鉄たまごはメンテナンスが大変?
当ブログでは以前に実家の母親が使っていた鉄たまご(なすび型)のリスクについて紹介した事があるのですが、
鉄だけに錆びてしまうリスクがあり、形状によってメンテナンスのしやすさも大きく変わるので、実用性を考えると余計な装飾がない薄型の鉄たまごが良いのではないかと紹介しました。
ただ私自身は鉄分不足に悩まされているわけでもないので、購入する気にはなっていなかったのですが、少し前に行った献血の血液検査の結果を眺めていると、赤血球やヘモグロビンの値が少しずつ減っていた事に気がつきました。
まだ基準内なので大きな問題になるわけではないのですが、前回、前々回のデーターと比べると減少傾向が確認できたので、気軽に鉄分を摂取できる薄型の鉄たまごでも購入してみようかと思ったのですが、そもそも鉄なので代用する方法がないかと色々と調べてみました。
鉄たまごの代用品
そもそも鉄たまごの使用方法を調べてみると、黒豆やなすびの漬物に入れて色付けする際に使われていた鉄釘の代用品でもあったので、逆に釘だけでも代用できると考えられます。
ただ漬物に入れる釘について調べてみると、現在の釘は錆防止加工が施されていたり、耐久性を上げる為に合金になっているものが主流のようで、適当な釘を漬物に入れても上手くいかないケースがあるようでした。
それこそ鉄釘ではなく鉄たまごを用いた方が良いという意見も多く、鉄釘で代用するのは意外と難しいのかとも思い、そもそも私は漬物を作るわけでもなく、鍋やケトルに入れて使うつもりなので、鋭利な釘だと取り出す際に落として傷つけてしまうリスクも考えられます。錆びを落とすのも簡単そうではありません。
鉄釘で代用できるぐらいなので、基本的には鉄でさえあれば何度も良いと考えられるので、針金について調べてみると、こちらも合金やコーティングされている物が多く、鉄の純度についてもよく分からない物ばかりで意外と代用するのが難しいなと思えました。
だったら適当な工業用の鉄のリングでも良いのかと調べていると、こちらもそれぞれの用途に合わせた合金の物が多くて微妙だったのですが、そこでまさかの鉄たまごのような用途として開発された鉄のリングが見つかりました。それが星三製作所の「てつまる」です。
てつまるの特徴
「てつまる」を製造している星三製作所は、魚串やアイスピックや天ぷら箸などの金属製雑貨を制作している会社で、食品用の金属加工の実績がある会社が開発したものでした。
販売ぺージを確認してみると、食品衛生法に適合した商品との事だったので安心感もあり、そして何よりも購入者のレビューが良いものばかりで驚きました。
リング形状なので使用後に取り出しやすく、かけて乾燥させやすいといった評価があり、一般的な鉄たまごのデメリットを回避してくれているようでした。
私が求めていた要素を満たしていたので、さっそく「てつまる」を購入してみました。楽天(⇒)で送料込みで704円でした。アマゾンでもそれほど価格は変わらないのですが、prime会員でないと送料が発生してしまうので避けました。
そして実際に「てつまる」を入れてお湯を沸かしてみると、ほんのりとお湯が色付きました。スマホで撮影もしてみたのですが、普通にお湯を沸かすだけ短時間だと、違いが分かるほど見た目の色は変わらなかったのですが、肉眼で良く見ると分かります。
鼻を近づけてみると、うっすらと鉄の匂いが感じられるので、しっかりと鉄分が湧出されている事が分かりました。
お湯を沸かすだけの短時間の使用だと、お茶やコーヒーの味を変えるほどの影響はありませんでした。この辺は浸しておく時間によっても変わるのだと思います。
「てつまる」の重さを計ってみると45gでした。軽いので使用後に箸で持ち上げるのも簡単で、何といっても吊るして干せるのが素晴らしいです。
鉄たまごを使用している人だと、おたまやトングで取り出している人が多いようで、この辺の使い勝手の良さは「てつまる」の方が優れているのではないでしょうか。本家の鉄たまごの重さを調べてみると260gもあり、取り出す時に落としてしまうと、結構なダメージがあるかも知れません。
そして何といっても素晴らしいと感じたのは、「てつまる」は錆びが分かりやすい点です。「てつまる」の表面は特殊バレル研磨仕上げが施されており、ステンレスのような綺麗な見た目なのですが、あくまでも鉄なので錆びていきます。匂いを嗅ぐと鉄棒に触れた時のような匂いがします。
ただステンレスのような見た目だからこそ、その錆びの発生が凄く分かりやすく、パッと磨いて落とす事が出来てしまいます。
私の母親が使っていたなすび型の鉄たまごは黒っぽい色だったこともあり、茶色くなるほど大きな錆でないと目視で確認できないのですが、「てつまる」は直ぐに錆びに気がつけるだけに安心感がありました。
錆び始めならキッチンペーパーで擦るだけで落ちてくれますし、ちょっと大きくなってもメラミンスポンジで擦り落とす事ができました。金タワシで力を入れてゴシゴシ擦らないと落ちない頑固な錆になる前に対処できます。
この扱いやすさというのは、王道の鉄たまごと比べて大きなメリットになるのではないでしょうか。「てつまる」は鉄分摂取用補助グッズとして後発組なだけに、使い勝手の事もしっかりと考えられていて感心しました。
使い続けていくうちにステンレスのような輝きは失われていき、多少の黒ずみは残ってしまうのですが、茶色い錆びは直ぐに分かるのでサッとメラミンスポンジで擦って対処できています。
