節約が出来ない、苦手な人
節約をしたい気持ちがあっても「なかなか節約が出来ない」、または「節約は苦手」だと感じる人にはある特徴があります。
それは「成功体験」の欠如です。
お金が貯まった感覚、快感を知らないと節約は長続きしません。節約による成功体験がないと頭の中で整理出来ないので、お金が貯まっていく過程をリアルに感じ取ることが難しいわけです。
この感覚を知らずに家計簿を付けはじめても、まず管理など出来ません。実体験が伴わないと快感と結びついてくれません。ただただ辛い節約になってしまいます。
節約することで目標となる金額が貯まったときにだけ快感が得られるのではなく、貯まっていく過程から快感を得られるようになるのが節約を継続させるポイントです。
これは筋トレを継続できる人で考えると分かりやすいのですが、彼らは筋肉が大きく発達する前の筋肉痛の時点で快感が得られるような思考回路になっています。
事前にしっかりと筋肉が大きく発達するメカニズムを理解する事や、それまでの経験も踏まえて、辛いはずの筋肉痛からでも喜びを得る事ができています。
節約で言うと、目標金額に到達する前から日々快感を得ているような事です。
このお金が貯まっていく感覚、快感を知るのに向いているのが「貯金箱」です。そこで今回は節約が苦手な人に「貯金箱をすすめる3つの理由」を紹介します。
貯金箱をすすめる3つの理由
1 中身が見えない
貯金箱の凄さは中身が見えないことです。
通帳は正確に金額を知ることが出来ますが、貯まった快感を知らない人にとっては貯まったお金ではなく「使えるお金」として考えてしまいます。
「いくら貯まった」ではなく「これだけ使える・・・」となってしまうわけです。
中身が見えない貯金箱は具体的な数字がわからないのがメリットです。コンビニなどにある募金箱のような中身が透けている貯金箱は避けたほうが良いかと思います。
2 重さを感じる
そして貯金箱は小銭を入れる度に、重さが増していくのもメリットです。
これがまさに成功体験、貯まっていく感覚です。子供が嬉しそうに貯金箱を振って重さを感じ取っているのは、まさにこの感覚です。
重さの他にもチャリンと音が鳴るのも似ています。
通帳に記入される数字だけより、五感に訴えかける事ができるので、節約ができない人や初心者ほど実感しやすい特徴があります。
また人間には収集をするという本能があります。飢餓に備えて食糧を備蓄していた長い歴史があります。
衣食住が満たされた現代では収集する対象の多くが物です。全てをコンプリートしたくなったり、希少性が高いと所有欲が高まります。
貯金箱はこの収集したい欲求を上手く利用することが出来ます。徐々に重たくなっていく過程、ゴールに近づいていく過程、音が変化する過程に快感が結びつきやすくなります。
子供の頃に貯金箱でお金を貯める経験は、非常に多くのことを学べます。
節約が出来ない大人でも、貯金箱は収集する快感をわかりやすく教えてくれる特徴があります。
3 財布の中身を知る
節約が出来ない人というのは、自分の財布の中身の金額を正確に判断していない傾向があります。
「いつのまにかお金がなくなっている・・・」
といった感じで、何にお金を使ったか理解していません。
一方で貯金箱でお金を貯めていると、財布の中の小銭の整理が習慣になります。
全ての小銭を貯金箱に入れる人もいますが、多くの人は支払いしやすいように多少の小銭は財布に残します。
これが非常に大きな学びになります。
支払い時に小銭の端数を気にする習慣が身につきます。今までお金の使い方を意識したことがなかった人が、お金(の額)を意識するきっかけになります。
支払い時以外に財布を開かない人は確認する機会がないので、お金が減っていく流れを理解できません。
貯金箱は財布の小銭は減りますが、いくら財布に残すかといったコントロールをするようになるので、管理する能力が磨かれていきます。
まとめ 貯金箱からの卒業
節約が当たり前になると「貯金箱」は必要なくなります。
貯金箱の重みが増していく事やチャリンという音がなくても、無機質な通帳の数字の変化からも快感が得られるようになっていきます。
筋トレを継続している人が、激しい筋肉痛に見舞われなくとも意味がある事だと自覚できるように、分かりやすい体感がなくとも快感が得られるようになっていきます。
貯金箱でお金を貯める事が節約に有効だという事ではなく、お金が貯まっていく快感、考え方を身につけるのに向いているという事です。
だからこそ人生経験が乏しい子供ほど、貯金箱でお金を貯めていく事に意味があるのですが、そのような経験を積まずに大人になってしまうと、通帳の数字が増えていってもなかなか快感が得られません。
なかなk節約が続かない人、苦手だと感じている人ほど、まずは貯金箱から始めてみてください。リアルにお金が貯まっていく快感を脳に植え付けてください。
最近はキャッシュレス化の流れもあり、ますます五感に感じる機会が失われていくと考えられます。
キャッシュレスは実感が伴わないだけに、支払額が増える傾向があり、国家戦略として取り入れられるほど経済効果があるのですが、それだけにお金の管理能力が乏しい人ほど使い過ぎになる傾向があります。
おそらく貯金箱はそう遠くない未来に無くなってしまう事でしょうが、だからこそ今のうちにお金が貯まっていく快感を知ってほしいと思います。
日本よりもずっと早くにクレジットカードによる決済が普及しているアメリカでは、カードローンによる破産者がもの凄く多く、破産にまでならずとも毎月リボ払いの金利だけを支払っている事に気がついていない人も少なくありません。
きちんとお金に関する知識を学んできた人にとっては、貯金箱による体感がなくとも問題ありませんが、日本では学校教育で教わるわけではないので、かなり個人差があるものです。
節約ができない人というのも、まさに知識が不足している状態なので、まずは体感が得られやすい貯金箱から始めてみるのが良いのではないでしょうか。
個人的におすすめの貯金箱は、特定の小銭(500円玉など)が一杯になると10万円貯まるというタイプではなく、中身がわからない昔ながらの貯金箱です。
どれぐらい貯まっているか想像が付かない方が勉強になりますし、特定の小銭だけだと財布の中の小銭をコントロールが難しくなります。あえて500円玉を集める為にお札を出すようなことにもなり、余計な買い物が増えてしまうかもしれません。
ネットで探せば様々なタイプの貯金箱が見つかるので、楽しみながら行えそうな物を見つけてみてください。
実物を確認したい人は、東急ハンズやドンキホーテがおすすめです。
貯金箱による体感や家計簿による管理というのは、そもそも無駄な買い物をしない人にとっては不要なものですが、体感を伴いやすい道具としては便利なアイテムなので、上手く活用してみてください。
本質が理解できるようになると、実感を伴わないキャッシュレス決済になっても、無駄な買い物などしないので関係なくなりますよ。
節約が続かない人ほど、まだ現金で出回っている内に貯金箱による体感を実感してみてほしいと思います。