様々な業界のタブー
最近はネットの普及もあり、個人で情報を発信するのが容易になりました。このブログもそうですが、SNSのように気軽に情報が発信できるようになった事もあり、様々な業界の人が内部の人間にしか分からないようなタブーを発信する事が増えてきました。
当ブログでは以前に、内部情報を知っている人の選択が参考になると紹介した事があるのですが、
まさにこのような情報をネットで簡単に調べられる時代なので、自分が詳しくない分野の事や初めて購入する高額な物ほど、事前にタブーを調べておくと騙される事が少なくなります。
そこで今回は私が調べてみて印象に残ったタブーの例を紹介します。私が興味があって調べた業界の事なので、かなり偏った例ですが、このような考え方を身につける為にも参考にしてみてください。
車業界のタブー
ある洗車業界の人がネットで車業界のタブーについて暴露していたのですが、中でも私が気になったのが錆び防止加工の話でした。
私は北海道に住んでいる事もあり、冬場になると路面の凍結防止の為に道路に塩カル(塩のようなもの)が撒かれるので、それが原因で車の下廻りが錆びてしまうのですが、その対策として新車の購入時や車検の度に、車の下廻りに錆び防止塗装を施す事が常識になっています。
この費用がバカにならないのですが、それこそが車を売る側や整備する側にとって美味しい商売になっているので、あえて錆びやすい設計のままにしていると車業界のタブーを暴露していました。
欧米の車メーカーだと鉄板のつなぎ目に、樹脂のようなものを埋めて錆の原因となる水の侵入を防ぐような加工がされているのですが、日本の車の多くは内側だけにしか加工せず、外側のつなぎ目はそのままなので、車が大きく動く度に鉄板がヨレて塗装が剥げていき、直ぐにつなぎ目から錆びてしまうのだそうです。
樹脂のような弾力があるもので鉄板のつなぎ目を塞いだ上で塗装すれば、鉄板の地肌がむき出しになって錆びる事もないのですが、そうすると車の寿命が延びて買い替えサイクルが遅くなってしまったり、車検の度に塗装をする人も減ってしまうので利益が下がってしまうわけです。
そういうものなのかと思って自分の車を調べてみると、確かに車の内側の鉄板のつなぎ目にはゴムのような物で覆われており、手で触れても弾力があって剥がれるような感じではなかったのですが、最もダメージを受けやすい下廻りの外側にはこのような加工がされていないので、車検の度に塗装をし直さなければならないわけです。
外車に乗っているような人は車好きが多いので、大切に扱う事で古くても良い状態で乗れているのだと思っていたのですが、寿命が短い国産車にはこのような車業界のタブーが関係していたのかも知れません。
この対策は個人では難しいですが、新車を購入した時に少し割高でも、ノックスドールのような機能性の高い錆止め加工をするのが良いのだと学びました。
アパレル業界のタブー
アパレル業界のタブーを紹介している人もいたのですが、日本では年間30億着もの洋服が販売されており、その半分の15億着が売れ残ってしまうのですが、ブランドによっては安売りしてブランドイメージを下げたくないので、あえて焼却処分をするケースが多いのだそうです。
一部のブランドはタグをカットし、ブランド名を分からなくしてから格安で流通する事もあるのですが、いわゆる高級ブランドほど焼却処分する傾向が強いのだそうです。
そんな事をしていても莫大な利益をあげられるわけであり、当然それはそれだけの価格が上乗せされている事になります。
洋服ほど価格が変動する物は多くありません。季節外れになれば半額ぐらいになる事は珍しくありませんし、在庫一掃セールともなれば8割引きなんて事もあります。
倉庫に保管しているだけでも費用が掛かるので、ほとんど利益が出なくても売り切ってしまった方が良いのは理解できますが、洋服は生鮮食品のように直ぐに劣化するわけでもなく、半年ぐらいで品質が大きく下がるわけでもありません。
流行のデザインの洋服だと旬の時期があるものですが、そうでもない多くの洋服に限っていえば、この値崩れは異常です。洋服の原価率や仕入れ価格というのは、他の業界からすると考えられないぐらい暴利をむさぼっているそうで、その比率は花屋さん並なんだそうです。
花は寿命が短く、枯れかかっている花を半額にしたところで売れるものでもありませんし、だからといって売れ筋の花だけを店頭に並べるわけにもいかないので、半分以上が売れ残って処分される事を前提として値付けがされています。
