車のボディカラーによる違い
最近の車のボディカラーは多種多様になってきました。中にはショッキングピンクや鮮やかなオレンジのボディカラーの車もあります。
一方で昔ながらのボディカラーも人気です。
基本的に車のボディカラーは好きな色を選べばいいのですが、節約という観点から車のボディカラーを考察するとお得なカラーとそうではないカラーが見えてくるものです。
そこで今回は車のボディカラーを節約という観点から考察します。それほど車に興味がない人や維持費を節約したい人や車の購入前でカラーに悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。
1 塗装の寿命
車のボディカラーの中で最も寿命が長いと言われているのは「ホワイト、白」です。
逆に寿命が短いと言われているボディーカラーは「ブラック、黒」です。
どうしても黒は太陽の光を集めてしまうので紫外線の影響を受けて劣化しやすい傾向があります。ブラックに限らず濃い色は全般的にそのような傾向があります。
また赤は褪色(色褪せ)しやすい傾向があります。特に青空駐車の場合は避けた方が無難なボディーカラーです。
車の塗装面の寿命に限っていえば、太陽の熱を集めやすい黒や色褪せしやすい赤は向いていません。
また太陽の熱を集めやすいということは、車内の温度が上がりやすいという事でもあるので、夏場のエアコンの使用量が増えて燃費が悪くなるというデメリットもあります。
これは冬場に限っていれば暖かくなりやすいメリットともいえるので、温暖な地域に住んでいる人と寒冷地に住んでいる人で相性が変わります。
2 汚れ
車のボディカラーの違いで汚れがつきやすい、つきにくいという事はないのですが、汚れが目立ちやすいカラー、目立ちにくいカラーというものはあります。
最も汚れが目立ちにくいのがシルバーです。昔から売れ筋のボディカラーなので多くの人が実感しているのではないでしょうか。
ちなみに白は水垢が目立ちやすく、黒はホコリや泥汚れが目立ちやすい傾向があります。
汚れの目立ちにくさではシルバーがダントツです。おそらくほとんどの車のボディカラーにシルバーは設定されているのではないでしょうか。それぐらい圧倒的な人気なのがシルバーです。
頻繁に洗車をする人であれば汚れの目立ちやすいボディカラーは気にしなくて良いのですが、ついつい洗車をサボってしまう人にはシルバーがおすすめです。
3 事故率
なんと事故率の高いボディカラーというものがあります。
それは「ブルー、青」です。
青は後退色なので実際の距離よりも遠くに感じやすい傾向があります。車の輪郭がぼやけやすく、後続車両から車間距離を間違えられやすい傾向があります。
どんなに安全運転を心がけていてもブルーは周囲の車からの認識がズレやすいので、事故に巻き込まれる可能性が若干高くなります。
逆に事故率の低いボディカラーは「シルバー」です。
シルバーは夜間でも光が反射しやすいので、周囲の車や人に認知されやすいという特徴があります。逆に黒や濃い色は夜間では発見されにくい傾向があります。
白も夜間の反射は悪くないのですが、降雪地域だと雪に埋もれやすく、最も危険なボディカラーになってしまいます。
一方で赤や黄色は目立ちやすい色なので周囲から認知されやすいボディカラーなのですが、赤や黄色はスポーツカーなどに多いということもあり、車好きや目立ちたい人が好む傾向があります。
結果的に運転が荒っぽいドライバーが多くなるので、事故率が比較的高いボディカラーということになっています。
一部のスポーツカーでは黄色の事故率が圧倒的に高いということで、同じ車種にも関わらずボディカラーの違いによって車両保険料が高く設定されることもあります。
事故率の事でボディーカラーを考えると後退色の青や紺は避けた方が良いです。もちろん夜間走行や雪道走行が多い場合も目立ちにくいカラーは避けた方が事故率を下げられます。
4 下取り価格
車の下取り価格にもボディカラーは大きく影響します。
これは車種によって違うので何とも言えませんが、フェラーリの赤のように特定のボディカラーがイメージしやすい車の場合だと、その他の色は下取り価格が下がる傾向があります。
一般的な車であればシルバーや白や黒などの定番のボディカラーで査定がマイナスになることはありませんが、奇抜な色や人気のない色を選ぶと下取り価格がマイナスになることがあります。
稀に限定モデルの特別カラーで査定額が上がる事もあるのですが、少なくても購入時の価格も高くなるので、節約的にはあえて選ぶ理由はありません。
5 修理のしやすさ
車のボディカラーは修理時にも影響があります。人気のカラー、定番のカラーのパーツは在庫が豊富なのですが、人気のないカラーの場合は取り寄せに時間が必要になります。
また最近はインターネットの普及もあって中古パーツの流通が良くなってきたので、修理工場によっては中古のパーツを指定することで修理代を大幅に節約することが出来るようになってきました。
一から板金塗装をして塗料を塗り直すより、同じカラーの中古パーツと一式交換した方が職人の人件費が掛からないので安くなるケースがあります。この場合も人気のないボディカラーほど不利になります。
車に傷をつけやすいという人は、王道のカラーを選んだ方が修理代が節約になる可能性が高くなります。
6 塩害被害
海沿いの街に住んでいると、どうしても潮風の影響を受けるので車が錆びやすくなってしまいます。この錆びが目立ちにくいボディカラーはブラウンです。
私の車もブラウンなのですが、まさに錆び対策として選びました。
どうしても白は錆びが出ると目立ちやすいですし、錆びによる塗料の浮き上がりなども目立つ傾向があります。
一方でブラウンのような濃いカラーであれば目立ちません。また錆の進行を食い止めるサビ止め剤を使用すると黒っぽくなるので、その時の相性も悪くありません。
