節約はレジャー!

問題が起きる前に備え過ぎる事もリスクになる話

最新便利アイテム特集への違和感

少し前にネットニュースで「水はけのいい最新便利スポンジラックで雑菌とおさらば!」といった特集を見たのですが、私はそれを見て違和感を覚えました。

オシャレなデザインのせいで水はけがあまり良くなさそうな物だったり、洗うのが大変そうだったり、わざわざクリップを開いてスポンジを挟むものだったりと、「雑菌とおさらば」という観点からは程遠いように思えました。

しかも多くのスポンジラックがシンク内に設置するタイプであり、ただでさえ乾燥しないくいシンク内で水はねの影響も受けやすいので、水はけが良くても問題が解決しているようには思えませんでした。

頻繁にスポンジを変えたり、ラックの掃除もする人であれば、水はけ効率よりもオシャレを優先しても良いとは思いますが、だったら「オシャレスポンジラック特集」で良いのであり、誤解を招くような事はありません。

こういった最新便利アイテム特集のようなものは、ネットニュースだけでなく雑誌やテレビでもよく紹介されているものですが、よく考えてから選ばないと後悔する事になってしまいます。

スポンジの悪臭といった問題に悩んでいる人が参考にする分には良いと思うのですが、特にそのような問題を抱えていない人が参考にしてしまうと、売る側の思うツボになってしまいます。

ベストバイのリスク

しばしば「今年度のベストバイアイテム!」とか「これなしには戻れないマストバイアイテム特集」といったものを見かける事がありますが、数年後には多くの物が消え去っているものです。

中にはより進化して便利になった物が現れ、結果的に消えていくものもありますが、多くの物はそもそも必要なかったと判断されてリピート買いされなくて消えていきます

もちろん新しい発想の便利な物もあるので、全てがそうだとは言いませんが、新しい発想で生まれた物ほど新しい不具合やデメリットが生まれてきてしまうので、そのままの形で残る事は多くありません。

本当に良い物はライバルメーカーもこぞって開発していきますし、どんどん不具合やデメリットも解消しながら進化していくので、誰もが知っている定番商品といった認識になり、わざわざ特集される事がなくなるものです。

100円ショップで売られているアイテムの多くはそのような物です。一定の評価が得られていて需要がある事が分かっている物だからこそ、大量生産されてコストが抑えられ、多くの人の役に立つ定番商品となっていきます。

参考100均のすね毛カッターに感動!

逆にわざわざ特集してアピールしないと売れない物というのは、評価が分かれる物が多く、誰にとっても役立つアイテムとは限りません。

もちろん相性が良ければ本当に生活を便利にしてくれるアイテムになってくれるかも知れませんが、自分が不満に思っているポイントが上手く改善されているのか確認しないと、期待していたメリットがないばかりか、余計な手間ばかりが増えてしまいます。

水はけのいいスポンジラックといった物でも、何ヶ月もスポンジを使う人にとっては解決策にはなりませんし、小まめに食器を洗う家庭なら石鹸置きのように置くだけのタイプと相性が良いかも知れません。

オシャレで清潔そうだからと吊り下げ式のクリップタイプなど選んでしまうと、煩わしさだけが増してしまいます。

問題が起きてから買い替えるのであれば、問題点も明確なので解決策も見つけやすいものですが、問題が起きていないのに何となく便利そうだとか、備えておこうと選んでしまうと、メリットよりもデメリットが上回ってしまいます。

物を売りたい側の都合

スポンジの匂いに悩んでいる人であれば、雑菌が繁殖しにくいように乾燥しやすいスポンジラックは便利なアイテムになりますが、物を売りたい側というのは、そのような悩みを抱えている人だけにしか売れないと効率が悪いので、わざわざスポンジの雑菌のリスクを過度にアピールして不安にさせてくる事があります

CGで身体に悪そうな雑菌をアピールされると不安になるように、それまで何も問題を感じていなかった人に対して、わざわざ不安を煽って売りつけようとしてきます。

そういった何も問題を感じていなかった人ほど、自ら調べて情報を求める事がないだけに、売りたい側は広告費をかけて不安を煽る必要があります。当然その広告費も商品価格に含まれるので割高になります。

不安を煽れて購入してしまった物というのは、元々必要性を感じていなかった物なので何も変化はありません。押し付けられた不安が和らいでマイナスがゼロに戻るだけです。

掃除機の吸引力に不満がある人が、吸引力の凄い掃除機を調べて購入するのであれば良いのですが、今まで使っていた掃除機に何の不満もない人が、それほど吸引力が良くない掃除機で残ってしまう汚れのアップを見せつけられると、急に不安になってしまうような事です。