これは寿命が短い花を扱うという性質上、ある程度は仕方がない事ですが、ハイブランドを中心としたアパレル業界も、半分ぐらいを焼却処分してでも利益が出るような値付けになっているのだそうです。
花ほど寿命が短くない洋服を定価で買うのは、かなりバカバカしい事なのかも知れません。
洋服屋のタブー
洋服屋のタブーというと、全く似合っていない洋服でも「すごくお似合いですよ~」と褒めたたえたり、いくらでも在庫があるのに「この洋服は大人気で今あるだけなんですよ~」といった感じが多いのですが、洋服屋のタブーを調べていて面白かったのが「鏡」でした。
洋服屋の試着室の鏡というのは凄くよく考えられており、壁紙や照明まで含めて計算されており、多くの人が自宅の鏡で見るよりも良い印象に映るのだそうです。
購入してから着てみると、「あれ?なんか違う・・・」と感じる事があるものですが、巧みな照明によって上手く誤魔化されていたのかも知れません。
酷いところだと実際に細く見える鏡を設置しているのだそうです。
この細く見える鏡は都市伝説のようなもので昔から噂があったのですが、本当にそんな鏡があるのかと調べてみると、普通にネットで売られていました(⇒)。
販売ページを見てみると、「お客様に気づかれることなく映像を調整できる全身鏡」と紹介されていました(苦笑)。
他のメーカーの物だと「ブティックの販売促進に」という説明もあったので、洋服屋にとってはそれほど珍しくない事なのかも知れません。
「the chive」というアメリカのサイトでは、アメリカ国内にある様々な洋服屋の鏡の見え方を暴露しており、日本にも出店しているファストファッションブランドもいくつかあって驚いてしまいました。
全ての洋服屋がこのような鏡を設置しているわけではないと思いますが、試着する前の着慣れている洋服の見え方が、いつもと違う場合は注意しましょう。
保険業界のタブー
保険業界も様々な人がタブーを暴露しているのですが、あまりにも酷い仕組みのせいで心が病んでしまい、長続きしない人が多いのも保険業界の特徴です。
必要以上に不安を煽って相手を怖がらせ、その解決策として保険を提案するのが一般的なセールス方法なので、心が優しい人ほど辛くなってしまうのだそうです。
そしていざ保険が適用されるようなケースになった時に、契約通りの支払いをしてしまうと個人の成績が下がってしまうので、なんとか誤魔化そうとしなければなりません。そうしないと上司から大目玉をくらってしまうので、精神的に物凄いストレスが掛かるのだそうです。
成績の良い保険外交員というのは、本当に保険が必要になりそうな人に勧めるのではなく、いかに必要のない人に売るのかが腕の見せ所なんだそうです。
保険業界のタブーは昔から様々な書籍でも暴露されており、わざわざ分かりにくい表現を用いたり、どうとでも取れる曖昧な表現にしたり、約款を物凄く読みにくい小さな文字にしていたりするものですが、保険に詳しい人ほど最低限の保険にしか入っておらず、家族や親戚にも勧めない傾向が強いのだそうです。
思い返してみると、私の学生時代から仲の良い20年来の旧友も保険外交員をやっているのですが、彼女から保険の勧誘を受けた事は一度もありません。
彼女が保険外交員になって間もない頃、自動車保険を販売できる資格を取得したとの事だったので、私の方から「じゃあ入ろうか?」と言うと、「イヤイヤいいよ!気をつかう関係になったら嫌だし」と断られてしまいました。
今思うと、彼女なりに保険業界の闇深さを理解していたからなのかも知れません。
保険業界のタブーや闇を調べてみると、びっくりするぐらい恐ろしい話がゴロゴロと見つかるものです。もう一つ印象深かったのは、なかなか売り上げがない新人ほど家族や親戚や知り合いに売るのですが、それにも限度があって半年ぐらいで落ち着いてしまうので、一年も持たずに保険業界を離れていってしまう人が凄く多いのだそうです。
しかもそれを前提として雇っているところもあり、そこで契約した保険の一部はその後も継続されていくというわけです。
保険外交員に美人の女性が多いのも、まさに男性の下心に付け込んで話を聞いてもらいやすいからであり、保険の必要性を感じていない人に近づく為には有効なスキルです。
これに関しては少し似たような実体験が私にもあります。私が初めて就職した会社は大きな工場で巨大な寮に住む事になったのですが、寮に入って二か月ぐらいは日替わりで様々な保険会社の綺麗な女性達が笑顔で出迎えてくれました。
