報を公開してくれました。
純セレブスピーカーで良い音のオーディオを組む上でアンプやケーブルや作り方に関して私の今までの研究結果の全てをまとめた記事を書きました。
完全無料で公開していますので、純セレブスピーカーに興味のある方は参考にしてみてください。#純セレブスピーカーhttps://t.co/yK1RZW9aaI— ikawa tomoki (@ikawa611) February 17, 2020
詳しくはこちらのnoteを参考にしてほしいのですが、アンプの他にもケーブルの材質や長さや再生機器などの詳しい情報が公開されているので、純セレブスピーカーの音質を自分好みに追い込みたい人には凄く参考になるかと思います。
私自身はあまりオーディオに詳しくないので、あくまでもイメージだけで紹介していますが、純セレブスピーカーにするだけで50点から80点にまで一気に進化してくれて感動しており、さらにそこから中に詰める紙や箱の調節で90点ぐらいにまでもっていけたと自負しています。
ただこの90点以上を詰めていくとなると、かなり細かな調節が必要になり、オーディオマニアの方々がお金をかけながらこだわっていくような作業が必要になるのですが、まさにそこと向き合った過程が紹介されているので凄く面白いですよ。
極端に高価な物は勧めていないですし、アンプの電源のコンセントの向きといったお金を掛けずともできる情報もあるので、純セレブスピーカーを所有している人は一読してみる価値があると思います。
私自身はコンセントの向きを変えても違いが分からないほどの残念な耳の持ち主だったのですが、公式でもお勧めしているアンプのラインケーブル(ステレオミニケーブルやAUXケーブルとも言います、再生機器とアンプをつなぐケーブル)が、いまいちという情報があり、私もブルートゥースで接続するよりもショボい音になると感じていたので、その理由が詳しく解説されていて参考になりました。
素晴らしい記事ですね。僕がまだ試してない物事もありますが(フォステクスのアンプとか)、音質改善の方法として、ほぼすべて同意です。Nobsound付属の赤ケーブルがアカんのも同意。(片岡) https://t.co/f0S4tAFgjs
— 純セレブ堂 (@PurecelebSound) February 20, 2020
公式の純セレブ堂アカウントからも同意とありました。ブルートゥースによる接続も悪くはないと思うのですが、まともなケーブルで接続した方が良いともあったので試してみたくなり、ラインケーブルについて色々と調べてみると様々な100均でも販売されており、それらを比較している情報も見つかったのですが、どれもあまり良い結果にはなっていませんでした。
ただ一方で高価なラインケーブルだからといって、専門家や評論家が指摘しているほどの効果があるわけでもなく、700~1000円ぐらいで十分との情報もありました。
純セレブ的な考え方だと、様々な100均のラインケーブルの中から良さげな物を見つけたいところではあるのですが、私の耳はオーディオマニアの人達のように素晴らしい耳ではないので、正直に言って聞き分けられる自信がありません。
そんな私の耳でも普通のスピーカーを純セレブスピーカーにする事による劇的な進化は、間違いなく体感できたので、多くの人にとっても感動があると思うのですが、ケーブルの質や長さなどによる僅かな違いなどは、耳の良い人でないと分からないのかも知れません。
ただ公式でも勧めているアンプに付属している赤くて細いケーブルでスマホなどの再生機器と接続している人は、ちょっと良いケーブルに変えてみるのも検討してみる価値があると思います。
追記・2 Nobsoundの類似品
「Nobsound」のアンプは純セレブスピーカー界隈だけでなく人気があるようで、amazonで品切れになってしまいました。
ただこのアンプはOEMのようで「Nobsound」の他にも「ELEGIANT/TYSJ/TTMOW/mo-gu」という名義でも売られています。価格が少し高くなっていたり、付属パーツの違いもあるので、よくチェックしてから選んでみてください。