私の耳が良くなった!
私は少し前に純セレブスピーカーというものを自作し、色々な音楽を楽しんでいたところ、自分の耳が劇的に良くなっていくことに驚きました。
耳が良くなるといっても、あくまでも音を認識する能力が研ぎ澄まされたような感じです。
いわゆる難聴で耳が聞こえなくなっているような状態が改善されるということではなく、同じ音からでも感じる情報量が増えたようなイメージです。
以前の私には全く気づいていなかった音の情報が、どんどん認識できるようになって楽しくなりました。
その方法というのが、「良質なスピーカーの音を様々な角度に動かしながら聴いていた」です。
ヘッドホンで音楽を聴いていた時とは全く違う効果を感じることになりました。
スピーカーを動かすと耳が良くなる!
私が自作した純セレブスピーカーの一番の特徴というのは、一般的なスピーカーのように変に増幅しないで素直な音が出るということなのですが、それ以外にもたくさんのメリットがありました。
それはダンボールならではの移動のしやすさです。
一般的なスピーカーであれば、頻繁に設置位置を変えるような事はありません。それなりの重量があるのでズレるということもありません。
一方で純セレブスピーカーはダンボール製なので、良くも悪くも簡単にズレてしまいます。ちょっとコードに触れただけでも向きが変わってしまいます。
私のパソコン周りに設置している純セレブスピーカーも、少しマウスの線が触れただけで向きが変わってしまいます。
すると見事なぐらい音の変化を感じることが出来ます。目でズレを確認する前に音の変化に気づきます。
また純セレブスピーカーは定位(音の方向性)が素晴らしいので、自分が左右のスピーカーの中心にいないと直ぐにわかります。椅子の位置だったり、身体の向きが傾いていると音の左右の差を感じれらます。
また音楽の気持ちよさに身をゆだねて身体が揺れると、その度に左右の耳に入ってくる音の強弱が変化します。
これがヘッドホンであればそんなことはありません。左右の耳にバランス良く音が届きます。
またテレビやパソコンのモニターから出る音でも、このような事はわかりません。
そもそもテレビの正面にいない人にしかバランスの良い音が聞こえないのであれば、テレビとして問題です。どこで視聴してもバランス良く聴こえるという事は、左右の音をきっちと分けないようなセッティングになっています。
またラジカセやミニコンポのようなものも、左右のスピーカーの位置がそれほど離れていないので、あまり気にならないのだと思われます。
私が純セレブスピーカーで様々な音を聴くようになると、スピーカーの僅かな向きや位置(距離)の違いを敏感に察知できるようになりました。
この感覚がとても楽しく、あえてスピーカーの向きを外に向けてみたり、距離を離してみたり、奥行きを変えてみたり、高さを変えてみたりすることで、音の立体感を認識できるようになりました。
するとスピーカーの音だけでなく、様々な音まで立体的に認識できるようになりました。
普通にテレビを見ていても左右のスピーカーから聴こえる音の違いを認識できるようになったり、馴染みのスーパーでいつも流れている音楽が聞こえてくる方向を、自然と立体的に捉えられるようになりました。
「ああ、あんなところにスピーカーがあったんだな」
といった気づきが、様々なところで感じられるようになりました。
他にも公園を歩いていると、鳥のさえずりがどの木のどの辺から聴こえているのかが分かるようになり、実際にその音がする方を見ると鳥を発見することが出来ます。
誰だって集中して目をつぶりながら鳥のさえずりに耳を傾ければ、だいたいの方向性がつかめると思いますが、わざわざ意識しなくても自然と立体的(方向、高さ、奥行き)に捉えられるようになりました。
私の耳が物理的に変化したり、回復したというわけではありませんが、同じ音からでも受け取れる情報量が劇的に増えたと感じています。
これが私の耳が良くなったと感じる理由です。
もちろん純セレブスピーカーでなくても、左右独立したスピーカーであれば同じような効果があると思うので、耳が良くなりたいという人は、あえてスピーカーの設置位置を積極的に動かしてみてください。
定位の悪いスピーカーだとあまり差が感じられないかも知れませんが、その場合は向きを変えるだけでなく、片方だけ裏に向けてみたり、高さを変えてみたり、距離を変えてみてください。その違いを察知できるようになると、どんどん耳が成長していくはずです。
