最近の若者は・・・
「最近の若い奴は・・・」といった意見を口にする年配の人がいるものですが、私自身はそうならないように気をつけていたつもりでした。
エジプトの古代遺跡の象形文字にもそのような言葉が刻まれており、いつの時代も若者の新しい基準はなかなか理解されずらいものです。
とはいえ、最近の若者の音楽については、私自身も似たような印象をもっていました。
「歌の下手なアイドル歌手ばかりで何がいいんだか・・・」
と、正直そう思っていたのですが、少し前にちょっとイヤな事が続いて寝つきが悪くなってしまい、深夜にテレビをつけてみると衝撃を受けました。
最近の音楽も凄い!
深夜に放送している音楽番組を見たのは20年ぶりぐらいだったのですが、全く知らない若者ミュージシャンが、とても個性的で素晴らしい音楽を奏でていました。
もちろん全ての音楽が良かったわけではないのですが、明らかに20年前よりは進化しており、音楽ジャンルも個性も様々で感心してしまいました。
せっかくなのでテレビに純セレブスピーカーをつないで聴いてみると、さらに良くなって驚きました。
かなり細かな編集というかミックスをしている音楽も多く、私が良く音楽を聴いていた頃のミュージシャンと比べて、圧倒的にレベルが上がっていると感じました。
この辺は音楽機材の進化やコストが安くなったことも関係しているのかも知れませんが、少ない予算の中からでも工夫してミュージックビデオを創作している姿にも好感をもちました。
20年ぐらい前はミリオンセラーを連発するぐらいCDが売れていた時代なので、新人アーティストでもお金をかけたミュージックビデオ(当時はプロモーションビデオ)が珍しくなかったのですが、最近の若者のミュージシャンはアイディアで頑張っているのだと感心しました。
考えてみれば、20年ぐらい前でもアイドル歌手がたくさんいましたし、それらの音楽を好んで聴いていたわけではありませんでした。
それこそ深夜の音楽番組を良く見ていましたし、ラジオで紹介されたマイナーな音楽を必死になって探していたものです。
現在はインターネットの普及でこのような音楽の見つけ方も変化していますが、要するに自分がそのような音楽を探していなかっただけなのだと気がつかされました。
「最近の若者の音楽はよく分からなん」
のではなく、単純に自分の好みの音楽を探さなくなっていただけでした。当時だってアイドル歌手の音楽に夢中になっていたわけでもなく、自分で探して楽しんでいました。
この自分で探す事をしなくなったからこそ、話題になるアイドル歌手の音楽ぐらいしか聞こえてこなくなり、「よく分からん」「つまらん」という評価になっていたわけです。
これは明らかに私自身の問題であり、最近の若者の音楽の質が落ちたわけでも、つまらなくなったわけでもありません。
悪いのは自分だったのだと、改めて勉強になる良い機会となりました。これは音楽に限らずあらゆる事に当てはまるのだと思います。
昔はよかった・・・も要注意
年配の人と話すと、「昔はよかった・・・」といった展開になる事があるのですが、実際に昔の方が良かった事などそう多くありません。
あらゆるものが進化していますし、確実に生活は豊かになっています。親戚のおじさんが、
「昔は親子で争うような犯罪はなかった」
といっていた事があったのですが、戦前にもとんでもない犯罪がたくさんあり、現在の方がずっと少なくなっているものです。
単純にそれらの情報を知る機会が少なかっただけであり、話題にならなかっただけです。
もちろん様々なものが進化したからこそ、新たに生まれた苦悩や犯罪もありますが、それ以上にメリットの方が上回っているものです。
例えば車のギアチェンジがマニュアルだった頃は、運動神経が鈍いような人は免許を取得するのが難しかったですが、オートマになったおかげで多くの人が運転できるようになりました。
そのせいで運動神経が鈍い人までが運転するようになったので、事故の件数は増える事になったわけですが、だからといって昔のようにマニュアルに戻した方が良いわけではありません。
他にもハンドル操作が軽くなるパワーステアリング機能や、ブレーキを踏む力を増大する倍力装置(ブースター)のおかげで、力のない人でも運転できるようになりました。
