時間の節約とは
忙しい日々の生活に追われていると、どうしても時間は足りなくなるものです。
節約をするにしてもやはり時間に余裕がないと難しいものですし、冷静に判断する事も難しくなります。
そこで今回は時間を節約する方法を紹介します。
簡単な時間の節約方法というと、例えば「テレビ番組を録画してCMを飛ばしながら見る」といった方法がありますが、今回紹介するのは、どちらかと言えば考え方、思考法による時間の節約です。
お金持ちの時間術
まずはお金持ちの時間の節約術から紹介します。
際限なくお金が使えるのであれば、かなりの時間を節約することが出来ます。
移動時間が一番わかりやすいと思います。近場の移動だと金額によってこのような違いが出ます。
徒歩⇒自転車⇒バイク⇒自家用車⇒タクシー⇒ハイヤー
お金のかかるタクシーやハイヤーだと自分で運転をする必要もないので、時間の節約プラス、車内という限られた空間ではありますが、自由な時間を手に入れることが可能です。タクシーは捕まえるまでの手間や呼ぶ時間が必要ですが、ハイヤーと契約して常に待機させていると、このような時間のロスすら無くす事が可能です。
これがお金で時間を節約する上で分かりやすい例です。
これが目的地が遠い場合だと、
徒歩⇒自転車⇒電車⇒新幹線⇒飛行機
と言ったところでしょうか、お金をかけるほど移動のスピードが速くなります。飛行機だってファーストクラスのような高価なチケットほど手続きや待ち時間が簡素化され、降りる時もまっさきに優遇されます。
さらにお金持ちならプライベートジェットのような選択肢だってあるかも知れません。自分の都合に合わせて時間を選べるので、時間のロスがほぼほぼなくなります。
それぞれの項目でも大抵はお金をかける事で選択肢は増えます。例えば電気自転車にすることで体力を温存しながらスピードを上げることが可能ですし、徒歩移動でも高機能な靴や動きやすい洋服などが当てはまります。
また移動時間の節約とは違いますが、時間を有効活用するという意味では、確実に座ることが出来る指定席やグリーン車、ビジネスクラスなどもお金で買うことも可能です。
これらは全てお金次第で時間を節約する事ができる方法です。あくまでも経済力や考え方にもよるものなので、どれが正解とは言い切れません。
他にも家事代行サービスや職場に近い一等地に住むことも、時間の節約と考えることが出来ます。
時間の節約のボーダーライン
一方でお金と時間の両方を節約するという意味では、グリーン車やビジネスクラスといったものは選ばない人が多いと思います。
多くの人がある程度のスピードは求めつつも、なるべく価格は安く済ませるのが理想なのではないでしょうか。
ここがまさに時間の節約のボーダーラインだと思います。これ以上にお金を節約するとスピードが極端に落ちてしまいます。結果的に時間が無駄になるわけです。
このボーダーラインを超えた上で、なるべく安く済ませようと早期割引や往復チケット、クレジットカードでの購入(ポイントバック)などの節約をする人が多いのではないでしょうか。これも立派な時間の節約方法だと思います。
さらに細かく言えば深夜バスなどを選ぶという選択肢もあります。
深夜バスだと睡眠時間を移動時間に当てることができるので、宿泊費の節約だけではなく大幅な時間の節約にもなります。
しかし深夜バスはどこでも眠れて体力のある若者でもなければ、目的地についたところでベストな体調をキープするのは難しいものです。特に大柄な人ほど条件は厳しくなるので、誰にでもおすすめできものではありません。
これらのように移動に関して言えば、時間の節約はお金次第なところがあります。
移動という行為を他者に依存しているので、その人件費次第で時間や空間の快適性が変わります。こればっかりは経済力とのバランスで決まるので、それぞれ納得できる範囲で決めてください。
ここからは他者依存ではなく、自分で時間を節約する方法を紹介します。
自分の時間の節約
自分で行動をする時間であれば、節約するのに必ずしもお金が必要だとは限りません。
例えば趣味を実用的なものに変えてしまえば、その趣味の時間は娯楽になるわけです。楽しむための時間なので、そもそも節約をする必要がなくなってしまいます。
家事を仕方がなく行っているのではなく、趣味として楽しく料理や掃除をしている人であれば、ストレス解消になる有意義な時間になります。だしの素などで手軽に済ませる方法よりも、時間をかけて一から丁寧に出汁をとった方が満足度が高くなるかも知れません。
この考え方のシフトも、ある意味では時間の節約といえるのではないでしょうか。
たとえば車の洗車をガソリンスタンドにお願いすればお金が必要ですが、車が好きで洗車が趣味の人にとっては、洗車タイムは至福の時間なわけです。
イヤイヤ行っている日ごろの行動時間を、楽しみながら行える時間に変換できれば、それもある意味では時間の節約(無駄な時間の削減)ということです。
要するに時間の節約は考え方次第ということです。
ゴム手袋や鼻栓までして、いやいやトイレ掃除を行っている人と、
「トイレの神様に気に入られてお金持ちになるわ~」
と思っている人では、同じトイレ掃除をする時間でも満足度は全くの別物になります。
実際にトイレに神様がいるのかどうかは知りませんが、そう思えた人のほうが幸せなわけです。
当然イヤイヤトイレ掃除をするよりも、トイレは綺麗に磨かれることになります。
節約=お金?