オーディオの愛好家というのは部屋の隅に大きなスピーカーを置いているものです。同じことをするとなると、それなりにお金が必要ですが、純セレブスピーカーのように移動しやすいスピーカーであれば、その都度ベストバランスを探りながら調節できるので、どんどん耳に刺激を与えて鍛えることが出来るのだと思います。
この耳が良くなったと感じた出来事は、車の運転が劇的に上手くなった時の感覚と似ています。
車の運転が上手くなる方法
車の運転が上手くなるといっても、何をもって上手いと判断するか難しいところなのですが、若かりし頃の私は車の運転に興味を強くもっており、様々な本やビデオを参考にしながら試行錯誤していました。
車の運転といってもレーサーのように速く走る為の技術もありますが、その他にも自分が想像したどおりに車を操る技術も含まれます。
安全にゆっくりと走るにしても、例えば雪道で怖がって結果的にゆっくりと運転するのと、雪道に最適な速度を理解した上で狙って運転するのでは大きな違いがあります。
この狙う速度が人によって違うので、単純に速度の速さで運転の上手さが決まるものではありません。
あくまでも自分の想定通りに運転できることが、上手な運転です。私の中でこの感覚が劇的に向上したきっかけがあります。
それはアルバイトで木工場で働いた時です。
その木工場は広い敷地にあり、工場内の移動でも車を使うことが多く、そこで会社の様々な車に乗ったことが、大きな経験となりました。
車によって大きさが違うのはもちろんですが、ワゴン車やトラックだと前輪のタイヤの位置が運転席の下にあり、ハンドルを切り始めるタイミングが乗用車よりも遅くする必要があります。
これを知らずに運転してしまうと内輪差によって、曲がり角の内側に入り込んでしまいます。
さらに印象的だったのがフォークリフトを運転した時です。フォークリフトはハンドルを切ると後輪が曲がります。こうすることで小回りが利くのですが、車の後ろ側が外に膨らみながら曲がっていくので、内輪差ならぬ外輪差を考える必要がありました。
これらのようのタイミングの違いを意識するようになると、それぞれの車のタイヤの位置がイメージできるようになりました。
慣れ親しんだ自分の車であれば、気にすることもなく運転できるものですが、それはあくまでも自分の車の運転だけが上手くなったということです。
普通の人であれば十分ではあるのですが、私は様々な車種を運転する機会があったことで、改めて自分の車の特徴も理解でき、最適な運転方法にも気がつくことができました。
この感覚が身につくと、人の車に乗せてもらっても様々な気づきが得られるようになりました。ハンドルを切り始めるタイミングも、人によってかなり違うことに気づいたり、ホイールベース(前輪と後輪の距離)によっても違うことが理解できるようになりました。
さらに大型のバスに乗った時は衝撃でした。バスの前輪は一般的な車の後輪の位置(運転席より後ろ)にあるので、かなり遅いタイミングでハンドルを切り始めます。
バスの運転手の後ろに座って同じようなタイミングでハンドルを切るイメージをすると、「まだ切らないのか!」と不安な気持ちになったものです。
このような車種の構造による違い操作による違いを意識できるようになると、私の運転も劇的に上手くなりました。それまでは自分の車の運転だけの基準しかなかったのが、一気に広がっていきました。
すると初めて運転する車でも、車の四隅だけでなく四つのタイヤの位置をイメージできるようになり、今まで何となく行っていた動作を、きちんと頭の中で捉えられるようになりました。
私の耳が良くなっていったのも同じような感覚です。自分の中で新しい基準が構築され、同じ音からでも受け取れる情報量が劇的に増えました。それがスピーカーの位置を動かすということです。左右のスピーカーの音の違いを感じ取ることで、耳がどんどん良くなっていって楽しいですよ。
まとめ 耳が良くなるメリット
一般の人の耳が聞こえている音というのは、全く同じ音でも同じように認識しているとは限りません。
人が発した言葉であれば、その言葉の意味が重要ではあるのですが、文章にすると「ごめんなさい」という一言でも、相手の目を睨みつけながら低い声で「ごめんなさい」と言うのと、震えた声で「ごめんなさい」というのでは、相手側が受け取る情報量はまるで違うものです。