毛足の長い絨毯がある家庭であれば、掃除機の吸引力も重要かも知れませんが、フローリングが中心の家庭であればそれほど重要ではないはずです。徹底的に掃除をしたいのであれば、スチームモップのような物の方が向いているかも知れません。

布団やベッドのダニ対策として紫外線で消毒できる掃除機も、肌が弱くてダニの影響を受けやすい人にとっては素晴らしい掃除機かも知れませんが、たまにシーツを洗濯するだけで問題なかった人が不安を煽られて購入してしまうと、何もメリットが感じられません。

私の実家にもそのような掃除機があり、買って半年も経っていないのに父親から「欲しかったらやるぞ!」と言われました。

これらのように不安を煽られて買ってしまった物というのは、リサイクルショップに行くとたくさん売られているものですが、多くの人が買ってはみたけど役に立たなくて後悔しているわけです。

参考不要な物はリサイクルショップに溢れている

このような問題が起きているわけでもないのに、不安に駆られて備えてしまった物というのは、単純にお金を損しただけでなく、保管スペースまで奪われてしまいます。

物を売りたい側というのは、このような様々なテクニックを使って仕掛てくるので、節約家の皆さんは安易に騙される事なく冷静な判断を心掛けてほしいと思います。

押し付けられた不安は簡単には和らぎませんが、一晩寝かせるだけでも随分と違うので、時間を味方にするように意識してみてください。

参考欲しいと思ったら一晩寝かせよう

震災対策や保険といった備えが必要なものもありますが、必要以上に不安に駆られて備え過ぎてしまうと、お金が掛かるだけでなくて生活を圧迫する事になってしまいます。

まとめ 問題が起きてから考えても遅くない

所有している物が壊れたり、生活環境の変化で新たな問題(不満)が生まれたのであれば、その対策として物を選ぶ基準も明確になるので失敗しないものですが、これといった問題がないのに不安を煽られて購入したり、必要以上に備えてしまうとデメリットばかりになってしまいます。

これは保険で考えると分かりやすいのですが、結婚や出産などの大きな環境の変化があると、自分の仕事や収入の重要性が変わり、保険の必要性やカバーできる額などの目安も見えてくるので、最適なプランも見つけやすくなるのですが、知識も経験も乏しい新社会人が不安を煽られて言われるがままに保険に加入してしまうと、売る側にとって都合のいいプランを選ばされてしまいます。

誰もが自分の物ぐらい自分の基準でしっかりと判断できていると思っているのですが、本当にそうであれば買ってから後悔するような物はないはずです。

買ってから後悔する物の多くは、ありもしない不安を煽られて備え過ぎてしまった物なのかも知れません。

水はけのいい便利なスポンジラックという物でも、潔癖症の人や水垢が苦手な人だと、ちょっと脅すだけで不安になってしまいます。それまで何も問題がなかった事でも、一度不安になってしまうと解決せずにはいられなくなり、目の前に提案された解決策に飛びついてしまいます。

押し付けられた不安は和らぎますが、元々問題があったわけでもないので、何もメリットはありません。

一方で自発的に食器洗い用のスポンジの匂いが気になったのであれば、使用後のスポンジの水分をしっかりと絞るだけで解決するかも知れませんし、スポンジを交換する頻度を管理するなり、スポンジラックの置き場所を変えて乾燥しやすくするなり、スポンジの殺菌も出来る台所洗剤に変えるなり、様々な選択肢が見えてきます。

参考食器洗い用のスポンジの交換目安

季節による湿度の違いや室温の違いが原因かも知れませんし、油汚れが多い中華料理にハマっていたからかも知れません。それらの問題点が分かれば対処法も変わってきます。

水はけのいいスポンジラックを購入するのが、必ずしもベストだとは限りません。

このように問題が起きてから自分で解決策を考える順番であれば、問題点もはっきりとしているので最適な選択肢が見つけやすいのですが、何も問題ではなかった箇所の不安を煽られてしまうと、そもそも存在しない問題を解決する事になるのでベストなどありません。だからこそ後悔してしまいます。

多くの問題は問題が起きてから考えても遅くないですし、その時には必要性も感じているので学ぶ事も難しくないのですが、不安を煽られてありもしない問題を解決するとなると、必要以上に備える事になったり、割高なコストを支払う事になったり、発展途上のイマイチな商品を掴む事になってしまいます。