これを忘れるといかにも錆びくさいお湯になってしまうのですが、複雑な造形で黒っぽい鉄たまごだと見落としやすいと思うので、これから購入を考えている人には「てつまる」はお勧めですよ。
まとめ 後発組ならではの魅力
「てつまる」は本家の鉄たまごほど表面積があるわけではないので、鉄の湧出量という意味では劣るかも知れませんが、この辺は浸しておく時間で対処できます。
「てつまる」は45gと小さいだけに水で濯ぐと直ぐに冷めてくれるので、水分を拭き取って吊るすだけで良いのですが、大きい物だと冷ますのにも時間が掛かるのかも知れません。
缶詰などもそうですが、鉄をキッチンのステンレスの上に置いておくと錆びがうつってしまう事があるように、意外と置き場所も大切な要素になります。
ちなみに鉄たまごは珪藻土のコースターの上に乗せると乾燥しやすいそうなので、既に持っている人は意識してみてください。適当に置いてしまうと下側に残った水分が乾きにくかったり、下側が錆びて置き場所にもうつってしまうかも知れません。
扱いやすさやメンテナンスのしやすさという意味では、「てつまる」はかなり優秀だと思うので、この手の商品の購入を検討している人の参考になれば嬉しいです。
価格も鉄たまごより安いですし、食品衛生法に適合した商品なので安心感もあります。何といっても錆びが分かりやすいのが素晴らしいです。多少錆びの成分を摂取したからと言って身体に悪いわけでもないのかも知れませんが、やはり衛生面の事も考えたいので、私にとっては最適な鉄分摂取用補助グッズとなってくれました。
節約という意味では鉄釘や他の鉄で代用した方が安く済ませられるかも知れませんが、もしかしたら人体に悪影響がある成分が含まれているかも知れませんし、それほど頻繁に買い替えるような物でもないので、使い勝手や安全性を優先して「てつまる」を選んで良かったと思っています。
「てつまる」に限った事ではないのですが、本家の物よりも後発組の方が機能面で優れているケースは珍しくありませんし、価格も安いだけに節約家にとって有益な事が多いです。
安物だからといって品質が低いとも限りませんし、本家のようなこだわりがないだけに、大胆にブラッシュアップされて素晴らしい事があるものです。
もちろん新しい発想を生み出した本家も素晴らしいのですが、中にはその事にあぐらをかいてブランドイメージを高める事ばかりに執着して価格を吊り上げていくケースもあるので、節約家の皆さんはしっかりと機能面や求めている役割を満たしているか見極め、最適な物を選んでほしいと思います。
私の地元にあるケーキ屋さんは、新鮮なフルーツがたっぷりと入ったロールケーキが美味しく、昔から地元の人に愛されていたのですが、ある時にテレビに取り上げられて全国的な人気になってしまい、サイズを小さくしてパッケージを豪華にして価格を吊り上げ、ついには通販用に合わせて冷凍ものだけになってしまいました。
数年前まで1200円で購入できた美味しいロールケーキが、今では店頭で購入しても冷凍で小さくなって1800円もするので、地元民からは見向きもされなくなってしまいました。
利益を追い求める企業としては間違っていないのかも知れませんが、消費する側はしっかりと見極めないと、無駄に高い物をつかまされてしまうので気をつける必要があります。
最適な物を安く購入するのは上手な節約ですが、ブランドイメージや価格ありきで求めている機能がズレてしまうと、購入後に後悔してしまうので気をつけましょう。
別に鉄たまごが悪いという意味ではないのですが、名前にたまごがあるだけに、使い勝手の良いリング形状という発想には至れなかったのかも知れません。
私にとってはたまご型である必要はないですし、微量の鉄分が補えれば十分だったので、扱いやすさやメンテナンスのしやすさを優先して「てつまる」にたどり着く事ができました。
長い目で考えると45gしかない「てつまる」よりも、260gもある鉄たまごの方が寿命が長くて良い面もあるのかも知れませんし、たくさんの鉄分を求める人にとっては、表面積が大きくて複雑な造形の鉄たまごの方が適しているかも知れませんし、鉄器の鍋やヤカンの方がより適しているかも知れませんし、急須で淹れたお茶を良く飲む人なら鉄器の急須がベストかも知れません。
「てつまる」だけが良いというわけではないので、それぞれ求めている役割に合わせて選んでみてください。「てつまる」にもつなぎ目があって錆びやすいデメリットがあります。さらなる後発組がより良い物を開発する日もそう遠くないのかも知れません。
もちろん後発組でも利益を優先してコストカットで低品質な物を売るケースもあるので、必ずしも後発組の方が品質や使い勝手が良いとも限らないのですが、自分がその物に期待する機能や役割をしっかりと明確にし、最適な物を選んでほしいと思います。
その最適な物を安く購入するのは上手な節約ですが、ブランドイメージや価格に左右されて求めていた役割からズレてしまうと、購入後に後悔してしまうので気をつけてほしいと思います。
追記 てつまると鉄丸
「てつまる」は漢字の「鉄丸」で探すと別のメーカーの物⇒が出てきます。
これは表面に凹凸をもたせて内側を中空にして表面積が大きいので、鉄分の湧出率という面では凄く優れているのですが、メンテナンスは難しいと想像できます。私が紹介したのは平仮名の「てつまる」です。
鉄分摂取用補助グッズの使い勝手や錆びの衛生面を求める人にとっては、平仮名の「てつまる」と相性が良いと思うので参考にしてみてください。