これだけならブラックの方が良いのですが、ブラックのデメリットもあるので、総合的な理由でブラウンを選びました。
ただブラウンを設定している車種が多くないので、誰もが選べるカラーではないのが難点です。
まとめ 無難な選択
節約の観点から車のボディカラーを考察すると、やはり無難な「シルバー」という事になります。多くの人が選ぶ色ということは、それなりの理由があるものです。
無難と言えばそれまでですが、それだけに選ばれる理由もわかっていただけたのではないでしょうか。
基本的に車のカラーは好きなものを選べば良いと思いますが、特にこだわりがないのであれば、メンテナンス(洗車)や安全性や下取り価格を考慮して選んだ方が節約になるかと思います。
もちろん汚れの目立ちやすさは洗車の頻度によりますし、紫外線による影響も車庫で保管できる人にとってはそれほど大きくありません。
錆び対策などもボディコーティングや下廻りの塗装などが大事なので、ボディーカラーだけで判断できるものではないのですが、それほど車のカラーにこだわりがない人であれば、それぞれの状況に合わせて相性が良いものを選んでみてください。
あと意外なところでは、車の見た目はホイールのデザインとの相性によっても差が出るものなので、奇抜なカラーほど難しくなる傾向があります。
自動車メーカーが予めて設定しているホイールであれば、極端に相性が悪いという事もないのですが、後からホイールを替えたい人は意外と見極めるのが難しいものです。
シルバーの車に似合っているホイールでも赤の車だと浮いて見えるような事もあるので、憧れの高価なホイールを装着したからといって、カッコ良くなるとも限りません。
しばしば車好きの人がおかしなバランスになっているものですが、せっかくお金をかけてバランスを崩しているのはもったいないので、個人的にはあまり奇抜なカラーは選ばない方が何かと良いと思います。
また珍しいボディカラーや目立つ車というのは、それだけ個人情報をさらす事にもなるので、人によってはデメリットが多くなってしまいます。
偉そうな事ばかりを言って申し訳ないのですが、実は私も若かりし頃に目立つ色のスポーツカーに乗っていた事があり、よく知り合いに「昨日○○にいたよね?」といった事を言われる事が度々ありました。
別に悪い事をしていたわけではないのですが、プライベートが筒抜けになっているようで、あまり良い気はしませんでした。
当時よく行っていた漫画喫茶があるのですが、ちょうどそこの近くに会社の上司が住んでいた事もあり、「お前の休みは漫画ばっかりだな!」と言われてしまい、なくなくお店を変えました。
そこの漫画喫茶には当時としては珍しいスムージーがあったので、凄く悲しかったことを覚えています(苦笑)。そういう言いでは覚えやすい車のナンバー(1111等)も当てはまるのかも知れません。
車にこだわりがある人は自由に選べば良いと思いますが、安易に目立つボディカラーを選んでしまうと、意外とデメリットがあるので気をつけてほしいと思います。
もちろん無難なシルバーにもデメリットがないわけではありません。売れ筋の車のシルバーだと駐車場で同じような車も多いので探すのに苦労してしまう事がありますし、他の人に間違えられて鍵穴をガチャガチャとされてしまう可能性もあります。
最近の車はリモコンキーが主流なので、以前ほどこのような事はなくなりましたが、ついつい自分の車をどこで止めてしまったか分からなくなってしまう人であれば、ちょっとぐらい目立つ色の方が良いのかも知れません。
それぞれの事情に合わせて相性が良いボディカラーを選んでみてください。ただそれほどこだわりがないのであれば、手入れや維持費が安くなるシルバーを選んでおけば間違いありませんよ。
おまけ カラーの意味
最後に、ちょっと変わった話を紹介します。
車のボディカラーは国の景気を表すとも言われています。勢いのある国の車ほどピカピカで様々なカラーがひしめき合っている傾向があります。
特に若い世代がお金を持つと、そのような傾向になります。バブル景気の日本や中国を思い浮かべるとわかりやすいのではないでしょうか。
逆に経済が落ち込むと車は薄汚れてシルバーが増えると言われています。保守的な人や年齢層の高い人が選ぶボディカラーの特徴でもあります。
節約という観点から見ればシルバーが最もコストパフォーマンスに優れていると考えられるのですが、ある意味では勢いがある人には見られないという可能性があるのかも知れません。
18歳の若者がシルバーのセダンに乗っていると、親の車を借りて運転しているように見えてしまうように、それぞれの年代によっても相性があるのかも知れません。
職業によっては保守的に見られることがマイナスになる事も考えられます。自分のキャラクターのブランディングとしても、車のボディカラーは選ぶ事も可能です。オシャレさが売りの美容師さんであれば、洒落た欧州車やカラーの方がお客さんの安心感につながるかも知れません。
逆に介護ヘルパーの車が派手なカラーだと喜ばれません。福祉車両は無難なシルバーや白が圧倒的に選ばれています。
今回は節約の観点から車のボディカラーを紹介してきましたが、ボディカラーは様々な意味合いを持たせることも出来るので、それぞれの状況に合わせて上手く見極めて選んでほしいと思います。
コメント
いつも違う介護ヘルパーが来た時に真っ赤な車でおばあちゃんが怖がっていました。車の色にも向き不向きがありますよね。
by 匿名
私も若い頃は色々な車に乗っていましたが、やはりシルバーが一番楽です。
あえて難点を上げるとすると、駐車場で間違えやすいという事でしょうか。
ただ最近はリモコンキーが普及してきたので、鍵穴に挿すまで気がつかないというケースは、ほとんどなくなったのではないでしょうか。
by 栃内