浪費癖を治す方法?
巷には様々な「浪費癖を治す方法」といった情報が溢れていますが、その多くが細かなテクニックについて紹介されています。
たとえば、
- 家計簿をつける
- 財布を分ける
- クレジットカードを使わない
といった感じで、お金の流れを把握しやすくするための方法のことを「浪費癖を治す方法」として紹介されています。
ですが、浪費癖がない人が必ずしも家計簿をつけているわけではありませんし、財布を分けているとも限りません。もちろんクレジットカードを使っている人ほど浪費癖があるわけではありません。
私自身も家計簿はつけていないですし、財布を分けることも現金主義でもありません。
「家計簿をつける」といった細かなテクニックが悪いわけではありませんが、そこに囚われすぎてしまうと本質を見誤ってしまいます。
これはダイエットでたとえると分かりやすくなります。
スレンダーな人の考え方
スレンダーな体型をキープしている方が、常にカロリー計算や運動を取り入れているとは限りません。むしろダイエットのことなど意識していないのかも知れません。
これを「体質の違いだ!」と決めつけてしまう方がいるのですが、決してそうではありません。
当たり前にスレンダーな体型をキープしている方というのは、その体型でいることに心地よさを感じています。
逆に少しでも体重が増えることに苛立ちを感じます。動作が重たくなって仕事に影響が出たり、お気に入りの洋服が着られなくなったりするので、その状態である自分が許せなくなり、勝手に痩せていきます。
勝手に痩せていくというのは、様々な生活習慣を痩せていく方に無意識が選択するようになるということです。
たとえばエレベーターが階段になったり、野菜を美味しく感じたり、一方で揚げ物を食べると胸やけしたりします。
身体を心地のよい状態に戻すために、脳(無意識)が勝手に日々の行動を変えていきます。
わざわざカロリー計算をする必要もありませんし、休日にスポーツジムに通う必要もありません。
日々の行動が勝手に変わっていくので、当たり前にスレンダーな体型をキープすることになります。
逆に痩せすぎてしまった場合も同じです。揚げ物が美味しく感じられたり、高カロリーな食品を食べたくなったりします。
ダイエットに失敗する人の考え方
一方でダイエットを失敗してしまう方というのは、カロリー計算や運動や食事制限などを自らの意思で取り入れます。
「○○をすれば○○グラム痩せるはずだ!」といった感じで、仕方がなくダイエットを行います。
これだけだとダイエットを行っている時にしか、ダイエットの効果が期待できません。
日々の何気ない行動は変わりません。スポーツジムに行った時にだけしか効果がありません。
食事も「本当はかつ丼が食べたいけど春雨サラダを食べなきゃ」といった感じで、仕方がなくローカロリーの食品を選択します。
この仕方がなく食べたくもない食品を選択すると、当然美味しさも満足感も得られません。必要な栄養素も満足に摂取できなくなってしまいます。
イヤイヤ行うダイエットでは身体の調子も悪くなり、ストレスも貯まってしまいます。いずれ爆発(ドカ食い)してしまうわけです。
「浪費癖を治す方法」も同じです。
カロリー計算や家計簿のような細かなテクニックに囚われすぎると、ダイエットのようにリバウンドする可能性があります。
浪費癖を治すには、もっと根本的な問題に気がつくことがポイントになります。
浪費する理由
そもそも浪費という言葉は、「お金や時間や体力などを無駄に消費すること」です。
全く同じモノを購入したとしても、それが役立つ人にとっては浪費ではありませんが、役立たない人にとっては浪費に当てはまります。
役立たない理由はいくつか考えられますが、
- 想像していたモノと違った
- 既に同じようなモノを持っていた
- 使うシーンがなかった
- セール価格に釣られた
などが当てはまると思います。
どの理由も単純に言えば「よく考えていないで購入したモノ」ということです。
ここではあえて厳しい言い方をしますが、要するに「バカ」だからです。考えることが出来ていません。
「バカ」という言葉に苛立った方もいると思いますが、ちゃんと解決策を紹介するので我慢して読み続けてほしいと思います。
考えることが苦手な人というのは、時間と空間を超えた思考が苦手だということです。
原始的な生物(微生物など)は目の前にいる獲物を襲うことしかできません。たまたま口に獲物が近づいてこないと餓死してしまいます。
一方で進化していった生物は時間と空間を超えた思考ができるので、自ら獲物を探す能力が磨かれていきました。
海で泳いでいる魚を上空から狙う鳥は、魚の進行方向やスピードを計算しないと捕まえることが出来ません。海に向かって滑降するスピードや風や波の高さまで計算して獲物を捕まえています。
何としてでも獲物を手に入れるという強い目的があったからこそ、目の前に都合よくいない獲物でも手にすることが出来るようになりました。
浪費をしてしまう方というのは、この「強い目的がない」と考えられます。
現状にそれなりに満足しているので、わざわざ頭を使って獲物を狩る必要性を感じていません。動物園で飼育されているライオンのような状態です。全力でサバンナを駆け巡ってまで獲物を狩る体力も気力もありません。
逆に言えば浪費癖が治らない方というのは、それほど困っていないということです。
