ダウンサイジングとは?
ダウンサイジングとは、サイズ(規模)を小さくすることでコストや効率をあげる手法のことです。
車の大きさやエンジンを小さくして燃費を向上させる場合などに用いられる言葉です。
このダウンサイジングは企業の製品にだけ用いられる用語ではなく、あらゆる分野の物にも当てはめることができます。
リストラをして人員削減をすることもダウンサイジングですし、事業撤退で規模を縮小することもダウンサイジングです。
このダウンサイジングを個人の生活に当てはめて考えると、あらゆるものを節約することが出来ます。
節約をすると結果的にダウンサイジングになる事が多いのですが、これは逆も真なりでダウンサイジングをした結果、節約になる事も多いです。節約というお金が貯まる事ばかりが注目されやすいのですが、これだけだと極端なまとめ買いで安く購入して、結局は使いきれずに無駄にしてしまうような事も増えてしまいます。
節約によるメリットというのは単純に安く済ませる事だけではなく、余計な物が少なくなった事で管理する手間が減るようなメリットもあり、これはまさにダウンサイジングに当てはまります。
このような視点を広げていく事で節約の質といったものが向上していくので、今回は様々なダウンサイジングの例を紹介します。
身体をダウンサイジング
多くの人が悩んでいるダイエットだって、ダウンサイジングと考える事で得られるメリットが分かりやすくなります。
必要以上に増えてしまった体重を落とすことができれば、普段の生活で使われるエネルギーを節約することができます。
食費が浮くような単純な事だけでなく、重い荷物が減ると身体を動かしやすくなるので、仕事のパフォーマンスといったもの(生産性)も上がります。
将来の医療費のリスクも下げる事ができますし、食料品を買いだしに行く手間や保管するスペースも節約できるので、無駄な時間やお金を節約する事になります。
さらに細かな事を言えば洋服代や洗濯物の削減や石鹸の使用量など、様々な経費も安くなります。他にも色々と考えられると思います。
一般的にダイエットというと見た目の事ばかりが注目されますが、ダウンサイジングのように様々なメリットを意識できるようになると、強いモチベーションになるものです。
バスや電車の座席も広く感じられるようになりますし、椅子やベットや靴底の消耗にも影響があるように、ダイエットによって得られるメリットは計り知れません。
自宅をダウンサイジング
自宅をダウンサイジングするというのは、単純に狭い部屋に引っ越して家賃を節約するだけのメリットではありません。
もちろん家賃を安くすることも出来ますが、他にも部屋の掃除の手間が減ったり冷暖房費を節約することにも繋がります。
また家賃がそのままでも立地をよくすることで、通勤時間の節約につなげることも出来ます。
節約の為に仕方がなく狭い部屋に引っ越すと考えるとストレスや悲壮感が漂ってしまいますが、日々の生活の質の向上、効率アップのために部屋をダウンサイジングをすると考えられると、様々なメリットに気が付くことができます。
家電をダウンサイジング
家電製品を買い替えるタイミングでも、ダウンサイジングを意識すると選択肢が広がります。
一般的には家電製品を小型化すれば消費電力を節約することになるのですが、冷蔵庫だと収納スペースが減ることで見通しやすくなったり、取り出しやすくなって管理がしやすくなります。
大きな冷蔵庫ほど奥の物が取り出しにくく、扉をあけっぱなしにする時間が長くなって電気代も掛かってしまいます。
また大きな冷蔵庫ほどスカスカの状態をキープするのが難しいものです。どうしても人はスペースがあると物を詰めたくなってしまうので、この余裕が余計な買い物につなっがっている事があります。
本棚をスカスカの状態でキープできる人は多くありません。二度と読む事がないであろうつまらない本でもスペースに余裕があると、ついついとって置くような事です。
ろくに使いもしない高機能がある家電製品を選んでしまったばっかりに、余計な電気代が掛かったたり、故障のリスクを増やす事になってしまいます。
もちろんスペースの問題もあります。たましかパソコンを使わない人にとっては、使い勝手の良いデスクトップパソコンより、省スペースのノートパソコンの方が適しているかも知れません。
単純に節約だけで考えると同じぐらいの機能ならデスクトップパソコンの方が安いものですが、必要十分な機能を見極めた上で判断するのであれば、多少機能を落としてでもノートパソコンを選んだ方が良いケースがあります。
狭い部屋に大きなテレビがあっても目が疲れるだけですし、一人暮らしの人が大容量の高機能洗濯機を所有していても、少量で洗うにはむしろ向いていないかも知れません。たくさん貯め込んでから洗濯をすると干すスペースが無くて困るかも知れませんし、それぞれ適正なサイズというものがあるはずです。
単純に価格の安い家電を選んで節約しろという事ではなく、適正な家電を選ぶという視点を広げる事で無駄を省く事ができます。
オーブンは大きなものほど温まるのに時間が掛かるように、意外と高機能な家電のせいで手間や費用が増えてしまっている事は珍しくありません。
子供が離れた家庭や身体の衰えで食欲が落ちてきた人は、今の自分に最適な家電にダウンサイジングする事で様々な管理が軽減されます。
この視点が欠けていると、今までと同じような機能の家電をセールで購入する節約ぐらいしか出来ません。