しかも寮の玄関先にテーブルと椅子を並べて座っており、玄関前の階段を登っていくと目の前にミニスカートを履いた女性の足が現れるわけです。女子禁制の男性だらけの寮に、そのような女性が並んでいるわけですから、実際に何人もの同僚が勧誘を受けていました。
私は話を聞くような事は無かったのですが、同僚を通して「3人決まったら合コンをしてくれるんだよ!頼むよ!」とお願いされたものです。
中でも某有名保険会社がいる事が圧倒的に多く、それも今思うと幹部同士が繋がっていたのか、寮長に色仕掛けをした結果なのか、何かしらの要因があったのだと想像に難くありません。
この私の体験は大分昔の話なので、現在でも行われているのかどうか分かりませんが、本当にお客さんの事を想って保険を勧めるようなケースというのは、あまり多くないのではないでしょうか。
自分なりに調べて保険の必要性を感じて話を聞くのであれば良いとは思いますし、自動車保険や火災保険のように必要最低限の保険が必要なものもありますが、自分で調べるといった事を怠ると相手の手のひらの上で踊らされてしまいます。
自分で調べるにしても特定の保険会社の情報だけだと偏ってしまいますし、書籍だって特定の保険会社の研究員が書いているようなケースが多いので、あえてタブーや反対意見も調べてみる事で様々な選択肢が見えてくるようになります。
家電量販店のタブー
家電業界はネット通販の影響もあって落ち込んでいるのですが、だからこそ様々な戦略を駆使して利益を上げています。
家電量販店のタブーで面白かったのは、大手家電量販店のオリジナル仕様の商品が全然ダメだという暴露でした。
大手家電量販店だと一般的に売られている家電メーカーの製品でも、そこの家電量販店だけにしか売られていないオリジナルモデルがあったりするのですが、それこそが最も利益が出る値付けになっているので、その他のモデルよりもお得なように見せかける事が多いのだそうです。
大手テレビショッピングなどでも、「家電メーカーと直接交渉してお得なオリジナルモデルを特別に用意しました!」と紹介しているものですが、そのような商品の多くは売れ残った部材を中心に組み立てられるので、旧世代の品質しかなかったり、まるで人気が出なかった不必要な機能が盛りだくさんで、使い勝手が悪い事が多いのだそうです。
これは当ブログで以前に紹介した食品スーパーなどのプライベートブランドの話とも似ているのですが、
プライベートブランドが充実している大手スーパーほど、正規の商品の値付けが高く設定されているので、他のスーパーで割引されている正規の物を購入した方が、安くなるケースが珍しくないような事です。
そこの家電量販店でしか買えないオリジナル機能という付加価値があれば、他のお店やネットショップとの価格競争に巻き込まれにくいので都合が良くなります。
たまたま自分が求めていた機能が搭載されて、お得な価格になっているオリジナルモデルであれば悪い選択肢ではありませんが、評価の低い機能や使い勝手の悪い機能を満載にして割安感を演出しているケースがあるので、気をつける必要があります。
必要のない機能のせいでボタンが増えて扱いにくくなったり、それらの機能が故障してしまうリスクも高まります。おまけに付いてくるような物も需要が無くて売れ残っている物が大半なように、やたらとお得感をアピールしている家電というのは、消費者よりもお店側にお得な事が珍しくありません。
現役で家電量販店に勤めている人や、元家電量販店勤務のような人達がタブーを暴露しているようなケースは多いので、高額な家電製品を買う時ほど参考にする価値があると思います。
オーディオ業界のタブー
オーディオ業界のタブーというのは、当ブログでも何度も紹介している格安で作れる純セレブスピーカーと向き合っていく過程で知る事になったのですが、純セレブスピーカーはスピーカーの入れ物がダンボールであり、そのおかげで澄んだ音が鳴り響いてくれます。
何故にダンボールだと良い音がするのかは、まだはっきりと解明されているわけではないのですが、ある人がネットで暴露していた情報によると、某オーディオメーカーがスピーカーの筐体(箱)の素材を調べている時に、最も結果が良かったのがダンボールという事が分かったのですが、それだと高値で販売する事が出来ないので、お蔵入りになったという話です。