時間の節約ということだけで考えれば、お金で買えることがほとんどです。トイレ掃除だって掃除業者に頼んだ方が専用の道具でピカピカにしてくれます。
他にも最新のトイレにリフォームする方法もありますし、高価な洗剤なら擦らずにOKというものもあります。
元も子もない言い方になりますが、最も効率よく時間を節約したいのであれば、効率よくお金を稼ぐことです。
一時間で1万円稼ぐことが出来る人は、掃除に自分で一時間かけるよりも、自分の得意分野で楽しく稼いで、その間に掃除のプロに5千円支払う方が結果的に節約になります。
一方で一時間に1000円稼ぐ人であれば、掃除のプロにお願いするよりも自分で3時間かけて掃除をするほうがお金の節約になります。
時間の節約とは、結局はお金次第(稼ぐ能力次第)ということです。
これがまさに時間の節約のボーダーラインです。残酷なようですが収入で決まってしまいます。
壁を超える唯一の方法
唯一お金を使わずに時間を節約する方法というのが、イヤイヤ行うのではなく楽しみ(レジャー)に変えてしまう事です。
これが「トイレの神様の凄さ」でもあります。ちょっとした考え方のシフトで苦手だったものが楽しみに変わるような事は珍しくありません。
近場の移動をイヤイヤ歩くのではなく、健康にいいウォーキングとしてとらえれば趣味に変わるわけです。
趣味にするには「トイレの神様」のように、自分にとって都合のいい情報を集めるのがコツです。
ウォーキングの場合だと、
- バス代の節約
- 健康にいい
- ダイエットになる
- 姿勢がよくなる
- 血圧が安定する
- 季節を感じる
- ゴミを拾ってエコ
など、何とでも自分にとって好都合な理由を当てはめることが出来ます。これらの情報は正解かどうかはあまり関係ありません。あくまでも自分で気持ちよく感じる情報を都合よく取り入れるということです。
これを「負け惜しみ」と考える人もいるのでしょうが、そのような思考の人はどんなに稼いでも上の人と比べて満足できないタイプなので無視してしまいましょう。
今いる自分の立ち位置、ボーダーライン上でいかに満足する(させる)かが、お金を欠けずに時間を節約(時間を楽しむ)する方法になります。
この辺は立ち位置について詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめです。
参考金持ち脳と貧乏脳
満足度の正体
これから少し変わった話を紹介します。
多くの人が収入面でうらやむお医者さんでも、実はコンプレックスが強い人が多いのだそうです。
特に国立の医大というのは全国からとんでもない秀才達が集まっているので、勉強を頑張って頑張って、努力を重ねてやっとの想いで医大に合格した人と、学生生活を楽しみながらもあっさりとその壁を乗り越えてきた天才に分かれるのだそうです。
勉強しかしてこなかった努力型のお医者さんは、心の中に物凄いコンプレックスを抱えることが多いのだそうです。それを見透かされないように高級外車や高級時計など、何かと見栄を張る傾向があるのだそうです。
一般の市民から比べれば羨ましい収入のお医者さんでも、比べる対象がお医者さん同士だと上ばかりが目につきます。大天才と比較してしまいます。
完璧な満足というのは、どこにもありません。だからこそ自分でボーダーラインを決めることが大切です。世間の常識や他人の物差しで自分を計ってしまうと、一部の天才しか幸せになれません。
もちろんお金を稼ぐことが悪いことではありませんし、節約や貧乏が清貧だと言いたいわけではありませんが、「足りるを知る」「現状に満足をする」「感謝をする」ということが、実は一番の節約になるのではないでしょうか。
上を見上げてもキリがないように下を見ても同じことです。現代人の多くは昔の殿様よりも良い暮らしをしているように、比べる対象次第で上にも下にもなります。
現在の自分の状況を簡単に変える事は難しいかも知れませんが、考え方を変えるだけならそれほど難しい事ではありません。
時間の節約の話から少し遠ざかってしまいましたが、結局は同じようなことなのだと思います。
まとめ 時間の質
時間やお金の節約の為にイヤイヤ行うのではなく、レジャーにしてしまえば全て解決します。
移動に時間がかかったとしても、楽しむことが出来たのであれば全く問題はありません。
グリーン車に乗れるように仕事を頑張ることが悪いことではありませんが、グリーン車に乗れない現状を責めるのではなく、積極的に普通席を楽しめる考え方をしてみてください。
普通席の座席の材質や造りや乗客の顔ぶれなどを意識しておけば、いつかグリーン車に乗った時により違いを感じ取ることができるものです。