洋服のダウンサイジング
洋服のダウンサイジングとはピチピチの洋服を着ることではなく、しっかりとサイズを合わせることです。
特にファッションに無頓着な男性ほど、大き過ぎるサイズの洋服を適当に選んでしまっています。
小柄な男性のも多いのですが、大き過ぎるサイズの洋服というのは、生地がダボついてシワが増えるので、むしろ小柄さを強調してしまいます。
極端なことを言えばお下がりを着ている子供のような着こなしになってしまいます。子供のお下がりは微笑ましいものですが、大人のお下がり姿は目も当てられません。
小柄な男性こそ適正なサイズを選ぶ事で、洋服がグッと似合う可能性が高くなります。
ブカブカな洋服はシワになりやすいですし、無駄な生地が多いので重たくなります。これは疲れ具合にも影響がありますし、洗濯物の容量を増やしてしまい、無駄に水道代や洗剤を使う事になってしまいます。
きちんと身体のサイズを合わせた洋服というのは、均等に重さが乗るので疲れを感じにくいものです。
冬場のコートのように厚い記事の洋服は、サイズが一つ違うだけで随分と重さが変わりますし、動きやすさも変わってきます。
サイズが大き過ぎる靴も同様です。スリッパのように引きずるように歩いている人が多いのですが、偏った歩き方で靴の寿命を縮めるだけでなく、歩き姿もカッコ悪くなってしまいます。
スリッパでは颯爽と歩く事ができないように、身体の使い方にも偏りが出来るので運動不足や体型の崩れにもつながる可能性があります。
これといった運動をしていなくてもスマートな体型を維持している人というのは、日頃から歩き方が綺麗なものです。そのような人こそ適当にサンダルを履いている事はありません。
既に適正なサイズの洋服や靴を選んでいる人はダウンサイジングなど出来ませんが、適当に大きめのサイズを選んでいる人が多いだけに、その余地があると感じています。
まとめ メリットの先取り
ダウンサイジングと言っても基本的には一般的な節約と大きな違いがあるわけではないのですが、少し角度を変えることでメリットを意識しやすくなります。
このメリットに気づくことで、後ろめたさを感じずに、楽しみながら節約することができるようになるものです。
お金がないから、貧乏だからと後ろめたさのある節約は心が傷つきますが、ダウンサイジングによるメリットを意識した節約であれば、積極的に行うことができます。
節約というと金額の差ばかりに注目してしまいますが、ダウンサイジングのように金額よりも効率のようなメリット意識する事で、より最適な選択肢が見つかりやすくなるものです。
部屋の掃除が大変だからと高機能で使い勝手の良い掃除機を購入するのも悪くありませんが、そもそも部屋が散らからないような工夫をしたり、ホコリが出やすい布製品(カーペットやカーテン)の素材を替えたり、使いもしないマット類を手放すような事も考えられます。
安易にオシャレそうだからと取り入れてしまった物のせいで掃除が大変になってしまったり、イヤな匂いの原因となっているケースは珍しくありません。
その手間を掛けてでもオシャレによるメリットがあるのであれば良いのですが、無くても構わない物の手間を削減する為に便利そうなグッズを購入してしまうと、今度はその物の管理の手間が増えてしまいます。
様々な掃除グッズの為に倉庫のスペースがつぶれてしまい、大きな部屋に引っ越す事になると、ますます余計な費用が増えてしまいます。
このサイクルに陥っているまま節約をしようとすると、安く購入する事ばかりにとらわれてしまうので、一向に手間は減っていきません。
上手な節約というのは必要十分な物を見極める事であり、ろくに使いもしない物を安く購入する事ではありません。
4人家族なのに8人乗りの大きな車を所有していると、運転がしにくくなったり、洗車の手間が増えたり、燃費が悪くなったり、維持費も増えてしまいます。
8人乗りの大きな車がセールで安くなって4人乗りの車と同じぐらいの価格で買えたとしても、デメリットばかりになってしまいます。
もちろんたまには親戚が集まって8人乗りが役立つ事がないとは言いませんが、年に一度ぐらいならレンタカーを借りた方がずっと安く済むかも知れませんし、普段の運転のしやすさも犠牲になりません。
8人乗りの大きな車を運転する事に優越感がある人であれば、それはそれで自由ですが、お得なつもりで安易に大きな物を選んでしまうと、大抵はデメリットばかりになってしまうので気をつけてほしいと思います。
ダウンサイジングの視点をあらゆる物に照らし合わせて考えてみると、より本質的な節約につながるので、ぜひ意識してみてください。
この辺はミニマリストのリスクと似ているかも知れません。
上手な節約家とミニマリストは結果的に凄く似ているのですが、どちらも極端に偏ってしまうと本質から逸れて生活しにくくなってしまいます。
価格の安さばかりにとらわれている節約家だったり、物を減らす事ばかりにとらわれているミニマリストというのは、その事によって余計な手間やリスクが増えてしまっているものです。
どの辺の線引きが良いのかは人それぞれですが、あくまでも自分の状況に合わせて適切に選ぶ事が大切なので、誰かの基準をそっくりそのまま真似る事が良いのではありません。
ダウンサイジングだって小さくすればするほど良いわけではないので、そこは勘違いしないでください。手が大きな人なら小型すぎるスマホが扱いにくいように、あくまでも相性を見極めるのがポイントですよ。