このようなわかりやすいケースであれば誰もが違いに気づくものですが、ちょっとした声の変化というのは意外と見落とされてしまうのかも知れません。
相手を心配させないように強がって元気な声を出している人もいますし、相手を騙す為に冷静を装った落ち着いた声を出す人もいるものです。
テレフォンアポインターの仕事をしている人が教えてくれたのですが、その会社では電話機の前に鏡が設置されており、必ず笑顔で対応するようにしているそうです。
僅かな心情の変化でも態度や声が変化することは珍しい事ではありません。
視力が悪い人だと相手の表情のえ変化がわからないように、耳の感度が悪いと様々な変化を見逃してしまうのかも知れません。
私は耳が良くなったことで、これらのような見落としていた情報を察知できるようになりました。ちょっとした声色の変化で気づくことが、本当に増えていきました。
おそらく昔の人類は森で獲物を見つけたり危険な猛獣を察知するために、些細な音でも敏感に反応できていたのではないでしょうか。目では確認できない距離でも、些細な音から方向や距離を感じ取っていたはずです。もちろん聴覚だけでなく、視力や嗅覚も含めて研ぎ澄まされたいたのだと思います。
一方で現代人の多くは、これらの感覚が鈍っているのかも知れません。
年齢を重ねるごとに聴力も衰えてきてしまうものですが、身体の機能の衰えというのは重要ではない箇所から訪れます。歩く必要がなければ足の筋力が衰えますし、柔らかいものしか食べなければ顎の筋肉が衰えますし、部屋の中で閉じ困って近くしか見ていないと視力は衰えます。
おそらく聴力も必要性を感じなくなるほどに衰えてしまいます。
より正確に言うと、衰えるというよりは正確に認識する必要性がないので、曖昧になっていくような事です。
だからこそ、同じ音からでも様々な情報を積極的に受け取る人というのは、それだけ音に含まれている情報を重要視しているということなので、衰えるスピードを穏やかにすることが出来るのではないでしょうか。
耳を良くしたい人はスピーカーを動かして左右の音の違いを感じてみてください。延長コードなどで距離を伸ばすのもおすすめです。
音の変化を敏感に感じ取れるようになると、スピーカーの前にマグカップを置くだけでも変化しますし、近くのドアを開くだけでも変化するのに気がつくようになります。
お金に余裕がある方であれば、様々なオーディオセットを試してみるのも良いかと思いますが、節約という意味では安価で素直な音が出て定位の良い純セレブスピーカーがおすすめです。
100円ショップで売られている300円のスピーカーセットを分解して純セレブスピーカーを自作する事ができますし、プラスチックの箱にフェルトを詰め込むだけでも音が良くなるそうなので、興味ある人は挑戦してみてください。
ダイソーの300円スピーカーを分解して段ボール箱に詰め替えただけの「純セレブ・アクティブスピーカー」!
たくさん作って友達にあげまくる٩( ᐛ )و#純セレブスピーカー pic.twitter.com/0KfqPbjEO5— 笠置英史 (@age_of_eiji) 2018年10月13日
ダイソーの300円のUSBスピーカーを改造してみた。蓋を開けフェルトを入れてみたら安定感のある音が出るようになった!
ネジを一つなめてしまったけどな… pic.twitter.com/eom2vVB5NK— またたま (@matatama_slys) 2017年11月9日
ちょっとした工夫で音が変化することが体感できると、パソコンやテレビの音声設定を変えるだけでも、かなり音質が変化することに気がつくようになるので、どんどん耳が敏感になって良くなっていくと思います。
またスピーカーをテレビにつなぐのもおすすめです。日曜の夜(21時)にEテレで放送されているクラシック番組を、純セレブスピーカーで聴くと最高です!音の幅から奥行まで感じられるので、耳を鍛えるのにもってこいだと思います。
ちなみに純セレブスピーカーはちょっとした事で音質が変化します。設置位置の違いだけでなく、中に詰める紙の量や紙の材質によっても変わりますし、箱の下に置く物によっても随分と影響を受けます。このような違いと向き合っていても、どんどん耳が良くなっていくので楽しいですよ。
耳を良くする方法といっても、医療的に聴覚を復活させる事は難しいのですが、全く同じ音でも認識する情報量を増やす事は可能なので、定位の良いスピーカーの位置を変えながら聴いて楽しんでみてください。