伊勢神宮のような立派な神社をありがたがる人がいますが、日頃から地元の小さな神社に手を合わせている人の方が、実際に伊勢神宮に訪れた時に凄さを体験できるのではないでしょうか。
神社の歴史や規模や風格でしか判断できないと、近所の神社に手を合わせても感動できないかも知れませんが、人によっては凄く満足できるのもイメージできるのではないでしょうか。
お金で時間を節約することは出来ますが、その節約した時間で何をするかは結局はあなた次第です。
一番の時間の節約というのは単純な効率やスピードではなく「過ごした時間の質」です。そしてこの質の多くは考え方によって左右します。
吉野家の牛丼を食べて満足できる人もいれば、星付きのレストランの食事でないと満足できない美食家もいます。給料日だけ回転寿司や焼き肉屋に行けるという人と、毎日のようにそこに行ける人では、全く同じ料理を食べても美味しさや満足度が違うのはイメージできるのではないでしょうか。
長年刑務所の質素なご飯を食べていた人が、長いお勤めを終えて外に出ると、コンビニ弁当ですら最高に美味しいと感じると言います。
同じようなケースでアメリカだと、マクドナルドを食べる人が圧倒的に多いのだそうです。
美食家のような人だとマクドナルドのハンバーガーをバカにしそうなものですが、その人が三ツ星レストランで食事をした時に感じる満足感よりも、出所して間もない人が10年ぶりに食べるハンバーガーの方が、脳内に多くの快楽物質が分泌されているかも知れません。
全く同じ味のマクドナルドのハンバーガーだとしても、食べる側の人の心の持ちようによって美味しさは大きく変わるのは当然の事です。
心からイヤな事や仕事を我慢しろという意味ではありませんが、避けられないような事であれば、ちょっとした考え方を変えるだけで、随分とストレスが減るかも知れませんし、ストレス解消の楽しい時間に変化するかも知れません。
イヤイヤトイレ掃除をしている主婦と「トイレの神様ありがとうございます」と感謝しながらトイレ掃除をする主婦では、全く同じ行動をした時間でも質が全然違うという事です。
時間は誰にでも平等ですが、過ごした時間の質は平等ではありません。大きく個人差があります。
時間の質を上げるのは技術(考え方)です。この技術が低い人ほど悪い面ばかりを見つけて文句を言っています。
一方でその辺の技術がとても上手に意識して活用している人もいます。あくまでも技術で変えられるということだけでも覚えておいてください。
自分の基準ではなく、他人の基準ばかり参考にしていると、この技術が向上しません。せっかく80点の出来事に出会えても、わざわざ20点の不満を探し出しては文句を言ってしまいます。
私自身は麻雀のルールも知らないのですが、世の中には徹夜で麻雀をする人がたくさんいるわけです。
ずっと座りっぱなしでタバコの煙が立ち込めている雀荘の中で、ろくに食事も取らずに徹夜で麻雀が出来てしまいます。
私からすると苦行以外の何物でもないのですが、麻雀好きにとっては最高の時間であり、楽しくてあっという間に過ぎているのだと思います。
これが時間の質の差です。
だからといって興味のない麻雀の楽しみを覚えなければならないわけでもないのですが、楽しい事というのは本能である食欲や睡眠欲にすら打ち勝ってしまうぐらいの、凄い力があるということです。
もし私の職場が雀荘に変わったら、タバコの煙が苦手な私にとっては地獄かも知れませんが、積極的に麻雀のルールを覚えて楽しめるようになると、天国になるのかも知れないわけです。
「トイレの神様」に心から感謝できる人は、トイレを磨きながら最高の時間を過ごしています。実際にトイレに神様がいるのかどうかは関係ありません。本人が信じて感謝できるのであれば、トイレの仏さまでも天使でも女神さまでもいいわけです。
正しい知識よりも楽しむ知識、技術を学んでください。合理的な判断や正しいことに捕らわれ過ぎると、わざわざ20点の不満を見つけるようになってしまいます。
あなたにとっての「トイレの神様」を積極的に探してみてください。お風呂の神様でもガレージの神様でも洗車の神様でも雀荘の神様でも構いません。
家の前のゴミを拾った時に、
「誰が捨てたんだ、この野郎!」
と怒りを覚えても苦しいのは自分だけです。一方で天国に行く為の善行を積み重ねたと感じる人は幸せな気持ちになっています。
どの宗教が良いとかの話ではありません。自分にとって都合の良い解釈(気持ちのいい解釈)を用意している人が強いということです。
ゴミを拾うこと⇒地球環境に良い⇒住みよい世界⇒子供たちの輝かしい未来
など、いくらでも都合の良い解釈が出来るものです。自分にとっての都合の良い「トイレの神様」を味方にする事ができると、今までストレスの溜まっていた時間が有意義な時間に変わり、結果的に時間の節約をする必要性すらなくなってしまうかも知れませんよ。