私はパワステもブースターもない車を運転した事があるのですが、片手でハンドルを回すような事は全くできませんでしたし、ブレーキも凄く重たくて驚きました。しっかりとシートに腰をつけて足全体で踏み込まなければなりません。
これらの作業が楽になった事で、現在はシートを倒して寝そべるように運転する人が増えてしまっているのですが、もし現在の車を昔のように戻してしまうと、事故が多発する事は目に見えています。
これらのように進化したおかげで新たな問題が発生する事もありますが、相対的にはデメリットよりもメリットの方が確実に上回っています。
昔の車のようにしっかりとした運転姿勢を取る必要があると、シートベルトをしなくても正しい姿勢を取っているので操作ミスも少なかったのですが、現在のように誰もが適当に姿勢で運転できてしまうからこそ、シートベルトをする意味があります。
事故で車外に放り出されない為の安全装置ではありますが、現在のシートベルトには正しい運転姿勢を促すための役割も含まれています。
おそらく音楽の進化といったものも同じです。現在はインターネットのおかげで世界中の音楽を気軽に聴く事が出来ますが、昔はラジオで流れてきた音楽をレコードショップで探すだけで一苦労しました。
楽器や録音機材といったものも簡単に手に入りますし、そのコストも昔よりずっと安くなっています。
すそ野が広がっただけに選択肢が増えたので、アイドル歌手のような大手メディアを中心に活動するミュージシャンの音楽ばかりが巷にあふれるわけですが、すそ野に目を向ければ昔よりも確実に豊富な選択肢が広がっています。
すそ野に目を向けやすくなっている現在にも関わらず、そこから目を背けている人ほど「昔はよかった・・・」と安易に判断してしまうのではないでしょうか。
自分が怠けていた事を棚に上げての発言であり、「最近の若者は・・・」とか「昔はよかった・・・」といった発言は、自分の無能さをさらけ出しているのだと思います。
私自身もそのような状態になっていたので反省しました。
まとめ 最近の若者は凄い!
いつの時代も新しい事を始めるのは若者です。
経験を積み重ねてきた年配の人ほど、現在のポジションを守ろうと保守的になって新しい事を否定したがるものです。
これはこれで仕方がない事なのかも知れませんが、インターネットのおかげで昔は一部の特権階級の人しか得られなかった情報でも、誰もが手に入れられるようになりました。
情報格差は確実に狭まっていますし、選択肢も無限に広がっています。自分次第でいくらでも学ぶ事ができますし、昔よりもお金を掛けずに出来る事も増えています。
昔の方がよかったと感じるのは、自ら学ぶことを放棄してしまっただけであり、若者が悪いわけではありません。最近の若者はあらゆる分野で世界中で活躍しています。
もちろん先人が切り開いた道のおかげで活躍できているとも言えるのですが、おそらくそのような道を切り開いた先人ほど、その道をさらに推し進めてくれる若者に対して、好感をもっているのではないでしょうか。
現在の安定したポジションを守る必要のない若者だからこそ、挑戦できる道があります。それを押し付けるのは老害でしかありません。
このような事を頭では分かっているつもりでしたが、たまたま深夜の音楽番組を眺めた事で、改めて感じる良い機会となりました。
音楽に限らず、あらゆる分野でも同じだと思うので、改めて挑戦していく若者を応援したい気持ちになりました。もちろん私自身も挑戦し続ける者でありたいものです。
節約いった事でも、どんどん新たな選択肢が生まれますし、昔ながら方法がいつまでも通用するとは限りません。時代に変化に合わせて敏感に選択肢を変えられる余裕を、改めて持ち続けたいと感じました。
正しい節約など定義できるものではありませんが、現在の自分には相応しい節約でも数年経つとベストではなくなる可能性があるので、しっかりと様々な情報をアップデートしながら、自らの進化を促していきたいものです。
そういう意味でも最近の若者はとても参考になります。歴史や経験から学ぶ事も大切ですが、未来に目を向けてより良い世界を広げていきましょう!