旦那さんに十分な稼ぎがある奥様なのかも知れませんし、親元に住んでいて自分の給料が全て自由なのかも知れません。宝くじが当たったり、遺産相続でお金に余裕があるのかも知れません。
「一人暮らしで貯金なんか全くないけど浪費癖が治らない」という方は、そもそも「貯金をしてまで手に入れたいモノがない」のかも知れません。
「高級外車に乗りたい」と思っていたとしても、その思いが大したことではないということです。
「何が何でもベンツに乗りたい!」と強く願っている若者がいるとすると、彼は物凄くクリエイティブにベンツを手に入れる方法を探し出します。中古の相場やローンの審査基準などを調べ、どれぐらいの頭金を貯めればベンツを手に入れられるのかを徹底的に考えるようになります。
すると日々の節約が全く苦にならなくなります。全てベンツにつながっていると感じられるので、喜んで節約を継続することができます。少しずつ溜まっていく通帳の数字を見て気持ちよさすら感じられるようになります。
たまたま通りかかった中古自動車販売店にベンツが展示されていれば、既に相場を理解しているので掘り出し物であれば直ぐに気がつくことが出来ます。極端に安ければ「事故車かも!?」と疑うこともできます。
一方で何となく「ベンツにでも乗れたらカッコいいよなぁ」ぐらいだと、ベンツを手に入れるためにそれほど頭を働かせることはできません。日々節約をしてまで手に入れたいとも思っていないので、いつまで経っても貯金はたまっていきません。
ボーナスを貰ったばかりで余裕があるタイミングなどで、たまたま通りかかった中古自動車販売店に格安ベンツが展示されていると、「ラッキー!」とばかりに安易に手を出してしまいます。
結果、まともに走らないベンツを手にしてしまいます。そして修理代や車検代で莫大な金額を支払うことになってしまいます。
これが浪費癖のある方の考え方です。安易に判断してしまいます。
- セールだったから
- 残り一個だったから
- 期間限定だったから
といった情報に安易に飛びついてしまいます。
たとえ9割引きの商品でも役に立たないモノは浪費になります。残り一個の限定品でも欲しくないモノを手にしても満足感は得られません。
まとめ 本質を見極めよう
「浪費癖を治す方法」というのは、本質を見極めることです。
本当に欲しいモノ、手に入れたいモノであれば、脳はクリエイティブにそれを手に入れる方法を見つけ出します。憧れのミュージシャンと仲良くなりたいと強く思っている方は、そのミュージシャンが住んでいる街に引っ越したり、ブログやSNSをチェックして出入りしていそうなお店に足を運んだり、接点のありそうな音楽関係の人と積極的に仲良くなったりするものです。
これの悪い例としてストーカーがいますが、とんでもない行動力や分析力を発揮するものです。
このとんでもない行動力や分析力を自分のために発揮できれば、浪費癖など簡単に治ってしまいます。そもそも必要なモノにしか投資しなくなるので浪費をしたと感じなくなります。
浪費癖を治したい方は、本当に心から望んでいるモノを見つけてください。自分の心と向き合ってください。
物理的なモノでなくても構いません。旅行でもなんでもいいです。
ただそれを安易に選ばないことです。本当に心から気持ちよく感じるモノ(対象)が何かを、改めてじっくりと観察してみてください。
「美味しいモノを食べたときが一番幸せ!」という方であれば、外食費は浪費ではありません。
「寝ている時が一番幸せ!」という方であれば、寝室や寝具に投資してください。
「何よりも家族が一番!」という方であれば、家族との大切な時間を削ってまで飲み歩いたりしなくなるはずです。
このような対象が頭の中に明確に出来上がると、日々の行動や選択が全て対象(フィルター)を通して判断するようになります。
次の休日に楽しみにしているレストランを予約していれば、平日は質素なご飯でも満足できるものです。むしろ楽しみが膨れ上がっていきます。
この段階の方が一般的な浪費癖を治す方法(家計簿や財布を分ける等)を取り入れると、目的達成のために役立つ行為だと感じられるので楽しく継続することができます。
一方でこれといった強い目的がない方だと、浪費癖を治す方法を頑張ってお金が少しずつ貯まってきても、使い道が明確でないので楽しみを感じることがありません。そのうちストレスが溜まってドカ食い(浪費)してリバウンドしてしまいます。
浪費癖を治したい方は、何のためにお金を貯めたいのかを、改めて明確にしてください。
「浪費癖さえなければ200万ぐらい貯金があったはず」と思っていても、その200万円で特別やりたいことがなければ、日々のストレスにあっさりと負けてしまいます。
漠然とした老後の不安でお金を貯める方もいますが、目標金額を設定しないといつまで経っても目的達成に近づいた実感が得られないので、結局は老後の不安は解消されません。
本当に心から望む目的が頭の中で設定してください。これだけで細かなテクニックに頼らなくても浪費癖は勝手に治ります。
これは節約やダイエットにも言えることですが、日々の行動や選択全てが目的達成の為になっていると感じられるので、はたから見ると辛そうでも、本人は充実感のある毎日を過ごしているものです。
浪費癖を治す細かなテクニックに囚われすぎないでください。もっと本質(目的達成)を見極めてほしいと思います。