他にもオーディオ業界では、スピーカーにつなぐケーブルによっても音質が随分と変わると言われており、物によっては1メートルで何十万円もするような世界なのですが、ここにも売る側にとって都合の良い情報があり、エージングという言葉が用いられます。
エージングとは「時を経る」という意味であり、しばらく使い続けていくうちに馴染んでいくといった事なのですが、これを言い訳に大した事がないケーブルを高値で売る販売者がいるのだそうです。
これも実際にケーブルを販売している業者が暴露していた情報なのですが、音質のように耳の体感だけで判断するような事というのは、ちょっとした考え方で印象が変わってしまうだけに、都合よく用いられていると警報を鳴らしていました。
あまり詳しくない分野の事や、経験が乏しくて自分の基準だけで判断が難しいような事ほど、馴染むまでに時間が掛かるような事を言われてしまうと、「そういうものなのか・・・」と納得してしまうものですが、様々な業界でも同じような都合の良い言い訳がされているかも知れません。
包丁のような物だって重たくて握りにくいような物でも、使い続けていくうちに慣れて使いやすくなるものですが、これはあくまでも人間側の適当であり、包丁が使いやすいように馴染んでくれたからではありません。
よほど長く使っていれば、持ち手が削れて手にフィットするようになったり、何度も刃を砥いで削れて軽くなるかも知れませんが、もっと単純に軽くて握りやすい包丁を選んでおいた方が、ずっと使いやすいはずです。
もちろん洋服や靴のように馴染む事で着心地や履き心地が良くなる物もありますが、そもそもサイズが合っていないような物でも、馴染むといった言い訳で誤魔化されてしまうケースがあるかも知れません。
詳しくない分野の物を選ぶ時ほど、こういった耳障りの良い表現に誤魔化されてしまうので気をつける必要があります。
まとめ タブーを理解した上で選ぼう!
どんな業界にも本音と建前がありますし、利益を出す為には仕方がない面もありますが、消費者からすると喜ばしい事ではないので、節約家のみんさんほど気をつけてほしいと思います。
誰でも自分の仕事に関する事や興味のある分野の事であれば、酸いも甘いも分かった上で判断できるものですが、そうではない分野の事となると、どうしても他人の意見を鵜吞みにしやすくなってしまうものです。
信頼に値する人物の意見であれば良いのですが、中にはお客さんの事よりも自分の利益を優先する人もいるので、高額な買い物をする時ほど、事前にその業界のタブーを調べてみる価値があるのではないでしょうか。
それが分かった上で納得できるラインを選ぶようになると、購入後に後悔する事も少なくなるはずです。
購入者のレビューを読んだり、専門家の意見を参考にする人は珍しくないと思いますが、あえて「タブー」や「裏話」や「闇」といった検索ワードで調べてみる事で、今まで知り得なかった情報にたどり着きやすくなるものですよ。
そのような事を分かった上で選ぶのであれば、選択基準も変わってくるはずです。短期間で使い切るような物であれば、あえて安い物や中古品を選んだ方が良いかもしれませんし、長く使う予定の物なら価格よりも品質重視といった選び方ができるものです。
その重視するべき品質というのも、あまり詳しくない分野の事となると判断が難しいので、あえてタブーやリスクといったマイナス意見を調べてみる事で、注意するべきポイントが見えてくるものです。
「家は3回建てないと満足しない」という言葉があるように、人生の中でそうそう経験できない高額な買い物をする時ほど、自分の基準だけでは上手く判断できないものなので、あえて失敗談やタブーといった意見を調べてみることで、新たな基準が構築されやすくなります。
私も含めて節約家というのは、ついつい価格ばかりに囚われてしまうものですが、詳しくない分野の物や高額な物ほど価格だけで判断しないで、しっかりと求めている役割や機能を確認し、リスクを理解した上で判断しましょう。
お金に余裕がある人や稼ぐ能力が高い人であれば、こんな事に時間をかけるよりさっさと購入して失敗しても買い替えれば良いのかも知れませんが、私も含めて多くの一般人はそうではないと思うので、あえてその業界のタブーを調べてみる価値があると思いますよ。
スマホで簡単に調べられる時代だからこそ、賢い消費者にもなりやすいので、私が今回紹介した様々な業界のタブーを調べた時のように、自分で調べて節約につなげてほしいと思います。