当ブログでは以前に家電製品が壊れやすい人の特徴を紹介した事があるのですが、

参考家電製品が壊れやすい人の特徴

まさにこれも新商品に飛びつきやすい人だからこそ、新機能ならではの新たな問題に遭遇しやすくなるからです。最新家電の事が大好きな人であれば、そのリスクを抱えてでも楽しめるものですが、そうではない人が安易に便利そうだからと使いもしない最新機能に手を出してしまうと、ただただ割高になって壊れるリスクが増えてしまいます。

この先に4k放送が始まるからと4k対応機能があるテレビを選んでしまうと、画素数が倍になって仕切りが増えてしまうので、画面が暗くなって見えにくくなり、明るさを最大にしないと普通に見られないので、電気代が余計に掛かってしまいます。

しかもテレビ放送の4kを見るとなると、チューナーが別途必要になり、せっかく壁にかけてスッキリと配置していたのが台無しになってしまいます。

これはテレビ放送が地デジ化された時にもそうなのですが、地デジ対応テレビが出始めた頃というのは、割高なだけでなくアナログ放送の機能も備えていたので、完全に地デジに移行してからは不要な機能が残ってしまいました。

一方で完全移行間近の頃のテレビはアナログ放送の機能がない分スッキリとしており、価格もこなれていました。

おそらく4k放送も何年か後には当たり前になっていきますが、わざわざ今から備える必要はありませんし、ギリギリまで待った方が価格も安くなって機能も洗練されているので、余計なリスクを抱える事が無くなります。

多くの問題は問題が起きてから考えても遅くないですし、問題点が明確になっていればベストな対処法も見つけやすいのですが、この順番が逆になってしまうと、売りたい側の思うツボになってしまうので気をつけてほしいと思います。

これは節約の失敗にも通ずる事なのですが、「お得な物はないかな~」といった順番で物を選んでしまうと、ろくに使わない物や必要以上の量を備えてしまう事になってしまいます。

本当に必要な物を安く購入する事は上手な節約ですが、必要もない物や必要以上の機能にお金を使う事は、どんなに安く買えても節約にはなりません。

それこそ4k対応のテレビがセールで半額になっていて、普通のテレビと同じぐらいの価格で買えたとしても、画面が暗くて見えにくかったり、電気代が嵩んでしまいます。

セールで半額だったからと着ていく場もない洋服を選んでしまったり、好みの色やサイズがイマイチな洋服を選んでしまうと、結局はタンスの肥やしになってしまいます。購入代金分を損しただけでなく、タンスのスペースも奪われて本当に必要な洋服の管理まで悪影響が出てしまいます

これこそが備え過ぎる事のシルクです。

いつか使うかも知れないと捨てず取っておいた物のせいで、探す手間が増えたり、掃除が大変になったり、部屋一つ分のスペースがつぶれてしまうかも知れません。

防災グッズのような備えですら、不要な物が多いといざという時に取り出すのに手間取ったり、転がってしまうとケガの原因になるかも知れません。

備え過ぎてしまったり、お得だったからと購入してしまった物というのは、単純にお金を損するだけでなく、本当に重要な物の使い勝手や管理にまで悪影響が出てしまうので気をつけてほしいと思います。

もちろん最低限の保険や災害時の不安に備える事は悪いとは言いませんが、それらだって過剰に備え過ぎてしまうと、問題が起きた時の備えとして最も万能なお金を減らしてしまいます

大災害だとお金よりも水や食料の方が需要かも知れませんが、多くの備えはお金ほど万能でも使い勝手も良くないので、必要以上に備え過ぎてお金を減らしてしまう事もリスクになります。

「備えあれば患いなし」とは言いますが、備え過ぎると患いがあるかも知れないので、上手くバランスを取ってほしいと思います。

災害や病気といったリスクに備える事は大事ですが、ちょっとしたお金があればいつでも対応できるような備え(旅行中の着替えの予備など)は、デメリットの方が大きくなる事が珍しくないので、日頃から必要十分な量を意識て備え過ぎによるリスクを避けておきましょう。

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節約はレジャーを書いている人

光司

光司

離婚を経て人生のどん底を味わってから節約に目覚めたアラフォー男子の光司(コウジ)です。 実際に役に立った節約情報やオリジナルの節約方法を紹介します。 お金のかからない健康法や節約が上手くいく人の考え方など、様々な観点から節約について紹介するブログを目指しています。 より詳しいプロフィールはこちら⇒ [詳細]

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